また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 1705683
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

涸沢岳西尾根から奥穂高岳

2019年01月12日(土) 〜 2019年01月14日(月)
 - 拍手
rom その他3人
体力度
7
1〜2泊以上が適当
GPS
18:52
距離
22.1km
登り
2,583m
下り
2,596m
歩くペース
標準
1.01.1
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
6:20
休憩
0:05
合計
6:25
8:17
8:20
46
9:06
9:08
70
10:18
10:18
241
14:19
2400m地点幕営地
2日目
山行
8:11
休憩
0:56
合計
9:07
5:04
89
2400m地点幕営地
6:33
6:47
108
8:35
8:46
9
8:55
9:19
54
10:13
10:15
49
11:04
11:05
37
11:42
11:43
91
13:14
13:17
54
14:11
2400m地点幕営地
3日目
山行
3:13
休憩
0:07
合計
3:20
6:39
106
2400m地点幕営地
8:25
8:25
35
9:00
9:05
32
9:37
9:37
15
9:52
9:52
4
9:56
9:58
1
9:59
ゴール地点
過去天気図(気象庁) 2019年01月の天気図
アクセス
林道のトレースはバッチリだけれど、外れるとしっかり沈む
2019年01月12日 08:13撮影 by  ILCE-6000, SONY
1
1/12 8:13
林道のトレースはバッチリだけれど、外れるとしっかり沈む
目指すルートがよくわかる
2019年01月12日 09:07撮影 by  ILCE-6000, SONY
1
1/12 9:07
目指すルートがよくわかる
定点観測としていつも写真を撮るミラー
2019年01月12日 09:45撮影 by  ILCE-6000, SONY
1
1/12 9:45
定点観測としていつも写真を撮るミラー
<参考>2016年1月、槍ヶ岳のときのもの
2017年01月09日 09:32撮影 by  ILCE-6000, SONY
1
1/9 9:32
<参考>2016年1月、槍ヶ岳のときのもの
<参考>2016年3月、涸沢岳西尾根敗退時のもの
2017年03月18日 09:09撮影 by  ILCE-6000, SONY
1
3/18 9:09
<参考>2016年3月、涸沢岳西尾根敗退時のもの
白出沢を越える
2019年01月12日 10:35撮影 by  ILCE-6000, SONY
2
1/12 10:35
白出沢を越える
倒木をくぐるところが何か所か
2019年01月12日 10:55撮影 by  ILCE-6000, SONY
2
1/12 10:55
倒木をくぐるところが何か所か
フィックスロープがある
2019年01月12日 12:40撮影 by  ILCE-6000, SONY
2
1/12 12:40
フィックスロープがある
ひたすら急登
2019年01月12日 13:14撮影 by  ILCE-6000, SONY
2
1/12 13:14
ひたすら急登
登頂日、出発
2019年01月13日 05:03撮影 by  ILCE-6000, SONY
1
1/13 5:03
登頂日、出発
最初から急登が続く
2019年01月13日 05:53撮影 by  ILCE-6000, SONY
1
1/13 5:53
最初から急登が続く
ジャンクションピークに出ると蒲田富士が正面に立ちはだかる
2019年01月13日 06:00撮影 by  ILCE-6000, SONY
2
1/13 6:00
ジャンクションピークに出ると蒲田富士が正面に立ちはだかる
背後の光はダイナランドかな
2019年01月13日 06:13撮影 by  ILCE-6000, SONY
1
1/13 6:13
背後の光はダイナランドかな
蒲田富士の雪壁を登る
2019年01月13日 06:18撮影 by  ILCE-6000, SONY
1
1/13 6:18
蒲田富士の雪壁を登る
明るくなってきた
2019年01月13日 06:18撮影 by  ILCE-6000, SONY
3
1/13 6:18
明るくなってきた
黒い屏風のような穂高の峰々
2019年01月13日 06:19撮影 by  ILCE-6000, SONY
2
1/13 6:19
黒い屏風のような穂高の峰々
蒲田富士の平坦地
2019年01月13日 06:26撮影 by  ILCE-6000, SONY
2
1/13 6:26
蒲田富士の平坦地
2019年01月13日 06:34撮影 by  ILCE-6000, SONY
5
1/13 6:34
大キレットの底と同じくらいまで上がってきた
2019年01月13日 06:34撮影 by  ILCE-6000, SONY
4
1/13 6:34
大キレットの底と同じくらいまで上がってきた
西鎌尾根方面
2019年01月13日 06:34撮影 by  ILCE-6000, SONY
5
1/13 6:34
西鎌尾根方面
涸沢岳本体へ
2019年01月13日 06:35撮影 by  ILCE-6000, SONY
2
1/13 6:35
涸沢岳本体へ
あそこまで行けるだろうか
2019年01月13日 06:35撮影 by  ILCE-6000, SONY
2
1/13 6:35
あそこまで行けるだろうか
明け方で-15℃
風が無いので助かる
2019年01月13日 06:43撮影 by  ILCE-6000, SONY
3
1/13 6:43
明け方で-15℃
風が無いので助かる
先行者が立っている
2019年01月13日 06:45撮影 by  ILCE-6000, SONY
2
1/13 6:45
先行者が立っている
両雪庇のリッジ帯へ
2019年01月13日 06:48撮影 by  ILCE-6000, SONY
3
1/13 6:48
両雪庇のリッジ帯へ
おぉー怖い。。
2019年01月13日 06:51撮影 by  ILCE-6000, SONY
7
1/13 6:51
おぉー怖い。。
彼らの足跡に騙されると、、
2019年01月13日 06:51撮影 by  ILCE-6000, SONY
1
1/13 6:51
彼らの足跡に騙されると、、
最狭部分
2019年01月13日 06:52撮影 by  ILCE-6000, SONY
4
1/13 6:52
最狭部分
振り返って
2019年01月13日 06:56撮影 by  ILCE-6000, SONY
3
1/13 6:56
振り返って
F沢のコルへ下降してから本体の登りへ
2019年01月13日 06:58撮影 by  ILCE-6000, SONY
4
1/13 6:58
F沢のコルへ下降してから本体の登りへ
2年前はこれを登るのに恐れおののいた
2019年01月13日 06:58撮影 by  ILCE-6000, SONY
3
1/13 6:58
2年前はこれを登るのに恐れおののいた
ソロの先行者
2019年01月13日 06:58撮影 by  ILCE-6000, SONY
2
1/13 6:58
ソロの先行者
トラバースしてルンゼへ
2019年01月13日 07:14撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
7
1/13 7:14
トラバースしてルンゼへ
つらい登りが続く
2019年01月13日 07:18撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
4
1/13 7:18
つらい登りが続く
見下ろす余裕はないけれど
2019年01月13日 07:20撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
5
1/13 7:20
見下ろす余裕はないけれど
明けてきた山々が気になって振り返ってしまう
2019年01月13日 07:24撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
4
1/13 7:24
明けてきた山々が気になって振り返ってしまう
急登の終わりへ
2019年01月13日 07:36撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3
1/13 7:36
急登の終わりへ
空がすっかり青くなった
2019年01月13日 07:36撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
7
1/13 7:36
空がすっかり青くなった
槍の先っぽが見えてきた
2019年01月13日 07:40撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
5
1/13 7:40
槍の先っぽが見えてきた
何度か偽ピークに騙される
2019年01月13日 07:54撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 7:54
何度か偽ピークに騙される
刻一刻と様子が変わるので同じような写真が何枚も
2019年01月13日 07:54撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3
1/13 7:54
刻一刻と様子が変わるので同じような写真が何枚も
歩きやすいところが続く
2019年01月13日 08:05撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3
1/13 8:05
歩きやすいところが続く
これも偽ピーク
2019年01月13日 08:12撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 8:12
これも偽ピーク
北穂
2019年01月13日 08:16撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
5
1/13 8:16
北穂
いよいよ山頂が見えてきた
2019年01月13日 08:26撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 8:26
いよいよ山頂が見えてきた
登頂!!
2019年01月13日 08:43撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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1/13 8:43
登頂!!
険しい穂高の稜線の向こうに槍ヶ岳
2019年01月13日 08:44撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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1/13 8:44
険しい穂高の稜線の向こうに槍ヶ岳
常念の形はきれい
2019年01月13日 08:44撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
4
1/13 8:44
常念の形はきれい
それでは奥穂へ行きましょう!
2019年01月13日 08:45撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
6
1/13 8:45
それでは奥穂へ行きましょう!
奥穂にはすでに先行者が
2019年01月13日 08:51撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3
1/13 8:51
奥穂にはすでに先行者が
屋根に乗れてしまう
2019年01月13日 08:58撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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1/13 8:58
屋根に乗れてしまう
休憩してから出発
2019年01月13日 08:58撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 8:58
休憩してから出発
まず梯子2段
2019年01月13日 09:18撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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1/13 9:18
まず梯子2段
噂の滑落捕獲ネット
2019年01月13日 09:23撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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1/13 9:23
噂の滑落捕獲ネット
アンザイレンして下降する先行者
2019年01月13日 09:26撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
1
1/13 9:26
アンザイレンして下降する先行者
急斜面を慎重に登る
2019年01月13日 09:32撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 9:32
急斜面を慎重に登る
山頂が見えてきた!
2019年01月13日 09:49撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3
1/13 9:49
山頂が見えてきた!
ジャンダルム
2019年01月13日 10:04撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
6
1/13 10:04
ジャンダルム
いよいよ
2019年01月13日 10:05撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 10:05
いよいよ
奥穂高岳へ登頂
この日が来るとは。。
2019年01月13日 10:09撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
7
1/13 10:09
奥穂高岳へ登頂
この日が来るとは。。
超快晴の空
2019年01月13日 10:12撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
5
1/13 10:12
超快晴の空
富士山もよく見える
2019年01月13日 10:12撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 10:12
富士山もよく見える
上高地
2019年01月13日 10:12撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
4
1/13 10:12
上高地
八ヶ岳
2019年01月13日 10:13撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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1/13 10:13
八ヶ岳
集合写真
2019年01月13日 10:15撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
8
1/13 10:15
集合写真
どっしり乗鞍と御嶽
2019年01月13日 10:17撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
6
1/13 10:17
どっしり乗鞍と御嶽
笠ヶ岳と白山
2019年01月13日 10:18撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
5
1/13 10:18
笠ヶ岳と白山
それでは下降開始
2019年01月13日 10:18撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
1
1/13 10:18
それでは下降開始
槍方面
2019年01月13日 10:33撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3
1/13 10:33
槍方面
急斜面を慎重に下る
2019年01月13日 10:47撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3
1/13 10:47
急斜面を慎重に下る
クライムダウンで
2019年01月13日 10:54撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3
1/13 10:54
クライムダウンで
梯子を下りれば一安心
2019年01月13日 10:56撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
1
1/13 10:56
梯子を下りれば一安心
日差しは暖かいけれどやっぱりこの気温
2019年01月13日 11:13撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
1
1/13 11:13
日差しは暖かいけれどやっぱりこの気温
涸沢岳はトラバースした
2019年01月13日 11:55撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 11:55
涸沢岳はトラバースした
槍平
2019年01月13日 12:30撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 12:30
槍平
ルンゼを下降する
2019年01月13日 12:40撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 12:40
ルンゼを下降する
よくこれを登ったなと思うくらい長い
2019年01月13日 12:41撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 12:41
よくこれを登ったなと思うくらい長い
ナイフリッジを渡る人々
2019年01月13日 12:45撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
4
1/13 12:45
ナイフリッジを渡る人々
長かった。。
2019年01月13日 12:47撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 12:47
長かった。。
F沢のコルから
2019年01月13日 12:52撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
3
1/13 12:52
F沢のコルから
ルンゼを見上げる
2019年01月13日 12:55撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
5
1/13 12:55
ルンゼを見上げる
ナイフリッジを渡る
2019年01月13日 13:04撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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1/13 13:04
ナイフリッジを渡る
2019年01月13日 13:05撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
5
1/13 13:05
2019年01月13日 13:09撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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1/13 13:09
2019年01月13日 13:19撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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1/13 13:19
蒲田富士の雪壁上部から西尾根を見下ろす
ずっと急斜面が続くのがわかる
2019年01月13日 13:25撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
2
1/13 13:25
蒲田富士の雪壁上部から西尾根を見下ろす
ずっと急斜面が続くのがわかる
雪壁を下降中
2019年01月13日 13:28撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
4
1/13 13:28
雪壁を下降中
フィックスロープがあって助かる
2019年01月13日 13:30撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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1/13 13:30
フィックスロープがあって助かる
ジャンクションピークで赤旗回収
2019年01月13日 13:43撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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1/13 13:43
ジャンクションピークで赤旗回収
意外に狭い尾根
2019年01月13日 13:48撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
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1/13 13:48
意外に狭い尾根
テン場へ帰還
2019年01月13日 14:09撮影 by  TG-5 , OLYMPUS CORPORATION
1
1/13 14:09
テン場へ帰還
翌朝、登りでは苦労したところを下っていく
2019年01月14日 06:51撮影 by  ILCE-6000, SONY
2
1/14 6:51
翌朝、登りでは苦労したところを下っていく
2019年01月14日 07:21撮影 by  ILCE-6000, SONY
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1/14 7:21
倒木くぐり
2019年01月14日 08:01撮影 by  ILCE-6000, SONY
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1/14 8:01
倒木くぐり
ショートカット道を活用
2019年01月14日 09:16撮影 by  ILCE-6000, SONY
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ショートカット道を活用
ショートカット道入口
2019年01月14日 09:28撮影 by  ILCE-6000, SONY
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ショートカット道入口
無事下山完了
2019年01月14日 09:57撮影 by  ILCE-6000, SONY
3
1/14 9:57
無事下山完了
車は半分くらいになっていた
2019年01月14日 09:59撮影 by  ILCE-6000, SONY
1
1/14 9:59
車は半分くらいになっていた

感想

2年前の3月にソロで挑んだ涸沢岳西尾根。
そのときはテン場以降のトレースが夜間の降雪で消え、ラッセルで進むものの蒲田富士で時間切れ敗退となった。
今回は時期を変え、会合宿として、心強いメンバーと共に涸沢岳西尾根へ臨んだ。

南岸低気圧通過後は冬型気圧配置になるイメージがあったので、山行前は気を揉みながら天気図を見つめるが続いた。
当初はいいのか悪いのかぱっとしない天気図だったけれど、日が近づくにつれて良い予報へ変わっていった。
これならいける、として山行決行。
結果、3日間ほぼ雪には降られず快晴の下で穂高の頂に立つことができた。


新穂高で登山届を提出して出発。
3パーティ先行しているとのこと。
穂高平までのショートカット道はトレースがあったものの通らず、林道を歩き通した。
白出沢を渡ってすぐのトウヒの札から西尾根へ取り付く。
先行者によりしっかりトレースがついていた。
序盤に急登と倒木跨ぎ・潜りがあっていきなり体力を消耗する。
緩やかになる部分もあるものの、取り付きの標高1550mからひたすら登りが続く。
フィックスロープがある2000m付近、2200m幕営適地〜2400m幕営適地間の2ヶ所にも急登がある。
取り付きから4時間あまり、約800m登り2400m手前の幕営適地へ到着。
急登続きのため意外とあっさり標高は稼げてしまうものの、やはり疲労する。
今日はもう登らなくていいんだ、という安堵にやられたのか、潜り込んだテントで足が攣ってしまった。

幕営地にはすでに3張。
良さそうなところはすでに張られており、しっかりと整地しないといけないところしか残っていなかった。
さらに上にも適地があると言って登っていった方もいたが、自分たちが張ったところのように数張分のスペースがあるところはなかった。
根菜たっぷりの豚汁で温まり、翌朝に備え就寝。

翌13日、3時起床。棒ラーの朝食。
2時頃から準備を始めているパーティもあり、5時の出発時点で残っているのは1パーティだけだった。
ヘッデンを点けて出発。
早速の急登が続く。
左下の槍平を見下ろすと、槍へ向かうらしい光の点が散らばっていた。
暗くてはっきりしないものの、尾根が狭まってくる。
雪庇ができているのがわかる。
すでに何人も通っているので、トレースを辿っているうちは踏み抜きの心配はないと思うけれど、緊張。
先行者の灯りはかなり高いところを進んでいる。
あそこまで上がるのか、、と少し気が滅入りながらも黙々と歩を進める。
やがて急な登りの終わりが見えてくると、そこがジャンクションピーク。
既に赤旗が一つ立っているものの、持参した赤旗を新たに立てる。
もう一本を尾根の下りにも。

ジャンクションピークからは蒲田富士への急登を見上げる。
徐々に傾斜が増す形になっていて、最後はフィックスロープのついた雪壁になっている。
2年前の3月に来た時には真っ白な雪壁になっていて、フィックスロープは出ておらず、ステップの決まりにくい雪を難儀して登った。
今回は先行者によるステップあり、フィックスロープありでさほど難儀せず通過することができた。
この雪壁を越えると、蒲田富士のリッジ帯へ入っていく。
このあたりでヘッデンがいらないくらいの明るさになってきた。
イントロダクション的な簡単なリッジを過ぎると一旦尾根が広がる。
そしてまた狭まっていき、両雪庇のナイフリッジとなる。
3月のときとは違い、雪庇の発達は不十分で、途中から反対側に張り出す雪庇もあまりはっきりとはしていなかった。
トレースを辿ってナイフリッジを通過。
風もなく難しさ、怖さはなかった。

F沢のコルへ下降し、いよいよ涸沢岳本体への登りにかかる。
幅広のルンゼ状の急斜面を登っていく。
先行者によるステップができているものの、所々浅いステップ、雪付きが悪くてずり落ちるところもあり、緊張を強いられる。
遠目でもわかるくらいのかなり長い急登なため、疲労も溜まってくる。
休憩ポイントもなく、修行のようなつらい登りの末に、涸沢岳の肩のようなテラスに出た。
格好の休憩ポイントで、一気に標高を上げたためか、北穂や大キレットが近くに見えた。
槍の先もちらっと見えている。
涸沢岳までに限れば、核心部は越えた。
あとは偽ピークに一喜一憂しながら涸沢岳山頂を目指すのみ。
ずっと影の中を歩いていて寒かったけれど、このあたりから朝日を浴びるようになる。
やはり太陽の光は暖かい。
ほぼ無風の快晴に恵まれ、涸沢岳へ登頂。
2年越しの再チャレンジが実った。

涸沢岳登頂は9時前。
奥穂高岳へ行くには10時までには到着していないと、と期限を切っていたものの、これなら大丈夫そう。
というわけで奥穂高岳を目指す。
夏道をコルの小屋へ向かって下降。
小屋の側で大休憩とする。
快晴無風でポカポカすらする、上々のコンディション。
冬季小屋の前にはスコップが用意されていたものの、入り口は雪の下だった。
中の様子を見てみたくて少し掘りかけたけれど、一向に扉が見えてこないので諦めた。

休憩しながら奥穂高岳から下降してくる人の様子を見てルートを確認。
ハシゴ2段の後は急な登り。
アンザイレンで下降しているパーティもいた。
噂の滑落キャッチネットは設置されていた。お世話にならないようにせねば。
ハシゴ上の急斜面の後はトラバースが続き、山頂近くにももう一度急斜面があった。
それをこなせば奥穂高岳の山頂が近くに迫ってくる。
標高3,190mの北アルプス最高峰。
冬のこの時期に来てしまえるとは。
喜びよりも驚きのような気持ちのまま、山頂の祠へたどり着いた。
見渡す範囲、ここより高いところはない。
見上げれば雲ひとつない青空と輝く太陽のみ。
ここは冬の北アルプスのど真ん中なのにこんなに静かで穏やか。冬の北アルプスってこんなんじゃないだろう、恵まれすぎ、と内心苦笑してしまった。

個人写真や集合写真を撮って過ごし、下山にかかる。
早速急斜面を下る。
クライムダウンで下るものの、足元のステップがよく見えず、そのステップも時々薄いものがあり怖かった。
もう一度ある急斜面の方が長いものの、一度やって慣れたのと、ネットがある安心感から比較的サクサク下ることができた。
小屋の前で再度休憩して、涸沢岳を夏道でトラバースして西尾根を下る。
疲れも溜まってきた頃で、後続に追い抜かれていく。
ルンゼ状の長い下りを下降する頃には陽射しで雪が緩み、急斜面の下りでも直下降で一気に下ることができた。

快晴無風で危険の少ないのコンディションで蒲田富士のナイフリッジを通過し、ジャンクションピークで赤旗を回収してテン場へ帰還。
往路であったテントはほとんど撤収済みで、我々のテントより上部にあった3/5、同じ場所に張っていたうちの3/4がこの日のうちに下山してしまった。
だからみんな朝の出発が早かったのか。。と合点がいった。
我々はのんびりすることに決め込み、祝杯をあげつつおいしいパスタをいただいて登頂の喜びに浸った。。。

翌朝は4時起床、7時前出発。
急斜面ではあるものの下山は快調。
登りで苦労したところは避ける形でトレースがついていたりして、苦労せずどんどん標高を下げていく。
取り付きまで1時間半ほどで着いてしまった。
林道も往路よりさらに歩きやすくなっていて、穂高平からはショートカット道も活用し、10時に新穂高へ帰ってくることができた。
まだ新穂高の駐車場に陽が差さない時間帯だったので、路面が凍結したままでドロドロにならず快適に下山後処理をすることができた。

温泉はすぐ近くの中崎山荘、昼食は旧41号線沿いの国八食堂。
どちらも初めてだったけれど、今後利用していきたいところだった。

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無雪期ピークハント/縦走 槍・穂高・乗鞍 [2日]
奥穂高岳/白出沢ルート/新穂高温泉起点白出沢穂高岳山荘経由
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

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