【薮山レコ】茶畑山〜戸立山 〜以東岳北方稜線の池塘めぐり〜
- GPS
- --:--
- 距離
- 17.8km
- 登り
- 1,362m
- 下り
- 1,345m
コースタイム
- 山行
- 12:30
- 休憩
- 0:40
- 合計
- 13:10
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2007年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
茶畑山〜戸立山は登山道の無い稜線です。戦国時代の武将 直江兼続が切り拓いた、米沢と庄内を結ぶ「朝日軍道」が通っていたルートにもなっている。 |
写真
感想
泡滝ダムの駐車場で支度をしていると空が白み始め登山道をヘッドランプなしで歩き始める。東大鳥川の渓谷の紅葉が暗闇に浮かび上がる。冷水沢は前回より若干水量が多いみたいだが問題なく飛び石や軽い巻きで遡行できる。三股からは左股を進むが手前に小さいながら滝があるため右股との中間尾根を二つ乗り越えて左俣へ降りる。左股は全体的に急な感じで小滝も時々現れるが支障なく登れる。
標高700〜1000m辺りが紅葉の最盛期のようだ。両岸のブナ林が沢まで迫り、朝日を浴びた鮮やかな紅葉が青空に映える。1020mあたりの分岐からは右股を進むが細くなり水流は1100m付近で消滅する。まもなく深い笹薮の斜面になり稜線が近づくと潅木混じりの強烈な薮となりペースダウン。
今回は山頂には拘らず池塘めぐりを目的とする。茶畑山の南東の鞍部で稜線に上がり、ここから戸立山までの稜線を南下しながら池塘めぐりが始まる。1360m峰から下ると細長い黄金色の草原が現れ黒々した池が2つあった。手前は細長く小さな池、奥には大きく丸い池ががあり鴨が浮かんでいる。地形図ではこれらの池の先に細長い池塘があるはずだが来てみると草地化して湿地になっていた。ここからしばらくは強烈な薮こぎとなり2つの小ピークを越えていく。戦国時代に切り開かれたという朝日軍道はこのあたりを通っていたはずだが痕跡は全く見られない。それでも兵士たちはこれらの池塘を見ながら置賜と庄内を行き来していたのではないかと歴史の思いを馳せる。
1389m峰は薮が薄く見晴らしよい。初冠雪した鳥海山、月山、障子ヶ岳周辺の峰々、そして対岸の甚六山などが一望できる。戸立山北面直下にある地形図でも大きな池は期待を裏切らず紅葉した木々に縁どられ素敵な光景が広がる。鏡のような丸くて広い水面に映る鮮やかな紅葉が今までの薮こぎの苦労を労ってくれるようだ。水深は浅く10〜20cmくらい、黒茶色で魚影はなくアメンボが浮かんでいる。ここには静かな時間と大気が流れ秋のやわらかい日差しが包み込む。湖畔の黄金色の草地にしばし横たわる。少し傾斜はあるがテン場にも良さそうだ。
この大池から稜線を挟んで南斜面側に細長い池があり立ち寄ってみる。前回、戸立山から三角峰へ縦走した時に確認済みの池である。今回はなるべく薮との格闘を避けるため、戸立山の頂は踏まず北面の急斜面をトラバース。戸立山の西斜面に広がるなだらかな草原に出る。大鳥池方面の展望が一気に広がる。午後の日差しを浴びて大鳥池の湖面がきらめいている。
草原からは戸立山の西尾根を1220m峰まで進む予定だったが、足を踏み入れてみると想像以上に猛烈な薮、豪雪の影響でジャングルのように枝を変形させた、潅木(ツツジ、カエデ、ナナカマド、コナラ)だ。そのためルートを変更。1490m付近から斜面を左へ進む。沢の源頭部となり、1000mあたりで左から水量の多いマタギ沢と合流。ブナの黄緑〜オレンジ紅葉のシャワーを浴びながら、前方にきらめく大鳥池を見ながら下る。七つ滝沢が近づくと崖になっていて降りれないので斜面をトラバースして1本下流の沢から七つ滝沢へ降りる。
七つ滝の滝壺を見物してから対岸へ渡るポイントを探す。飛び石で渡れる大きめの石を見つけて渡る。対岸は急斜面になっており沢型地形から1008m台地を目指して登る。ブナ主体の樹林帯で比較的薮は薄い。薮を抜けるとちょうど大鳥小屋の裏に飛び出す。大鳥池は既に日陰に入っていたが以東岳は西日に朱く輝いていた。紅葉はちょうど大鳥池周辺で見ごろなので三角池まで散策してみることにする。
闇が迫る大鳥池はひっそり静まり返っている。睡蓮の葉が浮かぶ鏡のような水面に鮮やかな紅葉を映している。既に16時を過ぎている。急いで大鳥池を後にするが七つ滝沢の吊り橋で日没となり、冷水沢の吊り橋でヘッドランプ出す。しばらくすると満月近い月明かりが照らしており樹林帯を抜けるとランプなしで歩けるほどだ。泡滝ダムの駐車場を出発すると月明かりに蒼白く照らされた東大鳥川が幻想的に浮かび上がる。
こんにちは。
例のT氏にこの辺のことを聞いてみたら、「三角峰あたりから取りつくといいよ!」と。catwalk15さんはなるほど、沢詰めですね。こういうのやってみたいけどなかなか踏み込めませんです…(;^ω^)
コメントありがとうございます。
霞沢岳の記録見ました。
相変わらずosamu310 らしいすごい山に登られたようで、お疲れ様でした
無雪期に絞った話ですが、三角峰から戸立山ならある程度の標高があるので、それほどひどい薮ではないと思います。大鳥池や化穴山方面の展望も良く、薮屋にはお勧めできそうです。ただ戸立山の先、茶畑山やそれ以北は強烈な薮に覆われており、沢以外には現実的にアプローチは厳しいかと思います。
T氏の山行記録、文章にユーモアがあり写真もきれいで、薮山にも登られているようで興味深く拝見しています。化穴山も良いですね。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する