剣岳 北方稜線
コースタイム
14日(日)テン場発 4:30→劍岳山頂 8:00〜8:30→ 池の谷乗越 10:00→ 三の窓 11:00→ 小窓 13:20→ 小窓雪渓経由→ 池の平小屋テン場 15:00
15日(月)テン場発 5:00→ 仙人池ヒュッテ 6:20→ 阿曽原小屋11:10〜11:40→欅平15:50
天候 | 13日(土)快晴、14日(日)晴れのち曇り15日、(月)晴れのち雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
欅平は観光地なのでその都度最終トロッコ発車時刻が変わるので、事前にチェックしてください。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
北方稜線は経験者と同行が必要。天候が悪いときは入らないこと。 |
写真
感想
13日(土)快晴
馬場島で車を停めて、早月尾根を登る。標高750mから一気に早月小屋(2200m)まで登るのと、暑さもあってなかなかしんどかった。早月小屋の幕営地でテントを張り、休憩。料金は一人あたり500円だった。夕食はカレーライスを作り、皆で食べた。食後、劍岳の写真を撮っていたら、ブロッケン現象に初遭遇した。19時に就寝。
14日(日)快晴
朝3時に起床して、4時30分に出発。快晴の中、劍岳本峰を目指して登る。標高2600mを越えると次第にやせ尾根から岩場になる。鎖場のカニのハサミも通過し、別山尾根ルートとの合流地点に来ると、登山者も多くなった。しばらく登り山頂へ到着。登山者でごった返すピークを避けて、北側の小ピークに移動して休憩した。ここからは今回のメインルートである。「北方稜線 この先キケン」と書かれた看板を見て、心を引き締める。慎重に長治郎のコルに降りて、ここからはリーダーが先行し、メンバーはザイルをつけて途中まで登り、岩稜帯を長治郎谷川へ巻いて通過した。池の谷乗越への降下は急で浮き石も多いので、時間をかけて足場をしっかりととって降りた。ここからは池の谷ガリーを降りる。今年の冬に、富山県警山岳警備隊の熟練した隊員が雪崩に巻き込まれて殉死した現場である。急勾配かつ浮石だらけで、ちょっと歩いても落石が起こる。とにかくゆっくりと降りて三の窓に到着。ここから小窓の王を見ると断崖絶壁に見え、「あんなところ登れるのか?」と正直びびった。池の谷ガリー側を巻きながら、南壁を登る。見た目よりは登りやすかった。登り切ると草地の中にある踏み跡をたどる。ここで小窓尾根への分岐点にペンキ印があった。稜線を離れて小窓谷側をトラバースするが、途中雪渓があり、ロープで確保しながらアイゼンピッケルで慎重に渡った。やがて小窓に到着。あたりはガスがかかり、池ノ平山はほとんど見えない。ここから小窓雪渓をアイゼンとピッケルで降りる。右手に滝が見えてきたら左手に注意して、ペンキ印を発見。ここから旧鉱山道に入り、池ノ平小屋へ到着。幕営地の使用料は一人600円だった。水は無料で感謝感激。無事にここまで来たことを素直に喜んで、就寝した。
15日(月)快晴/一時雨
朝4時起床。八ッ峰がくっきり見える。日本離れした光景はとても感動する。リーダーから、「あれが56のコル、あれがチンネ、あそこがクレオパトラニードル」と解説され、いつか登ってみたいと憧れる。仙人峠から仙人池ヒュッテに出て、ここで有名な写真スポット、池に写る逆さ八ッ峰の写真を撮る。10月の紅葉の時期はカメラマンで一杯になるそうである。仙人温泉を越えて、雲切新道を経由して、阿曾原温泉小屋に向かう。途中、仙人谷ダムを通過するが、ダムの中を通ることができるようになっていて、新鮮だった。阿曾原小屋では、昼食を食べて、水を補給した。ここも水は無料で、助かった(暑いので、飲み過ぎていた)。ここからは水平歩道を12キロ弱歩く。途中、鉄道の軌道トンネルも通るが、熱くてとても10分もいられない場所だった。ここは吉村昭氏の高熱隧道の舞台となった地帯であり、犠牲者300余命を数えた難工事に立ち向かう先人達の気迫に触れて、感無量となる。それに比して自分の矮小なこと・・・ 劍の大自然の前で打ちのめされ、ここに来て、先人のなせる技(人工物)にも打ちのめされた。途中の志合谷では、雪渓の下をコンクリートのトンネルのような道をヘッドランプをつけて通過する。最後の急な下りを降りると欅平の駅である。お盆なのでとても混雑していて、2時間以上の待ち時間であったが、猿飛山荘の露天風呂に入り、時間をつぶし、暗くなり、ガスがかかって幻想的な黒部峡谷を、トロッコ電車の1時間の旅で楽しんで、宇奈月温泉に出た。今回は憧れだった北方稜線に行けて、本当に嬉しかった。山の技術、体力、精神力、すべて足らない私が無事戻って来れたのは、ひとえにリーダーのおかげである。また、同行の山岳会のメンバーに大感謝である。
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