大見〜猿橋峠・小野谷峠周回☆台風の爪痕残る秋の湿原へ
- GPS
- 02:09
- 距離
- 5.7km
- 登り
- 288m
- 下り
- 288m
コースタイム
- 山行
- 2:04
- 休憩
- 0:05
- 合計
- 2:09
天候 | 雨のち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2018年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大見湿原〜小野谷峠分岐;極めて薄い踏み跡 湿原は北の端に流れる小川に沿って道がついているが、数本の倒木あり 分岐〜猿橋峠〜p690;以降、一般登山道なし踏み跡は不明瞭 p690〜小野谷峠〜p771〜大見湿原;尾根に沿って薄い踏み跡あり |
写真
感想
この日の天気は薄曇りである。新幹線で東京から帰り着くと、地下鉄の駅で待ち合わせて家内に山の用意を持ってきてもらう。雲は高いので雨が降る可能性が低いと読んでいたが、市内を抜けて八瀬に入った辺りから早くも雨が振り始めた。京都の北山には訪れるのに天候を選ばない場所がいくつかあるが、この日に目指す大見湿原はそうした場所の一つである。晩秋の景色に興味があったのだが、先日の台風の爪痕も気になるところだ。
湿原の入り口の大見集落に辿り着くと、人気のなくなった廃村の奥で真っ赤に色づいたイロハカエデが、樹の下の斜面を落葉で赤く染めている。かつては秋が到来する度に村人達の目を愉しませたことだろう。湿原の入り口に立つと、あたり一面ににススキの穂が満開の穂をつけている。断続的に降りしきる小雨の中、茫漠としたススキの原が廃村の寂寥を一層引き立てる。
微かな踏み跡を辿ってススキの原の中に入ってゆく。予想通り至るところに杉の倒木が目立つ。美しい新緑の季節にもこの湿原を訪れたところであり、どこに道がつけられているかはまだ記憶に新しい。湿原の北側を流れる小さなせせらぎを渡渉すると、見覚えのあるハンターへの注意を促す看板と共に、この小渓の左岸に沿った小野谷峠への登山路を見出す。
快適な歩行を約束しれくれる筈の登山路は早速にも複数の杉の倒木で寸断されている。道に沿って湿原の奥へと進むと、まだ枯れていない蕨の緑が落葉による茶褐色のカーペットの中に映える。限りなく静謐で、幻想的な場所である。いつしか雨もあがっている。
既に多くの広葉樹が落葉した中にあって、わずかに残っている紅葉と蕨や苔の緑ののコントラストを楽しむうちに、気がついていたら小野谷峠と猿橋峠との分岐に到来していた。ここは大見湿原の中でも最も美しいあたりだ。猿橋峠への踏み跡は不明瞭だが、谷の奥に見え隠れする色鮮やかな紅葉に惹かれ、躊躇なく猿橋峠へのルートを選択する。果たして谷の奥へと進むにつれ、赤、黄、橙色と鮮やかな紅葉の饗宴となる。
猿橋峠に来るとPH氏によるプレートが見覚えのある樹についているのを確認することが出来て安心する。そういえば新緑の季節においては、この猿橋峠からの源頭の新緑の美しさに惹かれて大見湿原へとこの谷を下ったのであった。数年前の「そうだ京都に行こう」で確か「紅葉の名所は新緑の名所」というのキャッチコピーを謳っていたのを思い出す。
690m峰への登りは落葉のせいか踏み跡が見当たらない。峠からみえる稜線の右手の鞍部を目指して登ってゆく。尾根に辿り着くとすぐに踏み跡がみつかる。しかし、すぐに連続する数本の倒木が踏み跡を寸断している。ここは倒木を乗り越えるしかない。
690m峰のピークに至るとここでも南西側の大きな馬酔木の樹に控えめに掛けられたPH氏のプレートを見出すことが出来る。前回は八桝尾根がなかなかわからずに苦労したのだが、今回は八桝尾根に入りかける。すぐに気がついて小野谷峠への尾根にルートを修正する。
小野谷峠への下りもまた紅葉が鮮やかであり、特に690m峰の南西の斜面は先日の台風で落葉した葉が少ないせいであろうか、パッチワークの如く、樹々は色とりどりの紅葉をみせている。中でも嬉しかったのは落葉せずに葉を残したブナの緑色から黄色、茶色へと美しい色の移り変わりが見られたことである。
小野谷峠にたどり着いてみると見覚えのある場所にPH氏のプレートが見当たらない。すぐに家内が杉の樹の根元に重病人の如く横たえられた倒木にPH氏のプレートを見つける。何と救出したのはv-g氏であった。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1638092.html
どこかの樹につけたいところであるが、生憎、ペンチがなければ用意には外れない。雪の季節になってこの倒木が埋もれてしまう前にPH氏が付け替えてくれるといいのだが・・・。
ここで大見集落へと引き返せば無難なのだが、折角なので大見尾根を南に辿って771m峰を訪ねてみたいという誘惑に駆られる。この小野谷峠から滝谷山へと至る大見尾根はイヌブナの快適な尾根道が続くところだ。771m峰を越えて、次のピークから東に伸びる尾根を下る。下り始めは尾根芯の上は馬酔木の藪が繁茂しているのだが、驚いたことにしばらく辿るうちに尾根上には鹿道とは異なり、明らかな踏み跡が現れる。
急速にあたりは薄暗くなっていくので、最後は暗い植林地の尾根を下ることを諦めて、北向きの明るい広葉樹の尾根を下ると、まもなく林道に出ることが出来た。車を停めた廃村に戻るとあたりはすっかり夜の帳が下りているのだった。人のいない集落の中で、小さな電灯が紅葉を煌々と照らしている。カメラに収めようとしたところ、残念ながらここでカメラのバッテリーが切れるのだった。
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