【相双作戦一日目3・川内村】五社山【戊4.0*】


- GPS
- 00:47
- 距離
- 3.0km
- 登り
- 196m
- 下り
- 196m
コースタイム
- 山行
- 0:35
- 休憩
- 0:12
- 合計
- 0:47
天候 | 雲の多い晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス | 川内中学校の裏手に駐車スペースらしき空き地があったので、そこに駐車。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
山頂は大きな岩場。横幅のある人にはきついかも。 |
写真
感想
全域の避難指示解除から10ヶ月経った川内村の五社山を歩く。
【契機・計画】
この1年の間に川内村および川俣町の全域、葛尾村および飯舘村ならびに富岡町の大部分、南相馬市の指定区域の大部分、浪江町の沿岸部と各地域の避難指示、居住制限が順次解除されたことを受け、今春は福島の桜を愛でつつ、復興の歩みを始めつつある相双地域の弥栄を天神地祇に祈り、合わせて各故郷の山を巡ることとした。
【山行概要】
今回の一連の山行では、山行とともに各地を代表する神社仏閣への参拝も企図していたところ、五社山では八幡神社を祀るということなので登拝することとした。
登山口近くに仮設住宅もあり、車をとめる所を探してウロウロするわけにもいかないなと考えていたが、中学校裏にちょうど良いスペース(もしかしたら、今は閉鎖されている中学校敷地内の仮設住宅住民用駐車場だったのかもしれない)があったので、そこにとめさせてもらう。
街中(といっても山村のだが)で参道ということもあり、道は歩きやすく、掃き清められている。地元の人に愛される山は尊い。そして、里を愛する人は強い。
五社山八幡神社は中尊寺金色堂のように風雨から守られており、そこで一人静かに祈りを捧げる。参拝後は神社奥にある岩の上へ。
岩上からは麓の川内村の長閑な田園風景を見渡せる。遠方の山には風力発電の風車が並び、さながら風の谷のようだ。ナウシカの世界は人間により汚染された大地が自然の力により浄化されつつあることを描写しているが、私も自然の力を信じよう。
【コラムあるいはツイート】
福島から避難してきた子供達へのいじめについて非難しない者はいないだろうが、福島産品を忌避する者は少なからず存在する。しかし、福島の子達をいじめる者と福島産品を意識的に避ける者の間に何の違いがあるのだろうか。
別に断罪しようということではなく、ただただ率直な疑問である。本年3月8日放送の『あさイチ』(NHK総合)において、くわばたえりえ氏が「『福島米食べてます』って言えない」などと発言したことに対し、ネットを中心に炎上したそうだが、非生産的でナンセンスな反応だ。くわばた氏は何故そう思うのか、率直かつ正直に話した。それに対し、頭ごなしに「けしからん」と言ってみたところで何の解決にもならない。漠然とした不安の中、母親でもある彼女が「たとえ安全だと分かっていても」リスクをとらないように行動するのは当然のことだ。
科学的に「100%安全」ということは言えない。また何かしらの差異があったとして、それが放射性物質に起因するか否かを立証することは不可能に近い(翻して言えば、「原発事故のせいで癌になった」と裁判に訴えても確実に負ける)。そのため、公的な責任ある立場の人や科学者は「健康には直ちに影響しない」というような、奥歯に物が挟まったような物言いしかできない。その結果、政府や専門家が何を言っても、それは人々の不安を払拭するための確証とはなり得ず、不安を払拭できない人々は、「危険」、「癌になる」と断言してくれる活動家や無責任な匿名の書き込み、或いは自分の思い込みを補完してくれる情報に耳を傾けることになる。
この構図を覆すのは容易なことではない。しかし、よくよく考えてみてほしい。原発事故により放射性物質は、関東はもちろん、東日本を中心として日本全国に飛散したわけだが、何故福島産のみアウトだと判断できるのか?隣県産品は口にしているのではないか?飲食店や加工食品を介して福島産品を摂取した可能性について考えたことはあるのか?今年は西暦2017年ということで雲取山への登山者が増えているが、あの付近は原発事故直後、風に乗ってきた放射性物質がぶつかって放射線量が高くなった(寡聞にして除染が行われたとは聞かない)地域ではなかったか?西日本においては、原水爆実験が何十回も行われた中国大陸の砂漠から黄砂とともに放射性物質が毎年飛んでくるが、それは気にしないのか?海外に避難するとしても海外の方が放射線量は高いが?等々
いろいろ考えたら、「影響はほぼ無いが、影響が全く無いとも言い切れない」というレベルの事象に対して、天が落ちてくる可能性を心配する(「杞憂」という。)かのようにウジウジ考えるのが馬鹿らしくなる。思い悩むだけ時間と脳味噌の無駄だし、精神衛生上も良くない。少なくとも私はこのスタンスだ。
「福島産品は安全」の連呼は、わかっている人には陳腐だし、耳を塞ぐ人には届かない。中間者には事故を想起させるだけ。いずれにしても宣伝文句として機能していない。問題無いなら特に何も言わず出荷して、何か言われたら「他県産と同等ですが何か?」とシレッと答えれば良い。「同等の放射性物質を今も毎日摂取している」ことを教えてあげた方が、消費者の心にも響くだろう。
【バックナンバー】
1.楢葉町・木戸川渓谷
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1113624.html
2.富岡町・麓山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1114733.html
4.葛尾村・五十人山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1114879.html
5.飯舘村・虎捕山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1115513.html
6.南相馬市・国見山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1115984.html
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