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Yamareco

記録ID: 1038805
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
朝日・出羽三山

【薮山レコ】茶畑山〜戸立山 〜以東岳北方稜線の池塘めぐり〜

2007年10月24日(水) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
17.8km
登り
1,362m
下り
1,345m

コースタイム

日帰り
山行
12:30
休憩
0:40
合計
13:10
5:20
50
泡滝ダム
6:10
6:10
195
冷水沢出合
9:25
9:35
210
茶畑山南東
13:05
13:15
105
戸立山西肩草原
15:00
15:10
25
七ツ滝沢出合付近
15:35
15:35
25
大鳥池湖畔
16:00
16:10
15
三角池
16:25
16:25
40
大鳥池湖畔
17:05
17:05
85
七ツ滝橋
18:30
泡滝ダム
以東岳北方稜線の池塘めぐりはヤマレコに記録なし。
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2007年10月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
茶畑山〜戸立山は登山道の無い稜線です。戦国時代の武将 直江兼続が切り拓いた、米沢と庄内を結ぶ「朝日軍道」が通っていたルートにもなっている。
泡滝ダムから登山道を行く。大鳥川の周囲は紅葉が進んでいる。
泡滝ダムから登山道を行く。大鳥川の周囲は紅葉が進んでいる。
冷水沢吊り橋から冷水沢を遡行開始。下流部の1か所は巻いて淵を通過。
冷水沢吊り橋から冷水沢を遡行開始。下流部の1か所は巻いて淵を通過。
概ね河原状の沢を遡る。冷水沢は優しい沢。
概ね河原状の沢を遡る。冷水沢は優しい沢。
分岐点では左股へ進む。直登できる小滝も多い。
1
分岐点では左股へ進む。直登できる小滝も多い。
見上げると紅葉が青空に映える
3
見上げると紅葉が青空に映える
対岸の甚六山を望む
3
対岸の甚六山を望む
水流は少なくなり上流部の雰囲気。
水流は少なくなり上流部の雰囲気。
左股の水源(湧水)
左股の水源(湧水)
涸れ沢地形を登る。
涸れ沢地形を登る。
まばらな高木の下に低潅木が密集する激薮斜面を通過。
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まばらな高木の下に低潅木が密集する激薮斜面を通過。
茶畑山直下の低潅木の密集する南斜面。
茶畑山直下の低潅木の密集する南斜面。
稜線の直下より三角形の戸立山を望む
2
稜線の直下より三角形の戸立山を望む
稜線付近より化穴山〜甚六山を望む
2
稜線付近より化穴山〜甚六山を望む
茶畑山南鞍部。薮を避け草付きの溝地形を通過
1
茶畑山南鞍部。薮を避け草付きの溝地形を通過
振り返る。溝地形の周辺に広がる草原。
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振り返る。溝地形の周辺に広がる草原。
稜線に上がると東側の展望が広がる。八久和川の対岸に障子ヶ岳(中央)が見える。
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稜線に上がると東側の展望が広がる。八久和川の対岸に障子ヶ岳(中央)が見える。
北方向には雄大な月山も望まれる。
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北方向には雄大な月山も望まれる。
ここから戸立山(中央奥)に向かって池塘をめぐっていく
2
ここから戸立山(中央奥)に向かって池塘をめぐっていく
最初の池は結構大きい。
2
最初の池は結構大きい。
茶畑山を振り返る。
3
茶畑山を振り返る。
次の池は丸くて湿地草原に囲まれている。
次の池は丸くて湿地草原に囲まれている。
茶畑山方面を振り返る。
1
茶畑山方面を振り返る。
茶畑山(中央)と丸い池を見下ろす。
3
茶畑山(中央)と丸い池を見下ろす。
その先の地形図で細長い池は消滅して草地化している。
その先の地形図で細長い池は消滅して草地化している。
草原を外れればこのような激薮が待ち受ける。
草原を外れればこのような激薮が待ち受ける。
展望の良い小ピークからの展望。北〜北東方面。(元サイズ→拡大)
2
展望の良い小ピークからの展望。北〜北東方面。(元サイズ→拡大)
東方面。(元サイズ→拡大)
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東方面。(元サイズ→拡大)
北西〜北方面。辿ってきた稜線。(元サイズ→拡大)
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北西〜北方面。辿ってきた稜線。(元サイズ→拡大)
南方面。これから進む戸立山方面。(元サイズ→拡大)
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南方面。これから進む戸立山方面。(元サイズ→拡大)
戸立山北面にある池。以東岳北方稜線で最も大きな池塘。
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戸立山北面にある池。以東岳北方稜線で最も大きな池塘。
池に降りてみる。やや左奥は戸立山。
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池に降りてみる。やや左奥は戸立山。
池の西岸に降りる。
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池の西岸に降りる。
透き通った水、魚影は見られない。
透き通った水、魚影は見られない。
池の南岸にはふかふかの枯草が広がっている。テン場には最適。(元サイズ→拡大)
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池の南岸にはふかふかの枯草が広がっている。テン場には最適。(元サイズ→拡大)
再び稜線に上がり大きな池塘を見下ろす。中央奥は茶畑山。
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再び稜線に上がり大きな池塘を見下ろす。中央奥は茶畑山。
次は稜線の東斜面にある細長い池塘へ向かう。中央奥は戸立山。
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次は稜線の東斜面にある細長い池塘へ向かう。中央奥は戸立山。
湖畔に降りてみる。
1
湖畔に降りてみる。
再び稜線に戻り戸立山直下の激薮を避け西側草原台地へトラバース。
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再び稜線に戻り戸立山直下の激薮を避け西側草原台地へトラバース。
トラバース途中、冷水沢支流の源頭部を横切る。
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トラバース途中、冷水沢支流の源頭部を横切る。
広大な戸立山西側の草原台地へ。
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広大な戸立山西側の草原台地へ。
所々、小さな池塘もあり。
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所々、小さな池塘もあり。
大鳥池方面が初めて見える。右奥は化穴山。
2
大鳥池方面が初めて見える。右奥は化穴山。
午後の日差しにきらめく湖面。
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午後の日差しにきらめく湖面。
戸立山山頂方向を見上げる。
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戸立山山頂方向を見上げる。
当初、下山する予定だった戸立山の西尾根。あまりの激薮に進路を変更。
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当初、下山する予定だった戸立山の西尾根。あまりの激薮に進路を変更。
飯豊連峰(左)と二王子岳(右)がうっすら見える。
飯豊連峰(左)と二王子岳(右)がうっすら見える。
戸立山の南西斜面を下り七ツ滝方面を薮こぎで目指す。紅葉が鮮やか。
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戸立山の南西斜面を下り七ツ滝方面を薮こぎで目指す。紅葉が鮮やか。
大鳥池方面がちょっと見える
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大鳥池方面がちょっと見える
青空の窓。
紅葉のシャワーを浴びながら涸れ沢を下る。やがて水流が現れマタギ沢となる。
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紅葉のシャワーを浴びながら涸れ沢を下る。やがて水流が現れマタギ沢となる。
紅葉したブナ林。
3
紅葉したブナ林。
七ツ滝の近くで七ツ滝沢(大鳥川)に降りる。
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七ツ滝の近くで七ツ滝沢(大鳥川)に降りる。
七ツ滝の滝壺。遡行はとても無理。
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七ツ滝の滝壺。遡行はとても無理。
七ツ滝沢を渡渉して対岸を振り返る。
七ツ滝沢を渡渉して対岸を振り返る。
大鳥小屋に向かって1008mピークを目指す。振り返ると戸立山の西尾根が西日に輝く。
大鳥小屋に向かって1008mピークを目指す。振り返ると戸立山の西尾根が西日に輝く。
大鳥池湖畔に降りる。
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大鳥池湖畔に降りる。
静寂に包まれた大鳥池
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静寂に包まれた大鳥池
以東岳アップ。紅葉は終わっている。
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以東岳アップ。紅葉は終わっている。
日没までのわずかな時間で三角池まで足を延ばしてみる。北西方向。
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日没までのわずかな時間で三角池まで足を延ばしてみる。北西方向。
北東方向。
鏡のような水面に紅葉が映えている。
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鏡のような水面に紅葉が映えている。
再び大鳥池湖畔へ。
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再び大鳥池湖畔へ。
大鳥池、見納め。
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大鳥池、見納め。
オレンジ色に染まる戸立山。
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オレンジ色に染まる戸立山。
日没迫る中、登山道を下り七ツ滝沢橋へ。
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日没迫る中、登山道を下り七ツ滝沢橋へ。
七ツ滝沢橋近くより戸立山の稜線を見上げる。
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七ツ滝沢橋近くより戸立山の稜線を見上げる。
冷水沢の吊り橋を過ぎると夕闇に包まれる。
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冷水沢の吊り橋を過ぎると夕闇に包まれる。
泡滝ダムの駐車場へ無事帰還。
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泡滝ダムの駐車場へ無事帰還。
満月に照らされて、幻想的な大鳥川。
おわり
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満月に照らされて、幻想的な大鳥川。
おわり

感想

泡滝ダムの駐車場で支度をしていると空が白み始め登山道をヘッドランプなしで歩き始める。東大鳥川の渓谷の紅葉が暗闇に浮かび上がる。冷水沢は前回より若干水量が多いみたいだが問題なく飛び石や軽い巻きで遡行できる。三股からは左股を進むが手前に小さいながら滝があるため右股との中間尾根を二つ乗り越えて左俣へ降りる。左股は全体的に急な感じで小滝も時々現れるが支障なく登れる。

標高700〜1000m辺りが紅葉の最盛期のようだ。両岸のブナ林が沢まで迫り、朝日を浴びた鮮やかな紅葉が青空に映える。1020mあたりの分岐からは右股を進むが細くなり水流は1100m付近で消滅する。まもなく深い笹薮の斜面になり稜線が近づくと潅木混じりの強烈な薮となりペースダウン。

今回は山頂には拘らず池塘めぐりを目的とする。茶畑山の南東の鞍部で稜線に上がり、ここから戸立山までの稜線を南下しながら池塘めぐりが始まる。1360m峰から下ると細長い黄金色の草原が現れ黒々した池が2つあった。手前は細長く小さな池、奥には大きく丸い池ががあり鴨が浮かんでいる。地形図ではこれらの池の先に細長い池塘があるはずだが来てみると草地化して湿地になっていた。ここからしばらくは強烈な薮こぎとなり2つの小ピークを越えていく。戦国時代に切り開かれたという朝日軍道はこのあたりを通っていたはずだが痕跡は全く見られない。それでも兵士たちはこれらの池塘を見ながら置賜と庄内を行き来していたのではないかと歴史の思いを馳せる。

1389m峰は薮が薄く見晴らしよい。初冠雪した鳥海山、月山、障子ヶ岳周辺の峰々、そして対岸の甚六山などが一望できる。戸立山北面直下にある地形図でも大きな池は期待を裏切らず紅葉した木々に縁どられ素敵な光景が広がる。鏡のような丸くて広い水面に映る鮮やかな紅葉が今までの薮こぎの苦労を労ってくれるようだ。水深は浅く10〜20cmくらい、黒茶色で魚影はなくアメンボが浮かんでいる。ここには静かな時間と大気が流れ秋のやわらかい日差しが包み込む。湖畔の黄金色の草地にしばし横たわる。少し傾斜はあるがテン場にも良さそうだ。

この大池から稜線を挟んで南斜面側に細長い池があり立ち寄ってみる。前回、戸立山から三角峰へ縦走した時に確認済みの池である。今回はなるべく薮との格闘を避けるため、戸立山の頂は踏まず北面の急斜面をトラバース。戸立山の西斜面に広がるなだらかな草原に出る。大鳥池方面の展望が一気に広がる。午後の日差しを浴びて大鳥池の湖面がきらめいている。

草原からは戸立山の西尾根を1220m峰まで進む予定だったが、足を踏み入れてみると想像以上に猛烈な薮、豪雪の影響でジャングルのように枝を変形させた、潅木(ツツジ、カエデ、ナナカマド、コナラ)だ。そのためルートを変更。1490m付近から斜面を左へ進む。沢の源頭部となり、1000mあたりで左から水量の多いマタギ沢と合流。ブナの黄緑〜オレンジ紅葉のシャワーを浴びながら、前方にきらめく大鳥池を見ながら下る。七つ滝沢が近づくと崖になっていて降りれないので斜面をトラバースして1本下流の沢から七つ滝沢へ降りる。

七つ滝の滝壺を見物してから対岸へ渡るポイントを探す。飛び石で渡れる大きめの石を見つけて渡る。対岸は急斜面になっており沢型地形から1008m台地を目指して登る。ブナ主体の樹林帯で比較的薮は薄い。薮を抜けるとちょうど大鳥小屋の裏に飛び出す。大鳥池は既に日陰に入っていたが以東岳は西日に朱く輝いていた。紅葉はちょうど大鳥池周辺で見ごろなので三角池まで散策してみることにする。

闇が迫る大鳥池はひっそり静まり返っている。睡蓮の葉が浮かぶ鏡のような水面に鮮やかな紅葉を映している。既に16時を過ぎている。急いで大鳥池を後にするが七つ滝沢の吊り橋で日没となり、冷水沢の吊り橋でヘッドランプ出す。しばらくすると満月近い月明かりが照らしており樹林帯を抜けるとランプなしで歩けるほどだ。泡滝ダムの駐車場を出発すると月明かりに蒼白く照らされた東大鳥川が幻想的に浮かび上がる。

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コメント

ゲスト
池塘巡り
こんにちは。
例のT氏にこの辺のことを聞いてみたら、「三角峰あたりから取りつくといいよ!」と。catwalk15さんはなるほど、沢詰めですね。こういうのやってみたいけどなかなか踏み込めませんです…(;^ω^)
2017/1/13 7:51
ゲスト
Re: 池塘巡り
コメントありがとうございます。
霞沢岳の記録見ました。
相変わらずosamu310 らしいすごい山に登られたようで、お疲れ様でした
無雪期に絞った話ですが、三角峰から戸立山ならある程度の標高があるので、それほどひどい薮ではないと思います。大鳥池や化穴山方面の展望も良く、薮屋にはお勧めできそうです。ただ戸立山の先、茶畑山やそれ以北は強烈な薮に覆われており、沢以外には現実的にアプローチは厳しいかと思います。
T氏の山行記録、文章にユーモアがあり写真もきれいで、薮山にも登られているようで興味深く拝見しています。化穴山も良いですね。
2017/1/13 21:52
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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