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最終更新:ヤマレコ/YamaReco
草花と眺望が魅力の南アルプス北端
入笠山は長野県富士見町と伊那市にまたがる山で、日本三百名山に選定されています。南アルプスの最北に位置しており、標高は1955mです。
八ヶ岳の眺望が抜群に良く、色とりどりの高山植物に出会えることが特徴です。また、ゴンドラリフトを利用すれば比較的容易に登頂できるため、登山デビューや親子登山で人気を博しています。
山名の由来は複数あります。
刈り取った稲の束を、円錐形などに積み上げた「にょう(または、にお)」に似ているからとする説、または編み笠に見えるからとする言われがあります。雨が多いことから「笠を持って入る山」を意味するとも言われています。
八ヶ岳を眺め渡す地
入笠山の山頂部は、草木がなく平坦としており、立派な方位盤が立っています。
地面は大きな岩がいくつか露出しており、やや緑がかった色をしています。これは「緑色岩」という火山岩の一種で、はるか太古に海底火山であったことの面影です。
遮る物のない大展望で、南北に長い八ヶ岳連峰の山並みをありありと望みます。
南アルプスや富士山、中央アルプスも眺めることができ、諏訪湖の奥には北アルプスも見晴らせる贅沢さです。
方位盤と照らし合わせながら、山座同定を楽しむ登山者も多く見られます。
見応えのあるスズラン畑
入笠山は高山植物に恵まれ、高山蝶が多いことでも知られています。特に有名なのはスズランで、花盛りは6月頃です。
「入笠湿原」ではニホンスズランの群落が一面を埋め尽くし、甘い香りを漂わせます。ここに自生するスズランは100万株とも言われます。
「入笠すずらん山野草園」は約20万本のドイツスズランが植えられています。他にも種々の高山植物が栽培されており、絶滅危惧種に指定されている釜無ホテイアツモリソウも見ることができます。
登山初心者におすすめの行程
1時間57分/3.7km
ゴンドラ山頂駅(16分)→山彦荘(13分)→御所平峠登山口(38分)→入笠山(21分)→御所平峠登山口(10分)→山彦荘(19分)→ゴンドラ山頂駅
ゴンドラリフトに乗車すれば、標高1780mから出発することができます。(登山口:富士見パノラマリゾートゴンドラ山頂駅)
ゴンドラ山頂駅を出るとすぐに、入笠すずらん山野草園です。観光客で賑わっており、100種類以上の高山植物を観察することができます。八ヶ岳が望めるテラス「八ヶ岳展望台」が設置されており、恋人の聖地に認定されています。
カフェではルバーブのソフトクリームが評判です。ルバーブは富士見町特産の野菜で、赤みがかったフキのような見た目です。
入笠すずらん山野草園を抜けるとすぐに、入笠湿原に入ります。緑の絨毯も美しいですが、秋の草紅葉も趣があります。
御所平峠登山口の近くには、「マナスル山荘本館」と「マナスル山荘天文館」が建ちます。どちらも通年営業しており、家族登山者や登山初心者にとっては頼もしい存在です。
マナスル山荘本館は焼きたてパンやビーフシチューが名物で、看板犬が出迎えてくれるアットホームな小屋です。
マナスル山荘天文館は天体観測ドームを備えており、宿泊すれば星空観望が体験できます。
山荘の北西にはJAXA(ジャクサ・宇宙航空研究開発機構)の入笠山光学研究所があり、小惑星や宇宙ゴミの観測がされています。入笠山は、星空を眺めるには折り紙付きの山といえます。
御所平峠登山口にある花畑はかつて、スキー場のゲレンデでした。この花畑を横目に、山頂への登山道に入ります。
途中で「岩場コース」と「岩場迂回コース」に分かれます。岩場コースは鎖が掛けられた岩がありますが、登山初心者でも通過が可能な難易度です。
スタンダードな登山路・沢入
3時間32分/6.3km
沢入登山口(79分)→山彦荘(13分)→御所平峠登山口(38分)→入笠山(21分)→御所平峠登山口(10分)→山彦荘(51分)→沢入登山口
ゴンドラリフトを利用しない場合は、沢入登山口(入笠山登山口)から登る行程が一般的です。(登山口:沢入登山口(入笠山登山口))
登山口から約1時間ほど樹林帯を登り、鹿除けのゲートを越えると入笠湿原です。
自然を満喫・テイ沢周回コース
5時間57分/13.7km
沢入登山口(93分)→ゴンドラ山頂駅(16分)→山彦荘(13分)→御所平峠登山口(38分)→入笠山(18分)→仏平峠(15分)→大阿原湿原駐車場(40分)→テイ沢分岐(31分)→入笠JAハウス分岐(32分)→御所平峠登山口(10分)→山彦荘(51分)→沢入登山口
大阿原湿原からテイ沢、入笠牧場と巡る行程を加えると、より自然を感じることができます。(登山口:沢入登山口(入笠山登山口))
入笠山を下った先にある「仏平峠」は「法華道(ほっけみち)」という古道の要衝でした。"法華道"という呼称は、日朝上人(にっちょうしょうにん:1422-1500年)が法華経を伝来すべく歩いたことに因みます。かつては、甲斐の国と信州高遠を結ぶ抜け道として往来が盛んでした。
近くに湧く「首切清水」には、何とも物騒な言い伝えがあります。高遠藩の家来が、江戸に参勤中の藩主へお金を届けることになり、近道をしたそうです。その際、ここで水を飲むため腹這いになったところ、後を付けてきた盗賊に首を切られてしまったそうです。
「大阿原湿原(おおあはらしつげん)」は、国内の高層湿原の中では最南端に位置する湿原です。
大阿原湿原を源頭とするテイ沢は、苔むした岩々と清流の美しさが魅力です。
クリンソウやオサバグサなどの山野草にも癒されます。
「高座岩(こうざいわ)」は麓の伊那谷や中央アルプスの眺めが良い場所です。ここは、日朝上人が7日7晩にわたり説法をしたとする伝説が残ります。
入笠牧場は牛が放牧されており、のどかな雰囲気です。
雪山デビューに持って来いの山
入笠山は冬季も人気です。ゴンドラリフトを利用すれば標高差は小さく、スノーシューハイクにぴったりです。
山頂より望む日本アルプスや八ヶ岳の冠雪した姿は、誰もが見惚れる光景です。ただし山頂部は広々としているため、風が強く吹き付けることがあります。冬山にしっかり対応した装備で入山することが求められます。
登山口 |
沢入登山口(入笠山登山口) 富士見パノラマリゾートゴンドラ山頂駅 御所平峠登山口 大阿原湿原入口 |
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基本情報
標高 | 1955m |
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場所 | 北緯35度53分46秒, 東経138度10分17秒 |
・入笠山からの全周パノラマ
https://www.miyajima.net/ebook/panorama/022/
https://www.miyajima.net/ebook/panorama/022/
山頂 |
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山の解説 - [出典:Wikipedia]
入笠山(にゅうかさやま、にゅうがさやま)は、長野県の中西部にある赤石山脈(南アルプス)北端の標高1,955 mの山。赤石山脈(南アルプス)の最北部にある山で、いわゆる「南アルプス前衛の山」の一つである。ただし南アルプス国立公園の範囲には含まれない。山頂には点名「入笠山」の二等三角点が設置されている。山頂近くまでゴンドラリフトや車道が通じているため、比較的容易に登頂することができる。山頂からはほぼ360度の大展望が広がり、南・中央アルプス・八ヶ岳はもとより富士山や、遠くは北アルプスなども望める。周辺には大阿原湿原や入笠湿原などがあり、これらの湿原に自生する植物を楽しむこともできる。
登山コースは、中央本線の青柳駅またはすずらんの里駅からのコースもあるが、登山者は極めて少なく、沢入登山口からのコースが一般的であり、よく整備されている。植生保護のための動物侵入防止用の柵が設置されている。
この山の北東側の斜面に富士見パノラマリゾートがあり、冬季はスキーやスノーボードを楽しめ、夏季はハイキングやトレッキングだけでなく、アジア最大級のマウンテンバイクのダウンヒルコースやパラグライダー教室の体験もできる。一方西側には牧場が広がり、春から秋にかけて牛が放牧されている。
山頂付近にはJAXAの施設「入笠山光学観測所」が設置されており、スペースデブリと小惑星の探索に使用されている。
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1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月スズランが咲き誇りアツモリソウがひっそりとたたずむのがこの季節。 ファミリーや初心者でも楽しめる至福のハイクキングコースです。そしてハイライトは苔の緑と新緑がまぶしいテイ沢の散策。ここに行かなきゃもったいない!