記録ID: 1232972
全員に公開
沢登り
十和田湖・八甲田
日程 | 2017年08月18日(金) ~ 2017年08月20日(日) |
---|---|
メンバー | , その他メンバー1人 |
天候 | 8月18日 曇り時々晴れ(夜小雨) 8月19日 曇りのち晴れ 8月20日 晴れ |
アクセス |
利用交通機関
電車、
バス、
車・バイク
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|




地図/標高グラフ


標高グラフを読み込み中です...
コースタイム [注]
※概ね1時間あたり10分の休憩を含む
8月18日
駐車場8:22ー10:55大滝下(リード)12:25大滝上ー(中間尾根から大高巻き)ー13:40大クロス沢ー15:10袖川沢出合(上流100m付近で幕営)
8月19日
幕営地6:20ー7:20十六人沢出合ー9:00 15m滝の前衛滝下ー9:20林道ー(萢ノ沢まで行き引き返す)ー10:05萢ノ沢下降点ー12:50標高540m地点(幕営)※幕営地到着後小クロス沢を偵察
8月20日
幕営地6:25ー7:05銚子の口ー9:15駐車場
8月18日
駐車場8:22ー10:55大滝下(リード)12:25大滝上ー(中間尾根から大高巻き)ー13:40大クロス沢ー15:10袖川沢出合(上流100m付近で幕営)
8月19日
幕営地6:20ー7:20十六人沢出合ー9:00 15m滝の前衛滝下ー9:20林道ー(萢ノ沢まで行き引き返す)ー10:05萢ノ沢下降点ー12:50標高540m地点(幕営)※幕営地到着後小クロス沢を偵察
8月20日
幕営地6:25ー7:05銚子の口ー9:15駐車場
コース状況/ 危険箇所等 | 滝ノ股川:標高440m付近の滝ノ股大滝より手前はひたすら平凡な河原。大滝は高巻きほぼ不可でリード必須。 大クロス沢:銚子ノ口から田堰沢・袖川沢出合の区間で、地理院地図では「滝ノ股沢」と記されている。ひたすらゴルジュが続き、増水時の遡行は困難。 田堰沢:十六人沢から500mほどゴルジュが続くが、高巻ける箇所もあり大クロス沢より遡行は容易。林道手前の15m滝はその前衛滝とまとめて高巻きそのまま林道に詰めあげた。 萢(やち)ノ沢:困難な個所は無く癒し系。ゴーロは多いがナメや幅広滝も見られ、渓相は全体的に美しい。魚影が濃い。 小クロス沢:標高540m地点から銚子の口まで。大クロス沢との出合直上にある滝は尾根上からやや大きめに高巻いて下降したが、その他はクライムダウンかもしくは簡単な巻きで通過できる。短いが渓相は非常に美しい。 |
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過去天気図(気象庁) |
2017年08月の天気図 [pdf] |
写真
感想/記録
by orochi
大学時代のワンゲル部での先輩にあたるSさんの企画。自分が企画したわけではないのですが、Sさんはヤマレコユーザーで無いということなので、今回は自分の記録としてヤマレコに掲載しています。
滝ノ股大滝の登攀、大クロス沢及び田堰沢のゴルジュの突破、萢(やち)ノ沢及び小クロス沢という記録の無い沢の下降など、色々な不確実要素があるなか、2泊3日の沢旅を始める事になりました。
-----------------
Sさんの車で滝ノ股川の入渓点となる右岸の駐車場へ。駐車場からは大きな堰堤が見える。
左岸に林道が伸びているようなのでこちらをたどるとすぐに先ほどの堰堤に行き当たり、巻いて越える。越えたあとしばらくは水流が分流しておりどこを進むべきか分かりにくい。だがそれも長くはなく、やがて本流が明瞭になり、ゴーロ地帯を延々進むようになる。
水は少し濁りがあるように見える。
釣りで有名な沢ということで、1時間ほど歩いた縁で竿を出してみるが(←なお、自分は渓流釣り自体初めてで、見よう見まねの世界(^^;))、2人ともヒットせず。
最初の堰堤のほか、堰堤が2つあるが、これらは右岸の踏み跡を使って簡単に越えられた。
流れは蛇行を繰り返し、切り立った側壁が現れたりするが、本流は完全にゴーロのみ。その状態で2時間ほど歩くと、大クロス沢、小クロス沢の出合より少し手前で突如滝ノ股大滝が壁のように立ちはだかる。
前段がなくいきなりラスボスが出てきたような感じ。。
側壁は遥か上まで切り立っており、巻きは地形的にあり得ない。考えられるルートは乾いた右壁くらいだ。若干窪状になっており、高さもさほどではないため、遠目にはなんとか登れそうに見える。
とりあえずリードをする事となり、自分がトップで取り付く。
…が、この滝、かなりの強者だった。
基本的に逆層のスラブとなっており、特に中間部から上はホールドがほとんどなく苦戦。残置は3つほどあるが、下の2つは位置が悪くヌンチャクが掛からないため、残置のすぐわきなどにハーケンを打ち込み、(あまり宜しくないが)これ自体をホールドにして無理やり体を引き上げじりじり這い上がる。
4つ目のハーケンを打って体を引き上げ、腕の力が尽きてきたところで、ようやく最上部の残置に手がとどき、何とか突破。
続いてSさんにフォローでハーケン等を回収してもらい、最後に2人分の荷物を引き上げてひと段落。最初の滝で大分疲れてしまった。。
だが沢登りはむしろここからが始まり。
大滝を越すと、これまでの平凡な渓相は影を潜め、そそり立つ岩壁の中に滝と釜が続く荒々しい渓相へと変貌していく。
大クロス沢の出合である銚子の口は直接突破できないので、小クロス沢との中間尾根から高巻き下降地点を探す。この間、Sさんは小クロス沢出合付近に登るのが困難な滝がかかっていること、及び容易に高巻くことができることを確認されていた。
さて、尾根からの下降は登り返せることが前提となるので、なかなか適切な下降点が見い出せない。かといってあまり尾根上を進んでも追い上げられるだけであり、50mほど登ったところで若干傾斜の緩そうなところがあったので、ここから懸垂下降する。結果、50mロープでギリギリだったが、何とか1回の懸垂でフリーで降りられる地点まで到達。その直下は滝場となっていたので、わりと良い位置に下りたかもしれない。
そして、ここからが凄かった!
延々ゴルジュが続き、全く高巻くという行為は許されない状況が続く。ゴルジュ状のため、先が見通せず、この先通過不可能な箇所が出てきたらどうしようと不安がよぎる。
また、空は灰一色で、水もなんだか深緑色に濁っており、余計不安感を煽る。
ただ、幸いにしてフリクションは良く効き、また致命的な箇所は現れず、ギリギリ突破できるくらいの釜や小滝が続くのがありがたい。(ゴルジュの最初のほうに5mほどの滝があり、左から巻き気味に越さなければならないのだが、ここの落ち口が個人的には結構怖かった。Sさんからのホールドの指示がなければ厳しかったかもしれない)
延々と続く岩と水の世界を堪能し、袖川沢出合が近づいたころ、ようやく沢床が開け、癒し系の様相に戻ってきた。
さて、Sさんの話では袖川沢出合で泊まった記録があったとのことだが、どうもそれらしき場所が見当たらない。そこで、田堰沢に入り100mほど遡行すると、左岸側にまずまずの適地が見つかった。今日ここまで進めば明日の行程は順調に進めば問題ないはずなので、ここでツェルトを張ることにする。
薪は少なかったが何とか2人で集め、火を起す。前日の雨で湿っており点火しにくい。
晩飯はゴーヤチャンプルー。持ってきた生卵が割れていないか少し心配だったが、幸いひびは入っていなかった。また、Sさんが山菜のミズを採取されたので、下処理の方法などを教えていただき味噌汁とたたきにして食べる。沢の楽しみ方のバリエーションが増えた(^^)
夜は小雨が降った。そして虫が多くて不快だった。
8月19日(土)
田堰沢に入り遡行を続ける。
序盤は基本的にゴーロが多い。時々ゴルジュが出てきたりするが問題はない。
十六人沢を右に見ると、再び沢は長いゴルジュとなる。ただ、昨日のそれと異なり左岸を高巻ける箇所が多いので、正面突破が困難な箇所は高巻いて越える。
一箇所下降点にトラロープが設置されている箇所があった。
なお、真面目に突破しようとするなら泳ぎも必要となりかなり厳しいかもしれない。
長いゴルジュが終了すると見事なナメとなり見せ場が連続する。
小滝をいくつか過ぎると、標高780m付近で最後の15m滝とその前衛の小滝が現れる。これらの滝の登攀は困難で、またこのすぐ上が林道となっているため、小滝の手前から左岸の斜面にとりつき林道に上がることにする。
ただ、地形図上で崖マークになっているだけのことはありかなりの急斜。途中休む箇所も無く、平坦地に詰めあげたときには腕がパンパンになっていた。
とにかく前半は終了。
さて、ここから萢ノ沢の下降に移る。萢ノ沢は地形的には困難な箇所は無さそうだが、記録のない沢ということで、もしかしたら思わぬところに突破困難な滝が出てくるかもしれない。
とりあえず林道を歩き、萢ノ沢にかかる橋まで移動するが、沢床までかなり距離があり、しかも両岸ゴルジュ状となっていたので、ここからの下降は不適と判断。少し引き返して、林道の屈曲点あたりから伸びる尾根を下降して沢に下りることにする。
笹の茂る藪尾根を降りていくと、幸い下降した先はゴルジュではなく、平和なナメ。なかなかいい感じの沢じゃないか。
(事前に見た衛星画像では樹林に覆われていたため、もっと暗い沢を想像していた。)
そのまま下降していくと、ゴーロは多いものの、ナメや幅広滝が現れ飽きさせない。樹林も美しく、南八甲田の自然の真っただ中にいるということを感じさせてくれる。
そして魚影が非常に濃い。滝ノ股大滝に守られ、釣り師が容易に足を踏み入れることができない貴重な空間なのだろう。
標高610m付近で初めてクライムダウン出来ない滝が現れるが、右岸の藪を巻いて容易に降りられた。さらにその下にも滝があったが同様に巻いて降りる。
そして、心配していたようなことは起こらずわりとあっさり小クロス沢に到着。
幕営地を探すと、右岸を5mほど登ったところが良い感じの平坦地になっており、ここを本日の宿とする。昨日と違い薪は豊富だ!
さて、休む前に、小クロス沢を偵察することにする。
小クロス沢は地形図で見ると大クロス沢に似たような感じになっており、越えられない滝が出てくることは想像に難くない。
もし小クロス沢をダイレクトに下降できない場合は、693標高点あたりまで上り詰め、藪尾根を下降することも考えていた。
だが、想像とは裏腹に、しばらく下っても何ら困難な滝は出現しない。結局、崖マークの末端まで行っても何も「ヤバそうな」ものは出てこなかったので、これは小クロス沢の下降は可能と判断し、安心して幕営地に戻る。途中で晩飯用のミズを採取。
時間が余ったので、釣りをするが相変わらず釣果無し。。。もう少し勉強しなければ。
今回は夜も天気は良好。ただし、虫の多さは相変わらずだった(; ;)
8月20日(日)
今日は困難な地点が無いことが分かっているのでお気楽モード。
昨日下見した小クロス沢を下降し、往路で確認した滝上まで下る。この滝の上あたりの景観は非常に素晴らしく、小クロス沢のハイライトと言えると思う。
下りられない滝は左岸の斜面を登り、行きに通った中間尾根へ乗り上げる。そして尾根を下り銚子の口へとカムバック。
大滝は滝上に残置されていたスリング数本を使って懸垂下降。当たり前だが降りるのは一瞬だ。
あとは滝ノ股川のゴーロをだらだらと下る。今日は3日のうちで一番天気が良く、陽光が燦々と降り注いでいる。
水の透明感も心なしか高まっているようだ。
目白アブが前を行くSさんにやたらたかっていた。刺されやすい体質との事。。
標高360m付近から右岸に踏み跡が伸びるのをSさんが発見されたので、あとはこれを利用してゴールに向かう。
時々踏み跡は沢と一体化して良く分からなくなっていた。
ゴール直前で釣師の方と遭遇。入山後、初めて自分たち以外の人に会った。
そして駐車場に帰還。無事に完遂出来て良かった!!
行動距離が長かったのと藪の急斜のおかげか、足も手も筋肉痛だ。。
このあと、3日間の汚れと疲れをとるため、津軽平野の宝温泉へと向かった。
-----------------------
やはり圧巻は大クロス沢と田堰沢のゴルジュでした。遡行中は不安でしたが、振り返ってみると調度突破できるくらいの箇所が連続し、非常に楽しいルートだったと思います。また、小クロス沢、萢ノ沢は困難な個所はほとんどない一方渓相が素晴らしく、こちらも十分に遡行の価値があります。
技術的核心はやはり滝ノ股大滝でした。ここはリードが必須となるため、複数人での入渓が必要です。
総じて、南八甲田の自然を満喫できる好ルートだと思います。
滝ノ股大滝の登攀、大クロス沢及び田堰沢のゴルジュの突破、萢(やち)ノ沢及び小クロス沢という記録の無い沢の下降など、色々な不確実要素があるなか、2泊3日の沢旅を始める事になりました。
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Sさんの車で滝ノ股川の入渓点となる右岸の駐車場へ。駐車場からは大きな堰堤が見える。
左岸に林道が伸びているようなのでこちらをたどるとすぐに先ほどの堰堤に行き当たり、巻いて越える。越えたあとしばらくは水流が分流しておりどこを進むべきか分かりにくい。だがそれも長くはなく、やがて本流が明瞭になり、ゴーロ地帯を延々進むようになる。
水は少し濁りがあるように見える。
釣りで有名な沢ということで、1時間ほど歩いた縁で竿を出してみるが(←なお、自分は渓流釣り自体初めてで、見よう見まねの世界(^^;))、2人ともヒットせず。
最初の堰堤のほか、堰堤が2つあるが、これらは右岸の踏み跡を使って簡単に越えられた。
流れは蛇行を繰り返し、切り立った側壁が現れたりするが、本流は完全にゴーロのみ。その状態で2時間ほど歩くと、大クロス沢、小クロス沢の出合より少し手前で突如滝ノ股大滝が壁のように立ちはだかる。
前段がなくいきなりラスボスが出てきたような感じ。。
側壁は遥か上まで切り立っており、巻きは地形的にあり得ない。考えられるルートは乾いた右壁くらいだ。若干窪状になっており、高さもさほどではないため、遠目にはなんとか登れそうに見える。
とりあえずリードをする事となり、自分がトップで取り付く。
…が、この滝、かなりの強者だった。
基本的に逆層のスラブとなっており、特に中間部から上はホールドがほとんどなく苦戦。残置は3つほどあるが、下の2つは位置が悪くヌンチャクが掛からないため、残置のすぐわきなどにハーケンを打ち込み、(あまり宜しくないが)これ自体をホールドにして無理やり体を引き上げじりじり這い上がる。
4つ目のハーケンを打って体を引き上げ、腕の力が尽きてきたところで、ようやく最上部の残置に手がとどき、何とか突破。
続いてSさんにフォローでハーケン等を回収してもらい、最後に2人分の荷物を引き上げてひと段落。最初の滝で大分疲れてしまった。。
だが沢登りはむしろここからが始まり。
大滝を越すと、これまでの平凡な渓相は影を潜め、そそり立つ岩壁の中に滝と釜が続く荒々しい渓相へと変貌していく。
大クロス沢の出合である銚子の口は直接突破できないので、小クロス沢との中間尾根から高巻き下降地点を探す。この間、Sさんは小クロス沢出合付近に登るのが困難な滝がかかっていること、及び容易に高巻くことができることを確認されていた。
さて、尾根からの下降は登り返せることが前提となるので、なかなか適切な下降点が見い出せない。かといってあまり尾根上を進んでも追い上げられるだけであり、50mほど登ったところで若干傾斜の緩そうなところがあったので、ここから懸垂下降する。結果、50mロープでギリギリだったが、何とか1回の懸垂でフリーで降りられる地点まで到達。その直下は滝場となっていたので、わりと良い位置に下りたかもしれない。
そして、ここからが凄かった!
延々ゴルジュが続き、全く高巻くという行為は許されない状況が続く。ゴルジュ状のため、先が見通せず、この先通過不可能な箇所が出てきたらどうしようと不安がよぎる。
また、空は灰一色で、水もなんだか深緑色に濁っており、余計不安感を煽る。
ただ、幸いにしてフリクションは良く効き、また致命的な箇所は現れず、ギリギリ突破できるくらいの釜や小滝が続くのがありがたい。(ゴルジュの最初のほうに5mほどの滝があり、左から巻き気味に越さなければならないのだが、ここの落ち口が個人的には結構怖かった。Sさんからのホールドの指示がなければ厳しかったかもしれない)
延々と続く岩と水の世界を堪能し、袖川沢出合が近づいたころ、ようやく沢床が開け、癒し系の様相に戻ってきた。
さて、Sさんの話では袖川沢出合で泊まった記録があったとのことだが、どうもそれらしき場所が見当たらない。そこで、田堰沢に入り100mほど遡行すると、左岸側にまずまずの適地が見つかった。今日ここまで進めば明日の行程は順調に進めば問題ないはずなので、ここでツェルトを張ることにする。
薪は少なかったが何とか2人で集め、火を起す。前日の雨で湿っており点火しにくい。
晩飯はゴーヤチャンプルー。持ってきた生卵が割れていないか少し心配だったが、幸いひびは入っていなかった。また、Sさんが山菜のミズを採取されたので、下処理の方法などを教えていただき味噌汁とたたきにして食べる。沢の楽しみ方のバリエーションが増えた(^^)
夜は小雨が降った。そして虫が多くて不快だった。
8月19日(土)
田堰沢に入り遡行を続ける。
序盤は基本的にゴーロが多い。時々ゴルジュが出てきたりするが問題はない。
十六人沢を右に見ると、再び沢は長いゴルジュとなる。ただ、昨日のそれと異なり左岸を高巻ける箇所が多いので、正面突破が困難な箇所は高巻いて越える。
一箇所下降点にトラロープが設置されている箇所があった。
なお、真面目に突破しようとするなら泳ぎも必要となりかなり厳しいかもしれない。
長いゴルジュが終了すると見事なナメとなり見せ場が連続する。
小滝をいくつか過ぎると、標高780m付近で最後の15m滝とその前衛の小滝が現れる。これらの滝の登攀は困難で、またこのすぐ上が林道となっているため、小滝の手前から左岸の斜面にとりつき林道に上がることにする。
ただ、地形図上で崖マークになっているだけのことはありかなりの急斜。途中休む箇所も無く、平坦地に詰めあげたときには腕がパンパンになっていた。
とにかく前半は終了。
さて、ここから萢ノ沢の下降に移る。萢ノ沢は地形的には困難な箇所は無さそうだが、記録のない沢ということで、もしかしたら思わぬところに突破困難な滝が出てくるかもしれない。
とりあえず林道を歩き、萢ノ沢にかかる橋まで移動するが、沢床までかなり距離があり、しかも両岸ゴルジュ状となっていたので、ここからの下降は不適と判断。少し引き返して、林道の屈曲点あたりから伸びる尾根を下降して沢に下りることにする。
笹の茂る藪尾根を降りていくと、幸い下降した先はゴルジュではなく、平和なナメ。なかなかいい感じの沢じゃないか。
(事前に見た衛星画像では樹林に覆われていたため、もっと暗い沢を想像していた。)
そのまま下降していくと、ゴーロは多いものの、ナメや幅広滝が現れ飽きさせない。樹林も美しく、南八甲田の自然の真っただ中にいるということを感じさせてくれる。
そして魚影が非常に濃い。滝ノ股大滝に守られ、釣り師が容易に足を踏み入れることができない貴重な空間なのだろう。
標高610m付近で初めてクライムダウン出来ない滝が現れるが、右岸の藪を巻いて容易に降りられた。さらにその下にも滝があったが同様に巻いて降りる。
そして、心配していたようなことは起こらずわりとあっさり小クロス沢に到着。
幕営地を探すと、右岸を5mほど登ったところが良い感じの平坦地になっており、ここを本日の宿とする。昨日と違い薪は豊富だ!
さて、休む前に、小クロス沢を偵察することにする。
小クロス沢は地形図で見ると大クロス沢に似たような感じになっており、越えられない滝が出てくることは想像に難くない。
もし小クロス沢をダイレクトに下降できない場合は、693標高点あたりまで上り詰め、藪尾根を下降することも考えていた。
だが、想像とは裏腹に、しばらく下っても何ら困難な滝は出現しない。結局、崖マークの末端まで行っても何も「ヤバそうな」ものは出てこなかったので、これは小クロス沢の下降は可能と判断し、安心して幕営地に戻る。途中で晩飯用のミズを採取。
時間が余ったので、釣りをするが相変わらず釣果無し。。。もう少し勉強しなければ。
今回は夜も天気は良好。ただし、虫の多さは相変わらずだった(; ;)
8月20日(日)
今日は困難な地点が無いことが分かっているのでお気楽モード。
昨日下見した小クロス沢を下降し、往路で確認した滝上まで下る。この滝の上あたりの景観は非常に素晴らしく、小クロス沢のハイライトと言えると思う。
下りられない滝は左岸の斜面を登り、行きに通った中間尾根へ乗り上げる。そして尾根を下り銚子の口へとカムバック。
大滝は滝上に残置されていたスリング数本を使って懸垂下降。当たり前だが降りるのは一瞬だ。
あとは滝ノ股川のゴーロをだらだらと下る。今日は3日のうちで一番天気が良く、陽光が燦々と降り注いでいる。
水の透明感も心なしか高まっているようだ。
目白アブが前を行くSさんにやたらたかっていた。刺されやすい体質との事。。
標高360m付近から右岸に踏み跡が伸びるのをSさんが発見されたので、あとはこれを利用してゴールに向かう。
時々踏み跡は沢と一体化して良く分からなくなっていた。
ゴール直前で釣師の方と遭遇。入山後、初めて自分たち以外の人に会った。
そして駐車場に帰還。無事に完遂出来て良かった!!
行動距離が長かったのと藪の急斜のおかげか、足も手も筋肉痛だ。。
このあと、3日間の汚れと疲れをとるため、津軽平野の宝温泉へと向かった。
-----------------------
やはり圧巻は大クロス沢と田堰沢のゴルジュでした。遡行中は不安でしたが、振り返ってみると調度突破できるくらいの箇所が連続し、非常に楽しいルートだったと思います。また、小クロス沢、萢ノ沢は困難な個所はほとんどない一方渓相が素晴らしく、こちらも十分に遡行の価値があります。
技術的核心はやはり滝ノ股大滝でした。ここはリードが必須となるため、複数人での入渓が必要です。
総じて、南八甲田の自然を満喫できる好ルートだと思います。
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