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Yamareco

記録ID: 1730884
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
槍・穂高・乗鞍

常念岳・蝶ヶ岳縦走

2011年08月14日(日) 〜 2011年08月15日(月)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
17.9km
登り
2,099m
下り
2,102m
天候 晴れ/晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2011年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
タクシー 自家用車
予約できる山小屋
蝶ヶ岳ヒュッテ

感想

8月14日、常念岳を目指します。
コースは一ノ沢登山口から入山し、常念岳・蝶ヶ岳を経て三俣へ下山の予定。
常念岳から蝶ヶ岳への縦走路は槍や穂高の絶好の展望地というので今から楽しみです。

今回は登山口と下山口が違うので、麓のタクシー会社に車を預けタクシー移動。
北アルプスの麓ではこういったサービスのシステムができあがっているのですね。
やはり全国から多くの人が訪れる山域は違いますね〜。

タクシーの運転手によると、今年のお盆は人出が少ないとのこと。
特に例年多く見かける宮城からの人が極端に少ないということで、これははっきりと震災の影響であろうとの事。

実際、一ノ沢の登山口に着いてみると確かに車の数が少ない。
下調べしたときは道路の路肩にまでびっしりと車が停まっている画像をたくさん見たのですが、この日はお盆の中日にもかかわらず、路上駐車はほとんど無し。
時間も6時をまわっており、決して朝早いとは言い難い時間なのに…。
…まぁ、混んでないほうがいいんですけどね。
登山客を当て込んでいる観光産業の人達は困るでしょうけど。

こぽ隊を間に挟んでゆっくりと登り始めます。
「大丈夫、君たちに合わせてゆっくり行くから!
特に最初の1時間は体を慣らすためにものすごくゆっくり行くから!」
などと偉そうに言いながら先頭に立っているわけですが何のことはない、実のところはテント泊装備が重くて、とてもスピード上げて歩ける状態じゃないだけです(笑

10分くらいで「山の神」の所まで来ました。
ここは常念岳を紹介する本や映像に必ず出てきますね。
初めて来たはずなのに、まるで何度も見た場所のような気がします(^^;
山行の無事を祈っておきます。

一ノ沢コースはその名の通りずっと沢沿いを進んでいきます。
時折見える山の上の方は快晴でとても暑そうですが沢沿いの道はひんやりと涼しく快適に歩くことができます。
沢沿いということで懸念していたアブやブヨもほとんど見かけませんでした。

1時間半強で、烏帽子沢まで登ってきました。
本日の目的地、常念乗越まではここでちょうど半分。
ただし、距離が半分なだけで、ここから先は次第に傾斜がきつくなり後半になればなるほど厳しい道になっていくはず。油断できません。

とはいえ、要所要所に橋がかけられ階段が作られ崩れやすそうな場所には土留めがされ…とかなりしっかり整備されている道ですので普通に歩く分にはまったく心配のない道ではあります。

…歩きやすい道ですが、歩いても歩いても景色がかわらんなぁ…(^^;
時々樹林帯から出て先を見通しても、なんだかちっとも山が近づいてこないような…。

沿道の花は、やはり七月の白馬に比べると数も種類も少なくなっていました。
八月も中旬となると、やはり花の盛りはそろそろ終わろうとしているようです。
それでも時々、このようにお花畑が現れ我々の目を楽しませてくれました。

胸突八丁の手前で大きく休んで、これからの急登に備えます。
急な傾斜に加え、段差の大きな階段…。嫌な感じですね〜。
登る前から意欲が削がれてしまって…。

思ったより大したことありませんでした。
延々急坂が続くのかと思ったら、本当に急な坂は胸突八丁の看板から少しの間だけ。
その後は沢を高巻きにする区間が、少々狭くうっかりすると滑落するかも…という程度で、名前から想像するほどにはキツイ場所ではありませんでした。
まぁ、学校登山で使う道らしいですからね。そんな極端な事はないとは思ってましたが。

あちこちに水場がある一ノ沢コースですが、いよいよ最終水場までやってきました。
ということはゴールも近いってことですよ!
水を満タンに補給してもう一息がんばりましょう!

最終水場を過ぎて間もなく「落石注意」の看板が設置されていました。
こういった写真のような場所なんですが、確かに崩れた土砂が堆積しています。
この程度の場所であれば、以前なら何の警戒もなく通過していたんですが
白馬の時のアレ以来、私は落石に異様に敏感になっています(^^;

というわけで、ここも一人一人間隔を開けて落石を警戒しながら通過してもらいました。大げさかなぁとも思いますが、用心するに越したことはないですからね。

常念乗越まであと数百メートルという地点になっても樹林帯は続きます。
もう本当に最後の最後まで眺望らしい眺望は無いコースのようです。
あまりの変化の無さに、体よりも精神的に疲れ始めてきた頃
突然、ぱっと目の前が開け、広々とした稜線の景色の中に飛び出します。

常念乗越だ! そして槍だ!! 穂高だ!!!
うわ、なんて劇的なんだろう! 一気にテンションが上がります。
ツートンなどはテンション上がりすぎて
「槍どぅわぁ〜」
などと素っ頓狂な叫びを発し(笑、こぽさんも「すげぇ」を連発。
うんうん、そうでしょうとも。この景色見たら興奮しますよね。

いや〜、途中安曇野側がガスで全く見えなくなってしまったので心配していたのですが常念岳の向こう側はご覧の通りの快晴でホッとしました。
やはり、この景色が見えるか見えないかで満足度が天と地ほど違いますからね〜。

ひとしきり景色に感動したあとは、今宵の寝床を確保。
ヘロヘロ隊はテント泊なので、まずはテントを組み立てます。
一夜限りの我が家ですが、どうですか、最高のロケーションじゃないですか〜。

今日はもう移動することもないので、お気楽に小屋の周りを散策に出ました。
明日登る常念岳をバックに…酔っぱらいの記念撮影…(^^;

その後は槍を眺めたりビールを飲んだり(またか!)しながらのんびり過ごします。
そうそう、この日は麓で花火大会があるという情報を得ています。
晴れていれば見えるハズだというので夜を楽しみに待ちます。

しかし…暗くなる頃には下界には雲がかかり、残念ながら花火は見えず終い。
月は綺麗に見えていたんですが…。
あとから得た情報によると、この時下界では雨に見舞われ花火も小さいモノが中途半端に打ち上げられただけで終わったのだとか。
残念…。山の上から花火見物…という貴重な体験をしそこねました。

花火が見えないとなると、いつまでも起きていてもしかたありません。
次の日に備えてテントに潜り込みます。
明日も晴れますように…。

テント泊の朝は早く、3時には起き出し5時には出発…というのが今までのパターンですが、なにぶん今回は小屋泊組の朝食が5時からということで、のんびりと朝寝を楽しみます。
いや、楽しもうと思っていました。

しかし、周りのテントがざわめきだし、朝食を作ったり撤収を始めたりして騒がしくなってしまい結局3時くらいからは寝るに寝られず、テント越しに月を眺めながらゴロゴロ…。
それにも飽きてきたので4時に起床。朝食の準備にとりかかります。
やっぱり周りの時間配分から外れた行動すると駄目だ〜。

日の出が4時50分頃というので、テントから出て安曇野を見渡せる高台に向かいます。
昨日、ジリジリと太陽が照りつけていた時には暑くてたまらない場所だったのですが
今は寒いくらい…いや、寒い! 常念乗越を吹き抜ける風が容赦なく体温を奪っていきます。

5時を回ったというのに、なかなか日が出てきません。
どうやら下界には雲が厚くたれ込めているらしく、それが太陽を覆い隠しているようです。
じわじわと明るくなって上空の雲が茜に染まるのですが、本体がなかなか姿を現しません。
うーん、焦らしておるな? 

やっと太陽が顔を出しました!
一度顔を出したらそこからは早く、あっという間に朝の光が周囲に満ちていきます。
1分も経たないうちに眩しくて直視できなくなりました。

目を転じると、槍ヶ岳が朝日に赤く染まっていました。
少々色が浅いですが、またしてもモルゲンロートに染まる槍ヶ岳を拝むことができました!
コポさん、どうよ? これを見て、我々はどっぷりアルプスにはまっちゃったのよ。
ちょっと他では見れない光景でしょ?

荘厳な日の出の時間はしかし、あっという間に終わり、すぐに「普通に天気がいい」風景に。
毎度思うんですが、なんかこう狐につままれたような気分になるんですよね。
現実に引き戻された我々は、テント撤収組と朝食組に分かれ出発の準備に取りかかります。

6時ジャスト、準備も整ったので山頂に向けて出発!
昨日はのんびり過ごしたので全員体力も回復し、元気いっぱい!
(若干名、食べ過ぎ・飲み過ぎで体の重い人が…)

常念乗越から山頂までは、すぐのように見えて意外と遠いのです。
標高差も400mくらいありますし、岩ガレの道は足場も悪く朝一番から一仕事…な雰囲気。

どこが道なんだ?という場所や、幾筋もの踏み跡が縦横に走っている場所、いろいろあります。
急がば回れ…というわけで、最短距離よりも歩きやすそうな場所を選んで歩きます。

乗越からのピストンで、荷物が軽い人はひょいひょい登っていきますが、こちらはテント持ちですからね。
焦らない焦らない…。(←でも追い抜かれるとちょっと悔しい…)

やがてあおぞらにちょこんと突き出たピークが現れます。
あれが常念岳山頂ですね!
乗越から1時間、だいたいコースタイムに収まっています。

山頂から見える景色はぐるり360度! 絶景です!
まず、なんといっても穂高からキレット槍へと続く稜線が眼前に!
ほとんど雲がかかっていない完璧な状態で眺めることができました。
はぁぁぁぁ、なんかもうため息しか出てきません。
もちろん感嘆のため息ですよ?
感動に言葉は要りませんね。

槍から視線を右へと移動させていくと…あれは…あれは、えーと
鷲羽岳? ほんで水晶岳? 野口五郎岳?
うーん、正直言って自信がありません(^^;

大天井岳があって、その後ろに立山・剱、山頂付近が白っぽいのが燕岳で、その後ろの尖った山が針ノ木岳?

次いで鹿島槍ヶ岳の双耳峰が見え、その後ろに見えているのが…うーん…五竜? 白馬?

北アルプスの主要な山々の殆どを見渡すことができました♪
こんなに文句なく視界がクリアなのは初めてです。

常念岳山頂からの景色は実に素晴らしく去りがたいものがありますが、今日の行程はまだまだ先が長いのであまりのんびりしているわけにも行きません。
少しの休憩を取って先に進みます。

山の名前を教えて貰ったお兄さんに
「それでは、我々は蝶まで行って三俣に降りなければならないのでこのへんで…」
とお別れの挨拶をすると
「え? 三俣まで? …それは大変だね。がんばってね。」
との応えが…。

え? なに? そんなに大変なの?(^^;
山に詳しそうな人からそんな風に言われたら不安になるじゃない…。
確かにコースタイム10時間ですから、楽な道のりとは思ってないけど…。

お兄さんの励まし?を受け、若干不安になりましたが、思い悩んでいてもしかたないので縦走路に歩みを進めます。
まぁ、なんとかなるでしょう! 最悪蝶ヶ岳ヒュッテでもう一泊すればいいしね!

まずは常念岳から下ります。
このあたりの道は、ゴツゴツした岩の上を歩いたり乗り越えたりする道で実に「アルプスらしい」道と言えるのではないでしょうか。
東北の山ではまずお目にかかれない登山道風景です。

適度に緊張感を持って歩きさえすれば、これと言って危険箇所もないので遠くにそびえる槍・穂高を眺めるも良し、時々現れる奇岩を楽しむも良し。
楽しい時間が過ぎていきます。

ちょっと緊張を強いられる場面があったかと思えば、余裕を持って休むことができる広場があったりと、ここのコースは良い具合に緩急があって、とても歩きやすいですね。ペンキによるマーキングもふんだんに付けられているので、ガスっても迷いにくそう…というのも安心感に繋がります。

常念岳山頂から30〜40分ほど下ったでしょうか。
少し大きめの広場のような場所があったので小休止することにしました。
ふと広場の隅に目を向けると岩の上にマップケースが置き去りにされているのを発見しました。
よく見るとマップケースだけでなく、メモ帳やメガネなども入っています。
登山の途中で忘れ物や落とし物をしたりすることはままあることですが、この場合は一式まるごと置き去りにされたような感じで、違和感を感じました。

マップケースが置かれている岩のすぐ後ろは、安曇野側に向かって絶壁になっていたので「まさかマップケースだけ残して滑落したんじゃないだろうな?」という不安がよぎります。
しかし周囲を見回してみてもそのような痕跡は見あたらず、ならばキジでも撃っているのかと思い「誰かいませんか? 落とし物してませんか?」と呼びかけてみても返事無し。

朝露に濡れた跡もなかったので、これはついさっきの落とし物だろうと判断し申し訳ないなと思ったのですがメモ帳を開いてみました。
するとどうやら我々より1時間ほど先行している大学生のパーティのモノのようです。
昨日テン場で「明日は蝶ヶ岳でテン泊」と言っていたような気がしたので持って行ってあげることにしました。
最悪、蝶ヶ岳ヒュッテに落とし物として届ければいいわけですし。

しばらく歩いていると一人の若い男性登山者がこちらにやってきました。
ほとんど空身と言えるくらいの軽装で、軽快に走ってきたので、私なんかは単純に
「すげ〜、こんなところでトレランすか〜」
とか思いながら見送りました。

ところが後ろにいたツートンが何かを察したらしく
「なんか捜し物〜?」
と声をかけると、なんとコレが大当たり。
さっきの落とし物をしたパーティの人でした。

なんで落とし物の関係者だってわかったの?と聞くと
「なんかキョロキョロしていて、捜し物をしている風だった」
との答えが。
うーん、私が観察力無さ過ぎなのか、ツートンの観察眼がすごいのか…。
ともあれ、落とし物は無事に持ち主に返り、こちらとしてもほっとしました。

縦走路はやがて樹林帯へと突入します。
まぁ、正直言って樹林帯はいらないですね(笑
早池峰縦走とか、裏岩手縦走とかでいくらでも見れそうな景色なんですもん。

蝶槍がはっきり見えてきました。
なるほど、遠くからはよくわからなかったですが「槍」というだけあって尖ったピークが特徴的であります。

ただ、そこにたどり着くまでには、まだまだ下って、そして同じだけ登り返さなくてはならないようです。
樹林帯に入ってから風が通らなくなり、蒸し蒸しと暑くなってきました。
正直、ちょっとうんざり…。

気を取り直して進みますが、まだまだ下ります…。
いや、もう下るのは勘弁して…。

最低鞍部まで下ったら、今度は当然登りが待っています。
ここまではゆるゆると時間をかけて下ってきたのですが、蝶槍への登りは一気に急勾配を登り詰めるような形になるようです。
うひ〜…。

歩いても歩いても景色が変わらない…という昨日の悪夢の再現です。
コポ隊は目に見えて疲労の色が濃くなってきました。
あと少しだよ、がんばろ〜と言っている自分自身も疲れてきました。
この区間は自分との戦いすなぁ…。

再び樹林帯が途切れると蝶槍のピークがはっきりと確認できます。
人がいっぱい留まっているので偽ピークという事はないでしょう。
最後の力を振り絞ってピークを目指します。

最後の岩場をよじ登り、蝶槍のピークに到達しました。
お疲れ! たぶんこれで今日の難所は終わりのハズ。
行動開始から丁度5時間が経過していました。
うーん? まだこれで全行程の半分なわけ?

蝶槍手前の樹林帯で急坂と草いきれに苦しんでいる間に天気が急速に下り坂に向かっていました。
朝、あんなにはっきりと見えていた槍・穂高にも雲が湧き姿が隠れています。
蝶ヶ岳からは、常念岳よりも穂高が大きく、近く見えると聞いていたので楽しみにしていたのですが…。

アップダウンが多かったこれまでの道のりとはうって変わって蝶槍から先はなだらかな起伏の穏やかな道のりとなります。
一時、ほとんど見かけなかった対向してくる登山者も増えてきました。
この時間から常念岳に縦走というのは考えにくいので、蝶ヶ岳から蝶槍までのピストンなんでしょう。

二重稜線という独特の地形のため、アルプスの稜線とは思えないゆったりした道を歩きます。
しかし、そこはやはり2500m越えの高地、天候が下降線を辿るにつれて気温が低くなり吹き付ける風を「寒い」と思うまでになってきました。
こうなるとゆっくりと景色を楽しんでいる暇もなく、一目散に蝶ヶ岳ヒュッテを目指さざるを得ません。

蝶槍から少し南下したした地点にある三角点。
三角点名としては「蝶ヶ岳」ということになるらしいですが、一般的に言われる「山頂」とは別物です。

蝶ヶ岳ヒュッテに到着しました。
常念岳からここまで、特段危険な場所を歩いてきたわけではないのですが、やはり山小屋に到着するとほっとします。
山小屋がある、人がそこにいる…という安心感は実に大きなものだと実感する瞬間です。

ひとまずヒュッテの軒先に荷物を置かせてもらって「本当の」山頂に向かいます。
テン場を通り過ぎてすぐの場所が山頂です。

記念写真は、もちろん穂高をバックに☆
ちょっと雲に隠れ気味ではありますが、それでも一時期に比べて雲が晴れてくれました。
噂通り、蝶ヶ岳は穂高を眺める最高の展望所です。

山頂からは今まで歩いてきた縦走路も見渡すことができます。
あんな所から歩いてきたんですね。
人間の足ってすごいなぁ。毎度感じる事ではありますが。

十分に景色と達成感を味わった後は、ヒュッテに戻り昼食とします。
カレーとカレーうどんとビールを注文してみました。
山行中に小屋で食事を注文したのは初めてですが、楽でいいですね(笑
まぁ、値段も張るので毎回毎回頼りにするわけに行かないですがね〜。

昼食が終わったらあとは下山するだけ。
いよいよアルプスの雄大な景色ともお別れです。
名残惜しいですが…帰りの時間も考えると、あまりゆっくりもしていられません。

しばらく行くと大滝山への分岐があります。
高山らしい岩とハイマツと…という景色はここで終わります。
この先は、延々と樹林帯の下降となります。

常念岳の姿を見ることができるのも、ここが最後になります。
(実際には、もう少し先まで見えるようですが、この日は急激にガスってきて
この場所から眺める常念が最後となりました。)

さて、蝶ヶ岳から三俣への登山道ですが、ガイドブックなどによると
「危険個所はなく、初心者向け」
とあります。

まぁ、たしかに危険個所というほどの場所はないのですが、騙されてはいけません。
傾斜が急な上に道幅が狭く、休憩したりすれ違ったりできるような場所が極端に少なく、さらに水場が皆無といった意味で、ここは決して「楽なコース」ではありません。

さらに下りのコースタイムが3時間ということになっていますが、これを守ろうとすると、かなり頑張らないと3時間以内に収まりません。
タクシーを呼ぶ場合は、少し余裕を持って呼ばないと待たせることになります。

急な下り傾斜にヒイコラしていると、下の方から急激にガスがわき起こり、まったく遠望がきかなくなってしまいました。
おまけに途中からはレインウェアを着るべきかどうか悩むような微妙な雨が降り始めました。

まめうち平に到着。
ここは山頂から1.5時間となっていますがすでに1時間45分が経過していました。
ここまでの区間は、全てコースタイム内で歩けていただけに焦ります。

後半戦は我慢大会の様相を呈してきます。
疲れから次第に無口になっていきますが、突然現れたこいつ。
蝶ヶ岳レックス!
略してTレックス!!
(Cレックスじゃね?という突っ込みは聞こえない方向で)
こぽ隊にもこれは大ウケで、沈滞気味だったムードが良い感じに回復しました。

Tレックスを通過すると次第に沢音が聞こえ出します。
ようやく水場までやってきました。力水、というようです。
それにしてもこの水場、登山口から800mの位置にありながら最終水場とは…。
豊富な水場がある一ノ沢コースとは対照的です。

冷たくて美味しい水を飲み、ゴールまであと800mとわかれば俄然元気が出てきます!(勢い余って転びましたがね…)
さくさくっと(…というわけにも行かず、足を引きずりつつ…)降りてしまいましょう!

ずいぶんと長い時間、下り道と格闘していたような気がします。
実際は3時間ちょっとで、全体の行程からすれば微々たるモノなのですが…。
しかし、それもあと50mで終わり。ゴールの時は間近にせまっています。

林の間から駐車している車が見え、トイレが見え、管理小屋が見えてきました。
やっとゴール!
常念〜蝶縦走、これにて無事終了です。
アルプス入門のコースとの事でしたが、眺望もすばらしく適度に岩場もあって我々のレベルに合った良コースでした♪

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