虎毛山 鬼首峠から中央分水嶺を行く


- GPS
- 14:33
- 距離
- 18.5km
- 登り
- 1,603m
- 下り
- 1,593m
コースタイム
- 山行
- 4:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 4:00
- 山行
- 10:05
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 10:05
天候 | 29日(日)昭和の日 快晴![]() 30日(月)振替休日 快晴 ![]() |
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過去天気図(気象庁) | 2018年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
toole記 |
コース状況/ 危険箇所等 |
※今回歩いたコースは夏道が一切無く、一般登山のカテゴリーを逸脱した行程です。たとえ時期が同じであっても、その年の残雪の状況によっては濃密な藪や水量豊富な沢に阻まれることも考えられます。その点を考慮された上でこの記録を閲覧ください。 【鬼首トンネル〜鬼首峠】 地形が複雑なため、小さな尾根を横切ったり、小沢を渡渉したりと小さなことに気を取られるやや煩雑なルート。雪が豊富だった3月に歩いたときは沢にスノーブリッジが架かっており、渡渉で苦労することなく、小さな尾根も簡単に越えられた印象がある。また地形図では読み取れない藪の作業道が所々に走っている。 【鬼首峠〜P1085】 中央分水嶺の尾根上は雪解けが進み藪が出ていたので、雪が残る緩い沢を辿って沼地がある付近のピークを目指すことにした。名もなき沼東側の950峰に立ち、その先の分水嶺をたどりP1085に至るルート、または直線的に仙北沢に降りて登り返すルート、すなわちP1085の南西尾根の残雪状況を俯瞰した。kamadamさんと話し合いの結果、分水嶺ルートは雪に乏しく起伏が激しいだろうということで選択肢から外し、雪が豊富そうに見える仙北沢に一旦降りて、P1085の南西尾根を登り返すルートを採用した。 仙北沢上流部はスノーブリッジが架かっており、難なく渡渉できた。登り返しのP1085南西尾根はだいぶ藪化していたが、東寄りの斜面に雪が残っており、なんとか繋ぐことができた。この尾根の登りで僕は両足が攣りそうになり、思うように動かなくなった。回復が見込めなければ時間的にも虎毛山頂までの藪漕ぎ到達は不可能と判断するに至り、P1085でビバークすることにした。 【P1085〜P1256】 P1085から先は所々藪があるものの、幅広で比較的安定した雪堤の上を行く。オーソドックスな稜線歩きの始まりとでも表現できるかもしれない。僕がいままで歩いてきたルートでは須金岳から山猫森にかけての風景ととても良く似ていた。また仙北沢右又源頭部ではスラブ地形がみられた。雪堤の溶け残りを越え、藪をかきわけながら登り、平坦な主稜線へと出る。 【P1256〜虎毛山】 虎毛小屋を目指して緩く広い傾斜を登る。Co1320付近で藪に突き当たるが、まともに突入してしまうと激烈な藪漕ぎが待っている。Co1320からは万滝沢の源頭をトラバースするように東側へ回り込むルートを取ると良い。以降、春川左又の源頭を掠めるようなルートを取る。総じて虎毛山頂から南側に伸びる巨大幅広尾根の東側を意識したルート取りをすることで最小限の藪漕ぎで山頂に到達することができる。 toole記 |
写真
感想
kamadamさんからお誘い頂いてこの記録となった。目的地は虎毛山の虎毛沢を挟んで北側に位置する前森山だった。実はこの山、虎毛の登山道と高松岳縦走路が接続する付近からきれいに見える山で、いつか僕も登頂してみたいと考えていた山だった。個人的には沢登りカテゴリーでの登頂を考えていて、縦走路の途中から虎毛沢に降りて、虎毛沢から西側の緩い尾根藪漕ぎか、または沢をたどり前森山の山頂に立つ、という計画を数年前から立てたままになっていた。
kamadamさんの計画では虎毛山頂から北西尾根を下り、虎毛沢に降りる。そのまま虎毛沢を前森山南東方向の鞍部まで詰めて尾根伝いに登頂するというものだった。きれいな形の北西尾根にもし雪が付いていれば、面白い山行になるだろうと思い、承諾したのだった。
結果としては、僕の足の状態が思わしくなくビバークして当初の計画から遅れたこと、更に虎毛直下の激藪に負けたことで前森山は遠のいたのだった。3月初旬くらいならこのルートも生きてきそうだが、その時期に虎毛沢に降りるのはちょっと怖いかなと思う。
それでも"虎毛山登山"としては藪漕ぎありの、ワイルドな沢渡渉&登り返しありの、そして神室連峰一気通貫極上の眺め。もう言うことなしの充実した山行。分水嶺歩きの続きも繋げちゃった☆
kamadamさん、またお誘いください。
虎毛山の北隣に前森山という山がある。この奥深い山が気になったのは、直接眺めたからではなく、宮城の登山家SONEさんのブログを見てからだった。高松岳から虎毛に向けて縦走した時、虎毛の前衛峰のように見えるのだという。ブログには存在感のある姿が掲載されている。
虎毛山山頂小屋に泊まって翌日向かえば、登ることができるだろう。そう思って、この山域を庭にしているtooleさんに声をかけたところ、快く同行の了承をいただいた。彼からの返信メールには、「秋田でも超難関の山」とある。雪山・沢・藪山など、バリエーションルートを歩いている彼からして「超難関の山」と呼ばしめる山とは、どんな山だろう・・彼とお会いするのも久しぶりで、それも大きな楽しみだ。
結果は、難しい山だと改めて認識させられるものとなった。帰省する息子を迎えに出てからなので、登山開始は昼前頃になったが、この時期の虎毛山自体、重い荷物で半日で登れる山そしてルートでもなく、私の考えが甘かった。前森山は自分に登れるのかどうかわからないが、一応宿題ということにしておきたい。
tooleさんとは要所要所で話し合い、ルートを選んでいった。特に、出だしから鬼首峠までの地形は複雑で地図だけでは分かり辛く、GPSを持ったtooleさんに頼った。日頃運動不足ということで彼本来の調子ではなかったが、むしろその方が私のゆっくりペースには合っていた。
ビバークしたP1,085は、平らな巨体を横たえる虎毛山が眼前に迫る好適地。風も無く、ヘッデンもいらないほどの明るい満月の夜だった。
今回最も強烈だったのは、何と言っても虎毛山のモーレツな藪。あんなに酷い藪は経験したことがない。山パンツ両足だけではなく、買ったばかりの長靴にも裂け目が入った。もう多少の藪は怖くなくなった感じ(笑)。
好天に恵まれ、展望を堪能することができたのは幸いだった。虎毛山頂小屋の東側には残雪があり、そこに移っての高松岳や前森山、焼石連峰などなどの眺め。虎毛からの戻りでは、神室連峰の美しい東面を眺めつつ下る贅沢さ。鬼首峠の奥にひっそりと佇む沼も探訪し、中身の濃い山旅となった。
tooleさん、ありがとう。またバリエーションルートを歩きましょう。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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このコンビで歩かれたのはずいぶん久しぶり?変態的なルートも楽しませていただきました。虎毛の裏の藪、やっぱりkamadamさんにとっても、あれが最凶でしたか。私がめげたのも、じゃ納得です。
冬場はなんということもない鬼首峠への道一つとっても、雪が薄くなってくると難しい地形が現れるんですね。
tooleさんの脚が攣ったおかげで素敵な幕営ができましたね。いいところじゃないですか。tooleさんの雄たけび(悲鳴か)が聞こえるようです。この日の神室、虎毛は天気最高でしたものね。
今度はぜひお二人で前森山制覇してください。とてもとても楽しみです。
ホント、tooleさんの脚が攣ってくれて良かったです
先に行ってくださいと言われ(もちろんその選択肢はないですが)、一人虎毛山頂小屋に泊まろうとしていたら、きっとあの藪の中で満月を眺めながら立ち往生していたことでしょう
変態的なルート、また探してみます
人が足を攣りそうになって苦しんでいるというのに、その"おかげ"deathか💀
変態的ルートなんてお褒めのお言葉までありがとうございます
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