白髭岳: 吹雪のショウジ山から快晴の山頂に


- GPS
- 07:32
- 距離
- 13.0km
- 登り
- 1,403m
- 下り
- 1,517m
コースタイム
天候 | 晴れ、雪のち晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
東谷出合を越えて、谷を渡る橋の南詰に車一台分のみのスペースあり |
コース状況/ 危険箇所等 |
ショウジ山〜白髭岳は一般登山路なし。踏み跡も不明瞭。所々に赤テープはあるものの、その頻度は少ないが、尾根筋をたどるので、ルート・ファインディングに苦心することは少ないと思われる。登山口の橋の南詰からは杣道の踏み跡が明瞭。登山開始時にヤマレコ ・マップのGPSを入れ損ねてしまったのだが、地図には記されていないものの登りやすいルートと思われる。 逆コースの時計回りの周回では小白髭岳を越えてから1峰〜4峰をこえて白髭岳まで、急峻なアップダウンでそれなりに体力を消耗することが予想される。白髭岳からショウジ山にかけての尾根筋は全般的には緩やかだが、ショウジ山の西稜から下りの分岐点が非常にわかりにくい。是非、今回のログを参考にされたい。 |
写真
感想
二日間続けての奥吉野の山行となるが、メインは勿論、この白髭岳である。赤倉山から西にのびる尾根の末端に位置するが、分県登山ガイドの記載を借用すると、支脈末端の山とは思えぬ峻険さをもち、山頂からの眺望もよいことから多くの登山者を魅了する・・とある。峻険さと眺望に関しては正しいと思われるが、果たしてどれほどの登山者がこの山に登るのか甚だ疑問である。一般的な登山道は神之谷林道の東沢出合または東沢右岸の尾根から小白髭岳を越えるルートのみであるが、分県登山ガイドに記されていた神之谷左岸のショウジ山を越え、谷を巡って周回するルートとした。
大迫ダムの手前、北和田口で吉野川を渡るとすぐに右折し、北和田の集落を越えて神之谷林道に入る。東沢出合を越えて、林道が神之谷川を渡る橋の南詰めに駐車スペースがあると紹介されていたが、車一台が辛うじて停められるほどのスペースがあるばかりだ。よくよく見ると確かに細い杣道が山の中へと続いている。時計回りと反時計回りか、周回の向きは直前まで悩んていたが、登山口の分かにくさを考えて、こちらからの反時計回りとしたが、様々な点において正解に思われる。
最初は杉の植林地の斜面の急登である。道は細いものの明瞭である。登り始めてしばらくしてヤマレコの登山開始ボタンを押し忘れていることに気が付くが、この杣道は二万五千分の一地図にも記載されていないルートのようである。ほどなく尾根筋に出ると、谷から吹き上がってくる風が冷たい。尾根から下る場合にはこの分岐が大変、分かり難いと思われる。もしもこのコースを辿られる方がおられれば小生のログを参考にしていただくのがよいように思われる。
尾根筋をたどると再び急斜面となる。このあたりは、吉野杉が立派に育ち、林相が壮麗である。散在する倒木を越え、わずかな踏み跡をたどりながら斜面を登っていくと尾根はようやくなだらかになる。右手に赤テープがつけられているので一瞬、迷いそうになったが、地図とコンパスを頼りに左手にすすむ尾根を進む。昨夜は雪だったのだろう。地面に降り積もった雪が目立ち始める。ショウジ山の手前の登りに差しかかると、風に白いものが混じりはじめたかと思うと、見る見るうちに吹雪となった。時折、樹林には北側に間隙が開け、本来、小白髭岳が望まれるところなのだろうが、見えるのはひたすら白い空間のみである。天気が午後には快復することを信じて道を進む。
ショウジ山の山頂は林間の開けた場所で、意外なほど多くの山頂標がかけられている。周囲は樹林に囲まれて眺望はなさそうだ。ゆるやかに尾根を登るといつしか植林地は終わり、ブナやヒメシャラ、コナラの落葉樹林となる。足元の雪は徐々に増え、あたりは一面、真っ白な状態となる。1132mの三角点があるピークに到達すると、いくつかの山頂標に切原と記されていたので、この場所がそう呼称されることを知る。ここも展望はない。ここで尾根は北向きに大きく曲がる。
雲の下から白髭岳への尾根が見えるものの、上のほうは完全に雲の中だ。アップダウンを繰り返す。一晩で降り積もった雪は高度が上がるにつれ徐々に厚みを増し、数センチに達する。新雪特有のミシミシという音が足元から聞こえる。
いつしか晴れ間がさし、ようやく樹間から次のピーク1222m峰とその向こうに白髭岳が姿を現す。地図から予想されるのと実際に目にする印象は大きく異なり、確かに峻険だ。
頂上からは東の方向以外、南から北に展望が開ける。北西の方向には昨日登った白屋岳が印象的な山容を広げている。風が吹くとパラパラと樹々か落ちていくものがある。ふと見上げると樹々が霧氷を纏っている。ここで軽く昼食の休憩を取るといよいよ下山である。
ショウジ山から白髭岳までは踏み跡程度で、登山路と呼べるようなものではなかったが、ここからはヤマプラでは実線の一般登山路となるので登山路は明瞭だ。しかし、喜ぶのも束の間、次々と急降が現れる。ロープの助けを借りて下る。登山ガイドの地図に小白髭岳から白髭岳の間に1峰から4峰と記載されていたのを思い出す。地図からは読めないが、小さいながらも急峻なピークが連続し、しかもかなりのヤセ尾根だ。小白髭岳は目の前に見えているのに、これらのピークの通過に意外と時間を要する。雪の季節は通過がかなり困難なことが予想される。
小白髭岳に着くと檜の植林の向こうにはカヤトが茂る好展望の伐採地が広がっていた。北側の台高山脈は明神岳のあたりは冠雪のためか、かなり白く見える。ここからは檜の植林の中を急降してゆく。登りの神之谷左岸の尾根では緩徐に積雪が増えていったが、尾根からの下りになると、雪が薄くなり始めたと思うと積雪は瞬く間に消えたしまった。地図で確認すると、わずかに3kmほどで600mほどの高さを一気に下ることになる。積雪がなくなるのが早いのも当然た。途中の水場では岩の間から水が溢れるように湧き出していた。岩から滴り落ちる水に濡れながら清水を汲む。やはり美味しい。涸れた沢筋を緩やかに下り、左岸につけられて林道を歩くと、ほどなく舗装された神之谷林道に出た。
3月の終わりから続いていた暖かな日々のせいで、ミツバツツジやアケボノツツジがあわよくば咲き始めていることを期待していたが、やはり花の季節には早すぎたようだ。新緑の季節に再訪したいものだが、この登り応えのありすぎる山にはそう簡単に再訪という訳にはいかなさそうだ。
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