白馬三山縦走〜男4匹、酒飲み過ぎて体調不良下での山歩き。トラバース道で足を滑らせ負傷。大したことがなくて良かった〜


- GPS
- --:--
- 距離
- 18.2km
- 登り
- 2,204m
- 下り
- 2,204m
コースタイム
天候 | 2日とも晴れのち霧 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
新宿駅から松本電鉄バス「さわやか信州号」(23:00発)で白馬駅(6:55着)へ。タクシーを使い猿倉まで。 (帰り) 猿倉から白馬駅までタクシー。白馬駅(17:53発)から松本駅(19:38着)まで大糸線鈍行。松本駅から特急「あずさ36号」(19:43発)で八王子(22:05着)まで。横浜線、小田急線を乗り継いで、当時住んでいた本厚木駅へ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・白馬大雪渓 ・白馬鑓温泉下のザレ場をトラバースする道(ここで、滑落、大事には至らなかった) |
その他周辺情報 | 白馬山荘に宿泊(当時6,560円(1泊2食付)) |
感想
平成2年7月の山行記録。
(1日目)
当時の会社の先輩Y氏が、是非白馬岳に登りたいと言っていた。また当時、同じ会社の寮に住んでいたS氏が是非山を始めたいと言っていた。大学時代の友人M氏(e331)とも、どっか山に行こうとも話していた。この際だから、みんな白馬岳に連れて行っちゃおう。
出発当日は、新宿で大学のクラス会があった。M氏と私は山の格好をしていったら、大いに受けた。明日から山へ行く気分も重なり、その夜は大変愉快に過ごした。酒の量も相当量になった。新宿駅で、Y氏、S氏と待ち合わせ。確実に座れる夜行バスで、白馬へ向かった。
前夜、酒を飲み過ぎたM氏と私は絶不調。しかも、白馬尻小屋では、迎え酒としてビールを飲んだ。炎天下での大雪渓の登りは、拷問に感じた。人が多く、マイペースで登ることは許されない。さらに、私は登っている最中に、足の関節が痛み出した。
大雪渓を過ぎ、葱平の先の安全な場所でラーメンを作り、ミカンの缶詰を開ける。1時間の大休止。
この先も急斜面が続き、足の痛みもだんだんと強くなっていった。大幅なペースダウン。しかし、M氏は私より不調の様で、私よりも遅れるようになった。Y氏、S氏は、先にスタスタと歩いて、我々を待っているというパターンが続いた。
村営白馬小屋に到着。また、ビールを飲んだ。今日はここで泊まろうと思ったが、Y氏が上の白馬山荘に是非泊まりたいと言った。M氏に調子を聞いてみたところ、「1時間かかっても行くよ」とのことだったので、白馬山荘に泊まることにした。
白馬山荘到着、16時半。猿倉から8時間もかかった。S氏とY氏はすでに到着しているが、M氏はまだ到着しない。私は、その間に4人の宿泊手続きをした。そして、我々の食事時間は、18時半から19時と決められた。この日は宿泊者が多く、食事は10組入れ替え制で、最後の組は、21時以降に取ることになっていた。恐るべし白馬岳。
白馬山荘前の広場は人でいっぱい。Y氏とS氏は場所を取っていてくれた。遅れて到着したM氏も合流して、M氏が差し入れてくれたウィスキーで酒の宴を開いた。暮れ行く立山・剱連峰を眺めながら、我々は、アルコールの力もあってか、うっとりとした時間を過ごした。Y氏は自慢のハーモニカ演奏をしてくださった。周りから拍手がおきた。Y氏には、2曲、3曲と続けてハーモニカ演奏をしていただいた。印象深い幸福な時間であった。そんなことで、この日も酒量が増えてしまった。
(2日目)
次の日の朝は、一面霧。贅沢な食事をして、白馬岳を往復してくる。今日も足の関節に強い痛みが走る。無事に下山できるだろうか、皆に迷惑をかけやしないか、心配になって来る。
白馬岳頂上に着くと、霧はすっかりと晴れ、北アルプスのほどんどが視界に入って来た。日本海もよく見えた。自分の心も晴れ上がった。今この幸せな時間をかみしめた。
白馬山荘に戻り、喫茶室で朝のコーヒーを飲んだ。
8時、宿泊者がほとんど出払った遅い出発となってしまった。足の痛みにより、栂池高原に下りる楽なコースに変更しようかと考えていたが、山の景色に吸い込まれるように、やはり白馬三山コースに足が向いてしまった。
白馬鑓までは、思ったより起伏が少なく、足の痛みもそれほどでなく、途中で雷鳥を見たりしながら、変化の多い快適な稜線漫歩を楽しめた。
白馬鑓で最後の展望を楽しみ、急な下りに差し掛かると、足の関節に激痛が走るようになった。びっこを引いての下り坂。こんな調子で、標高差1,700メートルも下るのかと、気の遠くなるような思いをした。とにかく、一歩一歩足を進めるしかない。
白馬鑓温泉に正午ちょうどに到着。焼きそば、スープ等の昼食をとる。露天風呂にも入って行きたかったが、この調子だと何時に下山できるか分からないのでパス。
白馬鑓温泉を出発して間もないころ、険悪なトラバース道に出た。嫌だなーと思って通過しようとしたところ、身体が宙に浮いた。私の身体は谷に向かって転げ落ちていく。咄嗟にスキーで転んだ時の身体の止め方を思い出し、足を突っ張って、かかとを砂礫の中に突っ込んで身体を止めた。被害は右腕の擦り傷と、左手人差し指の爪が半分もげた程度であった。下手なスキーをやっといてよかった。
M氏はぎりぎりのところまで来てくれて、私を助け出そうとしてくれる。私は大丈夫だと言って、一歩一歩崩れやすい砂礫の崖を登って行った。雪渓のほとりの安全な平坦地に出たところで、S氏が自分のバンダナを用いて、私の傷の応急手当てをしてくれた。
この先も、長い長い下り坂が続いた。そして、猿倉に着いたのは16時半。S氏とM氏はビールで乾杯。Y氏と私はジュースで乾杯。もう、ビールはこりごりだった。ジュースを飲んでも、のどの渇きが収まらないので、アイスクリームを食べ、またジュースを飲んだ。
帰りは、白馬駅までタクシー。大糸線の鈍行で松本駅に出て、特急「あずさ」に乗り換えて帰京した。帰りの車中でも談笑が絶えず賑やかだった。その話題の中心は、やはり私の滑落事故と、そこで負った傷についてであった。
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