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Yamareco

記録ID: 1836653
全員に公開
ハイキング
関東

亀ヶ淵山 (奥久慈、竜神峡)

2019年05月06日(月) [日帰り]
 - 拍手
体力度
2
日帰りが可能
GPS
04:21
距離
9.7km
登り
651m
下り
644m
歩くペース
とても速い
0.60.7
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
4:14
休憩
0:08
合計
4:22
8:48
69
スタート地点
9:57
10:04
109
11:53
11:54
76
13:10
ゴール地点
駐車場     8:50
竜神ダム駐車場 9:00
亀が淵     10:05
標識(取り付き)10:05
山頂到着 10:30
山頂出発    10:45
コル      11:00
最初の渡渉 11:10
分岐標識 11:30
2度目の渡渉 11:45
標識(取り付き)11:50
亀が淵 11:55
竜神ダム駐車場 12:55
駐車場 13:10
天候 曇り 午後から時々雨
過去天気図(気象庁) 2019年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
竜神ダムに駐車場がありますが、今回はあえてダムへ登り始めるところにある駐車場に停めて歩きました。竜神ダムの駐車場にあったトイレは今はあありません。この駐車場にも、かつてはトイレがあったはずですが、今はありません。コンビニやガソリンスタンドでトイレを借りて用を足してから歩き出す必要があります。
コース状況/
危険箇所等
(注意:亀が淵山はバリエーションルートです)
亀が淵山は最近は踏み跡もついたおかげで難度も下がってきましたが、お隣の明山が標識の整備された山であるのに対して、ルートファインディングはテープ頼りです。明山で固定ロープのある直登ルートがありますが、あのルートから固定ロープを取り除いたような急斜面の登り降りをこなすことが必須です。
以前ほどではないのですが薮こぎがあります。

亀が淵側からピストンする場合、下山時に紛れが多いです。間違えて崖に行き当たらないように慎重にルートファインディングしないと滑落の危険があります。

武生山側(北側)へ下山する場合、一旦ルートに乗れば踏み跡は明瞭なのですが、入り口の印が朽ちたテープだけなので見落とさないように気をつけてください。

登はん具がいるほどではありません。薮から目を守る作業用ゴーグルがあると気楽ですが、今回は使いませんでした。
武生山方面から亀が淵への道は谷側へ傾斜している箇所もあります。ここは一般ルートと呼んでいいところですが、地形図上には道がないので、ヤマレコに投稿されているGPSログを使うことがお勧めです。

亀が淵の水量はまだ普段の倍くらいありました。明山など、渡渉を要する場合はゴアテックスのハイキングシューズで臨みたい所です。
ダムへ続く坂を登る前の駐車場に停車した。前々回の登山で咲いていたニリンソウのシーズンはおしまい。また来年サクラとの競演を楽しみにしよう。
ダムへ続く坂を登る前の駐車場に停車した。前々回の登山で咲いていたニリンソウのシーズンはおしまい。また来年サクラとの競演を楽しみにしよう。
タツナミソウ?(自信なし)
タツナミソウ?(自信なし)
たぶんセイヨウキンポウゲ?(自信なし)。林道沿いにたくさん咲いていた。
たぶんセイヨウキンポウゲ?(自信なし)。林道沿いにたくさん咲いていた。
フジがすごい。
枯死が目立つ。
吊橋とこいのぼりが見えてきた。まだダムの駐車場の手前だ。
吊橋とこいのぼりが見えてきた。まだダムの駐車場の手前だ。
何の花だろう。マルバウツギのように見えるのだが、、、?(自信なし)
何の花だろう。マルバウツギのように見えるのだが、、、?(自信なし)
クサイチゴ。来月あたりに実がなるか?
クサイチゴ。来月あたりに実がなるか?
ダム駐車場からダムの下流側の峡谷の風景をじっくり楽しんだのは初めて。
ダム駐車場からダムの下流側の峡谷の風景をじっくり楽しんだのは初めて。
バンジーやってる。
バンジーやってる。
カシの木が集中的にやられているらしい。常陸太田市も調査に乗り出した模様。
カシの木が集中的にやられているらしい。常陸太田市も調査に乗り出した模様。
枯死の様子。
あちこちに見るフジがこの季節のお楽しみのひとつ。
あちこちに見るフジがこの季節のお楽しみのひとつ。
ミヤマキケマン?(自信なし)
ミヤマキケマン?(自信なし)
草の先端を拡大したら1mmくらいの花が咲いていた。ヤエムグラか?(自信なし)
草の先端を拡大したら1mmくらいの花が咲いていた。ヤエムグラか?(自信なし)
コンロンソウか?(自信なし)
コンロンソウか?(自信なし)
新緑は日々勢いを増している。
新緑は日々勢いを増している。
白と黄色の競演。
白と黄色の競演。
赤い若葉もある。
赤い若葉もある。
筆者の偏愛するイワツメクサさんとよく似ている。ミヤマハコベ?(自信なし)
筆者の偏愛するイワツメクサさんとよく似ている。ミヤマハコベ?(自信なし)
定点観察地点。
新しい落石。林道は落石注意エリアだ。
新しい落石。林道は落石注意エリアだ。
あずまやと明山北東尾根。今度はいつ挑むか?
あずまやと明山北東尾根。今度はいつ挑むか?
ニホンタンポポ発見!生で見るのは初めてだ。
ニホンタンポポ発見!生で見るのは初めてだ。
亀が淵を通過し武生山方面へ進んだ。亀が淵上部の釜とゴルジュ。
亀が淵を通過し武生山方面へ進んだ。亀が淵上部の釜とゴルジュ。
暫くして標識現る。今日はこの裏を登はんする。
暫くして標識現る。今日はこの裏を登はんする。
なんと、固定ロープがあった。
なんと、固定ロープがあった。
薮に突入するも、踏み跡があり、昔から見ると随分楽になってしまった。
薮に突入するも、踏み跡があり、昔から見ると随分楽になってしまった。
北稜のコルへ降りる印はこの古いテープ。
北稜のコルへ降りる印はこの古いテープ。
頂上直前で3mほどの登はん。巻くことも出来るが、リハビリを兼ねて登り降りすることにした。結構難しかった。
頂上直前で3mほどの登はん。巻くことも出来るが、リハビリを兼ねて登り降りすることにした。結構難しかった。
岩の上は見晴らしが良い。竜神峡奥地は中武生山方面を望む。
岩の上は見晴らしが良い。竜神峡奥地は中武生山方面を望む。
白い綿毛のような花は何だろう?
白い綿毛のような花は何だろう?
男体山がかすかに見える。
男体山がかすかに見える。
山頂まではもうひと登り。
山頂まではもうひと登り。
山頂から明山を見たかったが、眺望がよくなかった。
山頂から明山を見たかったが、眺望がよくなかった。
これは何の花?白い花で知らないものが続出した。葉はガマズミを思わせるが。
これは何の花?白い花で知らないものが続出した。葉はガマズミを思わせるが。
お手上げの形の葉っぱ。筆者の心境を反映しているか?
お手上げの形の葉っぱ。筆者の心境を反映しているか?
こちらは綿毛のような花のアップ。アオダモか?(自信なし)
こちらは綿毛のような花のアップ。アオダモか?(自信なし)
亀が淵山の山名板はやや見えにくい所にある。下山直前に気がついた。
亀が淵山の山名板はやや見えにくい所にある。下山直前に気がついた。
難しい岩を今度はクライムダウンした。
難しい岩を今度はクライムダウンした。
ミヤマツツじにほめられた。
ミヤマツツじにほめられた。
そして急降下。
これだけ下ってまだ半分くらい。
これだけ下ってまだ半分くらい。
谷間の緑を楽しみながらクライムダウン。
谷間の緑を楽しみながらクライムダウン。
葉っぱがトンボのような形だ。
葉っぱがトンボのような形だ。
残置チェーンスパイク。
残置チェーンスパイク。
踏み跡があって北稜もルートファインディングは楽だった。
踏み跡があって北稜もルートファインディングは楽だった。
間もなくコルに到着する。
間もなくコルに到着する。
コルに到着した。こちらは篭岩方面。
コルに到着した。こちらは篭岩方面。
こちらは下山してきたルート。
こちらは下山してきたルート。
こちらはコルから北方の中武生山へ続くバリエーションルート。筆者は未踏査。
こちらはコルから北方の中武生山へ続くバリエーションルート。筆者は未踏査。
今日はこの杉林を東へ下る。
今日はこの杉林を東へ下る。
5mmくらいの白い可憐な花。名前は見当も付かず悔しい。
5mmくらいの白い可憐な花。名前は見当も付かず悔しい。
やがて渡渉点に到着。渡渉するということはもう一度渡渉があるのか。道間違えか?既視感のある展開。
やがて渡渉点に到着。渡渉するということはもう一度渡渉があるのか。道間違えか?既視感のある展開。
渡渉点から上流側の景観を楽しむ。
渡渉点から上流側の景観を楽しむ。
ペンキマークと踏み跡をたどった。
ペンキマークと踏み跡をたどった。
またもやぐんぐん高度を上げた。このままだと武生林道に出てしまうのだが?
またもやぐんぐん高度を上げた。このままだと武生林道に出てしまうのだが?
やがて標識が現れた。
やがて標識が現れた。
道間違えではなかった。
道間違えではなかった。
明瞭な踏み跡を根気よくたどった。
明瞭な踏み跡を根気よくたどった。
食べられる(内緒)。
1
食べられる(内緒)。
新緑の渓谷は心地よい。
新緑の渓谷は心地よい。
何の木?
やがて巨木の倒れた根方を通過する。
やがて巨木の倒れた根方を通過する。
片方はカエデの一種のようだが、巨木はそれとは別の模様。
片方はカエデの一種のようだが、巨木はそれとは別の模様。
そして巨木は渡渉点に倒れこんでいた。倒木も使い込まれた形跡があった。
そして巨木は渡渉点に倒れこんでいた。倒木も使い込まれた形跡があった。
しかし、その先に浅い箇所があり、難なく通過できる。
しかし、その先に浅い箇所があり、難なく通過できる。
もうすぐゴール。
もうすぐゴール。
奇観を楽しむゆとりが出てきた。
奇観を楽しむゆとりが出てきた。
踏み跡は明瞭だが。一箇所傾斜して滑りやすいトラバースがあり、ここはかなり注意を要する。靴底全体を付けて摩擦を稼いだ。
踏み跡は明瞭だが。一箇所傾斜して滑りやすいトラバースがあり、ここはかなり注意を要する。靴底全体を付けて摩擦を稼いだ。
何とか通過してゴルジュの景観を楽しんだあとは、
何とか通過してゴルジュの景観を楽しんだあとは、
亀が淵山とり付きの標識が見えてきた。
亀が淵山とり付きの標識が見えてきた。
標識に到着。
亀が淵右俣(いわゆる亀が淵でない側)の釜と渓谷の新緑。
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亀が淵右俣(いわゆる亀が淵でない側)の釜と渓谷の新緑。
亀が淵ベンチ付近でもニホンタンポポを発見した。
亀が淵ベンチ付近でもニホンタンポポを発見した。
ベンチの赤い頭の菌類。
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ベンチの赤い頭の菌類。
またもやニホンタンポポ。
またもやニホンタンポポ。
あずまやから明山北東尾根に別れを告げた。
あずまやから明山北東尾根に別れを告げた。
ジシバリ?(自信なし)
ジシバリ?(自信なし)
定点観測地点。かなり曇っている。
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定点観測地点。かなり曇っている。
竜神槍(筆者勝手に命名)。
竜神槍(筆者勝手に命名)。
雨が降ってきたが。さほど寒くもなく、心地よい。
雨が降ってきたが。さほど寒くもなく、心地よい。
バンジー営業中(写真左上)。
バンジー営業中(写真左上)。
新緑の美しさと水の深さを楽しむ。春のお楽しみ。
新緑の美しさと水の深さを楽しむ。春のお楽しみ。
雨模様でもこいのぼりは元気よく泳いでいた。
雨模様でもこいのぼりは元気よく泳いでいた。
竜神カフェを過ぎて駐車場を目指した。道路が切り取った森の先に更に新緑の稜線が見えた。
竜神カフェを過ぎて駐車場を目指した。道路が切り取った森の先に更に新緑の稜線が見えた。
ゴールの駐車場(坂の入り口)にあった看板。このエリアは自然休養林だった。あの赤沢自然休養林と同じカテに属すのか。
ゴールの駐車場(坂の入り口)にあった看板。このエリアは自然休養林だった。あの赤沢自然休養林と同じカテに属すのか。
車に戻ってきた。
車に戻ってきた。

装備

備考 雨具
手袋(ゴム引き軍手)
地図+GPS(スマホ+山旅ロガー+地図ロイド)

行動食
虫除け(そろそろブユがうるさくなってきました)。筆者は廉価な日焼け止めを虫除けと兼用しています。これをつけてブユに刺されたことはありません。ただし止まる寸前まで近寄っては来ます。

感想

2週間前の恐怖の明山北東尾根のあと、山に体を慣らす目的で竜神峡に来た。大好きな男体山も考えたが、観光シーズンのピークで国道118号が渋滞していることを嫌っての判断だ。天気がもったら亀が淵山でリハビリテーションをしよう。天気が崩れたら亀が淵で戻ってくるだけでも、ウォーキングにはなるだろう。

歩く目的と、ニリンソウの具合を見るために、ダム脇の駐車場には止めず、ダムへの坂道の登りバナにある駐車場へ停めた。先月明山を普通に登ったときには、ソメイヨシノが満開で、その下の草むらにニリンソウの群落があった。残念ながらサクラだけでなく、ニリンソウもほぼおしまい。また来年楽しませてもらおう。

亀が淵まで往復して終いかなと思っていたが、往路での天気は時々薄日さえ射すほどで、雨の予報は外れるのではという期待さえ持たせてくれた。途中あずまや越しに見える明山北東尾根にも背中を押されるようにして、亀が淵山にさっと登って降りてくるかということにした。

亀が淵山は筆者が奥久慈に分け入るようになった2012年秋以降最初に挑んだバリエーションルートだった。たぶん初挑戦は2012年の年の瀬あたりだろう。当時ヤマレコはすでにあったと思うが、筆者自身はその存在もよく知らず、ネットの検索で出てきた地元の梁山泊倶楽部の方の記録を参考にした。自分の当時の記録は残っていないが、薮がすごいこと、そしてそのすごい薮の中にところどころ岩稜登はんがあったこと、それでもテープマークがあったりしてびっくりしたことは記憶していた。

その後暫く入らなかったのだが、2016年の1月、篭岩山からの帰りに挑戦をしたとき、しっかりと踏み跡がついていて驚いたものだ。登山は相変わらず人気なので、今回もルートファインディングには苦労しないだろうと思っていたら、予想通りというか、予想を上回り、取り付き部分には残置のザイルまであった。要所要所にはテープもあり、ルートファインディングと薮こぎの難しさはほとんどなくなったようだ。急登には変わらないし、山頂に近づくにつれて斜度が高まるから、明山の山頂直下の急登を固定ロープに頼らずに登るくらいの難しさはあるのだが。

暫く薮をこぐと中武生方面、北へ下る分岐のテープがある。テープがあるといっても、知っていなければ見落としてしまいそうな風化したテープなのだ。それを過ぎると3mほどの岩があり、山頂だ。

岩は巻けるのだが登ってみることにした。取り付きは安全だし、取り付きに落ちてくる分には危険は低いが、一応岩の右手には崖となっていて露出感が高いどきどきする岩だった。それだけに、なんとか岩のてっぺんに立った時にはその直後山頂に到着したときと同等の達成感を頂いた。

武生側の崖の途中に白い綿毛のような花を咲かせている樹木があった。竜神峡の途中では別の形の白い花があって何かわからないんだよなと思いながらハイキングしていたので、違う種類の白い花に出くわすとうれしい。そしてひと歩きして山頂に到着した。

山頂ではまずブユの出迎えを受けた。あわてて日焼け止め(筆者が思うに最強の虫除けだと思う)を顔に塗ると、出迎えは受けるがそれ以上の接触はなくなりひと安心だ。

できれば亀が淵山側から明山、特に北東尾根を拝ませていただければということを考えての登山だったが、山頂の周りは樹木が囲んでいて、明山方面の見晴らしはあまりよくない。そのかわりではないが、先ほどの綿毛の木や、梅の花のようなこれまた白い花を咲かせる木があり、お花をたっぷり眺めて楽しんだ。

下山間際、山頂の端のほうに「亀ヶ淵山」山名板を発見した。元山名板だったと思しき、字も読めない朽ち板が落ちていたことしか記憶にないので、亀が淵山も人気急上昇中ということなのだろう。

さて下山しよう、人気とは逆に竜神峡へ向けて急降下であるが、その前に登りの際に攀じた岩をどうするか少々迷った。クライムダウンするのはやや気持ちの悪い岩だが、自分がやってきた山行のなかでは、難度はともかく、安全度は高い。練習だということで、クライムダウンすることに決めた。降りるときは足が先行するが、目が遠くなるのでフットホールドの見立てが難しく感じるのはいつものことだが、幸いこの岩のホールドは割りと本体に深く埋め込まれているのでぽろぽろ剥がれ落ちるという怖さがなく、安定して降りることができた。

次いで、先ほど確認した朽ちたテープマークから北への急斜面を下降した。薮はそれほどでもないし、踏み跡も登りのときよりも明瞭だ。但し斜度があり、距離もあるので緊張は続く。安全圏のコルが見えてくると、これで今回は普通のハイキングに戻れると安心した。

これで一安心と思っていたが、最後に若干の紛れがあった。下りは武生側のルートを使い、コルに降りれば亀が淵山の裾を巻いて取り付きに戻れると思っていたからだ。

ところが、コルから亀が淵側に杉林を下っていくとやがて渡渉箇所が出た。渡渉自体は難しくないが、渡渉するということは亀が淵から遠ざかることを意味している。案の定渡渉後はどんどん登りとなり、亀が淵へ向けて下っているとは言いがたい。武生山へ向かっているとしか思えない。

この感覚なにか記憶がある。

やはり奥久慈に入り始めた2012年のシーズン、竜神峡−篭岩山の往復で、復路に三葉峠を使わずその手前の分岐から亀が淵へ降りたとき、今回と同じように、亀が淵から遠ざかるように渡渉させられて道に迷ったかと不安になったのだ。そのときには暫く歩かされた末に武生山と亀が淵の分岐の標識に胸をなでおろしたのだった。果たして、今回も暫くしてこの標識に出会うことができ、安心した。

一回渡渉したということは、亀が淵に戻るためにはもう一度渡渉しなければならない。そちらの渡渉のほうが難しかったのでは、ミドルカットのハイキングシューズでは歩きたくないな、などと考えているうちに渡渉箇所が現れた。よくヤマレコに登場する倒木であろうか?擦り減った倒木が流れを渡っているが、よく見ると少し下流側に楽に通過できる箇所があり、多少靴の外側は濡らしたものの内側は濡らすことなく向こう岸に至ることができた。

しかし最後にもう一箇所難所がある。最後の最後で道が傾いていて、しかも湿ったトラバース気味の踏み跡になっているのだ。冬季でここが凍結していたらさぞかし恐ろしいであろうし、凍結していなくても今回のように湿った箇所に乗ればずり落ちて数メートルしたの竜神川まで滑落することもあるだろう。実際足許を確認した際、湿った箇所は結構滑った。幸い、湿った箇所をよけるようにしていくと。足許は傾斜しているが、足裏全体で立つようにすることで、靴底の摩擦を使って通過することができた。最後の危険地帯を通過し、竜神川によって刻まれた谷の奇観を楽しむゆとりもできた。そしてひと歩きして取り付き地点へ戻ってきた。

あとは新緑の竜神峡を楽しむだけだ。峡谷に特有の奥行き感と目に優しい緑がたまらないが、前回の明山の記録でも書いたとおり、枯死した木が緑の山肌に散見した。どうやらカシの木が集中的にやられているらしい。役所の職員の方にも情報が入っているようで、竜神峡の何箇所かで「カシの木が枯れており、現在原因を調査中です」とのパネルがあった。害虫か、病気か、被害があまり大きくならないことを願うばかりである。

さて、目を楽しませてくれるものは樹木ばかりではない。足許には、スミレをはじめとしてさまざまな草花が春を謳歌している。その中で今回の最大の収穫は、ニホンタンポポとの対面だった。筆者の50年超の人生で、意識してニホンタンポポと出会ったのはこれが初めてではないだろうか。人が増えるダム側になるとセイヨウタンポポばかりになるのはなるほどと思った。

遊歩道に下りてから春の雨が降り始めたが、ハイキングでもともと汗ばんでいる身体にはそれほど気にもならない。ぼんやりと歩きながら足元の草花と奥行きのある新緑の峡谷を交互に楽しみ続けた。

こいのぼりと人(バンジージャンプ)が空に舞う竜神大吊橋を無事通過し、ダムからさらにひと歩きして、県道脇の駐車場に無事戻ってきた。ひと歩きといっても10分足らず。普段車で素通りしているところの景色をじっくり眺められたのは春のいい贈り物だった。

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