備前市 東大平山〜西大平山〜龍王山〜榧原山&備前焼山⁉
- GPS
- 04:09
- 距離
- 8.2km
- 登り
- 595m
- 下り
- 608m
コースタイム
- 山行
- 3:43
- 休憩
- 0:25
- 合計
- 4:08
歩行距離8km、歩行時間3時間40分、歩行数15,600歩、消費カロリー1,640Kcal
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
ハードなヤブコギはなく、道は前回(2016年1月7日)よりもかなりきれいでわかりやすくなっていました。鉄塔巡視路の入口表示や道標も整備され迷うことはありません。 西大平山南東谷登山口<写真07>からのルートは、岩場<写真08、09>など一部急な所があるので、地面が濡れていたり凍結していたりするときには下りは避けたほうがいいでしょう。 東大平山<写真05>へは、復路の伊坂峠東大平山登山口<写真06>からが正規のルートです。往路は鉄塔巡視路からそれて鉄塔No63<写真02>まで北東に進みましたが、かなり崩れやすい土なので、下りは危険です。 伊坂峠<写真01>から東大平山<写真05>へは、予定外でしたが現地の状況を見て急遽行ってみることにしました。 往路は題目石の西にある鉄塔巡視路の入口らしき所から落ち葉の細道を進みましたが、上る様子がなかったのですぐに引き返し、適当に取り付いて備前市&瀬戸内市の市境尾根に乗ることにしました。木の間はかき分けなくても歩ける状態で、たまにテープが落ちていました。ただし、かなり崩れやすい土で木を掴みながらなんとか上れるレベルでした。 標高180m辺りからなんとなく細道のような歩きやすい部分が現れ、最後にそこからそれて鉄塔No63<写真02>に向かって斜面をひと登りしました。 鉄塔No63<写真02>からはきれいな道が市境尾根沿いに延びており、標高210m辺りで北東から南西に延びる鉄塔巡視路を横断してずっと市境尾根沿いを進みました。たまにピンク色のテープや細い木を切った跡がある細道で、木の間をかき分けなくても歩けます。途中でテープはなくなりましたが、やせ尾根のように一段高くなった市境尾根は細道のようでした。 復路は、市境尾根の北側に並行している細道に入ってみました。こちらには赤いビニールテープがあり、歩きやすさは市境尾根と同じくらいで、すぐに往路に合流しました。 鉄塔No63<写真02>まで戻ってくると、市境尾根沿いに細道がありました。崩れやすい下りで落ち葉でさらに滑りやすくなっていますが、アスファルト道がもう見えており、すぐに伊坂峠東大平山登山口<写真06>に出ました。こちらが正規のルートのようです。 西大平山南東谷登山口<写真07>から西大平山<写真12>までは、一部少し急な所があります。 登山口<写真07>から岩場<写真08、09>を経て標高230m辺りまでは、涸沢沿いの石がゴロゴロした道です。岩場<写真08、09>は高さ2m程で、右(東側)に巻き道らしき階段状の岩盤もありますが、岩場の途中に生えている木を掴めば、楽に登れます。急なので下りは後ろ向きでないと下りられないでしょう。 標高250m辺りから西大平山<写真12>まではシダの間の細道で、北東に進路を変える辺りのみ少しわかりにくいです。標高260m辺りにシダを掴まないと上れない急な段差が2つあります。頂上東の鞍部周辺は少し急な石埋まり道がありますが、下りも問題ありません。 西大平山<写真12>から龍王山頂上<写真16>を経て伊部(いんべ)南大窯跡<写真25〜27>までは、基本、シダの間の細道で、一部、ザラついた滑りやすい土道があります。鉄塔巡視路との分岐にははっきりと表示があり、迷う心配はなくなりました。 西大平山<写真12>から龍王山頂上<写真16>東の240m小ピークを過ぎると、標高230m辺りからザラついた滑りやすい土が伊部(いんべ)南大窯跡<写真25〜27>まで続きます。特に窯跡手前は滑りやすいのですが、障害物が全くない広い道なので転んでもけがはしないでしょう。 榧原(かやはら)山頂上三角点<写真19>からは、西へ向かう鉄塔巡視路に入ったほうが多少ショートカットになりそうです。前回は地形図の太い破線の道を忠実に歩きました。おそらく歩きやすさはどちらも同じくらいでしょう。 |
その他周辺情報 | 備前市伊部(いんべ)は備前焼のメッカです。毎年、第3土日(2018年は10月20日・21日)にはJR伊部駅周辺で「備前焼祭り」が開催され、全国からたくさんの人が訪れます。 備前焼の原土には伊部周辺の地下にある「ひよせ」という粘土を用いています。採土できる所は極わずかで貴重です。釉(ゆう)薬をかけず、約2週間前後1,200度以上の高温で焼き締めるため、強度が高く、落としても壊れません。また、素朴で力強い見た目も魅力です。 また、内部が緻密な組織をしているために「比熱が大きい(=保温効果が高い)」、「発砲能力が高い(=泡の寿命が長い)」、「通気性がいい」などの優れた点があり、お酒や料理の器、花瓶として用いられます。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
防寒具
手袋(防水加工)
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
“今年の山納め”
2017年の山納めは備前焼で有名な備前市伊部(いんべ)の南の山域で行いました。当初は東大平山は予定にはなかったのですが、伊坂峠まで来ると、未踏峰に行きたいという欲求が出てきて、急遽、東大平山も登ることにしました。ヤブコギが見込まれる山は尾根のもっとも高い部分に沿って歩くのが原則です。往路はその原則を崩して、鉄塔巡視路らしき巻き道を進みましたが、上りのルートに合流しないのでは?という不安から、すぐに尾根上のルートに進路変更をしました。復路はセオリー通りに尾根上を下ってきたので、大した障害もなく、普通に下りてくることができました。ただ、送電線沿いに道があるようでしたので、最初辿った鉄塔巡視路ルートは尾根に合流していた可能性があります。プチ冒険でしたが、苦労せず楽しい山納めができました。
“対照的な東大平山と西大平山”
西大平山へは西大平山の南東谷からアプローチすることにしました。このルートは過去に登った方の記録もあるので、谷沿い=危険というルートではなく、一部の岩場を除き、歩きやすいコースでした。道標も分岐毎に設置されていますので、迷うこともありません。頂上には旗振台、三角点、ピーク標、ケルンなどがあり、いかにも「ここは山の頂上です!」と、自己主張している様子でした。静かでなだらかな東大平山を雌山とするなら、雄々しく変化に富む西大平山は雄山とでもいうべく、それらのコントラストを楽しみました。
“備前焼を象徴する榧原(かやはら)山”
榧原山は地形図上では固有名詞がなく、標高209.6mに三角点が記載されているだけの無名峰です。しかし、この山こそ備前焼を象徴する山で、麓は知る人ぞ知る備前焼のメッカです。備前焼は、六古窯の中でも最も古い焼き物で、平安末期ごろに始まりました。榧原(かやはら)山の北麓に位置する伊部南大窯跡は備前陶器窯跡のなかで最初に国の史跡に指定されました。桃山時代から江戸時代にかけて操業しており、中でも東窯は全国の窯の中でも最大規模を誇ります。一回の焼成で作られる製品の数は34,000〜35,000個、それを作るのに15,000〜16,000貫(約56〜60トン)の薪が使われたと考えられています。備前焼がいかに多くの人に求められていたか、その圧倒的な数量からもうかがえます。
これほどたくさんの焼き物を日々生産すると、不良品や破損品もたくさん出ます。商品価値のないものは焼きあがった直後に選別し廃棄されました。これらの廃棄物でできた山を物原(ものはら)と言います。当時の陶片が今でも無数に散乱していますが、それらが堆積し、巨大な山のような状態となっている光景は圧巻です。また、その背後に見える熊山山系の不老山と医王山とのスリーショットは備前でもっともお気に入りのシーンです。医王山窯跡は今年11月に国の史跡に指定されたばかりで、機会があれば見学してみたいものです。
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