比良山/葛川越道西側・烏谷山・三の滝(古道ハンター本領発揮?)


- GPS
- 05:54
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 949m
- 下り
- 1,070m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2016年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
廃道探索(ところどころ明瞭な街道が残る) |
写真
感想
明治末期もしくは大正初期まで志賀と坊村の人たちが、牛を使って頻繁に木炭や米などを運んだ峠道だった「葛川越」を歩く。廃道になってすでに100年以上。登山道としてしばらく使われていたが、30年以上も前からは地図上からも姿を消している。
坊村出発は相変わらずの10時20分、おそらく本日一番出発の遅い登山者だろう。林道終点から5分ほど白滝谷登山道を登り、道が谷の方へと近づいていく地点から、左手の小岩ゴロゴロ急斜面を適当に這い上がると、標高差30mほどのところで古道らしき踏み跡に出会う。この道をそのまま進むと踏み跡は細くなり急斜面の危なっかしいトラバースとなる。危ないのでここは引き返す。ルートが見つからないままきょうは早くも退散かと思ったところ、斜面上部を見るとなんとなく段差っぽいものが見える。杉林を直登するとまさしく道跡。これを辿り崩れた石垣や炭焼き窯跡を見ながら斜めに徐々に高度を上げる。何箇所か不明瞭な所はあるが、杉の植林帯と自然林との境界を目安に適当に歩くと時々明瞭な道跡が現れる。
もちろん道跡と言っても牛が荷物を積んで通れるような幅はなく、斜面が長年の風化浸食で道を覆い隠すようになっている状況。数箇所の緊張するトラバースを抜け、水なく岩がごろごろしているだけの白石谷を渡り、小尾根を乗り越すとルートは平坦となり、モミの木が立ち並ぶ街道っぽい趣のある場所にたどり着く。昔の休憩場所だったのだろうか、やや広くなっている。
クルシ谷が近付くと道は寸断されるので四俣の左から2本目の谷を登る。明るい場所で寒いが日差しはきつい。花崗岩の谷は荒れてはいるが困難な箇所はない。この間右岸に古道が一部現れるところもある。左から2本ガレ谷が入ると谷の真ん中に巨大な岩が鎮座しているのが見える。この手前の台地で昼食。振り返ると奥に京都北山の山並みが見える。巨岩を乗り越えると再び古道が現れ、風景も一変する。美しい森の中を歩くもよし、古道をジグザグに辿るのもよし、気持ちのよいところだ。程なく峠(葛川越/大物峠)に飛び出す。
縦走路を烏谷山まで勢いで駈け登る。最近よく歩くことに加え、歩幅を小さめにしたこと、道々お菓子などを食べエネルギーを常に補うことなどで、バテず足がつらずに息が切れることなく快適に楽に登れるのがうれしい。
山頂からの大展望は、風が強いこともあってか空気が非常に澄んでいて、遠くまでもがくっきりはっきり見渡せる。琵琶湖にできた波紋による濃淡の柄も手に取るように見え面白い。比良からのこの風景は幾度ともなく見ているが、飽きることなくいつまでも見ていたい衝動に駆られる。しかしスタート時間が遅かったせいもあり既に午後2時を回っている上、今日は風強く寒い。やむなく山を下りる。
荒川峠までは縦走路を北上。この間一般登山道からそれて尾根を忠実に辿る踏み跡ルートを歩く。荒川峠からは南比良峠を経由しないショートカットの谷道に入る。このあたり一部残雪がある。小屋を過ぎ不明瞭な道を下るとどんどん谷は支流と合流し流れが大きくなっていく。一般登山道と合流し大橋を通り過ぎると、アシウ杉の大木が多い樹林帯。中程にある好きだったモミの大木はすっかり枯れて大きな枝も落下、朽ち果ててきた。完全に朽ちて倒れるまで時々来て見届けようと思う。
奥の深谷徒渉点で流れを撮影し、トラバース登山道に入る。この道は年々荒れてきて滑落の危険のある箇所が数カ所できているのが心配だ。トラバースが終わり、下りにかかると右手に十九の滝がチラッと見える箇所があるが、きょうは誘惑にはのらずそのまま下ることに。次回また十九の滝の一番大きな滝(4段40m)を見ることのできる場所がないか探索しよう。
牛コバで往路と合流、明王谷や三の滝を撮影しつつノンビリ林道を下る。駐車場に着いたのは午後5時。たくさん駐まっていた登山者の車は最後の2台となっていた。そういえば往路の林道で数人の登山者と会っただけで山中は誰にも会わなかった。そら、誰も歩かない道だったり、遅い時間だったりするので当たり前なのだが。
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