大箆柄岳(おおのがらだけ) / 高隈山

最終更新:ヤマレコ/YamaReco
桜島と錦江湾が望める大隅半島の三百名山

大箆柄岳(おおのがらだけ)は鹿児島県の山で標高は1236mです。
大隅半島中央部に広がる高隅山地に属しており、その中では最も高い山です。

山地における標高1000m級の山々は総じて「高隅山」と呼ばれており、日本三百名山に選ばれています。また「高隅山」は、狭義で大箆柄岳を指すこともあります。
独自の生態系を持つ高隅山地

高隈山地は独自の森林生態系を築いており、「森林生物遺伝資源保在林」に指定されています。
山腹は温暖湿潤な気候を反映して照葉樹林が広がり、一年中緑が鮮やかに茂っています。さらに冬は、所々でヤブツバキの赤い花が咲き誇り、華やかさを添えます。また春は落花が登山道を彩ります。

「タカクマ」を冠した植物も多く分布しており、タカクマホトトギスやタカクマヒキオコシなどがよく知られています。

スズタケも自生していますが、大箆柄岳の「箆」はこれを意味しています。また地元ではスズタケのことを「柄(がら)」と呼ぶそうです。
標高の高い場所にはブナ林があり、高隅山は日本におけるブナの南限とされています。
桜島や錦江湾の眺望が楽しめる

大箆柄岳山頂は切り開かれた岩場で、三等三角点が設置されています。

見晴らしは良く、高隅山を構成する山々が連なる稜線が広がり、その奥には開聞岳を望むことができます。
さらに桜島と錦江湾、そして霧島山など鹿児島の象徴的な景観も見ることができます。
霧島山と並ぶほどの霊山

高隅山地は、霧島山と同じように古くから尊ばれてきた信仰の山です。その中心地の大箆柄岳は「本岳」とも称されていました。
山中には多くの石祠が鎮座しています。

山伏らが修行のため入山していましたが、江戸時代は庶民による登拝も盛んだったようです。彼らは「講」と呼ばれる集団を作り、盆山、大箆柄岳、小箆柄岳、妻岳、御岳(権現岳)、中岳、近戸宮を巡る七岳参詣を行っていました。
大箆柄岳登山の定番2コース

大箆柄岳登山での代表的なルートは2つあり、そのひとつは垂桜コースです。(登山口:垂桜コース登山口)

三合目、五合目、七合目、九合目には道標が設けられています。

五合目の直下は展望の良い岩場で、ロープが設けられています。

杖捨祠から大箆柄岳山頂の間はスズタケが密生しており、これが刈り払われて道が付いています。
周回登山をすることも可能で、この場合は大箆柄岳を越えてスマン峠から下り、大野原林道を辿って戻ります。

もう一方のお決まりのルートは、テレビ塔下登山口(御岳登山口)からの登山道です。

大箆柄岳まで、御岳とスマン峠を経由します。

さらに比較的短い時間で、妻岳と小箆柄岳に寄り道することもできます。
登山口 |
垂桜コース登山口 テレビ塔下登山口(御岳登山口) スマン峠登山口 大箆柄岳東登山口 大箆柄岳登山口 |
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基本情報
標高 | 1236m |
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場所 | 北緯31度29分10秒, 東経130度49分06秒 |
高隅山系の最高ピーク。
高隅山は、北より七岳・大箆柄岳・小箆柄岳・妻岳・御岳・二子岳・平岳・横岳・白山の総称。
高隅山は、北より七岳・大箆柄岳・小箆柄岳・妻岳・御岳・二子岳・平岳・横岳・白山の総称。
山頂 |
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