十勝岳〜オムシャヌプリ縦走
- GPS
- 09:55
- 距離
- 10.4km
- 登り
- 1,371m
- 下り
- 1,369m
コースタイム
天候 | 超快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
今シーズンは雪解けが早いと思います。既に4月中旬くらいの様子と感じました。十勝岳の取り付きから少し上に上がると雪が溶けて藪こぎになる箇所が少しだけあります。十勝岳からオムシャヌプリまでは雪が締まって歩きやすい状態でしたがオムシャヌプリの南尾根の下山はかなり危険な状況です。およそ1200m〜800mの間は既に雪がなく笹藪です。急斜面はスリップするとかなり滑落すると思います。私はポール、ピッケルをザックにくくりつけて両手をフリーにし、アイゼンを効かせてクライムダウンしながら慎重に降りましたがかなり緊張感が高まりました。つかんだ笹や枝が折れると相当なダメージを受けると思います。また雪の消えた獣道をアイゼンで歩くとかなり足腰に負担がかかります。700mくらいから日陰のせいか雪が現れて降りやすくなりますが気温が上がってぐさぐさになった急斜面はこれまた危険です。一度だけスリップしてプチ滑落しましたがピッケルが効かずに停止できませんでした。木を蹴って勢いを殺した後、アイゼンで制動をかけることができましたが危うい場面でした。やっとの思いでニオベツ川に降りましたが翠明橋に上がるには泥混じりのデブリをよじ登らなければなりません。ここもアイゼン、ピッケルがあった方がいいかと思います。この辺りの様子についてはhiro2525さんのレコがとても詳しいのでご参照下さい。来週にはもっと雪解けが進んでいると思われますので南尾根と南西尾根の下山ルートは止めた方が無難かと思います。 |
写真
感想
3月は所用で忙しくなかなか思うように山行ができませんでしたが、やっと日高の稜線を歩くことができました。ピリカヌプリへのチャレンジも伺っていましたが今年もタイミングが合わなかったようです。1日の行動なので宿題になっていた十勝〜オムシャの稜線をつなぎに行ってきました。
早出のために前日から車中泊をして4時半にスタートしました。1週間まえのhiro2525さんのレコを参考にスノーシューを持たずアイゼンで行きます。堅く締まった急斜面をゆっくり登ります。ふくらはぎが悲鳴をあげますが朝陽を浴びた野塚岳など絶景が励ましてくれます。途中雪が消えて藪漕ぎもありましたが左の稜線側は雪が残っていました。いくつかの小ピークを越えると十勝岳へ続く一直線のルートと南日高の絶景が飛び込んできます。天気も快晴、風もほとんどありません。傾斜も緩く快適に歩けるルートです。4時間で十勝岳山頂にたどり着き、昨年テン泊した場所を見ながら楽古岳へのルートを懐かしく思い出しました。
大休止の後オムシャヌプリへ向けて出発します。ここまで強風予報に反してほとんど風がなかったのですが十勝岳を越えるといい風が吹いてきました。それでも厳冬期の刺すような冷気ではないのでむしろ心地いい感じがします。素敵な稜線を気持ち良く歩きました。新鮮な角度からの景色を堪能して1343Pからオムシャヌプリ東峰へと進みます。東峰へは藪漕ぎもあり少々難儀しました。ピークを踏まずに巻こうかとも考えましたが折角なので頑張って登りました。東峰を下り、西峰へ最後の登りにさしかかりますがこの辺りはかなりきつかったです。呼吸が苦しく、足も攣りそうでしたが休み休みゆっくりと登りました。4年ぶりの西峰に立ち、楽古岳からトヨニ岳の主稜線を繋ぐことができた感慨にふけりました。
さて、下山は予定通り南尾根を下りますが快適に高度を下げることができたのは最初だけでした。雪のない笹斜面、獣道、残雪地帯と状況が変化する中、かなり集中力を高めて行動しました。詳細についてはコース状況をご覧下さい。
久々の10時間行動でかなりきつい山行でしたが、南日高はいつも感動と教訓を与えてくれます。次こそはピリカヌプリへ行きたいところですがいろんな巡り合わせが合致する必要があります。チャンスを伺いたいと思います。
※今回の山行にあたってはhiro2525さんのレコとアドバイスがとても参考になりました。ありがとうございました。
コメント
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はじめまして
いつもpositive51さんの山行記録を参考にさせて頂き、安全登山に役立たせて頂いております。
今週、所属山岳会の南日高の山行を企画・担当をしていましたが、一番知りたかった情報を今回のレコで入手させて頂きました。。
個人山行なら気軽に入山することもしばしばありますが、企画・担当となればいかに最新の情報を入手できるかが安全な山行を実践できるかだと思っています。
本当にありがとうございました。
今後もpositive51さんの感動的な山行を密かにお祈りしています。
ezo-wolfさんコメントありがとうございます。
私もezo-wolfさんの山行をいつも拝見しております。直近では漁岳での多重滑落の現場で救助活動をされたレコが印象的です。
山に関する情報交換はヤマレコのいいところなのでお役に立てて嬉しいです。南日高の企画登山はどの山でしょう。レコにあるとおりオムシャヌプリの南、南西尾根はかなりリスクがあると思いますので行かれるのであれば十分お気をつけ下さい。春山は危険と隣り合わせであることはezo-wolfさんなら十分承知のことと思いますがグループのリーダーとなれば責任も重大ですね。安全に企画が遂行できることをお祈りしています。
※他にも何かお聞きしたいことがあれば気軽にメッセージをいただければと思います。
5日にトヨニ岳を計画していましたが、雪解けの早さや稜線のクラック、登山口付近の立ち入り禁止エリアや予定日の天気等を考慮して中止にしました。代わりに近くの日勝峠周辺の山に変更を考えています。
残念ですが今シーズンの南日高は終わりかな・・・?なんて思っています
ポジさん、こんにちは!
十勝岳−オムシャヌプリは素晴らしいですね。やはり日高の稜線は魅力的です。今年の1月には行けませんでしたが、僕もいつか再度挑戦してみたいと思います。
しかし、雪崩の後は凄まじいですね。ビックリしました。
Ryoさんこんにちは。
1月のリベンジを果たすことができました。例年より雪解けが早くて白さが少なかったですがそれでも日高は格別です。下山はかなり緊張しましたがまた行きたいと思う山域です。雪崩の跡は本当にすごいですね。ポン三もニオベツもかなりやられました。あの時期の大雨も温暖化の影響なんでしょうかね。
今回は直前まで行けるかどうかはっきりしなかったので声をかけませんでしたがKPがたまったらまたご一緒しましょう(^^)/。
posiさんこんにちは〜。
今シーズンはあきらめていましたが、やりましたね!
ご一緒出来なかったのが残念です。
南日高はほんとに魅力的ですよね。
素晴らしい写真見せていただいてありがとうございました!
i-tomoさんコメントありがとうございます。
写真楽しんでいただけたようで良かったです。Ryoさんのコメントにも書きましたが直前まで行けるかどうか分からなかったので今回はソロでのチャレンジとしました。
ezo-wolfさんがおっしゃるように今シーズンの日高はもう終わりかもしれませんがまたこの稜線を一緒に歩きたいですね。夏の沢からもアプローチしてみたいと思っていますがあの雪崩で沢の上部がどうなっているか気になりますね。
晴天の南日高素敵ですよね〜!
雪解けが凄い勢いで進んでいるようでビックリです。藪も多くなかなか大変だったかと。
今年はアタック時期が短そうですね〜
写真もとても素敵でまた記憶が蘇りました。笑
あ!日高主稜線繋ぎいいですね〜!
自分もつなぎたいです。。!!笑
まずは無事のご帰還お疲れ様でした!
hiro2525さんコメントありがとうございます。
今回の山行はhiro2525さんの直近のレコが本当に参考になりました、ありがとうございました。私も1週間前の写真を見比べて雪解けの速さに驚いています。下山途中の藪漕ぎも滑落しないようにかなり緊張しました。
日高の美しい稜線を歩いているうちに稜線をつなぐことが目標になってきました。次はピリカヌプリまでの長い稜線を繋ぎたいのですがこれは更にハードルが上がりますがやってみたいと思います。hiro2525さんは既に踏破していますね。一気に20kmは出来る気がしないのでテン泊しながら私も頑張りたいと思います(^^)/。
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