念願叶いピンクの絨毯、九重山・平治岳―そしてますますミヤマキリシマ熱高まる



- GPS
- 06:55
- 距離
- 10.2km
- 登り
- 869m
- 下り
- 859m
コースタイム
天候 | 晴ときどき曇 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
(レンタカー移動) (宝泉寺温泉泊) |
写真
感想
昨日九州入りをしたのだが、今日はメインとなる九重山の登山だ。
ここ5年ほど毎年ミヤマキリシマ見に九州の山に来ている。
去年は偶然にも雲仙普賢岳・国見岳で、ミヤマキリシマに染まる光景を見られたのだが↓、
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1472068.html
それを見たからこそますますミヤマキリシマに染まる九重山を見たくなった。
2年前にはもう咲いているかなと期待して5月の最終週に九重山の大船山を歩いたが↓、
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-1153140.html
まだ咲いていなかったので、今年は梅雨にかぶるかもしれないリスクを取りながらこの週末に計画した。
結局昨日は弱い前線の通過で雨が降り、そして明日は梅雨前線が北上してきて完全に雨の予報だが、今日は運がいいことに晴ときどき曇の予報。
泊まった長湯温泉で朝、露天風呂に入っていると気持ちのよい青空に巻雲がなびいていた。
九重山の中でもミヤマキリシマの群落で有名なのは大船山と平治岳なので今回はその2山を中心に歩くつもりで、その2山に一番近い男池登山口を選択。
過去には牧ノ戸登山口や長者原登山口から登ったこともあり、そちらからもかなり魅力的なのだが、そこから大船山と平治岳を歩くとなると長丁場になるので、その場合は九重山中の法華院温泉に泊まる方がよさそうだ。
今回は前々からラムネ温泉として有名な長湯温泉に泊まってみたいとちょっとよくばってしまったので、男池登山口からにした。
長湯温泉から男池登山口までは車で30分ほどで着けるのだが、朝Googleマップで交通情報を見ると、男池登山口周辺の道路が混雑を示す赤色に。
これは車が止められないかもしれないと焦りつつ男池登山口へ向かったのだが、到着してみると果たして大きな駐車場もその周辺の道路も車でいっぱいだ。
やはりミヤマキリシマのシーズン中の週末、もっと早く出発するべきだった。
なんとか車を停められるスペースを見つけることはできたが、今回充分長湯温泉も堪能できたことだし、次回はもっと九重山に近いところに泊まろうと思った。
男池湧水群はそれだけでも見どころになっていて、登山口の入口で環境整備の協力金100円を払って入る。
登山口に踏み込むと、新緑に透かされた緑色の光に満ちた気持ちのよい登山道である。
車の数の割に登山道は空いているなと思っていたのだが、途中傾斜がきつくなってくるととたんに登山道の渋滞に巻き込まれる。
抜かしてどうこうなる人数でもないので、団体さんの後に付いてゆっくりと登ることにする。
相変わらず周囲は緑の光に包まれているし、岩はびっしりと苔むしていてゆったりとした時間が流れていく。
いきなり平らな場所に出たと思うとそこがソババッケだった。
なんとも面白い名前だが、由来はいろいろ説があるようだ。
周囲からの土砂がたまる場所のようで、湿地になっておりこれまた気分のいい場所だ。
そして再び登り。
大戸越に近づくにつれて、登る人も増え、そして下ってくる人も増え、確かにあれだけの車で入山しているのだからこうもなるだろうというような混雑具合となる。
登山道の渋滞で思ったよりも時間がかかる。
でも、大戸越へ行けば目の前に平治岳があると思うと心弾む。
そして周囲が灌木となり、いよいよ大戸越へ到着。
目の前に平治岳…の前に、目の前に人、人、人…が先だったが、右手を振り仰げば今まで見たい見たいと思っていたミヤマキリシマに染まる平治岳がそこにあった。
ミヤマキリシマに染まる九重山を見たければ、やっぱり6月まで待たなければならなかったのだ。
ピストンではつまらないので大戸越から大船山を経て風穴へ下る周回ルートを取るつもりでいて、時間的に厳しければ平治岳には登らなくていいかなと思っていたのだが、斜面をピンク色に染める平治岳を目の前にして登らないという選択肢はなかった。
平治岳はさすがに登りと下りとを登山口を分けていたのだが、それでも登りの途中から登山道は渋滞し、まったく動かなくなってしまった。
でも、周囲がミヤマキリシマの花に囲まれた夢のような景色でずっとここにいたいので、動かなくてもまったく気にならない。
なんとか山頂部に踏み込むと、思っていたよりも平治岳の山頂部は広く、火口壁を取り巻くように一面のピンクの絨毯が広がっていた。
ミヤマキリシマの株の間を縫うように登山道になっていて、そこに大勢人がいるので行きたい場所に向かうのにも一苦労という状況だが、それでもなぜここにこんなに人が集まるのかというのを説明する必要がないほどの美しさだ。
山頂部に密生するミヤマキリシマは一定の樹高で抑えられていて、そしてそれらの間に絶妙な配置で岩が突出している。
きっと日本庭園というのはこの自然の景観をどうにかして再現したいという気持ちから生まれたのだろうと思う。
山頂から西に延びる尾根はミヤマキリシマのピンク色の道となっていて、引き込まれるようにしてそちらに進むと、目の前に坊ガツルを見下ろす気持ちのいい場所に出た。
そこが本当に一面ピンク色になっていて、本当に念願叶ったなあと思った。
結局平治岳は大混雑で登るのに時間がかかり、山頂でもゆっくりしたので大船山へ行く時間はなくなってしまった。
帰りは、男池湧水群を見てから、名水の滝方面へ。
男池湧水群は、今まで見た忍野八海や柿田川湧水群、そして阿蘇の白川水源と比べても引けを取らないどころか、一番ではないかと思えるほど深い青色を湛えた神秘的な湧水だった。
おそらく、深さがあるので青色がよけいに際立って見えているのだろう。
水質検査の報告書も掲示されているので安心してそのまま飲むことができる。
白川水源をはじめ阿蘇の湧水は本当にきれいなのだ。
男池から名水の滝までも気持ちのよい散策路なのだが、ここは今までの混雑は嘘だったかというほど人がいなかった。
名前は知っていたが初めて見るオヒョウ(ニレ科)がたくさんあった。
翌日も天気がよければまた九重山を登りたかったのだが、完全な雨だったのでこれも前から興味のあった臼杵石仏を見に行くことにした。
念願叶ってミヤマキリシマに染まる九重山を見ることができたのだが、それでも今度は大船山のミヤマキリシマも見たいし、大船山からピンク色に染まる平治岳も見てみたい。
また絶対に来年もミヤマキリシマの時期に九重山に来るぞと、ミヤマキリシマ熱は全く冷めていない。
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