【相双作戦二日目1・飯舘村】山津見神社〜虎捕山【戊3.6*】


- GPS
- 01:19
- 距離
- 2.2km
- 登り
- 208m
- 下り
- 202m
コースタイム
- 山行
- 0:41
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 1:19
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
山頂付近は岩場 |
写真
感想
今春大部分の地域で避難指示が解除された飯舘村の低山を歩く。
【契機・計画】
この1年の間に川内村および川俣町の全域、葛尾村および飯舘村ならびに富岡町の大部分、南相馬市の指定区域の大部分、浪江町の沿岸部と各地域の避難指示、居住制限が順次解除されたことを受け、今春は福島の桜を愛でつつ、復興の歩みを始めつつある相双地域の弥栄を天神地祇に祈り、合わせて各故郷の山を巡ることとした。
その飯舘村版。
【山行概要】
飯舘村では、当初、野手上山を候補に考えていたが、山津見神社とセットで歩けるということで虎捕山に変更する。
晴れ渡った青空の下、山津見神社に参拝。神社の人に招かれ、先行2名との感覚調整のためもあって、狼の天井画を拝観する。昔は狼が沢山いたのでしょうねと感想を言うと、天井絵が描かれた頃には既に数が激減していたそうだ(なお、震災後の失火で社殿が焼失し、今の天井画は写真等を元にして描き直されたものである。)。狼がいなくなった頃に、100年後には人がいなくなると誰が想像し得ただろうか。
神妙な気持ちになって虎捕山へと分け入る。
歩きやすい道ということもあり、心静かに入山したが、陽がよく入り、岩が現れ、傾斜が急になってくると、徐々に興奮が高まってくる。
山頂奥の院に参拝し、裏手に回ると、今回の一連の山行内で最高の好展望。とても爽やかな気持ちになった。この好展望に触発されて、今後、吾妻、会津駒等高めの山にも歩きにいきたいと思う。
【コラムあるいはツイート】
原発事故からの避難の問題が難しいのは、線量計を見せて済む話ではないということだ。最初は心の問題なのだろうと思っていたのだが、根拠の無いことで心を煩わせる人間など、極々一部だろう。
本年3月に、NHK教育のハートネットTVで『原発被災地 最小の村 福島県葛尾村 1945〜2017』という番組を放送していたが、元村長へのインタビューで人が戻ってこないという話になり、インタビュアーが「それはやはり原発事故が?」と水を向けたのに対し、元村長は「いや」と否定し、続けて、20年後、30年後に訪れたであろう過疎の状態が今来ているのだと述べる。
NHKのインタビュアーが誘導する目的で「原発のせいか」と訊いたのかどうかはわからないが、あらゆる問題の原因を原発事故に帰するような短絡的な考え方をしていては問題を見誤るおそれがあることに気づいた。
引越しというのはただでさえいろいろと手続きが面倒くさく労力のいることだ。加えて震災から6年経ち、子供がいれば既に学校を基にしたコミュニティができているだろう。避難先で仕事に就き、子供を学校に通わせている人が、ようやく慣れた仕事を辞めて仕事の無い地域に引越し、子供をそれまでに築き上げたコミュニティから引き剥がして同級生が数えるほどしかいないような学校に転校させるというのは、よほど確信的でもなければ実行に移すことは困難だ。それを責められる人はいない。
村としては、今いる人と帰ってくる人、新たに来てくれる人に注力し、避難先に定着した人は「避難者」であることを村のために放棄する、というような方針についての議論も今後必要となってくるだろう。
【バックナンバー】
1.楢葉町・木戸川渓谷
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1113624.html
2.富岡町・麓山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1114733.html
3.川内村・五社山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1114826.html
4.葛尾村・五十人山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1114879.html
6.南相馬市・国見山
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1115984.html
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