甲斐駒ケ岳(1日目)


- GPS
- 32:00
- 距離
- 7.8km
- 登り
- 2,282m
- 下り
- 97m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2011年09月の天気図 |
---|---|
アクセス | |
予約できる山小屋 |
七丈小屋
|
写真
テン場は砂地の上なので非常に快適、常設のペグもあるので把握していればペグは持って来ないほうが軽量化出来るぜよ。
あまり酔い過ぎてトイレに行く途中で滑落しないように注意です。ちょっと距離ありますからね。
感想
さて、下山後二日経ったわけですが今までで一番ひどい筋肉痛に見舞われています。何故か。それは日々の不摂生の上にトレーニングらしいトレーニングは殆どせず、酒ばかりあおりながら鉛筆登山を繰り返してきたせいなのだ。
その愚かな空気頭は天気予報にそそのかされ、連休に入る木曜日の午後6時、仕事をぶん投げてザックを担いで山梨へと向かう。
わりーけど話はそこから始まる。
天気が安定しなかったり、野暮用かつ腹立たしい個人的かつ内輪での対外的事柄で何週も送っていた甲斐駒。新しいザックのデビュー戦でもあるし、深い意味はないけど構想3年の山行なのだ。
八王子駅で中央線のホームに立っているとやはり何人かの登山者が目に入る。「かいじ」のキップを竜王まで購入900円。自由席に静かに腰を沈めて本なんかをめくる。このかいじの終着駅、竜王に着いてからは各駅停車に乗り換え。
降りたホームが既に寒い。長坂まで合計2時間ちょっとだったか。直前の駅、日野春では急行の通過待ちが遅れているらしく乗客は20分ほど放置。変わったおっちゃんが運転手に食いついていた。仕事とは大変である。
日野春のホームから見た町は暗く沈んでいて、もしかしたら次の長坂でも同じように暗く、商店などないかも知れない。不安を感じつつも降り立った目的地、長坂駅はやはり暗い。コンビニがないということは不足気味の食料が補えないということだ。
幸いにも同じ駅に降りた地元の人に近くのコンビニを教えて貰った。セブンイレブンまで歩いて10分はかからなかったと思う。
インスタントラーメンや今夜の夜食を少しだけ買い足して駅に戻る。客待ちしていたタクシーに尾白の甲斐駒神社の駐車場に連れて行ってもらう。4000円手前でメーターを倒してくれたがタクシーはやはり高い。出来ることならば登山口まではバスでたどり着きたいものだ。もしくは相乗りだな。
甲斐駒ケ岳の暗い駐車場の片隅にテントを設営しているとこのあたりを縄張りとしている子猫がすり寄ってきた。おもむろに首の皮ををつかんで川に投げ捨てる。設営が終わると懲りもせずミャーミャー近寄ってくるので再び室伏選手のごとき勢いで遠方に放り投げる。
やっと落ち着いてテントの中でシェラフにもぐり込み、静かに本をめくりながらバーボンを呑んでいると再び外でミャーミャー。
きりがないので、寝た。
翌朝は快晴。時期を待っていた甲斐があったというわけだ、甲斐駒だけに!
滑落死しろ。
am7:00。神社で山行の無事を願い尾白川の吊橋を渡る。携帯のカメラでパチリ、下界に自慢のメールを送信。ゴロタ石の転がる登山道をひた歩く。ずんずん歩くので道を譲ってくれる人々はありがたい。
この歩行速度と他者とのかかわり方に正解があるのかどうかは知らないのだけれども、集団でこじんまりと登ってらっしゃる人々に通せんぼを食らうのは実はわりとストレスであります。農協的集団だとペチャクチャ語り合いながら後方には気付かず、眼前におば様のデカケツが長時間揺れるという嬉しくない事態も多々ある。
最近は後ろから挨拶をして譲ってもらうのだけれども、これはスーパーなどの店員さんの手口と一緒だ。カートを押している店員さんの「いらっしゃいませ〜」は「(邪魔だよ、気付け)」という罵り言葉なのだな。
横手からの路と合流したあたりで天気が悪くなってきてしまった。
それでも雨が降らなかったら御の字だと言い聞かせひたすらピッチをあげる。
通り過ぎる足元や木の根元には多くのキノコがあるのだけれども、明らかに毒々しかったり、わりと美味しそうだったりするものがあるのだけれども当然キノコのことはさっぱりなので収穫も出来ず。
名高い刃渡りですが、それほど意識することなく通り過ぎてしまった。これはガスが濃くなってきていたのと、もうひとつはあまりにも刃渡りが名高いので「あ、岩か。でも足場もしっかりしてるしな。この先にある刃渡りというヤツのほうを気をつけねば…」などと思いながら通り過ぎてしまったのだ。間抜けである。
切り株に刻み込まれた五合小屋まであと15分という一文に励まされ足を速める。ずばんと開けたちょっとした広場には何もなく「ああ、ここが五合小屋だったんだな」と思うくらいだった。
よくわかんない鉄骨の橋を渡り(この鉄骨の橋の下には昔の木製の橋が架かっているが明らかに朽ちている。個人的には先の木製の橋を残すことによって情緒を生んでいると思うのだが人によっては処分解体するのが手間だから残っているだけだという人もいる、らしい)空腹に気付いたのでインスタントラーメンをむさぼり、屏風岩をずんずん登りひいひい唸りつつも進んでいくと唐突に七丈小屋にでた。
「ここ、小屋?」
青年に頷かれ、時計を見ると正午。予定よりも早く着いてしまった。とにかくションベンでもすっか、ってなことで山小屋のオヤジを探すが見つからず。まあいいやと下ってトイレで用を足す。
通り道に置かれた流しからは豊潤な水が流れている。こういう感じは最高だ。
丹沢や奥多摩の低山だと水場というものは皆無で、あったとしてもボウフラが湧く水溜りに毛が生えたような、もしくは毛をむしりとられたようなものばかりで、敗残兵のような気分を味わうことばかりだ。
よし、このまま山頂を目指しザックを担ぎ上げ適当なところで幕営すればいいやとは思ったものの我が身結構くたびれているのでテン場に設営することにする。意思が弱いのだ。
一時を回ったころにはすべてが終わり、持ち上げた酒を南アルプス天然水で薄めて飲む。見上げた空は雲に覆われているものの明日はなんとか晴れてくれないかなあと願う。
隣り合ったテントの人らとつまみを持ち合い、ちょっとした山話に花を咲かせて朽ち果てる事にした。
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