新春ハイキング 陣馬山〜高尾山
- GPS
- --:--
- 距離
- 13.9km
- 登り
- 723m
- 下り
- 969m
コースタイム
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2018年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り:高尾山口 |
コース状況/ 危険箇所等 |
危険個所なし。一部霜柱あり。ずっと天気がよかったせいか、予想したほどドロドロではなかった。 |
その他周辺情報 | 高尾山口で温泉。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
靴
ザック
サブザック
行動食
非常食
飲料
レジャーシート
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
サングラス
タオル
ストック
カメラ
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感想
2018年の新春ハイキングを計画した。昨年は元日に鎌倉アルプスに登り、富士山と相模湾の絶景を堪能した。柳の下の二匹目のどじょうを求めて、陣馬山から富士山を臨むことをメインにした登山である。筆者は昨年6月に同じコースを縦走しているのだが、わがリーダーは筆者ごときが行ったことがある山を制覇していないことが許せないらしく、どうしても陣馬山に行くという。それで高尾山からの下山ルートを薬王院に初詣できる道にした以外は、ほぼ6月に筆者が行ったルートと同じ設定にしたが、今回は冬場ということで、陽が落ちるのが早く、何らかの事情で予定より遅くなった場合には高尾山のケーブルカーを使うつもりでいた。
新宿から京王線に乗って高尾で降り、そこから陣馬高原下に行くバスに乗り込んだ。バスは結構混んでいて座ることはできなかったが、天気は快晴、風なし、気温も高めと絶好のハイキング日和である。しばらくバスに揺られていると車内前方の停留所の表示に「夕焼け小焼け」と出た。え、「夕焼け小焼け」って地名なの? 後で調べたところ、「夕焼け小焼け」の歌は、大正時代に中村雨紅の詞に草川信が曲をつけたもの。中村雨紅の生まれ故郷が八王子、というかこのバス停のそばに生家があるらしい。しかしバス停が「夕焼け小焼け」というのはすごい。「夕焼け小焼けの郷」とかじゃなくてそのものである。気合を感じるバス停である。前後してバスに車掌さんが乗り込んできた。終点の陣馬高原下での方向転換のために乗ってきたようだが、運転手さんと車掌さんが話を始めたのはいいとして、その内容はビートルズの話題だった。うーん、この運転手さん、筆者より若いと思うのだが、相当マニアな感じだ。しかし堅いことをいう訳ではないが、業務中にこの話題でいいのか? ちょっと疑問に思ったりもした。
陣馬高原下に到着し、ウォーミングアップのつもりで林道を歩き始めた。ちょっと耳が冷たいが、そんなに寒くはなく、20分ほど歩いて登山口に到着。山道を登る準備を整え、いざ陣馬山登頂である。山頂までは標高差300mぐらいか。リーダーは負荷を掛けたトレーニングにしたかったようだが、筆者がゆっくり登ることを主張し、いつものゆっくりペースとした。しばらく行くと分岐標識があり、そのうち一方向に「行き止まり」とある。分岐標識で「行き止まり」というのは珍しくないか。間違えやすいということだろうか。いずれにしても整備された登山道である。そのうち、筆者はちょっとしんどくなって来た。うーん、そんなに早いペースじゃないのにな。このところの怠惰な生活のツケが回ってきたのか。それでもなんとか遅れないようについて行ってようやく陣馬山に到着。振り返ると富士山が真っ青な空にどーんと浮かんでいる。やはり正月の富士山はいいなあ。白い馬の像にご挨拶し(いや写真を撮っただけだ)、トイレに行って山頂に戻る際に遠方の冠雪した山を見つけたので、あれは南アルプスかなあ、とか言っていたら茶店のおじさんが「赤石岳と悪沢岳だよ。登るには何日もかかるよ。」、と教えてくれた。とても筆者の今の体力では無理だろう。
さて、登りがきつかったので、リーダーにちょっと調子が悪いというと、下山するかと言うので、まあそこまで調子悪い訳ではないので、もうしばらく様子を見るべく、予定通りの進路を行くことにした。次に目指すは明王峠である。ここからは平たんやや下りになるので、一息つける感じである。左は東京都、右は神奈川県という尾根道を行く。途中霜柱がところどころに顔を出していたが、子供のころザクザク踏んで歩いた霜柱に比べると固くて崩れない。やはり標高が高いからか。それに霜柱の高さというか長さが長い。これはきっと一晩でできたのではないね、などと言いながら歩いた。緩やかな上り下りを繰り返して40分ほどで明王峠に着いた。行動食と水分を摂り出発。年末年始の親戚等の行き来により行動食のお菓子には事欠かない。リーダーがお菓子を買わないで山に来るのは初めてではないか。それでもサコシュがパンパンになるぐらいお菓子がふんだんにあったのだ。もちろん筆者はそれをもらったのだが・・・。今回の行動食の白眉は干柿だろう。これは美味しい。渋柿がこんなに美味しくなるなんて昔の人は偉い。石田三成は関ケ原で敗れて捕らえられ刑場に移送される際に干柿を勧められたが、「身体に悪いから」と断ったらしい。この逸話についてはいくつもの憶測があるが、単に嫌いだったんじゃないか?こんなに美味しいのに。
ともかく我々は明王峠をすぎ、景信山に向かう道まできた。筆者の体調は良くなっていたが、時間のこともあり堂所山などは巻道で迂回し、1時間ちょっとで景信山に到着。ここは東に関東平野、西に富士山を臨む絶好のロケーションである。関東平野をこんな風に見渡せるところはあまりないのではないか。都心のビル群やスカイツリー、横浜のランドマークタワーや武蔵小杉の高層マンション群と思しき建物がよく見えた。ここで昼食をとることにして、リーダーも筆者もなめこうどんを注文。ゆっくり眺望とあったかいうどんを堪能した。しかし、ここのトイレはワイルドだった。陣馬山のトイレもワイルドだったが更に来る者を拒むような凄みがあった。とは言えトイレはあるだけでも有難いことである。皆のちょっとずつの心遣いがあれば改善もされるのであろう。自らを戒める次第である。
ここからは小仏峠を目指す。小仏峠は甲州街道の関所があったらしい。何故か信楽焼きのタヌキがいて、その前にウサギもいる。カチカチ山伝説でもあるのか。また明治天皇巡行碑というのもあった。天皇の行幸地を聖蹟というらしい。京王線の聖蹟桜ヶ丘の「聖蹟」はそういう意味らしいからここも聖蹟ということになるのだろう。続いて小仏城山に到着。ここからも関東平野がよく見えた。天狗もいた。カラス天狗ではない本物の天狗だ。もとい本物ではない。本物の天狗がいたら新種の類人猿かどうかDNA鑑定とかしなければならない。もちろん木彫り?である。
さて城山から一丁平を経て高尾山へ標高を下げていく。階段が続き登ってくる人は辛そうである。しかし、整備された道で歩くだけなら運動靴でも十分だと思われ、ほどなくもみじ茶屋手前の分岐に到達した。以前来た時は真ん中の道を行き階段が結構つらかったので、リーダーと相談の結果、左側の道を行くことにした。あとから来たおばさまたちが楽しそうに我々を抜いていき、どんどん引き離されていく。おばさまたちはお話をしていると疲れを感じないのだろうか。それともすごい体力の持ち主なのだろうか。しばらく行くと「シモバシラ」に関する立て看板があった。なになに、保護しなければならないだって?! えー、さっきストックでつんつんしたり、崩したりしたけど、自然破壊をしてしまったのか!? と思ったが、よくよく看板を読むと「シモバシラ」というのは植物らしい。ふむふむ、全然知らなかったけどこういう植物がいるのか。見たことも聞いたこともなかった。勉強になりました。
さて、この道はもみじ茶屋の下を通っていき、先ほど分かれた道と合流し、また高尾山頂に向かって登りの分岐となった。前回はやはり真ん中の階段を登ったので別の道を行きたいと筆者が主張。リーダーが「遠回りになるよ」と言ったにもかかわらず右の道を採ったのだが、あれ、なかなか登りにならない。なんとなく高尾山頂を巻いている気がする。しまった、と思った次の瞬間にはリーダーから「ほらー、地図をみたら分かるじゃん」と非難の声が上がった。しかし引き返すわけにもいかず、稲荷山コース側から山頂へ登り返す羽目となった。この最後の登り階段が苦しい。それでもゆっくり頑張って一歩一歩登り高尾山頂に到着。ああ何とか15時前に着いてよかった。
山頂と大見晴らし台はすごい人である。山頂の標識には写真を撮る人の順番ができていて近寄れる状況ではなかった。高尾山に初詣するひとは結構多いのだなあ。我々もあとはお参りして帰るだけだ。一休みした後、薬王院目指して下山を開始。間もなく寺社内と思われる領域に入り、皆がお参りしているところに来たので賽銭を投げて願を掛けた。え、何をお願いしたかったって?そりゃもちろん健康第一・家庭円満・商売繁盛ですよ。ついでに今年も楽しい登山ができますように。
お参りもしたし、さあ、下山だと思ったら下からほら貝の音が聞こえてきた。降りていくと坊さんの集団がほら貝を吹きながら行進している。ほら貝って山伏?坊さんがほら貝拭いているところはあまり見たことないなあ、とか思いながら階段の角を曲がるとすごい人とでかい社が目に飛び込んできた。あ、こっちが本殿か。しかし長蛇の列だったし、お参りは既にしたのでまた並ぶ気にもなれず、そのまま下山することにした。ここからはいわゆる一号路を行く。すべて舗装道である。舗装道の割には急である。転ぶと山道より被害が大きそうである。ケーブルカーやリフトで降りる人を横目に降りていくが、だんだんつま先が痛くなってくる。最後の最後でこの試練。高尾山侮るべからず。むしろ本格的登山コースと言われる稲荷山コースの方が下が固くない分楽なのではないか。そうした苦しい舗装道もついに終わり、ケーブルカー山麓駅までたどり着いた。
最後の楽しみは温泉である。高尾山口駅の北側にある極楽湯は相当混んでいることが予想されたが、遠方にいくのも大変なのでここに入ることにした。予想通り相当混んでいたが、ここのいいところは洗い場の数が多いことだ。ゆっくり湯につかって、とはいかなかったが、汗を流して心地よい疲労感に浸った。風呂から出たらどうしてもアイスクリームが食べたかった。体調は問題ないことを申請しリーダーの許可を得て食べたアイスクリームはとても旨かった。
以上
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