また山に行きたくなる。山の記録を楽しく共有できる。

Yamareco

記録ID: 201745
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
富士・御坂

白水山ー飛行機山ー天子ヶ岳ー長者ヶ岳ー毛無山縦走

2012年06月23日(土) 〜 2012年06月24日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
37.5km
登り
3,348m
下り
3,214m

コースタイム

1日目:十島駅(8:30)-△488(9:40)-白水山(10:55-11:15)-石神峠(11:40-11:50)-飛行機山(13:05-13:15)-峠(13:50-14:00)-△897(14:50)-天子ヶ岳(17:20)-長者ヶ岳(17:50)
2日目:長者ヶ岳(4:25)-湧水峠(5:40)-熊森山(6:25)-雪見岳(7:15)-地蔵峠(7:55)-毛無山(9:00-9:10)-登山口(10:50)-下部温泉会館(12:45-13:35)-下部温泉駅(13:45)
天候 1日目:曇り後雨
2日目:曇り
過去天気図(気象庁) 2012年06月の天気図
アクセス
利用交通機関:
電車
行き:JR十島駅
帰り:JR下部温泉駅

感想

白水山から天子ヶ岳に抜けるルートは、山梨の山岳会が歩いた記録を雑誌で見たことがある。大変なヤブ漕ぎという内容だったと思う。

このルートを歩いた記録はあまり見つからない。ヤマレコでは、araigengaさんの記録(http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-33354.html)が1件あるだけだ。
この方は、いとも簡単に1日で白糸の滝〜天子ヶ岳〜白水山〜十島駅まで歩いているが、私の技術と体力では、とても1日で歩く自信がない。ということで、テントを持って2日で歩く計画を立てた。水も入手できるか分からないので、8L担ぐことにした。

■1日目

十島駅で下車して、地形図に書かれた破線ルートを探す。しばらくうろうろとしたが、よく分からず、畑仕事をしていたおじいさんに道を聞くと、とても親切に教えて頂いた。
駅の北に見える寺の右隣に民家が1件あり、その右側に通っている道を登っていくらしい。実際に行ってみると、舗装道路の先に幅1.5mほどの山道があった。意外なほど立派な道に、気を良くして登っていく。

地形図では、△488に向かう尾根に破線はなく、右側を巻いていくように道が描かれている。その方角には、幅4mほどの、砂利が敷かれた林道が延びていた。この林道は地図にはないが、この道で△488の先まで行けるのかもしれない。体力の消費を抑える為にも、林道を進んでみる。
しかし、数百メートルほど進むと、林道は大きく左に急旋回して南向きになり、行き止まりになっている。そこから北に向かう踏み跡を探すが見つからず、結局、斜面を登って、尾根に乗ることにする。倒木だらけの斜面を強引に登り、何とか尾根に乗ると、そこに踏み跡があった。楽をしようとしたばかりに無駄に体力を使ってしまう。
その先も、倒木だらけで歩きづらい。濡れた倒木に足を乗せてしまい、転倒したりと、△488に到着した時点でかなり疲れてしまった。

その先も、しばらく歩き辛い道が続くが、東西からの道が合流してからは、道が良くなった。右手に沢が流れているのを眺めながら、しばらく登っていくと、白水山の山頂に着いた。

樹林帯の中の展望のない山頂で、三角点とベンチ代わりの丸太があるだけだ。この先は、藪こぎで濡れるだろうから、昼食を取りながら、雨具とスパッツを身に着ける。
北側に伸びる道もはっきりしている。下り始めと途中右に大きく曲がるところが、少し分かりづらい。

下り終えたところが石神峠で、林道が通っている。この先からが、とても心配なルートだ。どれだけ藪が濃いのか、踏み跡はあるのか、よく分からない。

石垣を登り、小さな祠の横を通り抜けて尾根に取り付く。入口は薮っぽいものの、中に入ってみると、意外と薮は全くない。薄いながらも踏み跡もあり、なかなか歩きやすい。少し気が楽になる。

尾根を登っていくと、すぐ先の茂みから一頭の鹿が逃げていった。私と5mくらいの距離になるまで逃げなかったので、珍しいなと思って見てみると、まだ何かがいる。これは、生まれたばかりの子鹿だ。ぷるぷると足を震わせて立ち上がったものの、立つのが精一杯という感じで、まだ歩くことはできないようだ。つぶらな瞳で私を見ている。しばらく眺めていたかったが、母鹿が心配するだろうし、すぐにその場を離れた。

そこから10分ほど登っていくと、今度は大きなイノシシ2頭に遭遇する。これはまずいと思ったが何もすることもできず、ただ見ていると、一瞬こちらに向かってきそうな素振りが見えた。身の危険を感じるも、すぐに向きを変えて薮の中に消えていってくれた。その2頭の後ろをぞろぞろと、5匹の子供のイノシシが後を追っていく。こちらは体長30cmくらいでとてもかわいらしい。

どうも、この尾根は人が入ることが少ないため、動物が普通に生活しているようだ。熊鈴を持っていないので、時々、声を出しながら進む。

△730の手前、少し草が増えて歩きづらいところがあったが、予想以上にスムースに山頂に到着した。眺めはなく、杉林の中に三角点がぽつんとあるだけだ。山名プレートが木にくくりつけられているが、朽ち欠けていて、文字が判別できない。(おそらくaraigengaさんの記録の「飛行機山」と書かれたプレートと思われる)

しばらく休憩した後に、北に向かって降りていく。ここから薮が出てきた。高さ2mほどの笹薮がしばらく続く。峠に下りるまでの数百mくらいの区間、ヤブが続いたが、踏み跡があるため道を失うことはない。笹を掻き分けながら、滑りやすい道を降りて行き、峠に着いた。

この峠からは、地形図には東に西沢、西に下野への破線が書かれている。西沢への道ははっきりしていて、下野の道も不明瞭ながら確認できた。
新緑に囲まれて、涼しい風に吹かれながら休憩する。一番心配していた区間を過ぎて、少しほっとした。

ここからは、薮は全くなくなる。尾根には、薄いながらも踏み跡が続き、赤ペンキ、赤テープ、境界見出票も所々にあるので、問題ない。尾根を忠実に登って行く。先日の台風の影響か、新緑の大量の葉がそこら中に落ちている。

急な登りで、足がつってしまった。今日はまだ10kmほどしか歩いていないというのに、足がつるというのは、やはり普通の登山道より負担が大きいのかもしれない。

△897で休憩する。このルートは三角点が多くて、位置を確認するのに助かる。ここから北北西に延びる尾根に引き込まれそうになるが、地形図で確認して、北東に向きを変える。ガスが濃くなってきて、視界が利かない。

ここからは防火帯のような感じで、幅2m程の草が刈られている所を歩く。あまり踏まれていない柔らかい土を踏んで行く。刈り払われていなければ、笹薮が酷い所もありそうだ。昔のすごいヤブ漕ぎの記録も、この辺りのことかもしれないが、今は快適に歩ける。白ペンキなどもあり、地形図を確認して歩けば、迷うこともない。

しかし、かなり疲れが酷くなってきた。なだらかになる部分は、どこでもテントが張れそうな感じで、もう、今日はここに泊まろうかと思ってしまう。
日も長いことだし、なんとか天子ヶ岳までは頑張ろうと休みながら登って行くと、雨が降り出した。今日は、晴れのはずだったのだが、結局、青空は1回も拝めず。

天子ヶ岳の稜線に出る手前の急坂が辛かった。あまり踏まれていない斜面は、土が崩れて登り辛い。それでも、少しずつ登って行くと、登山道に飛び出した。なんと良い道だろうか。

道が良くなると、急に元気が出てきて、天子ヶ岳にテントを張るのは止めて、予定通り長者ヶ岳まで行くことにする。

長者ヶ岳で、雨に降られながらテントを張る。今日は、大分疲れた。ドロドロになった靴と雨具を脱いで、テントの中に逃げ込んだ。
雨は夜通し降り続け、夜半には大降りになった。この雨の中、あの生まれたばかりの子鹿は、大丈夫だろうか。

■2日目

朝、目が覚めても、まだ雨が降っている。寝坊してゆっくり出かけようかとも思ったが、少しずつ降りが弱まっているので、予定通り4:30に出発することにする。山頂から富士山の腰の部分だけが見えた。

今日は、以前に歩いたことがあるルートで、毛無山まで縦走して下山するだけだ。
長者ヶ岳〜地蔵峠までの道は、私の持っている登山地図では破線になっていて、熟達者と同行のこと、と注意書きまであるが、それは以前の話で、今は実線でも全く問題ないくらい整備されている。

2年前に歩いた時よりも、更に道が整備されていて歩きやすい。雨も上がって、明るくなってきた。周りは新緑に溢れていて、空気が濃い感じ。熊森山、雪見岳、金山と懐かしい山を通って、地蔵峠に着いた。

毛無山までの登りは、荷物が軽くなったお陰か、それほど苦にならない。淡々と登って行くと、懐かしい山頂に着いた。ここは2年程前に、初めてテント場以外で泊まった記憶のある思い出の場所だ。テントの中でシュラフにくるまって長い時間、富士山を眺めたのを思い出す。今日はガスが濃くて、残念ながら富士が見えない。

しばらく休憩してから、下部方面に降りることにした。途中、甲斐金山の跡などを見ながら、延々と下って行くと、登山口に降り立った。家から担いでいった水は2Lほど余った。それで靴の泥を洗い流してから、下部温泉へと向かった。

風情のある温泉街を歩くのも楽しい。下部温泉では、町営の格安温泉に浸かって疲れを取ることができた。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1963人

コメント

johndoeさん、こんばんは
今週はやはり、天気が不安定でしたね、私もテント持って行こうと思いましたが、場所が決まらなかったので、日帰りにしました しかし、3週間休んでしまったので、それでも登りがきつかったです
私が歩いたのは、下り方向で楽をしてしまいました。水8L担いでとは びっくり!ザックは25Kgくらいになったのでしょうか?お疲れ様でした
2012/6/26 22:14
いつもありがとうございます
araigengaさん、こんばんは。今回も記録、参考にさせて頂きました。

今回は、araigengaさんの記録だけが頼りの状態でしたので、ほんと助かりました。誰にも出会わず、静かな山行になりました。

荷物は重かった(それでも20kg位のはず)ですが、どこでも泊まれるので、気持ち的には楽だったと思います。
水は、西沢ー下野の峠付近でも入手できそうでしたので、家から持って行く必要はなかったかもしれません。

天気が予報と違って、少し悪かったですが、梅雨時ですから仕方がないですね。

私は2週間ぶりの山行でしたが、翌日、筋肉痛が酷かったです。

araigengaさんは、またマイナーな山に登られたようですね。奥武蔵方面は、まだ登っていない山だらけなので、参考にさせてもらいます。
2012/6/26 23:16
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら