年末年始アイス強化合宿!!広河原沢武藤返し・クリスマスルンゼ・左俣・3ルンゼ


- GPS
- 56:44
- 距離
- 21.5km
- 登り
- 2,733m
- 下り
- 2,442m
天候 | 3日間とも奇跡的に好天! 30日は冷え込んだものの、31,1日は気温上昇。 |
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過去天気図(気象庁) | 2016年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
船山十字路から林道、沢をあるいて約1時間で二俣のテント適地。 広いけど、完全に平らな場所は少ないかも。 雪がほとんどなかったので、水は左俣を10分ほど遡ってくみました。 その時々で状況は異なるかと。初日に水をとったところが2日目はとれず驚きました。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
左俣、3ルンゼともにアイス要素があるアルパインルートという感じでした。要総合力です。 左俣は特にルートミスしそうな場所はありません。下降は御小屋尾根、御小屋山手前のコルのあたりから左俣に直接降りました。目印は一切ないので、やばそうなところをうまく回避しつつ下降したらテン場から10分ぐらいのところに降りれました。 3ルンゼは他の記録にもありますが、支流が多く、思わせぶりなルンゼがたくさんあります。先日発売されたアイスクライミング本には3ルンゼ出合から詳しく書いてありますが、むしろ出合にたどり着くまでが長くて迷いやすいです。 最終的に右俣から南稜の一本西側の尾根に詰めあがり、南稜P3まで登って南稜を下降しました。青ナギまで降り、ピンクテープ&踏跡から右俣に直接下降。この下降路は随所に目印があり、親切極まります。テン場から約30分ほどのところに降りました。 2日間とも、下降でうまくショートカットできてよかったです。 |
その他周辺情報 | お風呂 もみの湯、スパディオ小淵沢、モンベルカード提示で無料の八ヶ岳山荘などあり。 今回はせっかくの元旦の食事を充実させたかったので美濃戸口のJ&Nさんでディナーと日帰り入浴を利用しました。 レストランでお食事をすると入浴料が半額(350円)になります。 お風呂は温泉ではありませんがアメニティーもあり、きれいで気持ちよいです。 お食事もデザートもとっても美味しく素晴らしい年初めの外食となりました。 |
写真
装備
個人装備 |
積雪期テント泊装備+アイスクライミング装備で重い
重い。
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感想
なかなか上達しないアイスクライミング。
好天のお正月休みを利用して八ヶ岳広河原沢テント泊定着で
強化合宿です!
【1日目】
入山、左俣アプローチ偵察、広河原沢右俣・武藤返しの滝&クリスマスルンゼ
2泊3日の冬季テント泊装備にアイスクライミング装備一式でザックの重さは過去最大!
テント設営の二俣までは緩い上り坂を1時間ほどですがキツイものはキツイ!
重い〜重い〜とグチを言いながら二俣に到着し、テント設営。
水調達&2日目の左俣の取付き偵察へまずは出発。
水はテント場から10〜15分登ったところで調達。
左俣F1のお釜は完全凍結していないので滝の左側を巻こうとhibaと相談。
テントに戻り、アイスの装備を整えて右俣の武藤返し&クリスマスルンゼへ。
3日目の3ルンゼのアプローチ偵察もついでに。
左俣に比べてちょっと分かりづらい地形ですがトレースに助けられながらまずは武藤返しの滝に到着。
hibaリードでまず1本目。
そのあとトップロープを張って右・中央・左の3ルートを登りました。
好天のお昼過ぎとあって氷は解け始めていましたが快適なクライミング。
1本目は力んだ登りでしたが3本目はちょっと登りのリズムがわかってきたかも。
2人で計6本登ってクリスマスルンゼに移動。
ちょっと黄色がかった武藤返しとは違ってクリスマスルンゼは綺麗なブルーアイス。
下部ピッチは緩やかな登りで上部はちょっと立っています。
ここはマルチピッチのシステムで登ります。
kameのアックスはピックを新調したのですがこれがすんごくいい感じです!
hiba軍曹が研いでくれたお陰で刺さりがよくて安定感がありました。
下降は懸垂下降で。シングル60Mだったので少し手間が掛かりました。
懸垂後、テント場に着く前に日没になりそうだったのでヘッデンを準備して下山開始しました。
テント場に着いたのは5時過ぎ。
「1日目から残業かぁ」とちょっと思ったけど、この1日目のアイスクライミングやシステムの練習は2,3日目のルート登攀に非常に有効だった。
夜は担いだビールで乾杯して、カレーライスをたらふく食べて就寝。
冬のテント泊に体が慣れていないせいかkameは寒くて眠れぬ夜となった。。
【2日目】
AM6:15出発〜PM3:30テント場戻り
広河原沢左俣
アプローチは確認済みなので6時出発予定が冬のテント泊での支度に慣れていないのか早めに起きたはずが予定より遅れて出発。
F1は予定通り巻き。
その後は凍結が甘かったり薄かったりしないかぎり氷を登りました。
下部で後続の3人組のパーティーとクロスしましたが我々は2人だったので先に行かせていただいてその後は下山の御小屋尾根まで誰とも会わず。
ナメや雪の登りは基本コンテでクライミングはhibaがオールリードで。
氷は暖かい先週の後に急激に寒くなったせいか硬いわりに壊れやすくてちょっと難儀。
スクリューが入りづらくってhibaは大変そうでした。
この日はお天気もよかったので防寒テムレス1枚で行動していたらクライミング途中で指の感覚がなくなりはじめ、登り切ったところで指に血流が流れ始めると。。
「痛い!痛い、痛い、痛い!」
雪山での指痛あるある、こういう状況のことはよく話には聞いていましたが、想像以上に痛くって、その上痛い状態が長い!
人生1番の痛みだった気がします。
あまりの痛さにしばらく「痛い!」を絶叫していたので姿は見えませんでしたが後続の3人組の方々には非常にうるさかったと思います。すみません。
ラスボスの大滝はへっぽこkamehiba隊には登りごたえ抜群でした。
最後の滝の後の御小屋尾根の稜線までの詰めは想像以上に長く、地形のせいか前日のトレースもなくヒザからモモラッセルできつかったです。
kameはしゃりばてもあってヘタレ連発で情けなかったのですが、ラッセルの途中でいやーな感じの横の亀裂を何度か目にして怖くなり少しスピードが上がりました。
登攀も終わり、あとは詰めだけになり、お天気もよくって気が緩んだせいかヘタレが出ましたが、雪の深いルンゼですので油断せずに地形や雪の状態に敏感になって登らないといけないなぁと反省しました。
稜線へはPM1:00過ぎにのっこす。
稜線からの景色は絶景で風も弱く快晴だったけど下りの御小屋尾根ははじめてのルートだったし、御小屋山手前を左俣へトレースのない急斜面を下る予定だったので阿弥陀岳登頂はあっさり断念。
御小屋尾根はトレースばっちりで快適下山。
御小屋尾根をまっすぐ降りてしまうとテント場までまた登り返さなければいけないので御小屋山手前で道なき道を下る。
うまく下り易いところを降りて無事左俣に合流。
一旦テントに戻り水を採りにまた左俣に戻る。
1日目に取水したところには水流がなくってびっくり。
テント場に戻り、沈むお日様を浴びながらのビールは本当においしかった。
二日目の晩御飯は麻婆春雨。
ホットウイスキーで温まってカイロを足裏とお腹に貼って準備万端でおやすみなさい。
【3日目】
AM5:45出発〜PM3:30テント場〜PM5:00駐車場
広河原沢右俣3ルンゼ
こちらも初日にアプローチを確認済なのでヘッデンスタート。
明け方の気温低下がさほどなかったためかアプローチでの沢沿いの歩きは足元の氷が薄くでドボンしそうなところが満載で少し怖かった。
3ルンゼは前日の左俣と違い、うわさ通りの少し複雑な地形です。
前日までのトレースが残っており、自分達でも要所で位置確認しながら進みます。
3ルンゼの出合いまでがなかなか長く、出合いまでの滝で我々はロープを出したので3時間以上かかりました。
途中のチョックストーン滝はチョックの間をチビのkameが先に通り、hibaのザックを荷揚げしてからhibaが通過しました。
「少しは役に立ててよかった」と思ったkameでした〜
この日も滝はhibaリードのスタカット、その間はコンテで進みました。
出合いに近づくにつれて雪歩きの部分の傾斜も段々急になり、そのせいか前日までのトレースも流れる雪で消されヒザラッセルくらいになりました。
三段の大滝は上部は傾斜が増して少し難しかったですがアイストレ3日目後半となって二人のクライミングも少しずつ安定してきました。
アプローチの氷がやわらかかったので前日よりは氷が柔らかくなっているかなと期待しましたが3ルンゼ出合いから上の滝はどれも固くて割れやすかったです。
最後の大滝手前でデブリがゴロゴロしていました。
急な雪の斜面を詰めていくと1メートルくらいのざっくり雪崩れた断面が!
触ってみる柔らかい上部、カチンカチンの氷状態の中間、締まった雪の下部となっていました。
南稜P3手前の最後の滝は「左に氷の少しついた段状の岩稜」、「中央に傾斜の強い大滝」、「右に中央より傾斜の緩い滝」がありました。
我々は右の滝を登ったのですが通常ここはあまり発達していないようで中央の強傾斜の滝を登るか、右にめいいっぱい回り込んで高巻くことが多いようです。
我々の登った滝は抜け口の氷が岩が透けて見えるくらい薄く、その上それが乗っ越した後もビレイできる地点まで少し続く状態でした。
乗っ越したあと登っているhibaがビレイ地点から見えず、大きな氷がゴロゴロ落ちてきて怖かった。
左肩に2度ほどこぶし大位の氷を喰らって悶絶しました。
最後の滝のあと、P3の基部までルンゼを詰めることもできたのですが、傾斜が強くて大変そうだったのと、右手に見える尾根に乗っ越す方が近そうだったのでそちらにしました。
この時南稜P3〜4をつめるソロのクライマーが頭上に見えました!かっこよかったな〜
前日の左俣の詰めよりは短かったですがこちらも急傾斜のヒザ〜モモラッセルでなかなかつらかったです。
尾根に乗るとまさに絶景です!
昨日の御小屋尾根からの景色も素晴らしかったですがここからは前日見えなかった富士山が雲ひとつない青い空に現れて感激!
風も弱く太陽でぽかぽかの南稜を絶景を眺めながら下りました。
初めて歩いた南稜ですが想像以上に絶景で幕営ポイントも素晴らしく、近いうちに是非歩いてみたいです!
登っている間はほとんど休憩できなかったのでP2手前のコルでのんびり休憩しました。
南稜からテント場までのショートカットは青ナギのちょうど中間地点から右手に下降開始します。
最初は広いスキーゲレンデのような斜面を下り、斜面が狭まる下部で沢に入らず、その右手の急傾斜の樹林帯を下ります。
前日の御小屋尾根からテント場までのショートカットと違い、ピンクリボンがかなり潤沢についています。
無事に右俣に合流してテント場に戻ります。
テント撤収も晴れているとラクチンです。
駐車場までの歩きは下りだし、1時間だけですが荷物はやっぱり重いし、雪のない道を歩くには冬靴は固いし、こちらはラクチンではなかったです。
hiba軍曹は新調したアゾロの冬靴が快適だったらしく、どんどん降りていってしまうのでついていくのが大変だったなぁ。
30日朝は満車だった駐車場も我々の車をいれて3台のみ。
入山日がみなさんのピークとずれていたのか、相変わらずkamehiba隊の行くところには人が居ず、下山を除くと、30日の下見で見晴ルンゼに向かう2人組と、左俣の下部でごあいさつした3人組とほんの少しクロスしただけで快晴の八ヶ岳とは思えない静かな山行でした。
うるさいのは自分達だけ。ww
美濃戸口のJ&Nさんでお風呂と美味しい元旦ディナーをいただき、渋滞のほとんどない中央道で帰宅できました。
今回登攀したルートは同じアイスクライミング入門マルチルートの裏同心ルンゼや峰の松目よりもアルパインの要素の強いルートでした。
アイスクライミングの練習はもちろん、積雪・無雪期両方のアルパインルートのロープワークのいい練習になりました。
アイス、ロープワーク、ルートファインディングの技術・体力など足りないところがまだまだありますが、好天のお蔭で3日間充実した登攀ができました。
素晴らしい登り納めに登り初めに、hibaに、お会いした方々に、八ヶ岳に感謝。
いろいろ忙しくレコ友の皆様の素晴らしいお正月レコにご挨拶コメントを入れられずすみません。
今年も楽しく、厳しく、安全に山と向き合っていきたい。
コメント
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こんばんは!
明けましておめでとうございます。
今年はどこかでお会いしたいですね!
アイス、メチャクチャ興味あるのですが、いかんせん周りにパートナーがいないので憧れのジャンルです。
過去に岩根山荘のイベントに参加した事があるだけです(笑)
またアイスのレコお待ちしてますね!
noruさん、明けましておめでとうございます!
新年早々ニアミスですからどこかでお会いできる気がします。
が、が、感想にも書きましたが我々が行くところナゼが人がいないのです!
今回も快晴の八ヶ岳の人気入門ルートなので人がたくさん入っているかと思ったら。。
アイスクライミング、我々もまだまだ初心者で偉そうなこと言えないのですが
楽しいです!
「怖いけど自由」なところがクラッククライミングに通じる要素があるかと。
今回のルートはアルパイン要素が強くて楽しいルートでした。
パートナーが現れるといいですね!
アイスのレコ、頑張ります
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