吐噶喇富士(御岳)-薩摩のふるさと富士・大海原の絶景がある山-
- GPS
- 07:18
- 距離
- 14.4km
- 登り
- 1,117m
- 下り
- 1,155m
コースタイム
- 山行
- 6:26
- 休憩
- 0:52
- 合計
- 7:18
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
船
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口までの舗装道は仮復旧状態だが歩行には問題なし。4月より工事のため5月まで通行止めの予定。 登山口から山頂までは琉球竹がしげり、軽いヤブ漕ぎ |
その他周辺情報 | 交通・宿泊等の情報は十島村のWebサイトにあります。→http://www.tokara.jp/ 中之島内の店舗は不定期営業の商店が1軒のみ。港近くに自販機1台あり。 宿泊は民宿「大喜旅館」を利用。1泊3食[朝X2, 夕X1]で8,900円(税抜) 温泉は24時間利用可能。島民は無料ですが、来島者は「お気持ち」を。維持費や台風復旧費に充てているようです。 |
写真
感想
吐噶喇富士、チャンスがあれば登ってみたい山。
春一番が吹いたものの、寒の戻りが大きい弥生三月、この時期がベストシーズンと思えたので、ワンチャンスに賭けてみた。
10日の金曜、午後休暇を取って歯科医で定期検診を受けた後、新幹線で一路鹿児島へ。夕食を摂ってから鹿児島本港へ。
23時出港の「フェリーとしま」の乗船手続きは21時。窓口で手続きを済まして船内へ。運良く寝台に空きがありました。
出航前に眠りにつき、大隅海峡は夢の中・・・
6時過ぎに目指す中之島への到着案内があり、30分前に入港。宿の主人が迎えに来てくれました。
宿で朝食を摂ってから、いざ御岳へ。その前に出張所で登山届を提出。
コンクリートの舗装路を登っていくと、前方に動物の一団が。よく見ればトカラ山羊のファミリーで、近づくと逃げてしまいアップでの撮影はできず。
案内に従ってひたすら登っていきます。車道がつづら折りなので、歩きならショートカットできるか?と考えていましたが、山側は2m超の崖でとてもショートカットはできません。仕方なく舗装路をてくてく歩きます。景色がいいのでそれほど苦にはなりませんでした。
道沿いの木々が琉球竹に変わってくると、舗装路歩きは間もなく終わりです。案内に従って登山道へ・・・え、これが登山道?ヤブ漕ぎ入門編になりそうな状況です。
幸い足元は割と見えるので、踏み外さないよう慎重に登っていきます。道のど真ん中に生えている琉球竹は持参した鋸で切り倒して行きました。やがてその琉球竹もまばらになってくると頂上はまもなくです。ここにも案内標がありますが、なぜか”頂上”ではなく”火口”、火口に降りられるんかいな。
火口から噴気が間近に見え、硫化水素の匂いが強く感じられるようになったころ、火口の縁に到着です。思ったより風が強く、煽られてヒヤリとしました。火口を見渡せば、一番低い位置が風上になっていたので、火山ガスの混じった噴気に巻かれることなくお鉢巡りが出来そうです。当然踏み跡はありませんので、慎重に進みます。噴気口は硫黄の煙突になっていて、ジェット音が聞こえます。火口の縁には様々なサイズの礫が積もっていて、時折足を取られながらも大地の鼓動を感じながら、また、火口の外に広がる大海原の絶景を愉しみながら三角点を目指しました。火口には硫黄採取に使われた段々畑状の石積みが残り、独特の景観です。
お昼前にようやく三角点のある山頂に到着。手作りの山頂標がありましたが、台風のせいかかなり傷んでいました。山頂よりわずかに西側の斜面で風を避けながら、大海原が広がる絶景を眺めてのお昼ご飯です。無垢な絶景を眺めて寛いでいると燕が一羽。季節は確実に進んでいるようです。
このまま日没まで居たいところですが、流石に宿の方に心配されるので、後ろ髪を引かれる思いで下山開始。琉球竹のプチ藪漕ぎをしたあと、コンクリの舗装路をてくてく下ります。途中、ふと時計を見ればまもなく14時46分。コンパスで方角を見定め、手を合わせました。
トカラ山羊ファミリーとの再会を願っていましたが、残念ながら遭わず。登山届けを出した出張所で下山した旨を伝えようとしたらお留守。たまたま居合わせたおばちゃんに御岳に登ってきたことを伝えました。多分大丈夫でしょう。
火山のある島のお楽しみは温泉ですよね。宿にザックを置いてから、島の方より一足先に東区温泉へ。先客がおり、直ぐに「どこから来た?」と。「広島から」と言うと、おっちゃんはかつて広島で新幹線や国道の橋梁架設に携わっていたそう。こんな離島でも意外なつながりがあるものですね。
源泉掛け流しの温泉に大満足。”お気持ち”の入湯料を払い、宿で晩ご飯までゆったりと過ごします。宿の入口ではニャンコがお昼寝。島のニャンコはどこか表情が柔らかです。
最高の日没を眺めてから晩ご飯。御岳登頂を祝って、焼酎で軽く乾杯しました。
酔い覚ましに海岸へ出てみれば、満月前の月に負けじと星たちが輝いていました。背後の山からはフクロウ?の声。本当に静かな島です。
早々に床につき、ふと目覚めたのは午前4時前、再び東区温泉へ向かい朝風呂とします。日曜のこの時間に入る人はおらず、貸切でした。
7時に朝ご飯を食べ、鹿児島行きの船の切符を出張所で購入します。職員の方に「昨日、御岳登りました。最高の景色ですね。」と話したら、道が完全復旧していないので、あんまり登山はして欲しくないとのこと。道の状態が安定しているので、禁止まではしていないんだけどね。ということでした。来島前に御岳登山の可否を尋ねたとき、「登れますよ。」という回答は、こういうことだったのかなぁ。
船が着くまでの時間、トカラ馬牧場と天文台、資料館を巡ります。資料館に着いたら開館中の札がありましたが入館できず、ノンビリ待っていたら職員さんが来て開けてくれました。
この島、縄文時代から人が住んでおり、離島とはいえかなりの歴史があります。
資料館に居たので、防災無線でフェリーの運航状況を聞きそびれたか?とちょっと焦って港へ歩いていたら、フェリーが遅れていることが判明。港の近場でぶらぶらして時間をつぶします。本来の入港時刻頃に軽トラや軽バンが次々とやってきて、港にマーケットが開店しました。滞在中、島唯一のお店は閉まっていたので、ここでお土産を買うことに。タンカンと島らっきょうを買いました。
予定より1時間半弱遅れてフェリーが入港。港に集まった島の方々に見送られて出発です。わずか一泊の滞在でしたが、とても濃密な島時間を堪能できました。
で、乗ったフェリーの鹿児島入港は20時10分。しっかり1時間半遅れでした。
フェリーの運航は村営ですし、各港の荷役は島の方々でやっています。まさに島のライフラインなので、遅れがどうのこうの言う方は、トカラ列島を訪れる資格が無いのかもしれません。また行きたいなぁ。
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