獅子ヶ鼻山
- GPS
- 05:56
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 705m
- 下り
- 705m
コースタイム
天候 | 快晴 微風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・昨夜から今朝にかけて降雪があり、新雪がコンスタントに5-10cm、吹き溜まりで30cmほど。つぼ足だと膝まで潜るところもあった。朝は要ラッセルだったが、気温が上がり日射のあるところでは重い湿雪に変わっていた。スキーは全く滑らず。 ・鹿俣山から獅子ヶ鼻山までは薄くトレースがあったが、朝は新雪のため要ラッセルの状態だった。ルートは明瞭だが雪庇が発達しているため、踏み抜きや転落に注意。帰りの時間帯は湿雪がアイゼンについて団子になり歩きにくい。 ・スキーは鹿俣山の直ぐ先からはほぼ滑るところはないので、早めにデポして登山装備で往復した方が簡単だと思われる。雪質によりスノーシュー等あると便利。鹿俣山より先へ行く場合は標準的な冬山装備一式が必要。獅子ヶ鼻山より先へ行くにはロープなども恐らく必要で、週末にハイキングするレベルの人は入ってはいけない。 |
写真
感想
たんばらスキー場から鹿俣山を経由して冬季限定で登山が可能な獅子ヶ鼻山を往復してきた。記録上の分類はスキーやシールを使って歩く時間があり、ゲレンデ外の非圧雪斜面も滑ったので、「山滑走」としたが、現実には歩く時間がほとんどだったし、滑って快適だったのはゲレンデだった。初めに忘れないうちに書いておくと、この山の二度目の訪問はない。以下に詳細。
スキー場の駐車場には5時過ぎに到着。早過ぎてゲレンデに一番近い駐車場はまだクローズ。少し離れたところなら停められそうなので、そこに駐車して準備を始める。3月も下旬になり日の出が早く、5時半を過ぎたら既にライトは不要に。明るい中で準備をして出発。気温は駐車場到着時はマイナス3℃ほどだった。歩き始めて直ぐに森の中に入る。ここまでに来る車道にも雪があり、新雪が期待できたし、実際に新雪が数cm積もっていた。シール登高開始するが、新雪の上なのでやはり楽しい。ガリガリの氷や、薄汚れたザラメよりやはり新雪だな、と思ってしまう。スキー場のゲレンデを歩くと多分楽なのだろうが、今日のようなきれいな雪がある日はゲレンデそばのブナの森を歩く方が気分が良い。この森は以前にも2回訪れていて、今日で3回目。いずれも3月下旬から4月上旬に訪れている。特に毎度この時期を狙っている訳ではないのだが、時期が揃ってしまうのは何か理由があるのかもしれない。ほぼ斜度のない緩い斜面を歩く。お待ちかねのブナが出てきて雰囲気がいっそう良くなる。これだけ見て帰ってもいいくらいだった。左手側にはゲレンデがあり、歩き始めはゲレンデを均す圧雪車の音が聞こえたが、じきに風の落としか聞こえなくなる。今日は風が強くなる予報が出ていたが、そのとおりとなったようだ。とはいえ樹林帯の中なので風の影響はほぼない。クライミングサポートもほぼ使わずにゲレンデの上端付近まで登り切る。以前は完全にゲレンデの外を歩いたのだが、その際山頂付近の雪庇の崩落が怖くて結局ゲレンデに入って先に進んだ記憶があり、今日は早めにゲレンデに入る。まだリフト運行前で無人のゲレンデをシール登高で進む。途中考え事をしていて誤った方向に進み、10分ほど時間をロス。最近この手の凡ミスが多過ぎる。そのうち何か致命的な事態を引き起こしそうだ。駐車場を出て2時間弱で無事に鹿俣山到着。天気快晴。風は吹いているが、登りで暑くなった体を冷ますのにちょうど良い程度。写真数枚取った後休憩をする。ここまで約2時間ほぼ歩き通しだった。先を見るが樹木が多くてよく分からない。休憩もそこそこに先へ進む。最初はトラバース気味。右手側は雪庇が発達しているので迂闊に近寄れない。落ちたらただでは済まない。雪庇に注意しつつルートを延ばすが、スキーが邪魔に感じるように。新雪がありつぼ足だと潜るので、スキー+シールで歩かざるを得ないが、雪面がうねっていて、スキー向けの斜面ではない。事前の諸情報でもスキー向けではないことは分かっていたつもりだったが、他人の書いた文章や他人の撮った写真を見るのと、実際に現場に来て自分で見聞きし体験するのとではやはり全然違う。今日の雪質ならスノーシューがベストだ、などと思うが時既に遅し。とにかくスキーで進むしかない。スキーだとある程度スペースがないと急斜面も登れず、かといって右手側に迫れば雪庇から落ちそうで、ストレスの溜まる登高だった。鹿俣山を出て1時間程して、先がかなり険悪に見えるところがあり、スキーは愈々ここまで、と諦めデポすることに。しかしまだ目指す獅子ヶ鼻山は全貌が見えない。敗退も考えたが、まだ時間も体力も余裕があるので、取りあえずアイゼンを着けて先に進む。今日は使わないとは思いつつ、ピックストックを両手に持ってきたが、この後これが活躍する。時折雪を蹴り込んで、かつピックを打ち込みながら前進する。雪が柔らかいのでピックストックのピックで十分だったが、これが硬い氷に近い雪だったが、本式のピッケルが必要だった。それにスキーを外してしまったため、つぼ足歩きではやはり潜るように。ラッセルとは言っても膝下程度なので大したことはないのだが、何せ右側はずっと雪庇なので、とにかくそちらに行かないよう神経を使った。左手側は大概藪で、このルートに無雪期登山道がない理由がよく分かった。時折ズボズボ潜りつつなるべく左手側を歩き、9:35頃にこの日のゴールの獅子ヶ鼻山に到着。鹿俣山から2時間はかからなかったが、想定以上に時間はかかった。新雪でラッセルがあったのが時間がかかった主な原因だろう。山頂は狭くて、そして相変わらず雪庇があるので長居したくなるようなところではなかった。天気快晴。風弱し。景色を堪能し、写真をバシバシ撮って、さっさと下山開始。武尊山の眺めは良かった。振り返るとこんなところ登ってきたのか、と思える狭い尾根。帰りは左手側に寄らぬように注意する。登りで自分が着けてきたトレースをたどれるので、下りはやはり楽。スキーデポ地へ無事戻り、ここでスキーをザックに着けて背負う。シールで下りはテクニカルというか、今日の雪質ではシールに団子が盛大にできそうで、その状態でのアップダウンは無理だろうと判断した。事実、10時を過ぎる頃になると日射と気温上昇で朝方はサラサラさった雪が例によって重い湿雪になっていた。アイゼンで下るが、アイゼンにも盛大に団子が付いてしまい、ピックで叩いて落としながらの歩きとなった。ただの下りならシールを剥いでスキーで滑っても良かったのだが、鹿俣山まではアップダウンが続くので、ある程度はつぼ足で歩くつもり。しかし気温上昇と雪面からの照り返しで暑く、風も弱くて体を冷やしてくれない。雪は重いし、ザックも重いしと、散々だった。鹿俣山手前付近まできて、漸くスキーを履きブーツをスキーモードに切り替える。がしかし、雪が既に死んでいて滑っても快適さはない。そもそも大きく回せる場所もないので、とにかく歩くよりはマシな程度で進む。順調に下ることはできず、最後までアップダウンがあり、板を脱ぐのも面倒なので階段登降でこなして再度鹿俣山に到着。朝は自分のトレースだけだったが、その後増えていた。リフトで上がってきた人だろうか。もう雪がダメダメなのはよく分かったので、期待せずに下り始める。ゲレンデ手前にきてストップスノーに足を取られ転倒。体は大丈夫だったが、新雪は完全に死んだと認識。帰りはゲレンデの外に出てゆるゆるブナの森を滑るつもりだったが、今日の具合だと下りラッセルになるのは間違いなく、それだとくたびれるし時間もかかるので却下。ゲレンデを滑ることに。一体何しに来たのか分からなくなる。ゲレンデの雪はお世辞にも良くはなかったが、新雪が乗ったお陰でアイスバーンはなく、その点は快適だった。ただピックストックを両手に持ってゲレンデを滑るのは場違い感が甚だしく、現実に誰かにぶつかると怪我させる恐れもあるので、とにかく端の方をゆるゆる滑ってゲレンデの下までたどり着く。結局滑りに関しては、山中は全くダメでゲレンデが良かった、という良くあるパターン。最後駐車場まで少し歩いて山行終了。駐車場はガラガラ。
獅子ヶ鼻山は積雪期限定との触れ込みで、試しにスキーで行ってみたが、滑りの要素はほとんどないので、スノーシューで行くべきだった。また、雪が落ち着いていればもう少し短時間で往復できたと思うが、降雪直後でしかも平日、トレースなくラッセルに時間がかかり体力も消耗した。獅子ヶ鼻山からの景色は良かったが、もう1回行きたいとは今のところ思えない。1回だけで十分。
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