沢解禁!滝川本流〜古礼沢
- GPS
- 32:00
- 距離
- 21.1km
- 登り
- 1,785m
- 下り
- 1,784m
コースタイム
- 山行
- 7:01
- 休憩
- 0:33
- 合計
- 7:34
天候 | 両日曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・本流は増水時、入渓は控えた方がいいです。 ・天狗隧道からの下りは丘から3個目のトンネル脇のコンクリート人口物から降りましたが、グズグズでした。ほかの下降路あると思います。作業道が横切るとロープの張られた急な下りとなります。 ・本流はそれなりの水量、入川本流よりも水多く、幅広で東北の方の沢に来たのかと思う感じです。概ね遡行図通りですが、高巻きはかなり上を通ると思われます。はじめのゴルジュのみ確認。 ・釣橋小屋まで数回泳ぎありました。積極的に水の中を通った方が結果楽に通過できるかもしれません。 ・本流核心部?ヘリ墜落現場の8メートルはトラベタ張りですが、その上の右岸トラバースは落ちたら、流れに揉みくちゃにされます。残置ロープありますが、バランスが悪いです。注意して通過して下さい。 ・ブドウ沢出合から古礼沢出合間で、クマ🐻と遭遇しました。 ・古礼沢出合のBSは流木少ないですが、水晶沢に少し入れば得られるかと思います。 ・つめのガレはかなり手前まで押し出しあり。伏流するが何箇所か取れるところあります。 ・左岸からの大ガレ沢を通過して、次の二俣を右、適当なところからケモノ道を進んで行けば稜線。 |
その他周辺情報 | 久々の隼 |
写真
感想
6月恒例の奥秩父、井戸沢から荒沢谷の1周にしようか、滝川本流からの継続遡行での古礼沢にしようか迷ったが、事故があったことでなんとなく足が向かなかった古礼沢にチャレンジすることに。かなり前に仕事場の先輩たちといったことがあった。当時書いた記録(手書きノート)を見れば20年前だった…井戸沢も20年前…そういえばまだ雁坂トンネルが開通してなかったもんな。本流の水量が気になるけれど(前回は8月)、一人で突破することができるのか不安をかかえつつ出かける。
21日 片道100キロほどしかないことから、ついゆっくり目で出かけてしまう。さらに車で眠っても疲れが取れない感じだし…なんとなく眠くなり、道の駅みとみに着くとつい仮眠に移行してしまった。天気がいいのか悪いのかよくわからない予報、夕立もあるらしい。ここで米を忘れたことに気付く。かといってこれを理由にきっと家に戻れば後悔するに決まっている。とりあえず出合の丘へ。管理人に聞けば昨日はすごい降ったらしい。ここまで来たら行くしかない!着替えて天狗隧道へ向かう。出パして3個目のトンネル手前のフェンスで囲まれた何やらの施設脇から下り始める。はっきりした尾根状ではあるが、結構グズグズで鹿の踏み跡しかない感じ。ただ、これを下るのが一番楽と判断し下り続けると、軌道跡のようなはっきりした作業道に出くわした。ここには漁協の看板もある。テープのある木から、はっきりした踏み跡になり、ロープが設定してある。どこからきているかわからないが、上部からの踏み跡にも合流する。
滝川本流に降りて上流を見れば、すぐ先が豆焼沢出合。水は少し多い感じだ。遡行始めるとすぐに大きな倒木がはまっている細長い淵。シーズン一発目だから頑張って水線で行こうか進んでみると、すぐに胸までの深さとなりちょっと弱気になる。左岸の巻き道で進むが、降りる場所がなかなか見つからない。大きくヘアピン状になった流れをショートカットし、小尾根を巻いたところで本流に戻る。何度も渡渉しながら進むと右岸から10m滝が落ちている。その先まもなくで沢小屋沢出合。
さらに水に浸かりながら進むと、崩壊しきった吊り橋残骸がかかっている。その先のゴルジュで、水流が強いのを嫌がって左岸を巻き気味に登ってしまったら、降りられなくなってしまった。灌木にシュリンゲ残置+お助けでどうにか河床に復帰できた。思いのほか流れは蛇行しており、先を読みながら進むので楽しい。曲沢出合は右岸にピンクテープある。すぐに金山沢出合となるが、本流は深い釜となっていて左岸を自転車こぎのようにして泳ぎ、へつって通過。この先が両岸の岩壁にふさがれるような流れを通過、増水したらかなり厳しいだろう。その正面奥にロープの取り付けられたトイ状の岩壁がある。越えると河原となり、頭上が開け日も差してきたことから暖取り休憩する。ここまでの雰囲気は東北の大きめの河川をほうふつさせ、なかなかのローケーションである。
夫婦岩の手前で通過不能の激流の淵が出現。左岸のオレンジ色の被覆のついたロープを使って巻く。河床に戻る下りにも設定してある。夫婦岩は岩の上に杉の木が立っているので一目瞭然。ここからしばらく穏やかな河原状となる。数年前の大雨の影響か押し出しのザレがすごい。槙ノ沢出合では本流は右折するような感じになる。槙ノ沢の方が木の繁茂が多いのでわかりやすい。左岸を腕力でロープを保持して通過、すぐに登山道跡と幕場が出てくる。箱淵を通過し、頭上が開けた河原で再度休憩。釣橋小屋まではすぐだったような記憶があったけれど、しばらく歩いた。ツタの絡まった吊り橋が頭上を横切った先の右岸が小屋である。小屋は倒壊していた。
この先で意外にも下ってくる日帰り釣り師に遭遇。熊穴沢出合右岸に幕場あり。三本桂沢までは結構歩いた。そこから核心ゴルジュが始まる。それを見ていたのかのように天気が悪くなる。ここで激しい夕立にやられたらたまったものではない。早く抜けたい一心で集中して頑張った。激しく蛇行している幅の狭い尾根状のエリアは増水したら通過不能だろう。よく確認しなかったが巻き道は見当たらなかった。
連続ヘアピンを抜けると、左岸に防災ヘリ職員の慰霊碑がある。同業者として合掌、謙虚に通過しますと心の中でつぶやいた。事故のあった8mは以前よりもトラがベタ張り、滝頭を右岸に渡ると本山行の核心部。次の滝は右岸の残置を利用して登ったが、次のトラバースゴルジュが問題だった。水が多いのか足元の流れはぐるぐる洗濯機状態、落ちればもみくちゃにされて上がってくることはできない感じだ。残置の水平ロープはユルユル、ハーケンにシュリンゲがぶら下がってはいるものの肝心なところが遠く、そこの足場が外傾し足場も遠い。水平ロープにテンションをかけるとセイリングでもしてるような格好をしないと越えられない。空身で越えても荷物を引き上げられるような流れではなかった。上部にハーケンを打とうにもあまりいい所がない感じだ。いろいろ思案した挙句、水平部をパワーで解決、垂直残置をつかむことに成功しなんとか突破できた。あー怖かった…でも越えられなかったらどうしてたんだろうか?
登った先は右岸からブドウ沢が合流、左岸に渡る。その先も狭いゴルジュで水に浸かったりへつったり。ゴルジュ出口の左壁にシュリンゲのぶら下がる滝もツルツル。倒木が詰まっていたので何とかこなせた。これをもって本日の業務終了!と思っていたのだが…左岸側の大岩脇から頭を出した瞬間、右岸上流5m位のところにクマが下流に向かって歩いているではありませんか!沢幅も5m程度、こんなご対面は初だ。今越えようとしていた岩陰に静かにしゃがみ込んで様子がうかがえるように隠れた。沢の音が大きかったせいか向こうは気づかず、右岸斜面をトラバース気味に山に登って行った。その後すぐに懐かしい天場となった。釣り師向けの看板がある。もう少し先へ進もうかと思っていたが、先人の薪もあったので完全終了とした。雨は弱く焚火もついてラッキーな夜だった。食事はレーションを節約して何とかつないだ。
22日 元々水量も減っているが、昨日よりもさらに水位が下がった感じ。2段10mまでは問題なく進める。この滝は左壁に取り付くときに2m位泳いで取り付く。巻く方が面倒な感じだ。越えた先で分かったことだが、巻き下りがどこからなのか、まるで分らなかった。古礼沢に入って30分くらいにもBSがあると書いてあったが、左岸に細長い場所があった。
遡行図の右岸枝沢は5m滝で出合うとなっているが、下流の離れたところから見ると立派な数段の滝となっていた。7m滝はこの枝沢から巻き気味に越え、谷がくねった先に待望のナメ床が出現した。記憶にないがこんなに見事だったかと思うくらいの規模で、たまに途切れても再び現れる。素晴らしく渓谷美を堪能できる。BSはあまりいい所はないものの焚火跡がちらほらと見て取れる。右岸40m涸滝も水が流れていた。1700m二俣で上流からのガレ押し出しがものすごく、完全に伏流する。きっと以前よりも手前から、ガレの伏流となってしまっているのだろう。先がわからないのでとりあえず給水。結果、その先で細い流れが復活するが、地形図上の1830くらいのガレ方面に詰めてゆく場合、復活の流れでは給水できなと思われる。
1870二俣を右に入ると岩盤がもろい沢になる。再び出現したガレをひたすらに詰めてゆき、途中から水晶山寄りの樹林帯にケモノ道を拾いながらすすむ。稜線直下はシラビソノ倒木で荒れてくるが、動物の本能『鹿も歩きやすい所を進む』という持論を展開し、ようやく稜線のルートにたどり着いた。古礼山を往復に来た2人と遭遇、こんなガスガスの天気で物好きもいるもんだと思っていたが、自分もそのうちの一人だと言うことを忘れていた。雁坂小屋でやや雨にやられたものの、黒岩尾根に入ればそんなこともなく、いつも展望がなく退屈なこの下りも、新緑と霧のコントラストに癒されながら下れた。足が筋肉痛でボロボロになりながらようやく豆焼橋。スキーからのスタイル切り替え時期はいつもこうだ。もう気持ちは温泉に向いている。土曜日だから賭けになったが隼に行ってみるとそうでもなく、アルカリ泉でヌルを味わい、里の駅で土産を購入し帰宅した。七賢のスパークリング…すごい気になるぅ!
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
ルートを登録する
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する