松木沢から皇海山へ(国境平泊)


- GPS
- 21:07
- 距離
- 28.2km
- 登り
- 2,816m
- 下り
- 2,810m
コースタイム
- 山行
- 7:11
- 休憩
- 0:03
- 合計
- 7:14
- 山行
- 12:53
- 休憩
- 0:44
- 合計
- 13:37
天候 | 雨⇒暴風雨⇒雨⇒晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
読図をしっかりして、踏み跡を追いかけて行けば迷う事は無いが、 中倉山からは一般道が良いかも。 |
その他周辺情報 | 温泉:国民宿舎 かじか荘(20時までに出ればいい) →800円するが、泉質はものすごく良い。 ファミマは、水沼の手前もしくは清滝にありこの2つが最近。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘッドランプ
予備電池
1/25000地形図
地図
コンパス
笛
筆記具
保険証
飲料(テルモス)3立以上
ティッシュ
食料
タオル
携帯電話
計画書
雨具
防寒着
沢靴 or 沢タビ
沢スパッツ
水筒(テルモス)
時計
非常食
行動食2日分
ヘルメット
ハーネス
カラビナ少々
スリング少々
ATC
アルパインヌンチャク少々
着替え
登山靴
ツェルト
ガスヘッド
ガスカートリッジ
コッヘル
ストック
マット
シェラフ
シェラフカバー
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
靴下
帽子
レジャーシート
|
---|---|
共同装備 |
【CS】ロープ
着火剤
ノコギリ
ブルーシート【YS】ロープw30
火バサミ
蚊取り線香
米炊き用鍋
湯沸かし用鍋
|
感想
穂高のバリエーションルートに行こうと計画を立てておりましたが、天気が芳しく無くて、沢なら大丈夫じゃないか?
という事で、水量の少なく、稜線も歩ける松木沢から国境平を経て皇海山に行き、鋸山を通って庚申山を通り、松木沢に戻る
周遊コースを提案し、行って来ました。
松木沢は、冬期のアイスにウメコバ沢に行っただけで初の夏。渡渉の際には、まさに薄氷を踏む思いで渡渉をした思い出があり、
水量が少ない沢であることは判っていました。
昼前位から夜まで暴風雨になる予定です。早めに国境平についてビバークをしたい所です。
雨の中、銅親水公園(あかがねと読む)に車を置いていざ出発。
日本のグランドキャニオンと呼ばれている松木沢。 足尾銅山鉱毒事件で有名な足尾ですが、現在もなお、人を容易に受入れない環境になっております。
とはいえ、野生動物には優しい環境。 シカが至る所でのんびりと暮らしていたり、山中では、イノシシも走っていたりととても一時期は人間の身勝手な破壊行為で
手痛いダメージを受けたこの地ですが、今はとても素晴らしい場所に生まれ変わろうとしております。
松木集落を過ぎると、林道は無くなり踏み跡のみになります。と同時に、左岸側からは大量の落石があり、通行に難儀します。
右岸側には切り立った岩壁が広がり圧倒的な景色が広がります。しばらくは、景色を楽しむ事が出来ます。足尾のジャンダルムも威風堂々と屹立しております。
ウメコバ沢出合手前からは、道も無くなり河原歩きとなります。
ウメコバ沢から先は初めて歩く場所となりとてもワクワクします。
皆様の記録でも有名なショベルカーのモニュメントを望むと正面に、松木沢六号ダムが見えます。
左岸にロープがあり、それを使って登っていきます。
堰堤を越えると河原歩きから沢歩きになります。 といってもそんなに本格的な沢で無く、初心者でも普通に歩いて行けると思います。
ただ、沢床はとても滑っているので、歩く際には、転倒に注意です。また、渡渉も沢山ありますので、なるべく渡渉の少ないルート取りなども必要になります。
1か所、釜の深い滝っぽい所がありますが、ここは左岸手前から高巻きます。結構高巻くのですが、慎重にルーファイをすれば、簡単に沢床に戻ることが出来ます。
大きな梅干しのような岩が転がる所を越えるとニゴリ沢出合となります。
右岸の岩にニゴリ沢出合のペイントがあり、左岸側には丁度良い休憩地になっているので、見逃すことは無いかと思います。
左岸の休憩地にも同じようにペイントがあります。また、ここから、黄色と赤の◆のマークが出てきます。
20分程渓中ではなく、林道を歩いて行くと、左岸に、モミジ尾根の取付きが見えます。ここからはしばらくは急登になります。
取付き付近にはロープガイドが張ってあるので、こちらも見落とすことは無いかと思います。短いつづら折りを続けて高度を稼ぎます。
一服すると尾根歩きと変わります。踏み跡が薄くついており、◆マークが所々ありますので、慎重に拾って登って行きます。
そうこうするうちに目の前に広間が広がります。県境尾根との出合の所には、黄色の皇海山の看板があります。
この頃になると雨も大分強くなってきて、風がゴーゴーいいだしてきました。
稜線上は芝が生えて良いテン場にはなっているのですが、今日は風の影響をもろに受けるので、尾根から少し下った笹薮の中に適地を見つけてタープを張ります。
今回は、ブルーシートを利用してタープ泊です。
タープの下にツエルトを張ってこれで、雨風をしのぎます。今回パートナのツエルトはファイントラックのツエルト。噂に名高いファイントラックのツエルトですが、
これが細かい所に気が効いておりとても使いやすくしかも密閉度も高く暖かく快適に過ごすことが出来ました!
思わずマイアイテムに登録したくなる一品です!。自分は初のツエルト泊でしかも下が空いていることもあり、隙間風がピューピューと。息が白い!何て言われながらです。(笑)
大事な水場は、県境尾根から群馬県側に150m程下ると沢地形が出てきてその沢筋から水をくむことが出来ます。
大きな水袋には一杯に入れる事が難しいので、小さなコップなどを使って汲むと良いでしょう。
今回は荒天が予想できたのでガス玉も2玉。ガスヘッドも個装にして暖を取り、洋服などを乾かしながら過ごしました。
雨は一向に止むことは無く、風もおさまったり吹いたりと結局一晩中暴風雨の中でした。
翌日は3時起床5時出発。 ラーメンをすすり、前の晩に大量に作ったスープで腹を満たし、いざ皇海山に出発です。
食料も大量に消費をし、ビール500mlなども飲んでだいぶ荷物は軽くなった気になっていたのですが、とにかくすべてのものが濡れていたので、全然荷物も軽くならず、寧ろ
前日よりも重いのではないかという状況です(笑)
目指す皇海山は、2144m 現在の場所は1600m弱 と約600m程登ります。
快適な尾根道に細く着いた登山道と◆マークを拾いながら高度を上げていきますが、いやいや これがなかなかどうして。という急登でなかなかペースが上がりません。
1950m辺りからは藪が出てきて目のまえが見えなくなる位の藪道を藪漕ぎをしながら進みます。
これで2週連続です…(笑)
藪をぱっと抜けると少し平坦地になり、標柱が目に入ります!
やったー!と 同時にじみー。地味。ジミーだなあ…と(笑)
噂通りの地味さ加減です。(それでも自分の中ではガッカリ山頂の5位位かな?)
風もかなり強いので、写真を撮り、健闘を讃えあい風の無い所に移動をして一本立てます。
ここからはしばらく下りになります。 1860mまで200m位落とすと群馬県側からの登山道と出合います。
ここから鋸山に向けて登り返します。鋸山は最後の50m位は岩場になっており、スラブ状の岩場になっております。
岩登りに自信のない方は、ロープがありますのでこちらを使って登るのが良いでしょう。(自分は己のプライドにかけてロープは一切使っていません(笑))
岩を登り活きるとポン!と山頂に到着です。
晴れて居たらいい景色が広がるんでしょうか。
ここも風が吹いて寒いので写真を撮って早々に移動をします。
ここからはノコギリ尾根になります。 庚申山までに11個ピークがあるとの事です。
ハシゴあり、鎖ありとの事でどんなところか楽しみです。
3つ目ピーク辺りで人の声がして、人の姿を確認しました。この山行初めての登山者です。
なんとこちらの方、ヒトココの方で、ココヘリレシーバーを持って遭難者の捜索を行っておりました。
一昨日位から行方不明者が出ており、ヘリが飛べないので人海戦術でレシーバーを持って探しているとの事でした。
ヒトココの方と情報交換をして、我々が来た方向には人が入った様子が無かった旨を伝えて別れました。
それからいくつかのピークを越えて。一番悪かったのは、最後から4番目かな。我々は下りだったのですが、
もろい足場でロープを使っての登攀は大変だなぁと感じながら歩きました。薬師岳は、もう少しすごいのかなって思いましたが、以外とそうでも無く、庚申山から皇海山に六林班経由で行かれている方が多いですが、その方の記録を読むにこっちの方が良いんじゃないかと感じました。
ピークの通過と共に高度を下げるに従いだんだん視界が開けてきました。
庚申山の展望台では薄日もさし、林の奥に人影も見て取れました。
庚申山のピークを踏み、記念撮影を行い今度は下山道へ。再びバリエーションルートです。庚申山の山頂は結構開けていて、ルートを見つけるのが大変。方角を合せ細かく木々を確認してテープを見つけ、踏み跡を見つけ慎重に進んで行きます。
少し進んで尾根に乗り、歩いて行くと眼前には素晴らしい草原が広がります!!!
あまり景色を期待していなかっただけにこの景色のすばらしさには驚きです。今までいろんなところを見てきましたが、ここ以上の景色が見れる所はそうそうない。(自分比)でした。
いくつかピークを過ぎ、沢入山を越えて最後の大ボスピーク 中倉山に到着。ここからは後はひたすら下るだけ。
ただ、ここからは本格バリエーションルートになるので油断は許せません。 テープもほとんど無く、踏み跡もうっすら、しかも激坂なので慎重に下って行きます。 150m位降りたところで、休憩適地を見つけ休憩。ここにはテープがあって安心をしましたが、その先のテープが無く踏み跡らしき後を辿るが、道は悪くなりテープは無い。 違う道を歩いたか?
再度休憩場所まで戻りもう一度それらしき道を探してみるが、とても歩いて降りれるような斜面ではない…
と、最後のチャンスでもう一度違う方向を探すとケルンを発見! 神降臨とばかりに周囲を見回すと、かすかな踏み跡が。
それを辿って降りるが、方角が異なる。そしてテープは無し。。。 だんだん目標の尾根から遠ざかる。そして湧き上がる不安。
刻々と刻む時…
これ以上のルーファイは残り時間的にも厳しいので、最終判断を下すとき。
このままこの踏み跡を信じて進むか、それとも登り返して、登山道を下るか… パートナと相談をして確実なルートを選択。
200m程登り返して登山道から2時間かけて降りる作戦を選択。 幸いにも日が長い時期なので、今ならヘッデン山行にも為らずに降りれそう。
という事で、早々に頑張って登り返す。途中けもの道を発見してうまく誤魔化して、登山道に着く。ホッと一息これで帰れる。
そして慎重にかつ急いで慌てずに下山を開始する。
昨日の雨で土はかなりの水を含んでいて地面が滑る滑る。
ようやく登山口に到着。ここから銅親水公園まで1時間。2人で旅の思い出を語りながら下山。何とかヘッデンまでには間に合いました。
その後は国民宿舎かじか荘に移動して温泉に入り帰宅しました。
お疲れさまでした。
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コメント
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帰着の駐車場で少しお話した者です。ヤマレコは登録だけで普段は閲覧のみですが、あの人たちは何処をいったのかなぁと気になったので見つけた次第です。普段はヤマップ使用のきたっちと申します。
装備を拝見してテン泊の岩屋さんかとおもいましたが、皇海山の周回だったのですね。それにしても、かなりの悪天候の中ツェルト泊だったとは、恐れいります。ワタシはツェルトでは泊まった事は無いので、今年は挑戦しようかと思っていました。
大変お疲れ様でした。
こんにちは。
コメントいただきましてありがとうございます😊
はい、覚えております。
赤いヤッケの軽に乗られていた方ですね。
日曜は、お疲れ様でした。
事前に荒れる事はわかっていたのでオプションプランとして日光東照宮や湖観光なども用意して、行けるところまで行こうと話をして入りました。
土曜日は、雨脚が強まるのが遅かったお陰で渓中は、さほど苦労なく尾根の取付きにつけホッとしたのですが、尾根に出たら強風で寒くてイヤになってました(^^)
撤退するにもなかなか良い道も無いのでだましだまし歩いていたら、午後になり沢山のご褒美を頂けた次第です。
私も実は初のツエルト泊で色々と学ぶ事が多かった山行でした。
緊急ビバークは、危機的な状況が多く、普段から計画的なツエルトビバークもありだなって思いました。
この山域は山深く人も少なく、クマなどもあるだろうから簡単にはツエルトなどはオススメは出来ませんが、今後ともお気を付けて山行を続けて下さい。
私も今回の件で、このエリアに興味を持ちましたのでこれからちょいちょい通うかもしれません。
現地に明るい印象を受けました。
もし良ければ今後、ご指導を頂けると幸いです。後程、フォロー申請をさせて頂きますので、これを機にご指導をよろしくお願いします
こんばんは、satooさん。
ご存知の通り、あの景観と人の少ない秘境感、また過去の遺構などが山深い場所にもあり、ロマンとノスタルジーが混ざった足尾。そんな感じが大好きで足しげく通っている物好きです(笑)。
指導なんて大層な事は到底できませんが、相談くらいなら乗れるとは思います(笑)。
よろしくお願いいたします
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