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Yamareco

記録ID: 1900337
全員に公開
ハイキング
八ヶ岳・蓼科

赤岳(登り:県界尾根/下り:真教寺尾根)

2019年06月21日(金) [日帰り]
 - 拍手
体力度
4
1泊以上が適当
GPS
06:58
距離
10.9km
登り
1,299m
下り
1,297m
歩くペース
速い
0.70.8
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

日帰り
山行
6:25
休憩
0:32
合計
6:57
5:16
5:16
58
6:14
6:15
1
7:08
7:08
77
8:25
8:25
5
8:30
8:54
5
8:59
9:00
7
9:07
9:07
93
10:40
10:44
9
10:53
10:55
39
11:34
11:34
14
11:48
11:48
11
05:01 スタート(0.00km) 05:01 - ゴール(10.98km) 11:59
天候 曇り
過去天気図(気象庁) 2019年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
「山と高原地図」には「登山口前に10台ほどの駐車スペース」とあるが、いわゆる駐車場のようなスペースはない。どん詰まりの道なので、清里ハイランドパーク関係者の他は登山者しか道を利用する者はおらず、駐車禁止スペース(「バス展開場につき駐車禁止」の看板)以外は駐車しても良いのだろうと思う。
そう判断して路肩に駐車した。
ぼくが一番乗りだったが、下山時には他に2台の路肩駐車。
コース状況/
危険箇所等
残雪はもうありません。
県界尾根の鎖場は、怖かったです。
真教寺尾根の鎖場は、距離は長いですが、怖くはなかったです。
あくまでも、個人の感想ですが。
しかし残念ながら、高所恐怖症の方は無理でしょう。
県界尾根は「八ヶ岳最難度コース」とのことですが、あくまでも登山道。アクロバティックな動きが要求されるわけではありません。慎重に行けば、残雪もないですし、問題はないと思います。
行かれる方は気を付けて。

二合目から県界尾根に登る斜面。崩落地を登っていく。斜度がきつくなってきていよいよ登れなくなると、その崩落地を避ける。このとき崩落地に向かって右に避けるのが正解のようだ。ぼくは左に行ってしまった。尾根を目指すことに変わりはないし、歩けないことはないので問題はなかったが、踏み跡が見えなくなって心細くなりました。
「10台ほどの駐車スペース」とのことだが、ここに10台は無理。ここまで続いている道に路肩駐車。
2019年06月21日 05:02撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:02
「10台ほどの駐車スペース」とのことだが、ここに10台は無理。ここまで続いている道に路肩駐車。
昔は車も入ったのだろうが、いまは崩れてしまって不可能。
2019年06月21日 05:03撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:03
昔は車も入ったのだろうが、いまは崩れてしまって不可能。
八ヶ岳「赤岳」
県界尾根ルート
2019年06月21日 05:05撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:05
八ヶ岳「赤岳」
県界尾根ルート
いきなりの渡渉。石を渡っていけば、靴は濡らさずに渡れる。
2019年06月21日 05:06撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:06
いきなりの渡渉。石を渡っていけば、靴は濡らさずに渡れる。
2019年06月21日 05:11撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:11
分岐。
真教寺尾根からは、ここに戻ってくる。
2019年06月21日 05:16撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:16
分岐。
真教寺尾根からは、ここに戻ってくる。
赤岳が見えた。
2019年06月21日 05:23撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
1
6/21 5:23
赤岳が見えた。
部分的に、舗装された箇所も。
2019年06月21日 05:26撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:26
部分的に、舗装された箇所も。
ここが登山口、ということなのだろうか?
2019年06月21日 05:29撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:29
ここが登山口、ということなのだろうか?
先の看板から、すぐに「2合目」。
ここから直角に折れ、県界尾根を目指す。
2019年06月21日 05:30撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:30
先の看板から、すぐに「2合目」。
ここから直角に折れ、県界尾根を目指す。
こんなところを登っていく。
2019年06月21日 05:31撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:31
こんなところを登っていく。
だんだんと道とは言えないカンジに。
2019年06月21日 05:34撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:34
だんだんと道とは言えないカンジに。
これ以上は登れない。
ここでぼくは左に行ったが、右に迂回するのが通常のルートだった模様。
2019年06月21日 05:37撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:37
これ以上は登れない。
ここでぼくは左に行ったが、右に迂回するのが通常のルートだった模様。
爆裂火口壁かってくらいの断崖だ。
2019年06月21日 05:38撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:38
爆裂火口壁かってくらいの断崖だ。
通常ルートから外れてさまよっているところ。
大きな崩落地に出た。倒木の下が崩落地。倒木の先は目指す赤岳。
2019年06月21日 05:50撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
1
6/21 5:50
通常ルートから外れてさまよっているところ。
大きな崩落地に出た。倒木の下が崩落地。倒木の先は目指す赤岳。
階段状の岩に、小石が積んである。誰かがこんなところを歩いたんですかね?
2019年06月21日 05:51撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 5:51
階段状の岩に、小石が積んである。誰かがこんなところを歩いたんですかね?
尾根を目指して登っていくと、ようやく赤テープに出会う。通常ルートと合流したのだろう。
2019年06月21日 06:05撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 6:05
尾根を目指して登っていくと、ようやく赤テープに出会う。通常ルートと合流したのだろう。
尾根に出た。
2019年06月21日 06:12撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 6:12
尾根に出た。
小天狗。
「防火線の頭」方面からのルートとの合流。
2019年06月21日 06:14撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 6:14
小天狗。
「防火線の頭」方面からのルートとの合流。
真教寺尾根の向こうに、南アルプス。
2019年06月21日 06:16撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
1
6/21 6:16
真教寺尾根の向こうに、南アルプス。
2019年06月21日 06:17撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 6:17
県界尾根から見る、赤岳。
2019年06月21日 06:21撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
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6/21 6:21
県界尾根から見る、赤岳。
イワカガミ。
たくさん咲いていた。
2019年06月21日 06:46撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 6:46
イワカガミ。
たくさん咲いていた。
真教寺尾根。牛首山。
富士山は残念ながら雲の中。
2019年06月21日 06:54撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
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6/21 6:54
真教寺尾根。牛首山。
富士山は残念ながら雲の中。
2019年06月21日 06:55撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 6:55
巨大ナメクジ。こんなに大きなナメクジは見たことがない。
2019年06月21日 06:57撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 6:57
巨大ナメクジ。こんなに大きなナメクジは見たことがない。
大天狗。
2019年06月21日 07:01撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 7:01
大天狗。
赤岳。
どこを歩くのだろう?右側の稜線かな?意外になだらか?
2019年06月21日 07:11撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 7:11
赤岳。
どこを歩くのだろう?右側の稜線かな?意外になだらか?
シカが多く、ここまでに何度も見かけたし、声は頻繁に聞いた。しかし、こんな標高で糞を見るとさすがに驚く。森林限界はすぐそこ。シカの生息数はとんでもないことになっていることが推測される。
2019年06月21日 07:35撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 7:35
シカが多く、ここまでに何度も見かけたし、声は頻繁に聞いた。しかし、こんな標高で糞を見るとさすがに驚く。森林限界はすぐそこ。シカの生息数はとんでもないことになっていることが推測される。
鎖が登場。
2019年06月21日 07:38撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 7:38
鎖が登場。
振り返ると見える、ふたつの尾根。
左がいま登ってきた県界尾根。右が下山に利用する真教寺尾根
2019年06月21日 07:39撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
1
6/21 7:39
振り返ると見える、ふたつの尾根。
左がいま登ってきた県界尾根。右が下山に利用する真教寺尾根
いよいよ。
2019年06月21日 07:41撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 7:41
いよいよ。
洞窟がある。
潜り込むことも可能なサイズ。ちょっと怖いので入りませんでしたが。
2019年06月21日 07:47撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 7:47
洞窟がある。
潜り込むことも可能なサイズ。ちょっと怖いので入りませんでしたが。
2019年06月21日 07:48撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 7:48
2019年06月21日 07:50撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 7:50
赤岳展望荘が見える。
2019年06月21日 07:55撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 7:55
赤岳展望荘が見える。
展望荘へはここをトラバースしていく模様。
この微妙な残雪は、ちょっとやっかいか。
足滑らせたら、止まるのは数百メートル下だろうからなぁ。
2019年06月21日 07:58撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 7:58
展望荘へはここをトラバースしていく模様。
この微妙な残雪は、ちょっとやっかいか。
足滑らせたら、止まるのは数百メートル下だろうからなぁ。
2019年06月21日 07:58撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 7:58
このハシゴはちょっと軋む、というか、揺れる。
登るのに恐怖はなかったけれど、冷静になって考えると、ちょっと怖い。
2019年06月21日 08:00撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 8:00
このハシゴはちょっと軋む、というか、揺れる。
登るのに恐怖はなかったけれど、冷静になって考えると、ちょっと怖い。
ようやく登ってきました。
1時間近く鎖場にいたことになります。
2019年06月21日 08:17撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
1
6/21 8:17
ようやく登ってきました。
1時間近く鎖場にいたことになります。
到着。
本日は立ち寄りませんでしたが。
2019年06月21日 08:25撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 8:25
到着。
本日は立ち寄りませんでしたが。
阿弥陀岳には一度登っているけれど、当時はまだログを取っていなかったので、もう一度登らねば。赤線つなぐために(笑)。
2019年06月21日 08:26撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
2
6/21 8:26
阿弥陀岳には一度登っているけれど、当時はまだログを取っていなかったので、もう一度登らねば。赤線つなぐために(笑)。
赤岳山頂。
2019年06月21日 08:28撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 8:28
赤岳山頂。
いつも思うんですが、このオバQのアタマみたいな3本はなんなんですかね?
2019年06月21日 08:30撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
1
6/21 8:30
いつも思うんですが、このオバQのアタマみたいな3本はなんなんですかね?
富士山がチラッと。
2019年06月21日 08:41撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 8:41
富士山がチラッと。
この日は、涼しく、風もなく、とても登りやすい天気でした。
この温度計によると、気温は思った以上に高くて、ちょっと驚く。もう少し低い気温だと思っていました。
2019年06月21日 08:49撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 8:49
この日は、涼しく、風もなく、とても登りやすい天気でした。
この温度計によると、気温は思った以上に高くて、ちょっと驚く。もう少し低い気温だと思っていました。
山頂に誰もいなかったので、靴も脱いでくつろぐ。
靴脱いだ瞬間に、2名、そしてさらに1名が登場。失礼しました。
2019年06月21日 08:52撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 8:52
山頂に誰もいなかったので、靴も脱いでくつろぐ。
靴脱いだ瞬間に、2名、そしてさらに1名が登場。失礼しました。
さらば、赤岳。
2019年06月21日 09:02撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 9:02
さらば、赤岳。
ガスってきた。
2019年06月21日 09:04撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 9:04
ガスってきた。
真教寺尾根への分岐。
2019年06月21日 09:08撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 9:08
真教寺尾根への分岐。
鎖場。
真教寺尾根の鎖の方が、県界尾根のそれよりも細い。
2019年06月21日 09:09撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 9:09
鎖場。
真教寺尾根の鎖の方が、県界尾根のそれよりも細い。
2019年06月21日 09:12撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 9:12
2019年06月21日 09:16撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
1
6/21 9:16
振り返る。
中央に、真教寺尾根で最初にすれ違った方。
登山口までに、結局、9名とすれ違いました。
2019年06月21日 09:19撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
1
6/21 9:19
振り返る。
中央に、真教寺尾根で最初にすれ違った方。
登山口までに、結局、9名とすれ違いました。
2019年06月21日 09:27撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 9:27
牛首山。
2019年06月21日 09:59撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 9:59
牛首山。
2019年06月21日 10:00撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 10:00
2019年06月21日 10:06撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 10:06
2019年06月21日 10:40撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 10:40
牛首山山頂。
2019年06月21日 10:55撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 10:55
牛首山山頂。
崩落地。
2019年06月21日 11:11撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 11:11
崩落地。
あちこち崩れている。
2019年06月21日 11:11撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
1
6/21 11:11
あちこち崩れている。
賽の河原に到着。
2019年06月21日 11:34撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 11:34
賽の河原に到着。
分岐を「大門沢」方面へ。
2019年06月21日 11:34撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 11:34
分岐を「大門沢」方面へ。
笹刈りがされていて、歩きやすいです。
2019年06月21日 11:38撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 11:38
笹刈りがされていて、歩きやすいです。
最後に渡渉。
2019年06月21日 11:47撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 11:47
最後に渡渉。
合流。
2019年06月21日 11:48撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 11:48
合流。
登りでは気が付かなかったクリンソウ。
2019年06月21日 11:56撮影 by  NIKON D800, NIKON CORPORATION
6/21 11:56
登りでは気が付かなかったクリンソウ。
撮影機器:

感想

ぼくは登山のモットーを
「山になんか登っても、偉くもなんともない」
としている。
だから、なにかに挑戦するような登り方はしたくない。
ごく素直に、「あそこからの景色を見てみたいな」という思いで山に登るべきだと考えている。

みなさんのレコを読んでいると、たまに「線をつなぐ」「赤線つなぎ」という言葉を目にする。
あまり興味がない。
そんな登り方は、言い方は悪いけれど、邪道じゃないですかね。

自分の「全ルートを地図で見る」を見る。
八ヶ岳には良く登っている。
しかし、赤岳。文三郎尾根と真教寺尾根の間のわずかな距離。おそらく100メートルにも満たないその区間を、ぼくは歩いていない。
赤線が途切れている。
そこさえ歩けば、天狗から編笠まで、八ヶ岳の稜線を一直線に全部歩いたことになるのに、そこだけ途切れている。

行こうかな…。
すまない。「邪道」とまで言っておきながら、本当に申し訳ない。
行かせていただきます。

ルートを調べる。
赤岳に登るときにいつも利用するのは、美濃戸から行者小屋を通るルート。
折角なので、いつもとは違うルートで登ってみよう。
県界尾根と真教寺尾根を周回するルートはどうか。
真教寺尾根は、3年前に一度登っているが、県界尾根は歩いたことがない。
どんなルートだろう。
「山と高原地図」によれば「八ヶ岳最難度ルート」と。
最難度ルート、だと?
ゴクリ…。
これは行くしかない。
最難関、制覇してみせます。待ってろ、赤岳。

こうして、自分史上最高に不純な登山となる。
こういう功名心に駆られたような登山は良くない。第一に危ない。
まぁ、無事に戻ってこられましたが。

県界尾根の鎖場は、やはりちょっと怖かった。
最初の鎖はトラバース。ひかれた鉄板の上を歩く。これは問題ない。
次に出てくる垂直の鎖。これが最初の恐怖。
なにしろ、岩場には手足を引っかける場所がない。鎖を補助として使うのではなく、完全に鎖に頼り切った登り。鎖から手を離した瞬間に、崖下に真っ逆さまだろう。
もうひとつ怖かったのは、巨石を抱き込むような感じで回り込んで、崖の左側から右側へ移るとき。そこに頼るべき鎖はなく、主観的には飛ぶような気持ちになる。もちろん、実際にはいつもより数センチ余分に足を伸ばすだけだろうし、客観的に他人がここを渡るのを見たとしても、大したこととは思わないだろうけれど、主観としては非常に怖かった。なにしろ、踏み外せば死ぬわけだから。
そんな死と隣り合わせの区間はしばらく続くけれど、ぼくが怖かったのは、その二箇所だ。人によっては、軋むハシゴの方が怖いと思うかもしれないが。

そんな鎖場が1時間。頂上山荘がすぐそこに見えても、なかなか到着しない。
けれども、「最難度」と覚悟して取り付けば、少なくとも気持ち的には、意外にあっさり山頂に立っていた。
むしろ、2合目から尾根を目指して登る崩落した斜面の方が、よほど衝撃だった。この程度の斜面が核心部だという山はいくらでもあるだろう。そんな斜面が2合目から登場する絶望感。

でも、ハイテンションで山頂に立てば、美濃戸口から登るよりも早い3時間半で到着したこともあり、「楽勝だぜぇ」と。
ゴキゲンで下山。ふと時計を見ると、頑張れば正午前にクルマまで戻れそうな時間。ラストはダッシュ。そんな余力も。
「最難度ルート?昼飯前だったよ」
みたいな。

で、帰宅。ホッとしたせいか、どっと疲れが出る。玄関で倒れ込んだら、もう起き上がれない。
やっぱり、ぼくには安心安全のんびり登山があっている。

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