青海 黒姫山


- GPS
- 06:20
- 距離
- 4.7km
- 登り
- 1,131m
- 下り
- 252m
コースタイム
天候 | 6時まで雨。18時から雨。 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
標高400mから1,000m間の赤土露出地帯は雨上がりは滑り、ロープが設置されていますが、大変です。 |
写真
感想
栂海新道を切り拓いたサワガニ山岳会の小野健氏の書籍、「栂海新道ものがたり」と「栂海新道を拓く」を読みました。
その中に「マイコミ平を語ることはタブー」と記されていたので、非常に気になりマイコミ平を調べてみました。
それが石灰岩の大地に縦に空いた鍾乳洞とそこに流れ込む水とその出口、更にはドリーネという陥没地一連を指し、デンカの社有地を通り、地域の共有地内にあることから、一般に立ち入ることができず、地元旅行会社の主催する年10回程度のツアーに参加しなければ見れないという。
1970年代にケービングクラブが記録映画撮影のために白蓮洞に入り、折からの大雨で脱出できず、地元に大変な迷惑をかけたようです。
それ以来入会権のある地元の人以外は立ち入り禁止になったようです。
ダメもとで参加を申し込むとなんと空きがあるという。
ツアー実施の6日前です。
三連休の初日、やっとの思いで宿を確保しました。
最近の体調不良を思うと2泊三日でゆったり旅行です。
ちょっと待てよ。
せっかく糸魚川まで行ってサワガニ山岳会が最初に切り拓いた黒姫山を登らずに帰るのか。
ふもとのマイコミ平を歩いたら黒姫山に登らなければいけない。
見れば表も裏も黒姫山は石灰石の露天掘り。
そのうち武甲山のように山頂がなくなってしまう。
登るなら今だ。
お宿の柵口温泉を5時に出て、小野健氏が勤め上げた巨大プラントが林立するデンカの敷地内をうろうろしてやっと登山口についたのが6時。
案内板に一週間前に「一本杉峠のあたりで熊らしきものを見たのでそこから引き返しました。注意してください。」とメモが残されている。
歩くこと暫く、雌カモシカ親子が現れた。
例によってじっとにらめっこ。
後ろでかみさんがカメラの電池が切れていたと騒ぐ。
一本杉峠を過ぎたあたりから低い唸り声が聞こえる。
腹の底に響く低重音。
熊。?
しかし私の知る熊の威嚇音はジェラシックパークのザウルスの声と更にドスの効いた唸り声。このような威嚇音は聴いたことがない。
腹の底に響く低重音。
声門を通った音ではないような気がする。
大体右左、上下方々から聞こえる。
しかし草木が全く揺れないし、動く音も聞こえない。
そんな音に囲まれながら金木平の水場につきました。
怖いし、疲れているし帰ろかしら。
すると如何にも地元の人といった出立の人が上がってくる。
「あの低い音は何ですか。」
「熊の威嚇音ですよ。大丈夫ですよ熊も人間を怖がってますから。」
そのあとから単独の女性と4人組の男性パーティーがやってくる。
そのうち単独の男性が下山してきた。
早い。
熊の威嚇音の話をすると
「あれは猪ですよ。」
昨日のツアーでも昔はいなかった猪が増えて困っているといっていた。
そうえば登山口に着く直前にうりぼうが車の前を横切った。
俄然元気になって山頂へ向かうことにした。
稜線に出た。
あ、諦めずに上がってきてよかった。
このために死ぬ思いで喘いできたのだ。
皆まだ山頂にいました。
栂海新道は勿論、白馬岳、鹿島槍の遠望できる。
デンカ城下町糸魚川と日本海も一望です。
熊の威嚇音と言って我々を楽しませてくれた男性は道の整備をする人のようです。
新しい祠は黒姫山の標高800m以上上の地主神社の持ち物で、数年前に落雷で崩壊した祠の本体価格は80万円でヘリ代が200万円。デンカと明星セメントが大半を拠出したそうです。
「昔は裾野に集落があったか、山城があったのですか。」
「あれは田んぼです。」
マイコミ平ツアーの翌日だったので初めはドリーネかと思い、次に住居跡?、山城跡?。
標高340mを最高位として240mより下は顕著に水田跡が広がります。
登山道は棚田の畔を縫うように付けられています。
今は直径60セント以上の杉が生えています。
昔は金木平に炭焼き小屋がありワイヤーで炭を下ろしていたそうです。
金木とは金になる木という意味でしょうか。
地元の男性は「40年位前までは耕作していたかなー。」と教えてくれましたが、杉の成長具合から昭和30年ぐらいまでではないかと思います。
戦後の食糧難と燃料難を助けてくれたことでしょう。
山頂がなくなるかと思って無理して歩きましたが、下は地元の入会権のある共有地。
800mから上は神社の所有地ということで採掘されることはなく、山頂は残るそうです。
サワガニ山岳会が切り開いた登山道は廃道になりましたが、新しい登山道にも十分な歴史があります。
是非ともこの辺りを解説した案内板をふもとに立ててほしものです。
コメント
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先輩にしてはマイナーな山に遠征されるなと思いましたが、そういう事でしたか!
マイコミ平のツアーがあるんですね。
それは面白そうです。
青海黒姫山には少し前に登りました。
残念ながら、カモシカにもウリ坊にも会わなかったです。
やっと山頂に着いたと思ったら、神社が更に先なのでブツブツ言いながら歩いた記憶があります(笑)。
本にすぐ影響されるもので(笑)
調べたらtyoujinbo3がサワガニ山岳会が拓いた登山道から登られ、
momohiroさんが畦道登山道から登られていました。
三番煎じかと思いつつ歩いてきました。
体調がすぐれず金木平で帰ろうかとも思いましたが、稜線に出て
紅葉と石灰岩のコントラストを目にして、諦めなくてよかったと
つくづく思いました。
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