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Yamareco

記録ID: 1749231
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無雪期ピークハント/縦走
磐梯・吾妻・安達太良

西吾妻山

2009年08月14日(金) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
9.1km
登り
385m
下り
888m
天候 ガスのち晴れ
過去天気図(気象庁) 2009年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)

感想

2009年8月14日、山形県の吾妻連峰西吾妻山へ登ってきました。

前日まで雨続きの天気でしたが、天気予報によると14日からしばらくは晴れとのことで意気揚々と現地に向かいました。東北道を南下し、福島飯坂ICを出た時には確かに青空が拡がっていたのですが粟子峠を越え山形県にはいるとにわかに天気が怪しくなってきました。
天元台登山口のロープウェイ乗り場に着く頃には、空は厚い雲で覆われ周りの山々にも濃いガスがかかり始めました。

ロープウェイに乗ると案内係の人が「8月に入ってからはほとんど晴れた日がない」
「今日もご覧のようにガスなので、眺望は期待できないかも…」
などなど不安になるような事を次々と言い出すではありませんか。

一番最後に、申し訳程度に「雲の上の方が明るい気がするので、山頂はもしかしたら地上より天気がいいかも…」などと希望的観測を述べてくれましたが…この時点ですでにテンションがた落ちです(^^;
森吉、禿岳に続いてまたしても霧中登山となってしまうのか…

ロープウェイの終点「天元台高原」。
「ついさっきまで雨が降っていました」と主張している濡れた路面、人気のないレストハウスなどが、嫌がうえにも寂寥感をかき立てます。

「上に行けば晴れるかもしれない」
その言葉に一縷の望みを託してリフトに乗り込みました。

…が、

三本目のリフトに乗る頃には、前の搬機が見えなくなるほどの濃いガスが…。
たっぷりと湿気を含んだ冷たい風が容赦なく体に当たってきます。
晴れねーよ! こんなん! 寒くてやってらんねーって!

すっかりテンションが低くなってしまった我々ですが、このまま引き返すのも悔しいし行くだけ行ってみるかということで出発!

遊歩道という案内があったわりには、わりと本格的な登山道。
特に今日はあちこちに水たまりがあって歩きにくくなっており物見遊山の軽装で登ってきた親子連れは「こんな道なの!?」と驚いておりました。
悪いこと言わないから戻りなさい。寒いし転んだらドロドロになっちゃうよ〜。

15分ほど登ると中大嶺という小さなピークに達します。
晴れていたなら展望地なのかもしれませんが、ここもやはり視界無し。
全ては乳白色の闇の向こう…。

予備知識としては、このあたりは一面の高層湿原で、季節の花が咲き乱れているはずなのですが、ご覧の通り、ほとんど視界がないため花の有無どころか地形すらよくわかりません。一応、木道や登山道の足下にいくつかの花が咲いていたので、たぶん花が咲いているんだろうということだけは確認できました。

大凹の水場に到着。
冷たくてクセのない水でしたが、この気温では美味しさ半減(^^;
晴れた暑い日ならばどんなにか気持ちよかったことか…。

水場を過ぎると梵天岩に向けての登りが始まります。
さほど険しい登りではないのですが、濡れた岩は滑りやすくなっており慎重な歩行が求められます。ドロのあとに大きな一枚岩が来たりするとおっかないですねぇ(^^;

梵天岩まで登り切ると一面の岩っ原が広がっていました。
のっぺりした地形ゆえ、濃いガスの中では方向感覚が失われます。
岩にペンキで印が付けられてはいるのですが、それが山頂方面に向かうのか、それとも避難小屋方面に向かうのか、なかなか自信を持って判断できません。

大げさかとは思ったのですが、念のためコンパスを取り出し地形図と照合。
あたりをウロウロして、ガスの切れ目から山頂方面へと続く道を探し出すことができました。土地勘が無い山で視界不良の中、こういっただだっ広い地形に行き当たると怖いですね。実戦において、初めて真剣にコンパスを使ったような気がします(^^;

ようやく見つけた山頂への道ですが、これがなかなか酷い道でした。
湿地帯を横切り、樹林帯へと続くのですが、各所に大きな水たまりやドロ沼があり歩きにくいのなんの…。

リフト山頂駅から1時間半程かけて西吾妻山山頂に到着。
まったく眺望の無いがっかり山頂でした(^^;
いや、予備知識としては知ってましたけどね…。少しは何かあるかもって思うじゃないですか。見事になんにもありませんでした。

あとは下るだけ…かぁ。
なんかこのままでは西吾妻山の印象はすこぶる悪いまま終わりそうな気がします…。

山頂を出発し西吾妻小屋へ向かいます。
ふと周りの景色が明るくなったような気がして空を見上げると…
おお! 晴れてきている!?
これはもしや…

山頂からおよそ5分ほどで西吾妻小屋に到着します。わずかながら晴れ間が見えてきているとはいえ、まだまだガスは濃く風も強く寒いので、小屋の中で休憩と軽食をとろうと思ったのですが、とある事情により断念しました。

ものすご〜く、臭かったんですよ、トイレが…。
トイレがっていうか、もうその臭いが小屋中にまわってしまっていて、とてもここで休憩&お食事なんていう気分にはなれませんでした。
う〜ん、でも山小屋って、昔はみんなこんな感じでしたよね…。

仕方がないので近くの木道に腰を下ろして休憩をとりました。
私たちのあとに小屋に入っていった登山者も「くさいなぁ」「あそこで休憩はできんね〜」と苦笑しながら戻って来ました。
本当に緊急時しか使えない小屋のようです(^^;

そうこうしているうちに、どんどん空が明るくなってきます。
これは今後に期待できるということで、気を取り直して出発!

小屋と天狗岩を結ぶ木道の途中に、若女平経由白布温泉口への登山道が分岐しています。当初はここから下山して周遊ルートを形成する予定だったのですが、リフト乗り場で「あそこは谷に下りるから、このところの雨で沢になっているよ」との情報を得ていたのでパス!
天気も回復していることだし、先ほどガスでみることが出来なかった湿原も見たいじゃないですか。

あ、そうそう、違う道を通るということにこだわらないのであれば、西吾妻山頂を目指すのは「梵天岩→天狗岩→小屋→山頂」をお奨めします。
こちらのほうが道も景色も数倍良いので…。

よく整備された木道コースを歩き天狗岩へ到着。
だいぶ晴れてきてはいますが、まだまだガスも濃いので晴天祈願しておきましょう。

晴れろ〜!!

晴れました!

ここにきて風も出始め、徐々にガスが流されていきます。
Oh! kamikaze!?
いやいや、晴れ男たる私の力でやんす。

ここ、来る途中迷いかけた場所なんですが、晴れてしまえばなんて事無い岩の広場。
遠くからでも標識や目印のペンキなんかが問題なく見渡せます。

往路では、まったく何も見ることの出来なかった梵天岩。
今度は足下の高層湿原や、麓の桧原湖などを一望できました!
ここは吾妻連峰の中でも屈指の展望地らしいので見ることが出来て良かった♪

ははぁ、こういう景色だったんですねぇ…。
私の大好きな八幡平を彷彿とさせる景色…、戻ってきて良かった。

ガスに包まれたまま、沢になった下山路を下って帰っていたら本当に最悪の印象しか残らなかった事でしょう。ただいま西吾妻山の好感度、大幅上昇中(当社比)ですよ〜。

さっきまでのガスと寒さはどこへ行ったんだ〜!っていうくらいの青空と日差し。
あわてて日焼け止めを塗りたくります。でも、気分も良いし往路とまったく同じ道をたどるのも芸がないので、リフトからの周回ハイキングコースにも指定されている「人形石」へ立ち寄ってみたいと思います。

この大きな岩が「人形石」らしいのですが…なぜに???
もしいわれを知っていらっしゃる方がいたら教えていただきたいですね〜。
どう見ても人形には見えないし…。

人形石からリフトの山頂駅方面へ戻ります。
樹林帯の道はまたしてもこんな感じにぐっちゃぐちゃ…。
これ、ハイキングコースってことになってますけど、いいんですかね…。

地形図によると、人形石からリフトの山頂駅の間に下山路の分岐点があって、そこから第二リフト降り口あたりまで行けるような感じだったのですが、その分岐点を見つけることができませんでした。足下に気を取られて見逃したのか、利用者が少なく廃道となったのか。

とりあえずリフトの駅までは無事に戻って来ることができたので、あとは夏のゲレンデを伝って下まで降りようと思います。

このゲレンデ、非常に傾斜が緩やかでして平坦地を歩くようにさくさく歩けます。
横を見るとほぼリフトと同じスピードで下っているのがわかります。
こと下山に限って言えば、リフトも歩きも同じ時間ですよ〜。
歩けば千円浮きますよ(笑

天元台の施設や、米沢の町がみえてきました。
一時はガスにまかれてどうなることかと思いましたが無事生還。
西吾妻山に対する印象も「なんだこりゃ〜」から「良い山だった」になりました。
やはり百名山に選定されるだけありますね。

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