チセロ山〜ちしょろ山: 霧の中の杣の道
- GPS
- 02:40
- 距離
- 9.3km
- 登り
- 697m
- 下り
- 689m
コースタイム
- 山行
- 2:36
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 2:41
天候 | 雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
チセロ山〜ちしょろ谷(知世路谷)山
午前中は長女の小学校の卒業式に参列。
卒業式後の午後の時間に春休みの次男と共に
京都の山に一緒に出かけようということになった。当初、ニノ谷から八丁平、峰床山へと至る山行を考えたが、準備にも手間取り、出発が遅くなる。次男が何故か900mを越えない山にして欲しいという。上記のコースは百井から大見を越えて登山口に至るまでもアプローチが短くない。地図を見ていると峰床山の花背側、花背山村交流の森の奥にチセロ山、ちしょろ谷山という変わった名前の山があることに気付く。登山口の花背山村交流の森までは京都の自宅からは約一時間ほどだ。
ちしょろ谷山は漢字ではは知世路谷山と充てるらしい。チセロ山もおそらく同じ字を充てるのだろう。ちしょろとは本来、千樵路(ちしょうろ)、すなわち樵が辿る杣(そま)の道を意味するらしい。
京都から花背山村交流の森でも小雨が降り続いていた。平日のせいか、閑散としている。管理事務所で地図を頂くと(協力金\50)、交流の森の工作館の右手を登りはじめる。ちしょろ連絡路との道標に従って、ちしょろ谷林道に合流する。林道では一人の釣り客に遭う。やがて林道から左手に分岐し、杉林の中の急登が始まる。金剛童子谷歩道と呼称されるらしい。ちなみにチセロ山という案内はなく、道標にはもっぱらこもれびの森と記されている。
杉木立の中に大きな巨木があることに次男が気づく。二股に岐れた幹はユニークな形状だ。ひとしきりの急登が終わるとちしょろ谷の奥で折り返してきた林道と再び合流し、なだらかな道となる。いつしか周りはイヌブナの落葉樹林となり、道が明るい。木立の間から霧の中にちしょろ谷山が幻影のように浮かびあがる。林道から分かれ、道標に従って、こもれびの森展望台へと向かう尾根道を行く。
展望台は晴れていたらさぞかし好展望が望まれるのだろう。霧の中からチセロ山の山頂のシルエットが徐々に姿を現わす。山頂へは広く気持ちのよい落葉樹の尾根道が続く。このあたりの尾根道をこもれびの道と呼称されているらしい。リョウブの樹に混じって屹立する檜の大木がひときわ目立つ。山頂は展望はなく、こもれびの森山頂との道標があるが、少し奥まったところにあるケルンがチセロ山の山頂のようだ。こちらには山頂標もなにもない。
帰りはちしょろ尾根と呼ばれる尾根筋を辿って、ちしょろ谷山に向かう。イヌブナとアカシデが多いようだが、樹名標が頻繁につけられている。広くなだらかな尾根道が続く。北山の中ではあまりメジャーとは思えないコースではあるが、登山道はかなり良好に整備されているよう。意外と倒木が多かったが。やがて植林と思われる杉林となる。霧の中の尾根道は植生にかかわらず、常に幻想的であり、その美しさは次男も充分に理解してくれたようだ。
ちしょろ谷山の山頂付近は、展望が良好と地図には書かれていたが、周囲は杉の木立に囲まれ、展望はないように思われる。天神ノ森山頂という標柱かあるが、尾根を少し先に辿ると三角点とその周囲に知世路谷山という山頂標が樹にかけられている。チセロ山にしてもそうだが、周囲の森に親しみやすい名称を冠することに異議は唱えないが、元来の歴史を背負った立派な山名を大切にして欲しいものだと思わざろう得ない。
山頂からは植林地の中の作業道のような細い道を降下するが、やがて山頂手前の峠からの道と合流すると広い山道となる。大悲山古道と呼ばれ、京都から峰定寺や久多への往来に用いられた古道を復元したものらしい。深く刳れた山道は確かに古道の趣きである。林道との合流地点に上記、古道の説明板があった。
山村交流の森の駐車場に戻ると、しとどに雨が降り続く中、とんでもない事態が待ち受けていた。ポケットにある筈の車のキーがない。どこかで落としたようだ。手袋を出し入れした際だろうか。幸い、電波は通じたので、家内がタクシーに乗ってスペアのキーを持参してくれるまで、しとど降り続く雨の中を交流の森で待つことになった。車のキーの収容場所には気をつけてなければならない。当初、予定していた峰床山の登山口であれば、怖ろしいことに間違いなく圏外であったと思われる。
コメント
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娘さんのご卒業おめでとうございます!
それにしても卒業式の後に小雨が降っていたにもかかわらず、急に思い立って息子さんと山へ行くとは流石ですね。息子さんの900m越えない山というコダワリも何だか可愛いです。といっても息子さん小学生なのに歩くの速くないですか?
スペアキーが無事届いて本当に良かったですね。
私とは次元が違う雪山ハイクばかりではなく、このような親子でのハイキングレポもあると、山初心者の私としてはホッとします
コメント有難うございます。卒業式の後の山行は前日から計画はしていたものの、雨が降っていたら嫌だと言っていとのが、小雨の降る中をよく付いてきてくれたものだと思います。それに身軽な故か、なかなか快足で歩いてくれたと思います。それ故に17時前に下山出来たのでした。また、暮れゆく深山の駐車場で家に帰れないという事態にもヒステリーを起こすことなく、冷静に(?)よく我慢してくれたものだと思います。
晩秋に次男と一緒に登った山が蛇谷ヶ峰という比良山系の北部に位置する山で、この山の標高が901mだったからだと思います。結果的には息子のこのこだわりに助けられることになったのでした。
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