【脱・正月太り】高尾山-陣馬山往復
- GPS
- 05:30
- 距離
- 27.9km
- 登り
- 1,481m
- 下り
- 1,481m
コースタイム
天候 | 天気:曇り時々晴れ 気温:最高8℃ 最低-4℃(八王子) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自転車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
積雪なし 所々地面が凍っている個所さえ気をつければ危険個所は皆無 |
写真
感想
「なんだこの丸い顔は…」
正月明けのとある日、行きつけの散髪屋で自分の顔をまじまじ見て驚いた。どうやら年末年始の不摂生が祟ったらしい。もちろん不摂生であることは承知していたが、それまで目を背けていた現実と文字通り向き合ってしまったのだった。
家に帰って恐る恐る体重計に乗ると70kgを越えている。前に測った時と比べても3kgは増えている。社会人になって初の大台である。
これは生活を改める必要がある。年末年始で肥えた体と、対照的に薄くなったお財布を健全な姿に戻すべく、摂生しなければならない。そのためにはまず走るのだ。「長距離ランは世の中のあらゆる問題を解決する」という金言もあったようななかったような。
高尾-陣馬の稜線は東京近郊のトレイルランナーにとって最もなじみ深いコースである。この往復を走りきって初めて一人前のトレイルランナーと言われるほどである。しかし私はこれまでこの往復を走りきったことはなかった。いつでも来れるからと後回しにしてきたこともある。山道を我が物顔で走りまわるランナーに伍したくない、という思いもあった。だがその時は来た。平日、しかも天気予報曰く今年一番の寒さというこの日ならきっと、ハイカーもランナーも少ないに違いない。思う存分走ったところで文句は言われまい。ということで早速、弛んだ体に鞭打つべく早速高尾山へ向かった。
エクササイズを兼ねて自転車で小一時間、高尾山口に到着。案の定登山者は少ない。6号路を選択。時折出会う登山者の邪魔にならないよう気を配りつつ一気に高尾山頂に向かう。
週末の喧騒もどこ吹く風、山頂も人はそれほど多くない。富士山を眺めながら水筒に入れた甘い紅茶を一口すする。大分体も温まったので着こんでいたダウンを脱ぐ。先は長い。ここであまりゆっくりはしていられない。
高尾山から先の平坦な稜線を、木の根や石ころを捌きながら軽快に飛ばす。多少の登りも気合いで駆け上がる。そう、今日はストイックに攻めるのだ。城山、影信山でそれぞれ小休止をとり、折り返し点である陣馬山へと急ぐ。ちなみに小さなピークはすべて巻き道で時間を短縮する。
ただ途中の山頂で茶店が開いてないことが気にかかった。今日は平日、揃って休業日でも不思議ではない。しかしバックパックには最低限の行動食しかなく、陣馬山で昼食にありつけなければ途中でエスケープも考えなくてはならない。陣馬山が近づいたころ、2人連れのランナーとすれ違う。茶店が営業しているか尋ねると、3軒のうち1軒だけ開いているという。助かった。往復ラン完遂に光明が差した。
陣馬山は360度の展望が楽しめるお気に入りの山である。この日は日差しも弱く富士山も雲に隠れてしまったが、雲の間から差し込む光のカーテンが一種厳粛な雰囲気を作り出していた。清水茶屋の温かいうどんとおでんで英気を回復し、復路に就く。
下り基調となる復路は往路以上に飛ばす。ハイカーも少なく、やはり平日に来て良かったと思う。
一息に高尾山まで戻り、そのまま下山しようかと思っていたところで、斜面にカメラを向けるおじさんが目についた。何を撮っているのか尋ねると、「シモバシラ」だという。地面にできる「霜柱」ではない。「シモバシラ」という植物が根から吸い上げた水分が茎から染み出し、それがリボン状に凍る「氷の華」という現象が見られるという。なるほど言われて見ると地面に白い花のようなものがちらほら見える。何となく、ここまで走って来た自分へのご褒美のような気がした。
高尾山口に戻ると心地よい疲労感を覚えた。身も心も軽くなったような気がする。これで今晩も気持ち良く飲めるというものだ、と全く反省の色が見えない自分に我ながら呆れた。
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