ミヤマキリシマに染まる直前の九重山、マイヅルソウを吹き抜ける風



- GPS
- 12:45
- 距離
- 26.2km
- 登り
- 1,840m
- 下り
- 1,825m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2017年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
飛行機
レンタカー 長者原駐車場 レンタカー (長者原温泉泊) レンタカー 牧ノ戸峠駐車場 レンタカー 大分空港19:20(JAL674) 羽田空港20:50 |
写真
感想
今回の九重山登山の目的はミヤマキリシマで山肌がピンク色になるという平治岳・大船山へ行くことである。
平治岳・大船山は九重連山の中でも東側に寄っているので主要登山口となる長者原や牧ノ戸峠ではなく北側から入った方が近いようなのだが、せっかくなので坊ガツルにも行きたいし、周回ルートをとるとすると長者原から入った方が結局は便利そうだった。
2年前に来たときは牧ノ戸峠から登ったのだが(↓)、長者原からは歩き始めてすぐにタデ原湿原歩きを楽しめる。
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-647437.html
この湿原を周回するコースもあるようでここを歩くだけでもかなり気持ちがいい。
牧ノ戸峠から登った時のイメージからすると、けっこうすぐに火山らしい裸地が続くのかと思っていたが、タデ原湿原を過ぎ登山口からも新緑の気持ちのいい樹林帯が続く。
樹林帯を気持ちよく高度を上げて行くと、ひょっこりと雨池に飛び出て、ここも目の前に九重連山を眺めながら歩ける気持ちのいい場所だった。
そしてまた樹林帯へ入り、次に飛び出たのは坊ガツルだ。
なんとなく火山の荒々しい平地なのかなと思っていたのだが、緑生い茂るとても爽快な場所だった。
周囲を九重連山に囲まれた秘密の草原といった趣だ。
中部地方だと美ヶ原や霧ヶ峰といった熔岩台地の広々とした高原があるが、九州地方では坊ガツルがその代表になるのかもしれない。
「坊がつる賛歌」として讃えられるだけのことはある。
そしてすぐ隣には法華院温泉もあり、ぜひまたここに泊まりに来たいと思う場所だった。
唯一残念だったのが目の前の平治岳・大船山が全然ピンク色に染まっていなかったことだ。
山肌が全体的に黄色〜茶色になっている場所があり、そこがミヤマキリシマの茶色い苞に包まれた蕾の箇所らしい。
やはり6月に入らないとダメなんだなと思う。
全体的にピンク色に染まっていたら平治岳と大船山両方を登ろうと思っていたのだが、大船山だけ登ることにする。
大船山に登る途中にはミヤマキリシマがところどころ咲いていたが、やはり平治岳や米窪の火山らしい独特のきれいな形をした火口の縁ところがピンク色に染まるのを見にまた来なければならないなと思った。
3年前、高千穂峰で御鉢がミヤマキリシマできれいに染まっているのを見て(↓)
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-455315.html
かなり満足してしまいなかなか高千穂峰に再訪する気持ちにならないことからしても、見られなかった方がまたすぐに再訪したいという気分が高まるのでかえってよかったかもしれない。
その時は坊ガツルか法華院温泉に泊まることにしよう。
帰りは法華院温泉からすがもり峠(諏蛾守越)経由で長者原に戻る。
ちょうど三俣山を周回するルートとなった。
すがもり峠まで上がると火山らしい荒涼とした風景が広がり、雨池側とは違った雰囲気だ。
西に傾き始めた陽射しが当たる中、火山の風景の中を歩いているとなんだか海外だか異星だか分からないが、どこか遠くの不思議な世界の中にいるような気分になる。
最後、林道のところをショートカットして下りていくところはミヤマキリシマもだいぶ咲いてきていて、長者原に向かってまっすぐ飛んでいくように気持ちよく下れた。
この日は長者原温泉にあるトライアル温泉郷虎乃湯に泊まる。
九重連山に囲まれた中に泊まれるコテージで周囲が街ではないので星空もきれいでいい施設だった。
そういえば大学生の時、長野県に暮らしたくて軽井沢の星野リゾートの入社試験を受けたことがあったが、まだ星野旅館の古い建物があり、それをこれから建て替えるという時だった。
その時は星野リゾートが今みたいな高級路線になるとは露ほども思わず、自然の中にコテージがあるようなこんな感じになるんだろうなと想像していたが、ここはその想像していたような施設だった。
翌日はせっかく九重連山の中に泊まったのだからと、牧ノ戸峠から九重山最高峰の中岳へ登ることにする。
そこから見る御池もきれいだろうし、前日に歩いた坊ガツルや平治岳・大船山を眺めることができるからだ。
沓掛山あたりは2年前の印象どおりアセビの新緑で黄色〜オレンジ色に輝いていて本当にきれいだ。
2年前は雨が降っていてしっとりと輝いていたが、今回は快晴で強い陽射しにキラキラと輝いている。
長者原に比べると牧ノ戸峠からの方がメジャーな登山ルートなのか外国人観光客も多く賑わっている。
それでも中岳や久住山を最短で結ぶメジャールートを外れるとまったく人のいない部分もあり、九重連山の懐の深さを実感できた。
中岳から眺めると大船山から立中山の稜線がピンク色に染まっていた。
今度来るときは坊ガツルか法華院温泉に泊まればあのあたりも含めて歩けるだろうなと思った。
ミヤマキリシマの開花時期はどうしても梅雨入りと被るので、九重山に数泊するつもりで来ないとダメだろう。
今回これだけの快晴の中展望は思う存分楽しめたので、今度は霧で霞んでいてもいいからミヤマキリシマに染まる山肌を見てみたいものだと思う。
中岳からの帰りは御池を周回するようにメジャールートを少し外れた無名ピークを経由してみた。
団体客で賑わっていた中岳の山頂が嘘のように、音のない世界が広がる。
そしてそのピーク部分をびっしりと覆うマイヅルソウを揺らして、強く爽やかな風が吹き抜けていった。
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