熊山(香登駅〜城山〜熊山駅)


- GPS
- 02:27
- 距離
- 8.2km
- 登り
- 543m
- 下り
- 533m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車
下山は山陽本線 熊山駅へ |
コース状況/ 危険箇所等 |
特に問題なし |
写真
感想
日曜日だというのに岡山まで出張とは面白くない。折角、岡山に行くのであれば岡山の山でも・・・と思うのだが、京都駅で新幹線の改札を通過すると台風の影響で夕方から東海道新幹線はかなり本数が制限されるとの発表がなされている。新大阪までは新幹線は動くだろうと読んで、岡山の東部、熊山を訪れることにする。この山には蜘蛛の巣のように無数の登山道が張り巡らされているが、前回、この山を訪れた際は東側の熊山アルプスから万富まで東西に横断する経路だったので、今回は赤穂線の香登から山陽本線の熊山駅まで南北に縦断するコースを選択する。この熊山の魅力は山の北と南で異なる眺望と雰囲気を楽しめることだろう。新幹線が備前を通過するとすぐに車窓から見上げるこの熊山の南斜面が気になっていたのである。
香登の駅は駅舎のない無人駅であった。駅を降りて歩き始めると背後より照りつける陽射しが肌に突き刺さるようだ。目の前にはこれから登る城山が聳え立つ。
住宅街を過ぎて、城山池の畔にたどり着くと、すぐ右手に城山への登山道が目に入る。樹林の中に入るとようやく陽射しから逃れることが出来るが、空気はやはり暑い。すぐに送電線鉄塔にたどり着き、吉井川の流れが目に入るが、再び強い陽射しを浴びることになる。
城山の山腹をトラバースすると尾根上の送電線鉄塔を目指して登ってゆく。すぐにもこのあたりの山の特有の低木帯となり、見晴らしは良いのであるが、猛烈な暑さである。陽射しによる暑さばかりでなく、陽光に灼けた足元の岩肌からも暑さが立ち上ってくるようだ。この南斜面を登るにはまだ季節が早かったようだ。
送電線鉄塔からは瀬戸内海が見え始める。鉄塔を過ぎると再び樹林の中のなだらかな道となる。東側の斜面からは涼しい吹き上がってきて、少し安心する。強い陽射しに照りつけられる道が続いたら熱中症の心配をしなければならないところだっただろう。
ピークの三角点は眺望のない樹林の中であった。小さな鞍部を越えるとすぐ目の前に城山のピークが迫る。山頂への急登を登りきると突然、広く平坦な山頂台地の一角に飛び出した。かつては香登城が築かれたところらしい。
しばらくは自然林のなだらかな尾根が続く。尾根上の好展望地で二人組の男性と出遭う。夏の暑い時期にこの香登からの尾根を暑い時間に登るなんて、と呆れらる。この時期は強い陽射しを避けて熊山からのルートを辿る方が多いらしい。そのお二人も私が登ってきたコースを下る予定らしい。
小さなピークを越えると送電線鉄塔のある広場に飛びだす。この送電線は本四連絡線であり、送電線が伸びていく先にあるのは熊山の西峰、別名、経盛山の紅白の鉄塔だ。熊山というのは一つの大きな山ではなく、幾つもの小さな山の集塊といった方がよいだろう。
最後は階段を延々と登り、展望台のある広場にたどり着く。ここまででペットボトルの中の水分をほとんど空にしてしまう。広場の脇の建物に水道が目に入り、近付いてみると「この水は飲めません」と書かれている。諦めて、熊山神社にお参りをする。
神社の裏手から熊山駅へと下る下山路に入る。神社で水をお願いしたつもりはないのだが、下り始めるとすぐに左手に小さな社があり、二つ井戸とある。こんな山頂部に水が湧き出す井戸があるとは予想だにしなかったが、まさに天の救い。水は非常に冷たく美味である。柄杓の水を一気に喉に流し込む。
リュックのペットボトルに全て、水を詰めると2リットルほど重量が増える。熊山神社の下山路の入口には「道が荒れています」と書かれていたが、極めて良好に整備された快適な登山道が続く。
途中の5合目の展望台からは期待通り、岡山北部の山々が見える。奈義山と県下最高峰の後山のあたりは判るが、その他の山座は同定が難しい。先ほどの二人組の男性の一人が今日は大山が見えるかもしれないと教えて下さったが、大山の方向すらよくわからない。時間は16時半を過ぎたところ。熊山駅の山陽本線の時間を確認すると17時03分の次は39分まで30分以上待たねばならない。およそ距離にして2kmと少し。それならば17時過ぎの列車に間に合う可能性があるだろう。
展望台を過ぎると梢の高い樹林の中の道となる。風がないせいか急に暑さが感じられるが、残りの行程は一気に駆け下りる。熊山駅には列車の到着する数分前に無事たどり着く。無人の駅の待合室にいらしたのは熊山を登ってこられたと思われる登山スタイルの二人のご婦人のみであった。
岡山駅に戻ると台風の影響で新幹線は全て新大阪止まりとなっている。名古屋と新大阪の間は1時間に一本のこだまが運行されているのみだ。新大阪の新幹線の窓口は見たことがないほどの長蛇の列が出来ている。東京方面に帰るあてが無くなってしまった人達だろうか。新大阪からは混雑した新快速に乗り継ぎ、19時前に京都に帰り着いた。京都の夜の空気も台風が運んできた暑気に充ち溢れていた。
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