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Yamareco

記録ID: 188604
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
白馬・鹿島槍・五竜

鹿島槍ヶ岳・爺ヶ岳

2012年05月05日(土) 〜 2012年05月06日(日)
 - 拍手
GPS
32:06
距離
17.4km
登り
2,317m
下り
2,297m

コースタイム

●05/05
05:12柏原新道登山口〜06:07南尾根分岐06:07〜08:58ジャンクションピーク09:03〜10:57爺ヶ岳(南峰)11:02〜12:17冷乗越12:17〜12:35冷池山荘(幕営・昼食)14:12〜15:11布引岳15:11〜15:59鹿島槍ヶ岳(南峰)16:08〜16:29布引岳16:29〜17:04冷池山荘

●05/06
07:32冷池山荘〜07:45冷乗越07:45〜08:57爺ヶ岳(南峰)08:57〜10:27ジャンクションピーク10:37〜12:37南尾根分岐12:37〜13:18柏原新道登山口
天候 5月5日:曇り→晴れ→雹/雪→曇り
5月6日:曇り時々晴→雹/雪→雨
2日間とも稜線上は強風(15〜25m程度)
過去天気図(気象庁) 2012年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
登山口前(7〜8台程度)/橋を渡った先に駐車場(20台程度)ともに無料
5日5:00前に到着した時点で駐車場の空きスペースは残り1台のみでギリギリ滑り込みセーフ。
コース状況/
危険箇所等
【登山ポスト】
柏原新道登山口にあり。

【コース状況】
アイゼンは下りの爺ヶ岳取り付き部〜ジャンクションピーク間のみで使用。
ピッケルは冷池山荘〜鹿島槍で念のため持っていきましたが必要ありませんでした。

●柏原新道入口〜南尾根分岐
雪はほとんど消えていて、ほぼ夏道を歩く。斜度は適度にあるが歩きやすい。
久しぶりのテント泊装備がずっしり重い。意識的にゆっくり歩くように心がける。
八ツ見ベンチを過ぎると「南尾根冬山ルート入口」という黄色い看板があり、
ここから柏原新道と南尾根に分かれる。

●南尾根分岐〜ジャンクションピーク
ジャンクションピークまで尾根通し。
一般登山道ではないので踏み跡は薄いが、赤布がそこそこ頻繁にあり、
尾根筋を外すこと無く忠実に直登すれば迷うことはないと思います。
雪はあるところとないところがはっきり分かれていて、
雪があるところはこの時期かなり滑りやすい雪質になっているので注意が必要。
道自体は難しくないが、転んで滑ったら滑落してしまいそうな場所が3〜4箇所あり。
雪がないところは木の根が剥き出しになっていて、
帰路は大雨・強風・落雷と三拍子揃った中での道中となり、
とても滑りやすくなっていてかなり難儀をした。登りと同じくらいの時間を要したと思う。
ジャンクションピーク手前から視界が一気に開ける。
登山道も完全な雪道に。

●ジャンクションピーク〜爺ヶ岳(南峰)
急登が続く。雪がかなり腐っていて、一歩ずつステップをつくりながら登って行く。
急登を登り詰めると平坦な雪田が広がり、爺ヶ岳の姿がズドーンと目の前に現れる。
その後も雪田が棚田のようになっていて、急斜面と平坦な雪田を進む。
爺ヶ岳への最後の取り付きからは雪が無くなり、ハイマツ帯にガレ場の完全な夏道となる。
そして頂上直下から再び雪が付く。この辺りから強風が吹き荒れ始める。

●爺ヶ岳(南峰)〜冷池山荘
爺ヶ岳(南峰)から冷乗越までは緩やかな下り。冷乗越を少し過ぎたところから冷池山荘までは登り返し。
爺ヶ岳の中峰を過ぎてから冷乗越までは雪は消えている。
ニュースになっていた女性の遺体がヘリコプターで運ばれる現場に遭遇。
帰路は雹と雪が吹きすさぶ真冬の世界に逆戻り。
中峰と南峰ので雷鳥を発見。冬毛と夏毛がちょうど半々くらいだった。

●冷池山荘〜鹿島槍ヶ岳(南峰)
冷池山荘に到着後、テント設営&昼食をとると14:00を過ぎてしまっていたが、
翌日は天気が崩れる可能性が高かったため、片手ピッケル&片手ストックと
サブサックにヘッドランプとアイゼンのみを入れて鹿島槍ヶ岳に向かう。
冷池山荘からしばらくは棚田のような雪田の中を進んで行く。
布引岳の取り付きから鹿島槍までは雪はなくなりハイマツ帯にガレ場の九十九折の夏道に。
鹿島槍山頂直下から再び雪道。西側からの強風に煽られながら山頂に到着。
風は強いときは20m以上はあったと思う。時おり耐風姿勢をとらなければならない時も。
山頂では強風のため写真だけ撮って下山しようとした瞬間、雹が降り始める。
アウターシェルのフードを被っても隙間をぬって強風に乗った雹が顔に当たって痛い。


【温泉】
大町市コミュニティーセンター上原(わっぱら)の湯(400円)
とにかくびしょ濡れだったので一番近くの温泉に駆け込んだ。
柏原新道はところどころ雪が残っていたが、ほぼ夏道が露出していた。
柏原新道はところどころ雪が残っていたが、ほぼ夏道が露出していた。
南尾根から大町方面を望む。
南尾根から大町方面を望む。
登り始めは少しポツポツしていたがようやく光りが射し始めた。
登り始めは少しポツポツしていたがようやく光りが射し始めた。
もう少しで視界が開ける。
もう少しで視界が開ける。
青空も顔を覗かせるように。
青空も顔を覗かせるように。
稜線に出た!と同時に眩しい。
稜線に出た!と同時に眩しい。
紫外線対策も怠らない。
紫外線対策も怠らない。
青と白のコントラストが楽しめるくらい天気が回復。
青と白のコントラストが楽しめるくらい天気が回復。
後から見るとけっこうな高度感。
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後から見るとけっこうな高度感。
奥に大天井と常念も見える。
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奥に大天井と常念も見える。
腐った雪の急登を一歩ずつステップをつくりながら進む。
腐った雪の急登を一歩ずつステップをつくりながら進む。
この道を歩けるのも時間の問題。
この道を歩けるのも時間の問題。
腐り雪の急登が続くが、青空が見えているのでご機嫌。
腐り雪の急登が続くが、青空が見えているのでご機嫌。
雲はみるみる西から東に流れていく。山頂付近は相当な強風。
雲はみるみる西から東に流れていく。山頂付近は相当な強風。
爺ヶ岳が姿を現した1
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爺ヶ岳が姿を現した1
爺ヶ岳が姿を現した2
爺ヶ岳が姿を現した2
ジャンクションピーク到着。ここでテントを張る人も多い。
ジャンクションピーク到着。ここでテントを張る人も多い。
爺ヶ岳まではまだまだ遠い。
爺ヶ岳まではまだまだ遠い。
後ろからはもうガスがそこまで迫って来ている。
後ろからはもうガスがそこまで迫って来ている。
針ノ木岳は残念ながら雲の中。
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針ノ木岳は残念ながら雲の中。
爺ヶ岳へのアプローチは完全に夏道。
爺ヶ岳へのアプローチは完全に夏道。
種池山荘の奥に雲に隠れた劔岳。
種池山荘の奥に雲に隠れた劔岳。
ここからが意外と長い。
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ここからが意外と長い。
ようやく爺ヶ岳(南峰)山頂到着。
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ようやく爺ヶ岳(南峰)山頂到着。
南峰から中峰・北峰を望む。
南峰から中峰・北峰を望む。
強風が吹きつける中、中峰、北峰を経由して冷池山荘に向かう。
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強風が吹きつける中、中峰、北峰を経由して冷池山荘に向かう。
鹿島槍は雲の中だが、もう少しでアタマを出しそう。
鹿島槍は雲の中だが、もう少しでアタマを出しそう。
ヘリコプター
絶景1。棒小屋沢から剱沢。
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絶景1。棒小屋沢から剱沢。
絶景2。剱岳と立山の山頂が見えていたら言うことなしだった。
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絶景2。剱岳と立山の山頂が見えていたら言うことなしだった。
振り返ると爺ヶ岳。
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振り返ると爺ヶ岳。
雪があるところとないところがくっきりと分かれている。
雪があるところとないところがくっきりと分かれている。
鹿島槍が姿を現した。とてもカッコいい。
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鹿島槍が姿を現した。とてもカッコいい。
妙高、戸隠、黒姫方面。
妙高、戸隠、黒姫方面。
鹿島槍を見ながらゆるやかな下り道を歩く。
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鹿島槍を見ながらゆるやかな下り道を歩く。
鹿島槍のカッコよさに同じような写真を何度も撮ってしまう。
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鹿島槍のカッコよさに同じような写真を何度も撮ってしまう。
冷乗越、冷池山荘、鹿島槍と続く稜線。
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冷乗越、冷池山荘、鹿島槍と続く稜線。
冷乗越の道標。後ろに雲で隠れた立山と剱。
冷乗越の道標。後ろに雲で隠れた立山と剱。
冷乗越から冷池山荘と鹿島槍。
冷乗越から冷池山荘と鹿島槍。
雪田布引岳その奥に光る鹿島槍。
雪田布引岳その奥に光る鹿島槍。
布引岳山頂。
あと少し。
鹿島槍南峰までの最後の登り。
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鹿島槍南峰までの最後の登り。
鹿島槍ヶ岳(南峰)山頂。
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鹿島槍ヶ岳(南峰)山頂。
山頂から歩いてきた布引岳、爺ヶ岳を望む。
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山頂から歩いてきた布引岳、爺ヶ岳を望む。
剱・立山は手が届きそうなガスで覆われる。
剱・立山は手が届きそうなガスで覆われる。
南峰から北峰を望む1
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南峰から北峰を望む1
南峰から北峰を望む2
南峰から北峰を望む2
大きい頂上標は、ここ数日の悪天を象徴していた。
大きい頂上標は、ここ数日の悪天を象徴していた。
下山しようとした瞬間、雹が降り始める。
下山しようとした瞬間、雹が降り始める。
棚田のような雪田を下る。
棚田のような雪田を下る。
6日の朝方は太陽も出ていた。
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6日の朝方は太陽も出ていた。
さようなら、鹿島槍ヶ岳。
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さようなら、鹿島槍ヶ岳。
さて下山。
大町街道の美麻近辺では桜が咲き誇っていた。
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大町街道の美麻近辺では桜が咲き誇っていた。

感想

●今シーズン最後の雪山となりそうなので、テント泊で鹿島槍ヶ岳を目指す。
●当初は5月4日からの入山予定だったが天気が悪そうだったので一日ずらすことに。
●爺ヶ岳から冷池山荘に向かう途中で、遭難した女性の遺体の回収現場に遭遇。
●このGW後半は北アルプスで10名以上が遭難死しているが、
遺体回収の現場に居合わせたことによって、その夜はテントの中でいろいろと考えさせられた。
●生きて戻れるかそうでないかは本当に紙一重で、簡単にあちら側にもこちら側に転ぶこと。
●夜中は時おり強風がテント襲い、その音で目が覚める。
●少し重かったがフライではなく冬用の外張りを持ってきて正解だった。
●6日は朝方、テントを撤収している時は太陽も見えていたが、爺ヶ岳へ戻る途中から雹混じりの吹雪に。
風も前日に負けないくらいの強風。爺ヶ岳過ぎ高度を下げるにつれて、雪からみぞれ、
そして南尾根の樹林帯に入るころには雨に変わる。雷も鳴り始め、暴風雨に。
●上下ゴアテックスのアウターシェルを着ていたが、ここまでの豪雨だと中まで濡れた。
●南尾根は木の根と枝の張り出しが多く特に帰路は暴風雨だったこともあり、無事下山できたときはホッとした。

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コメント

お疲れさまでした
はじめまして、kanosukeと申します。

南峰山頂でお会いしてますが覚えてらっしゃいますか?
オレンジのアウターを着た、単独の男です。

私も冷池山荘泊まりで鹿島の予定がある事情で日帰りにしたのですが予定通りでもたぶんあの天候と翌日の予報ではたぶん引き返したと思います。
danyama,komemameさんたちはあの強風の稜線を鹿島槍まで
頑張られたんですね(拍手)しかもテント泊(拍手)

翌日も悪天の中ご無事に下山されて何よりです。(拍手)
2012/5/9 16:38
Re: お疲れさまでした
>kanosukeさん

こんばんは、komemameです。
もちろんkanosukeさんのこと覚えています♪
あのときは、どうもありがとうございました。

特に2日目はほんとうに大変な天候で、
登山口に無事に帰ってこれたときは、
ちょっと気が抜けてしまった感じでした・・・

でも、今回はある意味いろんな経験をして、
私にとって、とても勉強になる山行だったと思ってます!
2012/5/9 21:35
プロフィール画像
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