厳冬期白山・鬼ラッセル(無制限一本勝負)
- GPS
- --:--
- 距離
- 41.1km
- 上り
- 2,267m
- 下り
- 2,259m
コースタイム
- 山行
- 16:25
- 休憩
- 1:35
- 合計
- 18:00
4.45 830m 市ノ瀬
8.10 1240m 別当出合
9.40 1500m 中飯場
10.55 1970m 甚ノ助ヒュッテ
12.27 2350m 弥陀ヶ原
13.00 2470m 室堂
14.00 2702m 白山山頂
14.15 2702m 白山山頂発
14.55 1240m 別当出合
16.00 830m 市ノ瀬
18.40 510m 白峰ゲート
天候 | 雪のち晴れ 強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年02月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
核心部は 白峰-市ノ瀬間林道 片斜面 雪崩跡など危険一杯 |
写真
感想
北陸で話題になった白山アイスモンスターの動画を撮影しました。
アイスモンスターが群生になっているのがよく分かります。
ここ最近の北陸の大雪は全国に知れ渡ったがその総本山と言えば白山だろう。白山はどないなことになっているのか是非見に行くしかない。予報はイマイチだったが大魔人、兄ちゃん、サブの四人で挑戦した。昨日から降り続いた雪も日曜の明け方には止むだろう。別当出合までの長い林道帰りもラッセルになるとタマランチ、天候回復を期待していつもの深夜0時発ではなく一時発と少しずらした。それでもいつもの習慣で深夜0時過ぎに一番乗りで白峰に着いた。
雪は降り続いている。深夜1時前に皆集合したので雪の中ラッセル開始、市ノ瀬までの林道が核心だ。今年は雪が多くて隊道の前後は雪崩で少ししか開いてなかった。闇夜の林道は片斜面あり雪崩跡ありで心臓に悪かった。隊道の中だけは安全地帯である。ラッセルは山深くなるに連れ険悪になって行く。お陰でペースは上がらない、市ノ瀬までたっぷり4時間かかって標高差300m稼いだ。
市ノ瀬も積雪は多かった。永井旅館が雪で潰れそうなくらいだ。雪はようやく止んできたが市ノ瀬から先ラッセルは更に厳しくてスーパーファットの膝ラッセルとなる。辛いつらすぎる。四人で回すが先頭は全くスピードは出なかった。別当出合のはるか手前で夜が明けた。白峰を出て7時間半の激ラッセルでようやく夏の登山口に着いた。
別当出合の休憩舎に入るのに少し空いた隙間から雪壁を崩して中に入った。完全にカマクラ状態だった。中で休憩したがまた這い出すのに苦労した。大鳥居はすっぽり埋まっていた。問題の一本橋は雪が不安定に多量に乗っており板のまま歩くがかなりビビリが入った。たまに踏み抜いた。渡って急な段差を対岸に乗り上げるのにも苦労した。今年はとにかくすごい雪だ。すべてが雪に覆い尽くされていた。石畳の急登は大魔人が頑張ってラッセルした。中飯場着は白峰を出て9時間、果たしてピークに届くのか?
よし腹が据わった、明日の仕事に間に合えば良い、時間無制限一本勝負で張ってでもピークを踏んでやる。皆勿論!という頼もしいメンバーであった。中飯場からは元気者サブがガンガンラッセルした。流石に強い、お次は兄ちゃん、30代コンビも頑張ってくれた。白い台地と化した砂防新道をガンガンラッセルする。視界は徐々に出てきて青空ものぞき始めた。甚之助は跡形もなく埋まっていた。
ここから甚之助谷を横断してアイスモンスター群に抜ける。2月のアイスモンスターも健在であった。初めて見る光景にサブは感動していた。ドンピシャでアイスモンスター群で青空になった。スタート時間をずらしたのが幸いした。エコーラインに出ると真っ白な白山がドーン、しかし弥陀ヶ原では猛烈な風、地獄装備でなければ凍傷確実だ。地獄装備でも兄ちゃんの頬は凍傷になった。
室堂もエビの尻尾ですざまじい光景、とにかく風も強いが行くしかない。大魔人を先頭にガシガシクトーを効かして風を背で避けるように、さあ奥社が見えた。ゴールです。白峰から13時間20分すでに午後2時になった。帰りは暗くなるだろう。早くお家へ帰ろう。
奥社でお参りして風を避けてシールを剥がすと別当出合に一直線、山頂から氷化斜面を慎重に滑ると後はパウダーしかなかった。砂防新道は素晴らしい激パウ、頑張って良かった。楽しすぎて一気に滑り込む。一本橋まで40分でした。これだからスキーはやめられない。
もう一度怖い一本橋を渡り別当出合でデポを回収して市ノ瀬までは自動運転、しかしここからが長かった。大魔人はガシガシ先に行った、やはり最後は強かった。僕達も必死に追いかけるが、兄ちゃんまさかの片斜面スリップで河原に転落、水が出てなくて良かった。這い上がるのに時間を要した。やはり核心は市ノ瀬-白峰の林道、隊道が出る度に急な雪壁を登らなくてはならずもうヘトヘト、途中でヘッデンとなり暗くなった午後6時40分、大魔人の迎えを受けて18時間の長い旅は終わった。こんな多い雪の白山はもうないかもしれない。完全燃焼でした。
言葉を失う写真の数々ですね。うっとり読ませて頂きました。最大の核心は林道のラッセル、全くその通りですね。トンネル前後のデブリ登りと、一本橋の乱戦が凄いですね。ところで、地獄装備って何でしょう?
今日のHPのブログに少し書いておきました。参考にして下さい。
ブログ拝見しました。お、曇らない電熱ゴーグル、と思ったけど二時間だけなんですね。二万円の手袋、驚きですが、冷たいときは冷たいですからね。
今週は新穂高から鷲羽往復しましたので、リンク先ブログの水晶岳18時間アタックの記録を興味深く読みました。水晶ははるか遠くて良い山ですね。
携帯用の市販のバッテリーを使えばゴーグルは丸一日使えます。付属のバッテリーは容量ないので、、
日帰り(といっても18時間!)ならば、OKですね。
こんにちは。いつも興味深く、かつ驚嘆の目で記事を拝見しております。自分にはとても真似できませんが、山スキーの機動力を存分に発揮して、山頂から滑降するスタイルは自分の憧れでもあります。
さて、先日「樹氷」でネット記事を検索しておりましたところ、福井新聞に、YSHRさん達が撮影した写真が白山で初めて樹氷が確認されたものであることが分かり、学術的にも貴重なものであると報道されていました。おそらく、厳冬期の白山にはスーパーファットスキー以外で行くことは困難で、山スキーの機動力を生かしたYSHRさん達の山行が雪氷学の学術的発見に至ったことは、同じく山スキーを愛好する一人として大変うれしく思いました。
余談ですが、YSHRさんと自分の年齢が同じことにも驚嘆しました! 常人には真似できない山行の内容から30代〜40代前半かと想像していましたから。自分自身の励みにもなりました。これからも完全燃焼の山行、楽しみにしています。
(このコメントでYSHRさんの一部個人情報が分かってしまうようでしたら、遠慮なく削除してください)
レス有難うございます。たしかに厳冬期の白山はスーパーファット以外では厳しいと思います。樹氷地帯は厳冬期に初めて入り込んだ場所です。多分以前からもアイスモンスターはあったものと思います。1月は動画を撮らなかったのでよりはっきりさせるために若手に頑張って動画を取ってもらいました。
自分も後何年ハードな山行を続けられるかわからないので毎回これがラストという気持ちで続けています。同じ同世代ということで頑張りましょう。よろしくお願いします。
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