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更新日:2020年05月20日 訪問者数:158
ジャンル共通 技術・知識
日本の山々の地質;第2部 北アルプス、2−6(3)槍穂高連峰(3)
bergheil
2−6章(3) 傾きつつ隆起した槍穂高連峰
2−6章(3) 傾きつつ隆起した槍穂高連峰

 北アルプスの隆起については、2−3章でも述べましたが、ここでは、槍穂高連峰での隆起の痕跡について、述べます。
 北アルプスの隆起活動のうち、第二回目の隆起(約130万年前〜)はかなり急速な隆起活動だったと推定されています。
 また、北アルプスの東半分と西半分とは隆起運動の形態が違っていたようです。東西の境界は、槍穂高連峰付近では、西側の蒲田川あたりと考えられています。その境界の西側にそびえる笠ヶ岳は、傾動運動を起こしておらず、水平になっている地層が、遠くからも見えます。

 槍穂高連峰は、上記区分でいうと、東半分側になりますが、ここでの隆起においては、全体が東側に傾くような傾動運動を伴いながら隆起したと考えられています。

 その証拠となる地層が見られるのは2か所あります。

 まず一つは大キレットの北側にある、南岳の南斜面です。約176万年前の巨大噴火でできた溶結凝灰岩層の上に、巨大噴火後の数回の噴火によって積もった凝灰岩や礫岩層が、何層もの層状構造を作って乗っかっていますが、その層が全体に東下がりの傾きを示しています。傾きの角度は約20度です。
 もう一つは、槍ヶ岳の穂先部分です。ここでは、凝灰角礫岩(溶結)の層状構造が認められますが、少し南に離れた大食岳(おおはみだけ)あたりからよく見ると、その層状構造が東下がりに傾いています。また大槍の西側にある岩峰の小槍も、まっすく立っておらずやや東に傾いており、縦方向のクラックも東に傾いでいます。

 この傾動運動は、北に離れた、後立山山脈の爺が岳付近でも認められており、南北に細長いブロックが全体として東に傾きながら隆起したものと考えられています。

(※ この節は、すべて、(文献1)の記載内容をベースとしました)
 (文献1) 「超火山 槍・穂高」原山、山本 共著、山と渓谷社刊(2003)
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