記録ID: 1668859
全員に公開
ハイキング
日光・那須・筑波
羽黒尾根から前女峰【ちょっぴり『全踏査』】
2018年12月02日(日) [日帰り]
thoughtmay
体力度
5
1泊以上が適当
体力度について
- GPS
- 09:57
- 距離
- 16.3km
- 登り
- 1,673m
- 下り
- 1,558m
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標高グラフを拡大コースタイム
| 天候 | 晴れ |
|---|---|
| 過去天気図（気象庁） | 2018年12月の天気図 |
| アクセス |
利用交通機関：
自家用車
|
| ファイル |
この日の山行のポイントを、ウェイポイントにまとめてみました。黒岩付近の気象観測装置について、訂正済みです。2019.02.10更新
（更新時刻：2019/02/10 02:33） |
写真
この山行日以前、"3本目の殺生禁断碑"を探して羽黒尾根の先端を巡り歩いた。若子神社の駐車場から500mほど手前に昭和57年建立の「二荒山神社摂社 若子神社」の石塔がある。
その基部は昭和57年以前に作られたようで、元は結界石が立っていたかとも思えるのだが、その傍らに＿＿
3
11/30 7:04
この山行日以前、"3本目の殺生禁断碑"を探して羽黒尾根の先端を巡り歩いた。
若子神社の駐車場から500mほど手前に昭和57年建立の「二荒山神社摂社 若子神社」の石塔がある。
その基部は昭和57年以前に作られたようで、元は結界石が立っていたかとも思えるのだが、その傍らに＿＿
若子神社の駐車場から500mほど手前に昭和57年建立の「二荒山神社摂社 若子神社」の石塔がある。
その基部は昭和57年以前に作られたようで、元は結界石が立っていたかとも思えるのだが、その傍らに＿＿
この地点のすぐ道路脇(北側)に、倒壊した石塔とその礎石があるのであった。
「殺生禁断」との4文字が刻まれている石塔は、手計で幅40・奥行30・高140cm程度の大きさで、黒岩尾根の2つの殺生禁断碑とは、材質も造作も字体も全く異なる。おそらく造立された時期にもかなりのズレがあると思われる。
黒岩尾根の殺生禁断石塔は、造立に滝尾神社が絡んでいるという確かな感覚があるのだが＿＿
1
11/30 6:45
「殺生禁断」との4文字が刻まれている石塔は、手計で幅40・奥行30・高140cm程度の大きさで、黒岩尾根の2つの殺生禁断碑とは、材質も造作も字体も全く異なる。
おそらく造立された時期にもかなりのズレがあると思われる。
黒岩尾根の殺生禁断石塔は、造立に滝尾神社が絡んでいるという確かな感覚があるのだが＿＿
おそらく造立された時期にもかなりのズレがあると思われる。
黒岩尾根の殺生禁断石塔は、造立に滝尾神社が絡んでいるという確かな感覚があるのだが＿＿
この石塔の左面に刻まれているのは「上人 教俔坊 寛能」かと思われる文字だった(俔は要検討)。江戸期の(山内)八十坊に"教俔坊"という名の坊舎は無い。"教観坊"という坊舎は存在しており、この"俔"に見える字が"観"の略字や異体字にあたるのかは調べきれなかった。
この石塔を必要としたのは誰なんだろう？
右面に文字は無い。
2
11/30 6:57
この石塔の左面に刻まれているのは「上人 教俔坊 寛能」かと思われる文字だった(俔は要検討)。
江戸期の(山内)八十坊に"教俔坊"という名の坊舎は無い。"教観坊"という坊舎は存在しており、この"俔"に見える字が"観"の略字や異体字にあたるのかは調べきれなかった。
この石塔を必要としたのは誰なんだろう？
右面に文字は無い。
江戸期の(山内)八十坊に"教俔坊"という名の坊舎は無い。"教観坊"という坊舎は存在しており、この"俔"に見える字が"観"の略字や異体字にあたるのかは調べきれなかった。
この石塔を必要としたのは誰なんだろう？
右面に文字は無い。
礎石の凹部は石塔の幅・奥行と一致する。
凹辺にコンパスを当てると南南東を指すのだが＿＿
凹辺にコンパスを当てると南南東を指すのだが＿＿
そこには正対するように羽黒尾根の切っ先が聳えているのだった。石塔はこの場所で"殺生禁断"の文字を通りに向けて立ち、結界を成していたと思われる。僕としては石塔の立っていたこの地点が、羽黒尾根の正面玄関なのだと感じ入らざるを得なかった。
初めて羽黒尾根を巡る僕の山行は、この石塔をスタート地点としたい。
2
11/30 6:53
そこには正対するように羽黒尾根の切っ先が聳えているのだった。
石塔はこの場所で"殺生禁断"の文字を通りに向けて立ち、結界を成していたと思われる。僕としては石塔の立っていたこの地点が、羽黒尾根の正面玄関なのだと感じ入らざるを得なかった。
初めて羽黒尾根を巡る僕の山行は、この石塔をスタート地点としたい。
石塔はこの場所で"殺生禁断"の文字を通りに向けて立ち、結界を成していたと思われる。僕としては石塔の立っていたこの地点が、羽黒尾根の正面玄関なのだと感じ入らざるを得なかった。
初めて羽黒尾根を巡る僕の山行は、この石塔をスタート地点としたい。
急斜面を登りきって尾根肩に乗ると、そこにあったのは宮標石だった。
あたりを見回すと、参道然とした堂々たる古道が尾根を蛇行していた。
この道型は、東南東からこの尾根肩に登り上げている。
この道型は、東南東からこの尾根肩に登り上げている。
林道を渡ってそのまま古道を辿ると、そこにも宮標石があるのだった。
が＿＿
が＿＿
番号は"界二"になっている。
先ほどまでの"界五〇〇系"の番号は、途絶えていた。
先ほどまでの"界五〇〇系"の番号は、途絶えていた。
"界三"だった。
各標石の短いスパンを思えば、さっき横断した林道のあたりに、もしかしたら"界一"があったのかもしれない。
各標石の短いスパンを思えば、さっき横断した林道のあたりに、もしかしたら"界一"があったのかもしれない。
若子神社の、覚源上人の墓は見えるかな＿＿？
935pの西端から谷を見下ろしてみる。
935pの西端から谷を見下ろしてみる。
山腹に隠れて、それは見えなかった。
林道は935pを巻きながら北上しているようだ。
林道は935pを巻きながら北上しているようだ。
935pの丘の北端あたりに、石祠がある。
種子なし・扉ホゾあり。
種子なし・扉ホゾあり。
左面に「久次良村 蓮花石町 講中」
裏面に銘はない。
石祠はほぼ真南向きに設置されている。
裏面に銘はない。
石祠はほぼ真南向きに設置されている。
林道を横断し、尾根を追う。
測量用の三脚が置いてあった。
参道の面影はもうないが、明瞭な道型あり。
測量用の三脚が置いてあった。
参道の面影はもうないが、明瞭な道型あり。
標高1000mあたりには、楔目が明瞭に残る割り石が散見された。
(画像は夕刻撮影したもの)
(画像は夕刻撮影したもの)
ここにも。他にもいくつもあるのかもしれない。
これらの石が御料局境界標石の原料だったとしたら＿＿などと妄想しながら歩いていた。
1
12/2 15:28
ここにも。
他にもいくつもあるのかもしれない。
これらの石が御料局境界標石の原料だったとしたら＿＿などと妄想しながら歩いていた。
他にもいくつもあるのかもしれない。
これらの石が御料局境界標石の原料だったとしたら＿＿などと妄想しながら歩いていた。
"界二三"であった。
この先これより上の標高で、宮標石を見つけることが出来ず、この界二三が最後に確認できた宮標石。
この先これより上の標高で、宮標石を見つけることが出来ず、この界二三が最後に確認できた宮標石。
標高1250m、急坂にあえぐ。
田母沢側は岩屋状の露岩が増えてくる。
田母沢側は岩屋状の露岩が増えてくる。
気付けば標高1200mまで登ってきていた。だだっ広い形状の尾根ではあるが、普通に尾根筋を歩いていれば見つかるものだと思っていた"モッコ平雨量観測所"を見つけられないままここまで登ってしまい、あせる。
結局雨量観測所は、復路に見つけることになったのだが、それは尾根の中央から少し外れたところにあったのだ。
1
12/2 8:05
気付けば標高1200mまで登ってきていた。
だだっ広い形状の尾根ではあるが、普通に尾根筋を歩いていれば見つかるものだと思っていた"モッコ平雨量観測所"を見つけられないままここまで登ってしまい、あせる。
結局雨量観測所は、復路に見つけることになったのだが、それは尾根の中央から少し外れたところにあったのだ。
だだっ広い形状の尾根ではあるが、普通に尾根筋を歩いていれば見つかるものだと思っていた"モッコ平雨量観測所"を見つけられないままここまで登ってしまい、あせる。
結局雨量観測所は、復路に見つけることになったのだが、それは尾根の中央から少し外れたところにあったのだ。
それにしてもツツジの多い尾根だった。ツツジだらけ、といっていい植生で「花の時期はさぞや」と思わせられた。
高原山の縄文躑躅のような古格ある株もあり、ビビる。
2
12/2 8:23
それにしてもツツジの多い尾根だった。
ツツジだらけ、といっていい植生で「花の時期はさぞや」と思わせられた。
高原山の縄文躑躅のような古格ある株もあり、ビビる。
ツツジだらけ、といっていい植生で「花の時期はさぞや」と思わせられた。
高原山の縄文躑躅のような古格ある株もあり、ビビる。
前回見つけた、"もともと八風と呼ばれていた場所"で休んでいこう。
標高1650m、八風の東屋があったと言われる場所にて、二本目の休憩。
五禅頂の行者もここで休んだという。
五禅頂の行者もここで休んだという。
八風にて。先日のokushiraneさんのレコにあった、内ノ外山をしげしげと眺めていた。
この日はいろいろな角度からこのピークを眺めることができた。
1
12/2 9:09
八風にて。
先日のokushiraneさんのレコにあった、内ノ外山をしげしげと眺めていた。
この日はいろいろな角度からこのピークを眺めることができた。
先日のokushiraneさんのレコにあった、内ノ外山をしげしげと眺めていた。
この日はいろいろな角度からこのピークを眺めることができた。
八風から遥拝石の区間は、今日は黒岩を巻いて歩いた。
遥拝石より、前女峰と七滝を望む。
遥拝石より、前女峰と七滝を望む。
遥拝石から黒岩へ登り返しながら、付近の宮標石を再調査して歩く。
これは＿＿
これは＿＿
ここから黒岩ピークの"界四四一"との間を支点が繋ぐ。
"界四四〇支三"
"界四四〇支三"
"界四四一"
黒岩でベテランハイカーさんと言葉を交わした。
彼とは後に、前女峰で再会することになる。
黒岩でベテランハイカーさんと言葉を交わした。
彼とは後に、前女峰で再会することになる。
女峰雨量観測所。これまで正確な位置がいまいち分からなかったのだが、この後、前女峰から確認できた。
【2019.02.03追記】これは女峰雨量観測所ではありません。日光砂防事務所の設置した気象観測装置ですが、特に名称のない装置とのことでした。お詫びして訂正いたします。
当レコの以下の記事では"女峰雨量観測所"との記述を訂正しておきます。
12/2 9:40
女峰雨量観測所。
これまで正確な位置がいまいち分からなかったのだが、この後、前女峰から確認できた。
【2019.02.03追記】これは女峰雨量観測所ではありません。日光砂防事務所の設置した気象観測装置ですが、特に名称のない装置とのことでした。お詫びして訂正いたします。
当レコの以下の記事では"女峰雨量観測所"との記述を訂正しておきます。
これまで正確な位置がいまいち分からなかったのだが、この後、前女峰から確認できた。
【2019.02.03追記】これは女峰雨量観測所ではありません。日光砂防事務所の設置した気象観測装置ですが、特に名称のない装置とのことでした。お詫びして訂正いたします。
当レコの以下の記事では"女峰雨量観測所"との記述を訂正しておきます。
アカナ沢を望む。
画像右上のザレた場所が大鹿落。
画像中央当たりに見えているのが＿＿
画像右上のザレた場所が大鹿落。
画像中央当たりに見えているのが＿＿
遥拝石で、もう女峰から下ってきたトレランの2人連れと言葉を交わした。行者堂から女峰まで3時間を切ったらしい。
僕も箱石金剛に向けて登り始めるとしよう。
こっちから見る黒岩は魅力的だなあ、といつも思う。
1
12/2 9:53
遥拝石で、もう女峰から下ってきたトレランの2人連れと言葉を交わした。
行者堂から女峰まで3時間を切ったらしい。
僕も箱石金剛に向けて登り始めるとしよう。
こっちから見る黒岩は魅力的だなあ、といつも思う。
行者堂から女峰まで3時間を切ったらしい。
僕も箱石金剛に向けて登り始めるとしよう。
こっちから見る黒岩は魅力的だなあ、といつも思う。
くどいようだが「苦し」はシク活用だ。
今日は無難に登山道を進んだ。
今日は無難に登山道を進んだ。
冬季に向けて変わっていく表情が素敵だなあと思ったり、息を呑んだり。
余分なピークを巻きながら、無難に登山道を歩く。
晴れ間に歩いた記憶のない谷を、今日は見下ろせた。
晴れ間に歩いた記憶のない谷を、今日は見下ろせた。
ここでは、この金剛堂を再調査したい。前回の山行で上手く判読出来なかったので、この金剛堂の種子に再び挑む。
LEDライトを当ててみたら、繊細な文様を添えた印刻が現れた。
1
12/2 10:30
ここでは、この金剛堂を再調査したい。
前回の山行で上手く判読出来なかったので、この金剛堂の種子に再び挑む。
LEDライトを当ててみたら、繊細な文様を添えた印刻が現れた。
前回の山行で上手く判読出来なかったので、この金剛堂の種子に再び挑む。
LEDライトを当ててみたら、繊細な文様を添えた印刻が現れた。
金剛堂に浮かび上がった種子。これは仰月点のないマン、文殊菩薩の種子だと思われる。
ちなみに『秘密記』によれば、箱石金剛堂の本地は不動尊である。
この石祠には、種子以外の銘がない。つまりこの石祠が日光修験に関する金剛堂であると断ずることはできないわけなのだが、この陰刻が文殊菩薩のものだとしたら、これは存外に大切なことなのではないか？
日光修験山王院サイトで日光十八王子を見ることができるが、この十八王子、資料によって変動がある。山王院サイトでは"赤倉"の本地を文殊としているが、僕の知る他の資料では"三笠"となっていた。いずれも特定も比定もできていない拝所の名前だ。
僕は『全踏査』の記述を追っていて、現在"箱石金剛"の標識の立っているこの地点を、箱石金剛とすることにどうしても無理を感じていた。『私記』と『秘密記』に書かれている、道程の順路を追っているとそう思えて仕方がないのだ。
この金剛堂は、本当は"三笠"(か"赤倉")のものなのではないのだろうか？
1
12/2 10:32
金剛堂に浮かび上がった種子。
これは仰月点のないマン、文殊菩薩の種子だと思われる。
ちなみに『秘密記』によれば、箱石金剛堂の本地は不動尊である。
この石祠には、種子以外の銘がない。つまりこの石祠が日光修験に関する金剛堂であると断ずることはできないわけなのだが、この陰刻が文殊菩薩のものだとしたら、これは存外に大切なことなのではないか？
日光修験山王院サイトで日光十八王子を見ることができるが、この十八王子、資料によって変動がある。山王院サイトでは"赤倉"の本地を文殊としているが、僕の知る他の資料では"三笠"となっていた。いずれも特定も比定もできていない拝所の名前だ。
僕は『全踏査』の記述を追っていて、現在"箱石金剛"の標識の立っているこの地点を、箱石金剛とすることにどうしても無理を感じていた。『私記』と『秘密記』に書かれている、道程の順路を追っているとそう思えて仕方がないのだ。
この金剛堂は、本当は"三笠"(か"赤倉")のものなのではないのだろうか？
これは仰月点のないマン、文殊菩薩の種子だと思われる。
ちなみに『秘密記』によれば、箱石金剛堂の本地は不動尊である。
この石祠には、種子以外の銘がない。つまりこの石祠が日光修験に関する金剛堂であると断ずることはできないわけなのだが、この陰刻が文殊菩薩のものだとしたら、これは存外に大切なことなのではないか？
日光修験山王院サイトで日光十八王子を見ることができるが、この十八王子、資料によって変動がある。山王院サイトでは"赤倉"の本地を文殊としているが、僕の知る他の資料では"三笠"となっていた。いずれも特定も比定もできていない拝所の名前だ。
僕は『全踏査』の記述を追っていて、現在"箱石金剛"の標識の立っているこの地点を、箱石金剛とすることにどうしても無理を感じていた。『私記』と『秘密記』に書かれている、道程の順路を追っているとそう思えて仕方がないのだ。
この金剛堂は、本当は"三笠"(か"赤倉")のものなのではないのだろうか？
扉ホゾあり。南西向きに安置されている。
本当の箱石金剛は八風から"苦しけり"標識までの区間あたりにあったのではないかと、僕は今考えている。
3
12/2 10:33
扉ホゾあり。
南西向きに安置されている。
本当の箱石金剛は八風から"苦しけり"標識までの区間あたりにあったのではないかと、僕は今考えている。
南西向きに安置されている。
本当の箱石金剛は八風から"苦しけり"標識までの区間あたりにあったのではないかと、僕は今考えている。
さて、いよいよ前女峰へ。
竜巻山は前回歩いたので、そこは巻いて登山道を進んだ。
竜巻山は前回歩いたので、そこは巻いて登山道を進んだ。
前女峰への分岐に、明瞭な目印は無かったように思う。
もう鞍部の真下に来ているので、このあたりから適当に稜線に上がる。
もう鞍部の真下に来ているので、このあたりから適当に稜線に上がる。
稜線に乗る。(見にくい画像だが) 画像中央に分岐の目印となるピンクテープあり。
ここからは前回の続きだ。
今日は竜口金剛堂を探すためにここに来た。この画像に写っている範囲にそれはあると、確信を持ってこの日の山行に臨んでいたのだが＿＿＿＿
2
12/2 11:00
稜線に乗る。
(見にくい画像だが) 画像中央に分岐の目印となるピンクテープあり。
ここからは前回の続きだ。
今日は竜口金剛堂を探すためにここに来た。この画像に写っている範囲にそれはあると、確信を持ってこの日の山行に臨んでいたのだが＿＿＿＿
(見にくい画像だが) 画像中央に分岐の目印となるピンクテープあり。
ここからは前回の続きだ。
今日は竜口金剛堂を探すためにここに来た。この画像に写っている範囲にそれはあると、確信を持ってこの日の山行に臨んでいたのだが＿＿＿＿
竜口金剛堂が見当たらない。
見渡す絶景の中、目を泳がせながら、フワフワと足を進める。
見渡す絶景の中、目を泳がせながら、フワフワと足を進める。
内ノ外山。奥社跡からこの稜線を、ロープを使って下っているレコをjaian37さんの記事で見たことがあるが、こうして眺めていると通常のアプローチでここを通過できる気がしない。
4
12/2 11:01
内ノ外山。
奥社跡からこの稜線を、ロープを使って下っているレコをjaian37さんの記事で見たことがあるが、こうして眺めていると通常のアプローチでここを通過できる気がしない。
奥社跡からこの稜線を、ロープを使って下っているレコをjaian37さんの記事で見たことがあるが、こうして眺めていると通常のアプローチでここを通過できる気がしない。
稲荷川源頭を上から望む。
黒岩滝を挟む2枚の屏風岩。
手前が1733p。
黒岩滝を挟む2枚の屏風岩。
手前が1733p。
ここから眺めていたら、黒岩と気象観測装置との位置関係がよく分かった。大凡の位置をウェイポイントに落としておく。
右のピークが黒岩、左の低いピークに気象観測装置がある。
2
12/2 11:04
ここから眺めていたら、黒岩と気象観測装置との位置関係がよく分かった。
大凡の位置をウェイポイントに落としておく。
右のピークが黒岩、左の低いピークに気象観測装置がある。
大凡の位置をウェイポイントに落としておく。
右のピークが黒岩、左の低いピークに気象観測装置がある。
谷風が吹くたびに、砂塵が舞い上がる。崩れ続ける場所は、立っていて怖い。
ひっきりなしに大きな落石の音がするし、足元が揺れているような気がしてしょうがない。
1
12/2 11:07
谷風が吹くたびに、砂塵が舞い上がる。
崩れ続ける場所は、立っていて怖い。
ひっきりなしに大きな落石の音がするし、足元が揺れているような気がしてしょうがない。
崩れ続ける場所は、立っていて怖い。
ひっきりなしに大きな落石の音がするし、足元が揺れているような気がしてしょうがない。
鎌倉・室町時代から400年以上が経過している。この間、どれだけの土量が崩れた落ちたのか。『私記』や『秘密記』にある修験の時代の地形は、もう失われているとしか思えない。
2
12/2 11:07
鎌倉・室町時代から400年以上が経過している。この間、どれだけの土量が崩れた落ちたのか。
『私記』や『秘密記』にある修験の時代の地形は、もう失われているとしか思えない。
『私記』や『秘密記』にある修験の時代の地形は、もう失われているとしか思えない。
竜口金剛堂、ついに見つからず。
絶望的な気分のまま、前女峰へ登る。
絶望的な気分のまま、前女峰へ登る。
踏み跡が薄れ、藪に入らなければならないのは、頂上付近のみ。
大した藪ではないが、テン泊装備だと辛いかも。
大した藪ではないが、テン泊装備だと辛いかも。
藪を潜りながら、溶け落ちた海老の尻尾を見つけた。
昨夜は風が強かったからなあ。
昨夜は風が強かったからなあ。
朝のうちはガスって遠くが見えなかったのに、頂上が近づくにつれ空は晴れ渡っていく。
登りながら女峰ピークを撮ってみた。
黒岩で出会ったおじさんが写っていることに気付く＿＿
黒岩で出会ったおじさんが写っていることに気付く＿＿
決定的瞬間といっていいかもしれない、
ラーメン食べてるぞ。
この方、このあと僕のいる前女峰まで下りてくる。
足、速すぎだろ〜。
ラーメン食べてるぞ。
この方、このあと僕のいる前女峰まで下りてくる。
足、速すぎだろ〜。
さて、この日も相変わらず、前もってリサーチせずに前女峰を目指していた。
すると頂上の手前で思いがけない標石を見つける。
すると頂上の手前で思いがけない標石を見つける。
そしていよいよ、ケルンのある前女峰頂上に到着。
裸地であることが、すごく意外だった。
裸地であることが、すごく意外だった。
雲海の富士が、とてもきれい。
でもそれにも増して、一番うれしかったのが＿＿
でもそれにも増して、一番うれしかったのが＿＿
四阿山の向こうに見えた、前・奥・北穂高岳と槍ヶ岳。北穂高の手前に見えてるのは常念か？
錫ヶ岳と大真名子の稜線の間を縫うように見える姿は、神々しかった。
歩いてみたいなあ。
5
12/2 11:53
四阿山の向こうに見えた、前・奥・北穂高岳と槍ヶ岳。
北穂高の手前に見えてるのは常念か？
錫ヶ岳と大真名子の稜線の間を縫うように見える姿は、神々しかった。
歩いてみたいなあ。
北穂高の手前に見えてるのは常念か？
錫ヶ岳と大真名子の稜線の間を縫うように見える姿は、神々しかった。
歩いてみたいなあ。
皇海山と北八ヶ岳が重なって見える。
＿＿正直言えば、現場ではこれら北ヤツの山影を赤城山のものだと思っていたのだが。
＿＿正直言えば、現場ではこれら北ヤツの山影を赤城山のものだと思っていたのだが。
アップで。皇海山の真上に見えているのは北横岳。
その右が蓼科で、左が縞枯山。
女峰から見れば、この左に南八ヶ岳が見えているはず。
2
12/2 11:30
アップで。
皇海山の真上に見えているのは北横岳。
その右が蓼科で、左が縞枯山。
女峰から見れば、この左に南八ヶ岳が見えているはず。
皇海山の真上に見えているのは北横岳。
その右が蓼科で、左が縞枯山。
女峰から見れば、この左に南八ヶ岳が見えているはず。
こちらは小真名子と奥白根、その右に金精山。
ああ、新潟の山の手前に谷川岳が見える。
ああ、新潟の山の手前に谷川岳が見える。
クローズアップしてみる。左から仙ノ倉山・苗場山・妙高山・火打山。
苗場山と妙高山の手前に見えるピークがそれぞれオキノ耳・一ノ倉。
この日soyano999さんたちが谷川に登っていたと、下山後に知った。
見えるかなあ？
1
12/2 11:54
クローズアップしてみる。
左から仙ノ倉山・苗場山・妙高山・火打山。
苗場山と妙高山の手前に見えるピークがそれぞれオキノ耳・一ノ倉。
この日soyano999さんたちが谷川に登っていたと、下山後に知った。
見えるかなあ？
左から仙ノ倉山・苗場山・妙高山・火打山。
苗場山と妙高山の手前に見えるピークがそれぞれオキノ耳・一ノ倉。
この日soyano999さんたちが谷川に登っていたと、下山後に知った。
見えるかなあ？
那須の山々。
左から三本槍・スダレ山・1900m峰・朝日岳・茶臼岳。
朝日岳の手前に見える、大稜線上の小さなピークが大長山。
左から三本槍・スダレ山・1900m峰・朝日岳・茶臼岳。
朝日岳の手前に見える、大稜線上の小さなピークが大長山。
画像中央のピークが1870p、その右が大佐飛山・左が名無山。名無山の左手前に隠れ気味に見えるピークが日留賀岳。
奥に見えるピークは左から大倉山・甲子旭・三本槍。
2
12/2 11:55
画像中央のピークが1870p、その右が大佐飛山・左が名無山。
名無山の左手前に隠れ気味に見えるピークが日留賀岳。
奥に見えるピークは左から大倉山・甲子旭・三本槍。
名無山の左手前に隠れ気味に見えるピークが日留賀岳。
奥に見えるピークは左から大倉山・甲子旭・三本槍。
画像中央は家老岳。
その左後が小野岳、その真後ろに(見にくいけれど)磐梯山。
吾妻連峰とともに。
その左後が小野岳、その真後ろに(見にくいけれど)磐梯山。
吾妻連峰とともに。
赤薙奥社跡とその直下の崩落地・大鹿落。
太平洋側はガスっているが、高原山が手に取るように見える＿＿
太平洋側はガスっているが、高原山が手に取るように見える＿＿
高原山。画像中央、"やはず"の向こうに見えるピークが鶏頂山、その右の連山が左から釈迦ヶ岳・中岳・西平岳。
鶏頂山の手前に見える人口整地は、エーデルワイススキーリゾートのもの。
画像左の山塊中、左端のピークが前黒山。
2
12/2 12:01
高原山。
画像中央、"やはず"の向こうに見えるピークが鶏頂山、その右の連山が左から釈迦ヶ岳・中岳・西平岳。
鶏頂山の手前に見える人口整地は、エーデルワイススキーリゾートのもの。
画像左の山塊中、左端のピークが前黒山。
画像中央、"やはず"の向こうに見えるピークが鶏頂山、その右の連山が左から釈迦ヶ岳・中岳・西平岳。
鶏頂山の手前に見える人口整地は、エーデルワイススキーリゾートのもの。
画像左の山塊中、左端のピークが前黒山。
画像中央の、高原山の稜線に隠れるように見えている小山が新湯富士。桑野正光さん『栃木の峠』にある高原峠は、その右手前あたりになるはず。
画像左端に弥太郎山が見えている。
1
12/2 12:02
画像中央の、高原山の稜線に隠れるように見えている小山が新湯富士。
桑野正光さん『栃木の峠』にある高原峠は、その右手前あたりになるはず。
画像左端に弥太郎山が見えている。
桑野正光さん『栃木の峠』にある高原峠は、その右手前あたりになるはず。
画像左端に弥太郎山が見えている。
前女峰で50分ほど過ごしながら、今後のルートを逡巡した。見つからなかった竜口金剛堂を探しに、ピストン山行することに決める。
そうこうするうちに、女峰ピークでラーメンを食べてたおじさんがここへ来て、再会した。
1
12/2 12:07
前女峰で50分ほど過ごしながら、今後のルートを逡巡した。
見つからなかった竜口金剛堂を探しに、ピストン山行することに決める。
そうこうするうちに、女峰ピークでラーメンを食べてたおじさんがここへ来て、再会した。
見つからなかった竜口金剛堂を探しに、ピストン山行することに決める。
そうこうするうちに、女峰ピークでラーメンを食べてたおじさんがここへ来て、再会した。
おじさんと別れ、前女峰を後にします。
竜口金剛堂を探して、稜線をウロつく。
竜口金剛堂を探して、稜線をウロつく。
下りながら、歌ヶ浜が見えた。
本当に半月のような半月山と、その右に尖る中禅寺山。
本当に半月のような半月山と、その右に尖る中禅寺山。
竜巻山が近づいてきた。正直いえば、この画像右側の斜面あたりにあるものだと、確信に近い気持ちを持っていた。
だが見つからない。
1
12/2 13:00
竜巻山が近づいてきた。
正直いえば、この画像右側の斜面あたりにあるものだと、確信に近い気持ちを持っていた。
だが見つからない。
正直いえば、この画像右側の斜面あたりにあるものだと、確信に近い気持ちを持っていた。
だが見つからない。
そこいら中にカメラを向けてみるけれど、すべて空振りに終わった。
竜巻山が、今日はよく見える。
前日光側から見えていた、切り立った山容はこの崩壊面が作っていたんだなあ。
前日光側から見えていた、切り立った山容はこの崩壊面が作っていたんだなあ。
金剛堂探索のためのピストンは空振りに終わった。
残念けど、今日はこれで帰ります。
残念けど、今日はこれで帰ります。
登山道を歩いたり、外れたり。
稜線を気ままに歩いた。
眺める尾根がどこの尾根なのか、外山がいい目印になるなあ。
稜線を気ままに歩いた。
眺める尾根がどこの尾根なのか、外山がいい目印になるなあ。
こちらから見ると奇妙な尖り方をしている鳴虫山。
その向こうに鶏鳴山。
その向こうに鶏鳴山。
羽黒尾根分岐に到着。
往路見つけられなかったモッコ平雨量観測所は、ちゃんと見つけて帰りたい。
往路見つけられなかったモッコ平雨量観測所は、ちゃんと見つけて帰りたい。
モッコ平雨量観測所、ついに発見。けっこう必死になって探しました。
尾根筋から外れ、田母沢の崖際にあったから見つからなかったのだ。
鉄塔は尾根筋から見ると、樹間に紛れてほとんど目立たなかった。
1
12/2 14:49
モッコ平雨量観測所、ついに発見。
けっこう必死になって探しました。
尾根筋から外れ、田母沢の崖際にあったから見つからなかったのだ。
鉄塔は尾根筋から見ると、樹間に紛れてほとんど目立たなかった。
けっこう必死になって探しました。
尾根筋から外れ、田母沢の崖際にあったから見つからなかったのだ。
鉄塔は尾根筋から見ると、樹間に紛れてほとんど目立たなかった。
見つけられたのは、雨量計本体が西日を反射して光ってくれたおかげ。アンテナ塔にある標識には「位置 栃木県日光市大字日光字野州原 緯度 北緯36°46'47" 経度 東経139°33'40"」と書かれていた。
日本測地系の数字だと思うけれど、実際にカシミールに落としてみると、100m近く北北東にずれる。
僕が採取してきたデータを日本測地系に変換すると、北緯36°46'44.71" 東経139°33'38.31"だった。
4
12/2 14:50
見つけられたのは、雨量計本体が西日を反射して光ってくれたおかげ。
アンテナ塔にある標識には「位置 栃木県日光市大字日光字野州原 緯度 北緯36°46'47" 経度 東経139°33'40"」と書かれていた。
日本測地系の数字だと思うけれど、実際にカシミールに落としてみると、100m近く北北東にずれる。
僕が採取してきたデータを日本測地系に変換すると、北緯36°46'44.71" 東経139°33'38.31"だった。
アンテナ塔にある標識には「位置 栃木県日光市大字日光字野州原 緯度 北緯36°46'47" 経度 東経139°33'40"」と書かれていた。
日本測地系の数字だと思うけれど、実際にカシミールに落としてみると、100m近く北北東にずれる。
僕が採取してきたデータを日本測地系に変換すると、北緯36°46'44.71" 東経139°33'38.31"だった。
復路もいくつかの宮標石が目に入った。1122pのすぐ手前にあったこの標石は、他のものより一回り大きかった。後から思えば掘ってみてみればよかったのだが＿＿「どうせ界19か18でしょ」とサボってしまった。
12/2 15:15
復路もいくつかの宮標石が目に入った。
1122pのすぐ手前にあったこの標石は、他のものより一回り大きかった。後から思えば掘ってみてみればよかったのだが＿＿「どうせ界19か18でしょ」とサボってしまった。
1122pのすぐ手前にあったこの標石は、他のものより一回り大きかった。後から思えば掘ってみてみればよかったのだが＿＿「どうせ界19か18でしょ」とサボってしまった。
カラマツ林を、かなり気ままに歩く。
ログ乱れてます、ごめんなさい。
ログ乱れてます、ごめんなさい。
935p近くの林道まで下りて来た。
しばらくはこれを歩いて、935pは巻いてしまおう。
しばらくはこれを歩いて、935pは巻いてしまおう。
地形図を見ながら林道を歩いていたら「このままここから直接若子神社に下りてしまおう」と考えた。尾根型の斜面を下ったが、ひどいルートでした。
ここから先は人には全然勧められないルートなので、今回の山行のログはここで切ります。
1
12/2 15:42
地形図を見ながら林道を歩いていたら「このままここから直接若子神社に下りてしまおう」と考えた。
尾根型の斜面を下ったが、ひどいルートでした。
ここから先は人には全然勧められないルートなので、今回の山行のログはここで切ります。
尾根型の斜面を下ったが、ひどいルートでした。
ここから先は人には全然勧められないルートなので、今回の山行のログはここで切ります。
思っていたより切り立った岸壁で、岩稜が尾根を巻くように長く広がっていた。
これは一部顔を出していた集塊岩。
これは一部顔を出していた集塊岩。
人工林に入ってしまえば大丈夫。
手掛かりのない急斜面をここまでトラバースするのにも、心中大騒ぎ。
手掛かりのない急斜面をここまでトラバースするのにも、心中大騒ぎ。
撮影機器：
感想
本来は【三峯五禅頂】シリーズの山行として女峰山を訪れましたが、肝心の竜口金剛堂が見つからず、不本意ながらピストン山行してきました。
竜口金剛堂については、日光稜線紀行さんが歩かれた、2011年の記録しか僕には見つけられていません。
https://blogs.yahoo.co.jp/coupestyle/25890995.html
今回は見つけられなかったこの金剛堂、もし情報をお持ちの方がいらっしゃいましたらご教授いただけるとありがたいです。
前回見つけられなかった羽黒尾根の殺生禁断石塔は、結局烏ヶ森さんの記録通りの場所にありました。
http://karasugamori.web.fc2.com/631hagurokuroiwa.htm
詳細な記録に感謝いたします。
さて、寂光寺のことなんですが＿＿
名著出版『日光山と関東の修験道』において、日光の湯殿山勧請について中川光憙さんは、以下のように書かれています。
「天海の命により日光の山中に出羽三山の図形が整備されて配置されている。羽黒山の別当寂光寺を日光山の寂光寺に見立て、その裏山に羽黒山を勧請、裏見滝に荒沢寺不動尊を安置、男体山の北面火口内に湯殿山、太郎山の南半腹に月山を勧請、男体山の北面の薙を御真仏と見立てている。(p.56)」
羽黒山に見立てたとされる"寂光寺の裏山"にあたるのが1039p周辺なのか、それとも今回歩いた935pにあたるのかは、僕にはまだ分かりません。
1039pに向かう若子神社の裏道にも参道の面影があり、僕はまだこの道の意義を再考するための再訪をしておりません。芦沢右岸にある覚源上人の墓から望む935pはひどく魅力的な形状をしており、今回見つけた参道痕を鑑みると、935pはそれなりの曰くあったピークだと思わざるを得ないのが正直なところです。もちろん久次良村・蓮花石町の籠り堂があった場所だったとしても何ら不思議はなく、これらのことは今後つらつら考えてみたいと思います。
ひとつ、確認の意味で。
箱石金剛が本来の拝所"箱石"ではないかもしれない、ということは
大切な話としてここに挙げさせていただきます。
ヤマレコでどの程度の反応があるのか分りませんが。
11月11日の女峰山山行で痛めた膝(オーバーワークによる炎症で水が溜まった)も治ってまいりましたが、まだちょっと怖い今日この頃です。
【2019.02.03追記】
このレコで"女峰雨量観測所"と書いた機器は、女峰雨量観測所ではありませんでした。当方の誤りです。
日光砂防事務所に問い合わせたところ、この機器は日光砂防事務所の設置した気象観測装置ですが、特に名称のない装置とのことでした。
お詫びして訂正いたします。
ウェイポイントも訂正のうえ、上げ直しておきます。
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soldout2 さん
thoughtmayさま
はじめまして。
貴兄のことは私がフォローしている数少ない山レコメンバーとして、関心をもって拝読しております。
さて、前女峰の竜口金剛堂につきまして、私はその存在を書籍「日光修験・三峰五禅頂の道」で知るのみで実踏すらしたことがありませんが、とても興味があります。
そこで貴兄が感想/記録で紹介されている「日光稜線紀行さん」の記録を併せ読み、場所を推測してみました。
本来であれば実踏し、発見してからコメントすべきところですが、厳冬期を迎えて女峰山への道が閉ざされることから、実踏は来年6月以降になると思われます。推測の域を出ないコメントですので失礼がありましたらお許しください。
まず、日光稜線紀行さんの記事より抜粋します。
『登山道まで下り、右の尾根筋を気にしながら北へ進む。登山道が北から北西に進路を変える場所では、登山道がちょうど尾根上に近づくので、ここから前女峰の南尾根に乗る。取付いてすぐに、胴部分のなくなった石祠があった。』
前提
１）「右の尾根筋を気にしながら北へ」とありますが、稜線紀行さんが歩いた道は貴兄が往路で歩いた実際の登山道（地形図上の登山道の少し西側）と、ある地点まで一致しています。
２）「登山道が北から北西に進路を変える場所」とありますが、地形図上の登山道の西側を通る実際の登山道を北上すると、まさしく道が北西（私の女峰山へのGPSの軌跡だと西北西）に変わる地点があります。
３）「登山道がちょうど尾根上に近づく」とありますが、私のGPSの軌跡もそこで地形図上の登山道と接します。
４）「ここから前女峰の南尾根に乗る」とありますので、実際の登山道と地形図上の登山道が接する地点を取り付き地点にしたと読めます。
５）そして稜線紀行さんは取り付いてすぐ竜口金剛堂を見つけたようです。
推測
以上を前提に、カシミール3Dを使って地理院地図で私のGPSの軌跡と貴兄のGPSの軌跡（山レコからD/Lしました）とを見比べると、貴兄が実際の登山道から離れて前女峰尾根に進路を変えた地点は、稜線紀行さんが取り付いた地点の0.02km南であるように読めます（カシミールで計測/マウスの置き方で誤差が生じますが）。
貴兄がそこから東へ進んで前女峰尾根に乗ったのにたいして、稜線紀行さんは20メートル先から北東に進んで尾根に乗ったように思えます。
実際の登山道が北向きから北西に変わる地点まで行き、そこを取り付き点として北東に向かって進んだすぐのところに金剛堂がある、というのが上記（２）および（３）、（４）からの推測です。
とはいうものの、私の推測を崩す心配事がふたつあります。
その１
稜線紀行さんが掲載している地図によると、軌跡は貴兄の復路と同じになっていることです。稜線紀行さんの地図画像をD/Lして最大に拡大してみても貴兄の復路と一致することから、稜線紀行さんの軌跡が正しいとすれば私の推測は間違っていることになります。
ただし、地図の赤ラインが軌跡ではなく事前に設定したルートであるとすれば、その限りではありません（ルートと軌跡は往々にして一致しないことがあるとの前提で）。
このあたりは掲載地図が1/5万であるため判読を難しくしています。
その２
書籍によると、南に位置する「箱石金剛堂と竜口金剛堂はともに竜巻山を挟んで火口壁に沿うように並んでいる」という記述があります（303頁「箱石にて」）。
箱石金剛堂はたしかに火口壁の稜線上にありますが私が推測した竜口金剛堂は稜線から少し西に位置し、「火口壁に沿うように」は位置していないということです。
それを誤差の範囲と考えていいのであれば救われるのですが。
以上、私が来年、実踏するためにも上記の推測をした次第です。
運良く発見できれば（できなくても）、なんらかの方法でネット上にアップするようにします。
それではこれからも貴兄の投稿を楽しみにしております。
膝の不具合についてはどうかご自愛ください。
亀歩きさん、こんにちは。
以前のことなのですが、古賀志山を初めて歩いた時、
亀歩きさんにご挨拶差し上げたことがあります。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1010018.html
あの時はありがとうございました。
自分の課題に感けて、あまり皆さんのブログやHPを拝見しない日々が続いており、
たいへん失礼を重ねているのですが、どうぞご容赦ください。
さて、今回の返信、本当にありがたく拝見しました。
そのうえで申しますが、日光稜線紀行さんのあの軌跡は、
おそらく手書きで書かれたものです。
稜線紀行さんのこの記録では、2224p(竜巻山＿＿竜巻山標識がある地点ではありません。僕のこのレコでは、その地点を"偽竜巻山"と表記しています)を踏んだかどうかは
どちらともとれるような記述となっているため断ずることができませんが、
箱石金剛、もしくは竜巻山からは一般登山道を歩いて前女峰直前の鞍部に接近し、
そこから稜線に上がったことが読み取れます。
しかし、そうした動きは稜線紀行さんの軌跡には反映されていません。
軌跡は、箱石金剛から前女峰まで、ずっと稜線伝いに歩いたことになっています。
亀歩きさんもおっしゃっているように、あの線は僕の復路と全く重なりますが、
あのラインがまさに、箱石―竜巻―前女峰の稜線歩きのラインです。
この点は前回の僕の山行もご参照ください。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1647413.html
箱石金剛から前女峰取付の区間は、今回僕が往路に歩いているラインが、黒岩ルートの一般登山道です。
その点は先ず、確認しておきます。
このレコで言うと、写真102と108は同じ地点を撮っています。
どちらの画像にも、稜線上にピンクテープのマーキングが写っているのがお分かりになるでしょうか？
この地点が前女峰直近の鞍部で、今回僕が取付いた(登山道から離て、東に歩いてきたところ)場所です。
ここから下方(竜巻山・箱石金剛方向)には、稜線の東側(七滝側)にも樹木があることが分かると思います。
亀歩きさんが推測されている竜口金剛堂の地点は、この稜線西側(藪の中)になると思われます。
『全踏査』300頁の写真はやや風景が写りこんでいるので分かるのですが、
竜口金剛堂はおそらく樹木のそばにはありません。
実際にこの稜線を歩くと、稜線のすぐ脇はそうした場所に存外乏しく、
写真のような開けた場所は、稜線からやや離れた場所に広がっている印象でした。
写真113が取付地点からやや登ってから振り返ったところ、
写真162が同じ地点の画像です。
僕としては、この場所より下で見つかるものだと考えて探索しました。
僕のレコは、GPSの時計とカメラの時計を一致させています。
写真を撮影した時刻は厳密に管理されているので、
トラックデータ上に配置された画像データは、
正しくその地点を表しています。
どうぞ参考になさってください。
こうして書いていると、『全踏査』300頁の写真に写りこんでいる岩か何かを、
もっと注目するべきだったかもしれないと思わされました。
詰めが甘かったように感じています。
レスポンスありがとうございました。
何かまた、情報を共有できることがあればありがたいです。
膝の件についても、お心遣いありがとうございました。
こんにちは、亀歩きです。
そういえば古賀志山のレポートのときにご挨拶を交わしていましたね。
失念してしまい申し訳ありませんでした。
竜口金剛堂についてはなんだか推理ゲームをしているようで気持ちがワクワクします。実踏が楽しみです。
ところで、昨日の私からのコメントは舌足らずの面が否めませんでしたので、稜線紀行さんの記事を基に、稜線紀行さんが歩いたと思われるルートを図示してみました。
私が推測した根拠としてご覧いただければ幸いです（的を外しているかもわかりませんが）。
https://ippo.jp/blog/wp-content/uploads/2018/12/mae-nyoho-1.png
余談ですが、池田さんとは時々、電話で話をすることがありますので、機会があった折にそれとなく聞いてみます（ずばり正解を言われると探す楽しみがなくなりますので、ヒント程度を）。
御図拝見。
稜線紀行さんの文章からの類推だったのですね、納得しました。
さすがの図示力、うれしかったです。
亀歩きさんのおっしゃる"20メートル"は、
現場の地形を考えれば、誤差程度かと思われます。
登山道と稜線は指呼の距離ですが、
その間はご存知のように、森のなかですね。
実は僕もこの山行のあと、池田さんに連絡を取りましたが、
主題は以下の点についてでした。
竜口金剛堂についてもチラと伺いましたが＿＿
池田さんの説明は糢糊とされておりました。
以下の僕の文章は、今回の亀歩きさんのコメントに対して、
ただただ余分な話になってしますのですが
よかったお読みください＿＿。
今回の山行では「箱石金剛堂の種子」についての発見が
僕にとっての一大事となってしまいました。
僕の所持している梵字に関する一番しっかりした資料は
雄山閣『梵字事典』(中村・石村・三友)なのですが、
あの種子は文殊菩薩のもので間違いなかろうと思います。
『神道大系』などの資料では、二荒十八王子のうち、
文殊を本地としているのは"三笠"です。
この名は『全踏査』でも前女峰周辺の拝所の名として、
夏峯と五禅頂の項で登場します。
ただ、日光修験山王院サイトでは「三笠：本地龍樹・赤倉：本地文殊」とされていて、
(僕の手持ち資料では、龍樹を本地としているのは"妙見")
これらの異見は僕くらいの知見ではなんら弁ずることができないのですが、
もしも箱石金剛堂とされている地点が「三笠」だとしたら
八風から赤倉までの区間の比定は、池田さんのものとはずいぶん違ったものになります。
「竜巻山」や「箱石金剛堂」「落葉松金剛堂」「八風」「白樺金剛堂」と、
女峰周辺にある銘板標識は日光山岳会が立てたと『全踏査』にありますが
これら銘板の根拠って、かなり薄弱なんじゃないかな、と最近思っています。
以前から「馬立」の位置に腑に落ちないものを感じていたのですが
先日、石倉重継『日光名所圖會』にて、現在の富士見峠が"馬立"だとする記述を見つけました。
この峠は野門側から揚げた荷物を積みかえる地点だったわけで、
歴史的にも「馬立」の名は納得できるものがあります。
日光山岳会の立てた銘板って、地名をかなりぞんざいに扱ってるんじゃないかなあ、
＿＿一言でいえば不信感ですが＿＿
というのがこの山行で得た感想でした。
あの石祠を箱石金剛堂だとしたのは、いったい誰なのでしょう？
現在の"箱石金剛堂"が"三笠"だとすると、
"赤倉"は前女峰のことだと、かなり素直に考えられるのではないでしょうか。
"錫杖嶽"について池田さんの長々とした記述がありますが
あまり説得力はなく、この場合だと
黒岩あたりを"錫杖嶽"だと比定することも、可能になってくると思います。
今回話題となっている竜口金剛堂も、
本来の"竜口"は今回探している場所とは異なる場所にある(あった)ことになるでしょう。
先日見つけた、小真名子山中の金剛堂を興雲律院に報告に行ったとき、
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1596610.html
中川光憙住職が「抖�悗量椣�として建立した金剛堂だったんじゃないか」
というお話をされていたのですが、
そうした金剛堂もあるんだと思うんですよね。
例えば滝ヶ原峠の西にある修験の石祠みたいに＿＿。
このへんの話は、折を見て興雲律院に出向いてみたいと思います。
『全踏査』は、本当にすごい記録だと今でも思っていますが
重なる調査山行の中で、池田さんの比定に対して
幾許かの疑義を感じていることも事実です。
『全踏査』の典拠となった『私記』や『秘密記』を読むと、
日光修験の宿や拝所を完全に復元するのは
ほぼ無理であろうことがよく分かります。
あれらの古記録をここまで実際の風景のなかに落とし込んだ、
池田さんの熱意と力量には、ただただ畏怖を感じずにはいられません。
それでも＿＿池田さんの記録をこうしてかみ砕いて考えることは
池田さんの仕事への恩返しだと、僕は考えています。
長々と失礼しました。
池田先生によろしくお伝えください。
thoughtmayさんの博識ぶりには心底、驚きます。
きっと知識欲と探求心の強さがいまのthoughtmayさんを形成しているのではないかと思います。
私などすでに新しい知識が吸収できない年齢になり、難しい探求から遠ざかるばかりですので他人の力を借りて知識を得るだけです。そういう意味ではthoughtmayさんの考察はとても参考になります。
池田さんのことになりますが教職を定年退職した年齢で歩き始め、それから6年もかけて踏破したパワーの持ち主として感服させられます。
本としてまとめるには山行中にしたためた膨大な量のノートや写真、古い資料を基に、長い時間をかけて上梓したものと思います。
中には見落としや勘違い、資料の誤読もあるだろうと想像しますが、出版社自体、それらを校正する術を保っていないのが真実であろうと思います。なぜなら知っているのは池田さんただ一人ということになるわけですから。
thoughtmayさんが言われるとおり、「池田さんの記録をこうしてかみ砕いて考えることは池田さんの仕事への恩返し」とは、まさに池田さんの功績に応えることではないかと思います。著書の内容が実際と異なることを指摘することも、それに含まれると思います。
以上、本題から外れましたが、thoughtmayさんにおきましてはこれからもどうか元気でご活躍ください。
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