悠久のみちから剣ヶ峰を経て早池峰山へ
- GPS
- 07:42
- 距離
- 11.2km
- 登り
- 927m
- 下り
- 689m
コースタイム
- 山行
- 6:03
- 休憩
- 1:39
- 合計
- 7:42
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
登山口から木の博物館の管理区域内はよく整備された遊歩道。 その先、剣ヶ峰までは踏み跡が薄く倒木なども多いため道を見失いかけたことが数回あった。赤テープもあるので不安は無かったが視界が悪い時は注意が必要かも。また前年に刈払が入ったようで笹薮はほとんど気にならなかったが、徳兵衛山と剣ヶ峰の間の区間ではハイマツとシャクナゲの枝との戦いになる。 想像していたよりは歩きやすい道だったが、やっぱり破線ルート。それなりの覚悟は必要だと思う。 |
写真
感想
以前から気になっていた悠久のみちトンネルからの東尾根コースに初めて行ってきました。
木の博物館はきちんと整備されており、様々な木を眺めながら楽しく歩くことができました。
その後も心配していたほど荒れているわけではなく、テープも沢山あったのであまり苦労せずに行くことができました。が、残念だったのは安倍ヶ城を見落としたこと。5合目のプレートも見つけられず、気づいたら徳兵衛山に着いてしまっていました。
徳兵衛山からの眺めは本当に素晴らしかったです。秋にでもまた行ってみたいと思いました。
けむけむさんのお誘いに乗じて、早池峰山東尾根の縦走に行ってきました。
以前から気になっていたものの登山口が辺鄙なところにあり、なかなか実行できなかったコースなので渡りに船といったところです。
事前に少し調べたところでは、距離は長いが良いコースとの下馬評。ところが当日、けむけむさんから「酷いヤブだった」というレポートがあったとかいろいろ聞かされて一気に不安になりました(笑
登山口の「悠久のみちトンネル」は近年開削された大規模林道の途中にあります。小田越からは車でおよそ30分。25kmほどの道のりになるようです。このトンネルの北側出口付近が登山口になっており、木の博物館の看板が目印になります。
登山口から暫くの間は「木の博物館」として整備されている区間を歩くことになります。この区間は登山道というよりは遊歩道といった趣で、ほとんど勾配もない平坦な道です。準備運動にちょうどいいですな。
景色としてはひたすら樹林帯ですが、ダケカンバやブナといった広葉樹の森から始まり、それに少しずつ針葉樹の木々が混じり合う…といった変化があります。イチイという比較的珍しい木があるのがここの特徴らしいです。
花の姿はあまり見かけませんでした。登山口で大量のフデリンドウに出迎えられたので期待が大きかったのですが。
ランドマークにもなっているイチイの巨木を過ぎると登山道は次第に細っていきます。このあたりまでが「木の博物館」ということなのでしょう。頼りなく見える薄い踏み跡が本来の登山道ということですね。
放置された倒木、両側から覆いかぶさってくる笹薮、沢なのか道なのか判然としない地面の割れ目…一気に野性味を感じられる道になってきました。安倍ヶ城に向けて斜度もキツくなってくるのでペースがガクッと落ちます。
ただ思っていたよりは整備の手が入っていました。笹薮が濃い場所には刈払の跡もありましたし、赤テープも必要十分なくらいには設置されていて道探しの手助けになってくれました。倒木の前後などで道が不明瞭になっていることが多いので用心しながら進みます。とりあえず天気が良い日に限って言えば道迷いの心配も殆ど無いのではないでしょうか。
やがて樹木の背丈が低くなり、我々もポッカリと青空の中へ頭を出します。見ると眼前に徳兵衛山が見えてきていました。どうも五合目にあたる安倍ヶ城の位置を特定できないまま徳兵衛山についてしまったようです。あっれ〜??? 話によるとプレートが有ったはずなのですが見逃してしまったようです。
徳兵衛山からの眺めは圧巻です。キレイな三角錐を描いた剣ヶ峰が眼前に大きくそびえ立ちます。考えて見れば早池峰山を東側から眺めることって今までほとんど無かったので新鮮な情景。こんな形の良い山を眼の前にすると俄然登高意欲が湧いてくるというものです。
また周囲を見回すと右手には芒洋と広がる北上山地の山々が、左手には日本の故郷遠野盆地が、さらに振り返ると今日歩いてきた長大な尾根と深い森が遮るもの無く広がっていて絶好の展望台になっていました。ここは県内でも屈指の展望地だと思います。アクセスがよくないため到達難易度は高めですが、一度は行ってみて損は無いかと。
そしてこのあたりから早池峰山の花の姿も見られるようになってきます。メインの登山道で見ることのできる花と種類は変わらないようですが混み合う小田越コースや山頂周辺に比べて、ゆっくりと観察したり撮影したりできます。もちろん女性陣のテンションは爆上がり(笑
さて、ここから剣ヶ峰によじ登り早池峰本峰に向かうわけですが、実はこの先が本日の核心部でした。樹林帯を抜けて、もう倒木や笹薮に悩まされるようなことも無かろうと油断したのが間違いでした。
まず矮化した背の低い気は視界を遮り、よく日の当たる林床は下草が生い茂り踏み跡が薄くなり、ハイマツやシャクナゲの枝が容赦なく顔面を叩き…とまぁこんな道です。登るほどに傾斜もキツくなり重力と枝に邪魔されて体を前に進めるのにエラい力が必要になります。ハイマツと押しくら饅頭してる気分でした。下りならば重力を味方につけられるので大したことはないのかもしれませんが、ここの登りはヤバいです。
しかしその苦労の甲斐あって、たどり着いた剣ヶ峰からの眺めは格別でした。ここまでは早池峰山側からピストンで訪れる人も多いですが、長い東尾根を縦走してきて眺める景色はひと味違った感慨をもたらしてくれます。
剣ヶ峰からは早池峰山頂の避難小屋の赤い屋根が見えていました。思ったよりも近く見えます。早池峰側から剣ヶ峰を見ると、もう少し遠くにあるように見えるのですが目標物がはっきりしている分近く見えるのかもしれませんね。また南側には薬師岳が見えてきていて普段小田越のコースから見る景色に近くなってきました。こんなところからも山頂が近くなったのを実感できます。
剣ヶ峰から早池峰本峰の間はまさに剣の刃先を渡る感じの尾根歩き。登山道は破線から実線に変わっているので歩きやすく特段の危険は感じませんが、横風が強い時は遠慮したいかな。とにかく眺めがよく爽快な縦走路です。早池峰山の登山道の中では異色のエリアかもしれません。
ゴツゴツとした岩場が出てきて見慣れた早池峰の風景になってくると、間もなく剣ヶ峰分岐に到着。小田越から登ってくる道と合流となります。此処から先は何度も歩いた勝手知ったる道ですね。一週間前にも来ましたが残雪の量が少なくなっていて歩いている人の数が増えました。
初めての東尾根縦走を終えた達成感を噛み締めつつ山頂で長々と休憩。帰路は小田越コースを下ります。これがねぇ、花を見い見い歩くもんだから進まないのなんの。下りで2時間かかりました。自己最高記録だな(笑
というわけで初めての東尾根縦走でしたが、天気に恵まれたこともありとても充実した楽しい山行となりました。けむけむさん、お誘いいただきありがとうございました。前情報では藪だのなんだのと不安要素もありましたが、思っていたほどではなくむしろ長い縦走路に変化をもたらすアクセントだったかな…と思えるのは晴れていたからでしょうねぇ。これがガスガスで草木が露で濡れていたりしたら頭からずぶ濡れになって不快なことこの上なかったでしょうし。晴れてこその東尾根縦走でした。
また機会があったら行きたいですね。
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