西粟倉村&智頭町 若杉天然林〜沖ノ山〜若杉峠 「冬が来る前に」



- GPS
- 06:22
- 距離
- 10.9km
- 登り
- 640m
- 下り
- 634m
コースタイム
- 山行
- 5:40
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 6:19
歩行距離10.5km、歩行時間5時間40分、歩行数20,600歩、消費カロリー2,940Kcal
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
若杉天然林駐車場<写真01>から南西尾根を登り岡山&鳥取県境尾根合流点(沖ノ山<写真03>撮影地点)までは、道ではありません。根曲がり竹(チシマザサ)のヤブコギがあるため、少なくとも無雪期にはおすすめできません。 林道出合から沖ノ山<写真11>南尾根取り付き点まではアスファルト道、三町分岐<写真16>から若杉峠<写真21,22>を経て若杉天然林駐車場<写真01>までは遊歩道です。なお、遊歩道には一部、ぬかるみやすい所や苔むした石畳があり、雨天や雨後は足元に注意が必要です。 それ以外は低いシダやササの間に細い踏み跡が断続的にあります。少しでも道から外れると根曲がり竹(チシマザサ)や低いササのヤブに突入しますが、根曲がり竹も手で楽にかき分けられるので歩けます。県境尾根から北に迂回する2ヵ所のみ、事前に場所を把握しておき、ピンクテープに注意すれば大丈夫です。 若杉天然林駐車場<写真01>からアスファルト道を少し北上し、若杉休憩舎から杉林の中の林道に入りました。10分程で林道は突然なくなってしまったため、崩れやすい斜面を適当に登りました。 標高1070m辺りから根曲がり竹(チシマザサ)がまばらに生え始め、次第に密になってきました。そのうちに手でかき分けなければ歩けなくなってきたため、1140m峰は巻きました。根曲がり竹の込み合い具合はあまり変わらないと思った連れは、積雪期に記録がある直登コースのほうが歩きやすいと考えていたようです。根曲がり竹にシバかれ慣れていると、トラバースよりもヤブコギのほうがマシという不思議な判断をしてしまうのかもしれません(*_*; 標高1100m鞍部はなぜか少し開けていましたが、すぐに根曲がり竹(チシマザサ)が復活、しばらくは背丈を超える大物をかき分けなければ歩けませんでした。しかし、標高1140m辺りで急にササが低くなり、なんとなく踏み跡らしきものが現れました。根曲がり竹はそのうちにまた高くなりましたが、少し手でよければ歩けるレベルで、杉林に入るとまばらになり、岡山&鳥取県境尾根に合流しました。 沖ノ山頂上<写真11>からは、往路を引き返すつもりでしたが、GPSを持った連れよりも東寄りに下ってしまい、南西へと方向転換する途中でカメラを落としました。三室山<写真12>撮影地点で気づき、連れと一緒に頂上経由で探しに行ったので、GPSログが頂上周辺でグルグル回っています。周辺は低いササ原で足元が見えにくいのですが、すぐに見つかりました。これで10分程のロスタイムとなっています。 その他、分岐やブナ林などコース状況の詳細は、周辺情報下欄の添付ファイルで確認できます。 |
その他周辺情報 | 鳥取自動車道西粟倉ICすぐ近くに道の駅「あわくらんど」、その隣にランチバイキングが楽しめる「あわくら旬の里」、少し北北西に進むと温泉施設「湯〜とぴあ 黄金泉」があります。鳥取県智頭(ちづ)町、若桜(わかさ)町にも温泉施設などがありますが、ここが一番便利でしょう。個人的には森林浴で十分英気を養うことができます。 |
ファイル |
(更新時刻:2018/11/13 23:55)
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写真
吉井川源流之碑
吉野川は吉井川水系の最大の支流で、ここ若杉天然林が源流です。駐車場周辺には植栽のドウダンツツジやモミジがありましたが、かなり落葉していました。落ち葉のじゅうたんがきれいです。
尾羽が青みがかっており、少し羽毛をふくらませてころんとした体形になっています。秋に玉野市の深山公園などでよく見かけたとおりの姿に見えたので、このときはルリビタキのメスで間違いないだろうと思っていました。
これは動画から起こしたものです。脇腹にあるはずの黄色い部分がよく見えません。コルリやオオルリなども疑ってみましたが、オオルリとは違い尾羽が青みがかっていること、コルリとは違い脚が黒っぽくてあまり長くないこと、興味津々でこちらをのぞき込む表情やしぐさから、やはりルリビタキのメスだろうと判断しました。
より沖ノ山
ルリビタキのメス<写真04、05>が飛び去ってから少し南西に進むと、不意に目の前に目指す沖ノ山(おきのせん)<写真11>が見えました。手前から右奥にかけて杉林、アスファルト道の法面の少し土が見えた部分などが見えています。アスファルト道の両サイドはブナ林だったので、2週間早ければ黄色く色づいた山が楽しめたかもしれません。
ここから動画も撮りました。明治には沖ノ山山系の天然杉をもとに、雪に強く根曲がりしないブランド杉「沖ノ山杉」(おきのやますぎ)が誕生しました。大正には沖ノ山(おきのせん)から木材を搬出する沖ノ山森林鉄道が開設され、鳥取県智頭(ちづ)町は林業の町として栄えました。今年2月には「智頭の林業景観」が国の重要文化的景観に指定されたそうです。鉄道は1967(昭和42)年頃には廃線になりましたが、実は、先月28日に芦津渓谷源流の東(東仙宿舎跡周辺)でレールの一部などを見ました。
三室山&天児屋山
アスファルト道へと下る途中の倒木の上から東方面には、左奥に三室山、その手前中央に天児屋山(てんごやさん)が見えました。ここでカメラがないことに気づいて取りに戻りました。
往路よりも北を通ったため、ブナ科の大木に直径20〜50cmのツリガネタケの大型タイプがたくさん生えているのに気づきました。小型タイプ<写真17>とは違い、サルノコシカケの仲間であることがわかりやすい形です。動画も撮りました。
第1分岐点よりすこし北の標高1020m辺りで苔むした石畳道を歩きながら動画を撮りました。第1分岐点をスルーし、振り返ってみると、小さな滝が階段状に連なっていました。動画も撮りました。
大地を作る岩石の隙間に入った水が凍って体積が大きくなると、やがて岩石はブロック状に割れます。その後、重力によりこうして斜面を流れ下ったのでしょう。苔がきれいだったので動画も撮りました。
装備
個人装備 |
長袖シャツ
ズボン
靴下(厚手)
軍手
雨具
日よけ帽子とフード
雨用帽子
登山靴(防水加工)
靴ひも予備
サブザック
ザックカバー
地形図
コンパス
マップケース
筆記用具
携帯
時計(防水)
タオル
カメラ
飲料水(スポドリ&茶)
水筒(保温)
非常食(栄養補助食品)
スマホ(山使用可能)
eTrex30(GPSナビゲーター)
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感想
以前に駒の尾山や芦津渓谷を訪れた際に、そこから見えていた気になる山がありました。鳥取県の智頭(ちづ)町にある沖ノ山(おきのせん)です。
地形図上では東西南北どの方向からもアプローチできるようですが、なぜか、どのルートも頂上まで続く道がありません。山行記録を見ても、雪山記録が圧倒的に多く、無雪期に登ったのはほとんどありませんでした。ymgoroさんが無雪期の山行記録を載せておられましたので、参考にさせていただきました。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1501937.html
不安と冒険心が交錯する中、岡山県側の若杉天然林駐車場<写真01>を起点とし、出発点近くの若杉休憩舎から1140m峰の東南尾根に取り付きました。ちなみに、このルートは積雪期のみymgoroさんをはじめ山行記録がいくつかありました。
最初は歩きやすいジグザグ林道でしたが、突然、道がなくなり、しばらくすると根曲がり竹(チシマザサ)のヤブに突入しました。周辺はブナ林ですが、完全に落葉しており、黄葉で気晴らしとはいかなかったので、精神的にもきつかったです(*_*; 県境尾根手前まで根曲がり竹との格闘が続きました。気が付けば、折れた古株に刺されて、脛や太腿が傷だらけ。連れは転びかけた拍子に顔に刺さってしまい、帰宅後にほじくり出したトゲをドヤ顔で見せてきました(´・ω・`)
ymgoroさんのように若杉峠<写真21、22>に向かう途中にある第1分岐点➝第3分岐方面から登ればもっと楽でした (-_-;)
1196m峰(点名:若杉)<写真07>までは、岡山県と鳥取県の県境尾根を歩きました。傾斜が緩くなったぶん、歩きやすくはなりましたが、踏み跡があったり、なかったりで、ルートファインディングを誤ると、根曲がり竹(チシマザサ)のヤブに突入という罰ゲームが待っています。しなくてもいいヤブコギを何度かしてしまったような気もします(-_-;) ただし、道を外れてしまっても、手で楽にかき分けられるのでなんとかなりました。
沖ノ山<写真11>までは、途中からアスファルト道が出てきて、ピーク南直下まで続いていました。両サイドは落葉したブナ林でした。2週間前には黄葉並木を楽しめただろうと思います。足元には石や木の枝が転がり、苔むしていたり、割れ目から低い「ど根性ササ」が生えていたりしますが、歩くのには支障がなく、那岐山、駒の尾山、船木山、後山、三室山などの名峰を望みながら、快適な山行ができました。
最終的には標高1,280m地点から沖ノ山南尾根を登り、ピークに立つことができました。
帰りは三町(智頭・若桜・西粟倉)分岐まで、来た道を引き返し、若杉峠<写真21、22>経由で若杉天然林を抜けていきました。紅葉はもう終わっていましたが、その分、コケの緑が目立ち、若杉峠を境に、昔の人が因幡(いなば)と美作(みまさか)の国を往来するために敷いた石畳ロードがコケの道と化していました。これはこれで、紅葉とは異なる鮮やかで目に優しいシーンでした。
こうして、「冬が来る前に」敢行した無雪期の沖ノ山登山は想像以上に刺激的で楽しかったです。
ちなみに、「冬が来る前に」というタイトルは、1977年11月に大ヒットした曲名に因んでいます。山行中、頭の中をこの曲がずっと流れていました(^^♪ 雪山は連れが断固拒否しているので、今年の中国山地の山行はこれでおしまいです。最後にふさわしいプチ冒険コースを楽しめました。
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