越後駒ヶ岳-中ノ岳縦走 左峡沢・滝ハナ沢から白沢へ


- GPS
- 15:55
- 距離
- 31.3km
- 登り
- 3,128m
- 下り
- 3,015m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2018年04月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
越後中ノ岳は越後三山最高峰にも関わらず平凡な名前のせいか、アプローチが長いせいか知名度が低い、しかし一月に八海山阿寺山の山頂に立った時、越後駒ヶ岳と中ノ岳の山容に圧倒された!ぜひ登りたい!
地獄軍団の先輩さんに話したところ乗ってくれた
越後駒ヶ岳-中ノ岳間の稜線を山スキーで縦走した記録は見つからない
一月に自分が撮影した写真と冬季登山の記録の写真を見るとアップダウンがあり、所々細い尾根で藪藪しい感じで厄介そうだ
中ノ岳に到達したところで、稜線上を戻るか?できれば左峡沢-芝沢-北ノ又川を繋いで白沢と合流したいが記録なし、下見もできていない
山スキー百山に中ノ岳から左峡沢へ滑り、右峡沢から登り返し、滝ハナ沢へ滑り更に尾根を越えて白沢へ合流するルートが紹介されていた
このルートの記録もネット上では見つからず、この時期はデブリだらけであることが予想される
なかなかアドベンチャー感の強い山行になりそうだ
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石抱橋を深夜1時スタート
出鼻から車道を辿らずに進んだところ
雪壁にぶつかり板を脱いで這い上がる
気を取り直して平坦な道をひたすらスススム
尾根ルートとの分岐にて白沢ルートへ
沢ルートは概ね歩きやすかった
雪解けで顔を出した滝は手前で左から巻く
岸のトラバースも交えたが気温が高く雪が緩んでいたのでシールで楽々いけた
雪が硬いと辛そうだ
黙々と沢を進むと尾根が見えた、斜面を登って尾根ルートへ合流する
尾根を出たあたりで薄明るくなり、周囲の山々が見渡せた
さらに登り避難小屋を目指す
避難小屋直前の急斜面を登っていく
自分は山頂方面にトラバースし続けたところ
カチカチの急斜面に入ってしまいキックターンができなくなった
ヒヤヒヤしながら急斜面トラバースを続け斜度の緩いところにでてやっとキックターン
薄暗くて先の様子がよく見えなかった、注意しないと
小屋でまったりして、山頂を目指す
途中、山頂からスキーヤーが降りてきた
こんな時間に?硬めの斜面をこなして降りていった
あとは元気に登ってあっさり山頂到着
あっさりと言いつつ普通に一日分の山スキーの距離と時間だったが笑
まあ今日はモチベーションが高いのでまだまだいける!
山頂では八海山とこれから目指す中ノ岳が見えた
中々の距離だ、中ノ岳到着時間によってはここから中ノ岳のピストンになるかもなんて言いながら滑走スタート
気温が高いので尾根の硬い雪が緩んでて滑りやすい
一気に距離を稼ぐ
1933ピークあたりで急な下りにぶつかる、これは板を脱がないと降りれないが、西側斜面からトラバースして降りれそう
しかしカチカチ急斜面で斜面の下は見えない
滑落したらアウト
だが今日の工程を考慮するとここをトラバースして時間を稼ぐしかない
慎重に慎重にズリ降りていく、今回の工程で一番心臓に悪かった
トラバースを終えてホッとしたのもつかの間、藪にぶち当たる、これはスキー脱いで行こうかと思ったが先輩はスキーのまま木々の中に突入、自分も続いて突入、結局自分は木にハマって途中で板をとった
通過したあとで振り返ると雪が繋がってる箇所があった、初めてのルートだから仕方ないね
その先の天狗平付近も藪の尾根歩き、さらにその先にある2つのピークは西側から巻いた
藪と固めの雪と急斜面、さらに下は崖、
ここもかなり緊張した
一歩一歩確実にエッジとクトー を効かせて歩いていく
先輩は少し前にクトー の受け皿がガタつくと言っていた、受け皿の金具とビンディング本体を接続する六角穴のネジが緩んでいたようだ
六角、トルクス、ポジ、マイナス、とビンディングに必要なドライバーはやはり持ち歩くべきだ
檜廊下周辺は細い尾根で藪、斜度もあり、スキーでは時間がかかりそうなので板を担いでアイゼン
時々ズボッと雪を踏み抜く
自分はアイゼンを膝裏に刺してズボンを破ってしまった
檜廊下を越えたら次は東側をスキーでトラバース、
先の急斜面トラバースで不安だったが
急な箇所は少しであっさり通過した
山頂直前ピークの手前まで滑ったあとシールを貼って最後の登りへ
まずは手前のピークを西側から巻く
今までに比べれば斜度が緩いので安心して進めた
山頂への尾根に合流し、あとはひたすら尾根登り
まだかまだかと登って行くと避難小屋が見えた
あとは山頂までゆるーい斜度で進んでゴール!!
周囲は八海山、荒沢岳、巻機山、平ヶ岳へ続く山々と今までに見たことのない景色が広がっていた
達成感がハンパない!頑張って本当に良かった!!
ここまで時間がかかったが藪藪の稜線を戻る気にはなれない
当初から計画していた通り左峡沢を滑ることに
山頂からスキーでスタート、山頂手前のピークへ戻る
ピークはスキーのまま西側を巻く
藪だらけのなか雪を繋いで行く
ピークを越えると左峡沢が見えた、すごく広い斜面がずっと下まで続き谷に入って行く感じだ
雪も暖められて柔らかく滑りやすい
先輩が颯爽と雄叫びをあげながら滑り降りて行く
自分は出だし急斜面なので緩い面まで移動し滑る
斜度が緩むと滑りが楽しめた、爽快だー!
振り返って滑った斜面を眺める
本当に長大な斜面だ、先々週の赤谷川源頭山行よりもスキーは楽しかった
さらに滑り降りる
下部に行くほど大きなデブリ帯が増えてくる
大体は右岸のトラバースで越えたが一箇所デブリ脇を通過
右峡沢との合流地点まで辿り着いたらシールを付けて右峡沢を遡上、
出だし急坂で雪がズルズルするので足場を固めながら進む
自分は少しスリップして登り返した
その先、沢の底面を歩きいくつかデブリを越えていく
両岸から雪が落ちてこないかヒヤヒヤしながら進んでいく、ここも精神的にきつい
気温も上がり脂汗が出る
滑走開始ポイントの尾根へ続く斜面に行き着き登っていく
遠くからは急斜面に見えたが上部以外はそこまで急ではなかった
ここも少し雪が緩いので足場を固めて登っていく
ここまで長い距離を進んできたので脚が重い
太陽の暑さで汗だくでヘロヘロに
しかもスキーのトップからシール内に雪が侵入してシールが剥がれてきてる
貼り直して雪を取る
尾根上部の東側をトラバースして北面の滑走ポイントを目指す
斜度は急でこけたら雪が緩いのでウィペットが効かずどこまでもズルズル行きそう
トラバース中にまた雪がスキートップからシールの間に侵入、だんだん侵入が進みシールが剥がれてしまった
急斜面の途中なので慎重にもう片方のシールを剥がし、スキーモードにしてトラバースして尾根北面へ出た
先輩を大分待たせてしまった
自分の足はもう売り切れた
しかしまだ滑って登って滑らねば
出だし急斜面をズルズル降りて斜度が緩んだところでターンして滑る、大量のスラフに少しビビった
雪はもう重くなっていたが気合で滑る
下に行くと広大なデブリ帯、もう昼を過ぎた、いつ雪が落ちてくるかわからない、なるはやで通過するが自分はこんなとこ滑るのは初めて、必死に通過する
その後緩い傾斜を滑って行くと最後の登り返し尾根が見えた
目指す尾根の手前で崩落が2回あった
もう危険な時間に入ってる
尾根への取り付きにたどり着き、ここまで何度も貼り剥がししたシールを丁寧に貼り付ける
最後までもってくれ
200mの登りを暑い中じわじわ登る
またスキートップから雪侵入したので貼り直す、あとは気力で尾根まで登った
また先輩を待たせてしまった、ここまでアップダウンと緊張箇所の連続で自分は気力・体力共に使い切った
ここから最後の滑り、白沢への合流、
斜度はそこそこある谷地形だが日陰で雪の状態はいい、
ここまで滑ってきた斜面は体力と技術があればとても楽しい斜面ばかりだった
自分も楽しめるように頑張りたい
白沢へ合流したらあとは来た道を戻る、少しホッとしたがこの先の平坦道は長く感じた、ヘロヘロになりながらも何とか車までたどり着いてゴーーール
体力面の疲れもあるがそれ以上に足がブーツに当たる痛さがキツかった、ルートも緊張する場面が多く精神的にかなり消耗した
体力・精神力共に自分の限界を振り切った
完全燃焼にも程がある笑
ただやりきれて良かった
中ノ岳への登頂を目標にスキーを生かした会心の山行だった
一生記憶に残るだろう
最後まで付き合ってくれた先輩に感謝感謝です
コメント
この記録に関連する登山ルート
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YOMOYAMAさん、お久しぶりです。
まずは、見事中ノ岳制覇おめでとうございます。
前日銀山平入りして深夜に白沢を登って早朝越駒から檜廊下を中ノ岳に達し、左峡沢を滑走後右峡沢を登り返し、滝ハナ沢を滑走し、尾根を乗っ越して白沢へ。何ともダイナミックな素晴らしいルート!究極の中ノ岳攻略ルートだと思いました。同行された先輩も筋金入りの方ですね。
自分もいつかは中ノ岳制覇と思っていましたが、荒沢岳に登り、より安全な兎岳への尾根を経由して中ノ岳に行くルートを思案していました。今シーズンはもう賞味期限が切れたので、そのうちできたら実行してみたいと思っています。
素晴らしきお二人の記録、参考にさせて頂きます。
大変お疲れ様でした。
hareharawaiより
hareharawaiさん達とお会いした阿寺山から見た山々を登ることができましたよ!嬉しいですねー
中ノ岳にてツボ足でウロウロしてたら穴を踏み抜き、hareharawaiさんにこの辺りの山頂はよく踏み抜くから気をつけて!と言われたのを思い出して笑ってしまいました 笑
荒沢岳からは長い道のりでやり甲斐がありますね、ぜひ踏破してください!
あまり見ない記録なので気合い入れて書きました!
参考にしていただけると嬉しいです
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