穴水駅〜鹿波
- GPS
- --:--
- 距離
- 23.1km
- 登り
- 202m
- 下り
- 190m
コースタイム
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2011年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
5月3日;ポケットパーク-(車)-穴水駅-(徒歩)-能都町・鹿波-(車)-ふれあいP-(車)-穴水駅-買い物・入浴-ふれあいP・泊 |
写真
感想
能登半島に入った海岸線歩きに限定2名の範囲でお誘いをかけたところ、2人の方から参加の意向を知らされてびっくり・・,初めて同行者を得、1人旅の覚悟が3人旅となって勇躍能登穴水に向かう。
瓢箪から出たその駒は山仲間のTさんとお嬢さん(ニックネームはお日様)で、こんなカメが這うようなどん臭い旅に満足してもらえるだろうか・・? と言う不安もあったが、お日様はどこまでもお日様らしく輝いて道々を照らしてくれ、1人旅とは一味違う楽しい旅となった。
2011年5月2日(金)
当初,2台の車の一方をその日の終着点に廻し、もう1台を出発点において最後に回収すると言う方針で臨み、穴水駅に着いてからさっそく次の日の終着点となる駐車スペースを探すべく走り出した。が、しかし『これから歩く所を前もって走ると言うのはどうにも面白くない』と言う気がぬぐえない。
10分ほど走って車を停め、海岸線に沿った路線バスのダイヤを先に調べ、適当なバスがあれば行ける所まで行ってバスで出発点に戻ることを提案する。
事前調査をして来なかった罰で路線バスのことがまったくわからず、薄暗い中で地図の地名もはっきりは読み取れない,と言う状況下で『藤波』と言う地名をキー・ワードにしてダイヤを調べる。バス会社に電話しようとしたところに折よく路線バスが来たので、運転者さんにその地を通って夕方穴水駅に向かう駅の有無を聞くと、17時台にあると言う返答だった。
そこで到着点に行くのを止めて穴水駅に戻り、駅にある地図でポケットパークと言う駐車ポイントを見つけてそこに移動することになる。よくよく見れば、駅にはバスの時刻表もあった。最初からそうすればよかったのだが・・。
実はこの時点で大きな間違いをしていた。私達が探すべき地名(バス停)は『藤波』ではなく『鹿波』だったのを、暗くて読み間違えていたのだ。
ただ幸いなことに、能登町の宇出津から穴水駅に向かうバスには海岸線を通らず国道を走るものと、海岸線を走る路線があってどちらも藤波を通るが、海岸線を走るバスが16時台に鹿波を通ることが分かり、結果オーライで1日目の目標地点を鹿波にすることとなる。
一旦ポケットPまで走って場所を確認した後、三度穴水駅に戻って買い物し、暗い中での食事となる。
5月3日(祝)
夜半,寒くて目覚め、セーターを着て暖気する。充分眠ったが4:30まで待って朝食の準備を始める。朝食は各自,お湯を沸かしてお茶をつくる。快晴。雨具,医療パック,ポイズンリムーバー,昼食と行動食,熱い茶と覚ましたお茶等,最小限の荷物で穴水駅に移動。
穴水駅6:13発。駅の隣の穴水大社に寄る。信心深いお日様は神社に旅の安全祈願,信心深くない自分は3本株立ちの杉を撮る。
前夜ウロウロしたおかげで駅周辺の地理が分かってきて難なく消防署のある川べりに到達したが、その川の右岸で珍しい『四手網漁』を見る。
堤防から突き出た台座から1本の太い竿を延ばし、その先に吊るした四角い網を水中に落してじっと蹲っている人影・・,はじめはそれはポケットPにもある『ボラ待ち櫓』と同じ展示用の模型だと思い『人形まで置いてある・・』と言ったらお日様が『違いますよ。人が座ってるんですよ』と言い、声が聞こえたのか、人影がこっちを振り向いた。
気がつくと川の両岸に一定間隔を置いてそのような台座が点々と設けられ、また川底を覗き込むと、まるでその漁法に合わせたように水深が浅くて均一で普通の川とはまったく様子が違っていた。ボラ待ち櫓と言い、四手網漁と言い、これがこの地域の人達の楽しみなんだ・・,と妙に納得させられ嬉しくなった。狙っているのは多分イサザ(シロウオに似たハゼ科の魚)だろう・・。
川岸の壁には、『星空の街』を謳う穴水町を象徴するかのように牡牛座,双子座,獅子座,蟹座,射手座等,星座を模したプレートが埋め込まれ、川面と川底,川岸のそれぞれを楽しみながらゆっくりと海に向かって下って行くと、河口が広がった先に『遊歩道・潮騒の道』と書かれた案内標識があって、長谷部神社と言う大鳥居の前を通ってインターロッキングを張った遊歩道に至る。左手は由比ケ丘公園と言う高さ40mほどの丘で、その海際の斜面にはツバキやクスノキ,ヤブニッケイなどの照葉樹が繁茂し、イワカガミやシュンラン,キランソウ(地獄の釜の蓋),ハマダイコン等の花が見られた。
一方,何処までも浅い海の中にはアメフラシ(ウミウシ?)が無数に見られ、ウニやナマコもいた。時おり小魚が泳ぐ姿も見られる。岸壁にくっついた牡蠣を叩き割って塩水で洗い、食べてみた。美味いがしょっぱい。
7:05,潮騒の道の終点到達。そこからは岬の山道を50mあまり登ると広いグランドがあって道が左右に分かれる。左回りに海岸線を行くと言うことは右へ右へと行くことなのでためらわず右折すること5分で『金沢工大・穴水湾自然学苑』と書かれた看板と鉄筋の建物に行き当たる。
車止めを越えて下り切った所はヨットハーバーで、2〜3人の学生がヨットの手入れをしていたので断って通らせてもらい、海岸の縁を突破できないか探る。対岸の麦ヶ浦と言う地区がすぐそこに見えており、突破できればコースを大幅に短縮できるのだが無理と判り、引き返して建物のある庭で休憩し軽く行動食を摂る。
8:00発,先刻のグランドに戻って進むともう1つ大きな道に合流し、そこに町営の立派な陸上競技場があった。競技場に沿って右に進むと穴水高校の正門を通過して今度は町営の野球場に突き当たる。折しも中学生達の試合が行われていて元気な声が響く中,T字に交わる道を右に曲がると急坂の下りで、もう1つ大きい道に合流してゆるゆる進むとやがて行く手に広い田んぼが見えてくる。
目の前の田んぼとの間には七海川があってそれを渡るにはさらに国道まで進まなくてはならない。その七海は前日,バスを停めてダイヤを聞いた所で、ここまで来て由比ケ丘と言う小さな突起を先端から縦断して越えたことになる。
途中,立派なタラの芽をゲットして3人とも山菜モードになり、今夜は山菜の天ぷらと決めてタラの他にアケビの芽を採りながら歩いてきた。今回の海岸線歩きは前述のようなリアス海岸の連続で、出入りの激しい行程となるので焦らずのんびり歩くべし・・,なのだ。
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七海川べりの木瓜の花/山と積まれた牡蠣殻
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穴水駅から2時間半かかって湾に突き出た小さな半島を歩き、七海と言う地区で一旦国道(R249)に戻って七海川の橋を渡って麦ヶ浦と言うさらに小さな半島に向かう。穴水高校や陸上競技場のある由比ヶ丘を下ってゆるゆる進むとやがて行く手に広い田んぼが見えてくる。
目の前のその田んぼとの間には七海川があってそれを渡るにはさらに国道まで進まなくてはならない。その七海は前日,バスを停めてダイヤを聞いた所で、そこまでは国道を走れば穴水駅からわずか2.4kmのであるが、潮騒の道から由比ケ丘と言う小さな岬を縦断すると5.3kmとなり、さらに金沢工大のヨットハーバーまでの往復を加えると7.3km歩いたことなる。
穴水から能登町に至る海岸線はこのようなリアス海岸の連続で、出入りの激しい行程となるので焦らずのんびり歩くべし・・,なのだ。
麦ヶ浦へ
先刻遡った七海川の、今度は対岸の川べりを田圃の縁に沿って下る。川べりの出づくり小屋の側で畑仕事をしていた2人の婦人に麦ヶ浦から先の道を尋ねると、やはりそこは行き止まりで先端まで行けば戻って来なくてはならないが、『静かな入り江で、牡蠣の養殖をしているとてもいい所なのでぜひ行ってみて下さい』と言った。
小屋の傍らにホタテの貝殻が積まれていたので養殖の方法を尋ねると、ワイヤーに一定間隔で種付けをした貝殻を取りつけ、それをメインのワイヤーに吊るして張ると言うやり方で、筏を使わない点を除けば広島湾のやり方と同じだった。『広島では竹で組んだ牡蠣筏に吊るして筏を船で引っ張って移動させながら育ててます・・』と言うと、『種は広島から取り寄せているのよ』と言った。
七海川は大きく湾曲して一旦国道に接近するが、教えられた畔道を行くと国道を通らずに入り江に向かうことが出来、集落に入る手前の対岸は湿地帯になっていて葦の茂みの中にアオサギやカモの姿が見られるちょっとした水鳥の楽園になっていた。
その湿原の切れ目が入り江の始まりで、波のない穏やかな海面に点々と牡蠣養殖のワイヤーを浮かべる浮標が並んでいるのが見られた。入り江では海面にワイヤーが張られているために小舟が通る道も自ずから決まっているようで、いかにも小さな漁村のささやかな営みと言う気がする。それはその地域の平和な日常を象徴しているようにも思えた。
戸数わずかな集落は岬の突端で東に折れるがやがて行き止まりとなり、最後の民家で休んでいる人達と言葉を交わした後、2.5万図に記されている山道を探すべく道を尋ねる。地図上では神社があってそこから破線で示された道があることになっており、その神社に登って道を探すとそれらしい踏み跡があったが、薮になって難渋しそうなので諦めて元の道を戻る。
中居へ
来た道の反対側の山際の田圃の畦道を通って強引に国道に這い上がるとすぐにトンネルになり、その先のあるもう1つのトンネルの手前に右に進む道があった。先刻の麦ヶ浦の東に続く小さな入り江や突起のある海岸線には近づきようもなく、直近の海岸線に出るにはこの道を右折し、さらに何mか先から派生する廃道のような道を行くしかない。
その道は舗装されてはいたが近来車が通ったと思われるような形跡がなく、両側から灌木の枝が延びていて歩きにくい。進むにつれて道は薮と化して心細さが募ったが、道幅が一定していて路肩がしっかりしているのと、右下の海岸線に護岸が施されているのが見えることに確信を強めて遮二無二進むうち、やや開けた場所で反対側から来たと思われる車に出会って無事通り抜けたことを知る。
こういう時,同行者がいるとちょっと躊躇う。まして女性だとこんな道を歩かせていいものかと悩むところだが敢えて思い通りに歩かせてもらった。尤もそんな心配はお日様達にとっては無用のことで、2人ともケロッとしてこの状況を楽しんでくれているようだった。
穴水駅6:13-6:17穴水大社-6:24小又川橋(四手網漁)-6:38潮騒の道始点-7:05同終点-7:44金沢工大穴水湾自然園-8:34バス停穴水高校-8:56七海-9:35麦の浦-10:11トンネル-10:54中居農村公園P(昼食)11:46-12:26中居鋳物館12:52-13:01中居ふれあいP13:08-13:34比良分岐点-14:28岩車〒局-15:56バス停鹿波16:25-(バス)-16:50ふれあいP〜以下略
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