開聞岳☆夕暮れの山頂へ


- GPS
- 02:24
- 距離
- 6.8km
- 登り
- 783m
- 下り
- 787m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
一般登山道 七合目より上では粗大な岩か多く、下山には注意を要する |
写真
感想
翌日の早朝に登るつもりでいたのだが、霧島連山から思いの外、早くに下山することが出来たので予定よりも大幅に早い時間に鹿児島中央にたどり着く。直前の天気予報では鹿児島は翌朝から雨の予報である。天気は果たして朝から雨が降るのだろうかと天気予報を疑いたくなるような快晴ではあるが、鹿児島のすぐ南の洋上にあるはずの台風のことを考えると、ここが晴れていること自体が不自然なのだ。
しかし指宿方面の列車は出た直後であり、次の列車までの20分ほどがもどかしく感じられる。おそらく登山口から登り始めるのは17時過ぎだろう。なんとか日没までに山頂にたどり着くことが出来ないだろうかと考える。
指宿への列車が鹿児島中央を出てまもなく空はすっかり晴れているにも関わらず、目の前に薄黒い雲が立ち込めている。まもなく列車は濃霧の中を走るようになった。こんな時間に海霧が立ち込めるのだろうか、と訝しげに思ったのだが、それは浅薄な勘違いであった。
列車の周囲を草や自動車の上は灰白色の火山灰が積もっているのを見て気がついた。この海霧のような雲は桜島から噴き出した噴煙なのであった。しばらくすると噴煙を通過したのだろう、あたりの空気はすっかり綺麗になるのだった。振り返ると桜島の上空から錦江湾を横切って噴煙が鹿児島の街に棚引いているのが見える。
指宿の駅前でレンタカーを借り、登山口にたどり着いたのは17時過ぎである。先ほどの霧島連山と異なり、明らかに温度も湿度も高い。それはそうだろう。海抜0mに近いのだから。しかし、それよりもきになるのはあたりの空気の中に漂う濃密な堆肥の匂いだ。
登山道を駆け上がるうちに徐々に堆肥の匂いは薄らいでゆく。樹高の高い林の中を抜けると徐々に樹々の高さが低くなってゆく。五合目の手前でご夫婦が下山して来られるのにすれ違う。すれ違いざまに「これから登られるんですか」と呆れられるが、それは無理もないだろう。
登山道は開聞岳の山腹を螺旋状に登ってゆくためか、勾配はゆるいが、変化に乏しい樹林の景色が延々と続く。五合目でようやく登山道からの展望が開ける。山川のあたりに夕陽に照らされた開聞岳のシルエットが投影されている。展望台を過ぎると再び眺望のない樹林の道が続く。
七合目で再び眺望が開け、長崎鼻と呼ばれる南東の岬が見える。しかし夕陽は山の陰だ。このあたりから登山道には粗大な岩が多くなる。八合目のあたりからようやく登山道に夕陽の橙色の光が差し込むようになる。しかし密集した樹林で眺望は全くきかない。ようやく樹間から夕陽を望むわずかな間隙を見出したのは九合目が近づいたころであった。しかし、太陽は西側の海上の雲の中へと瞬く間に沈んでゆく。
九合目の岩場の展望地に達した時にはすっかり日は沈んだ後だった。西の空では雲が夕映えに輝いている。山頂への登山道にはようやく随所に眺望が開けるようになった。山頂に達すると東風のせいだろう、途端に風が強い。北側には黄昏の中に池田湖を望む。
あとは急速に暗くなってゆく夕闇の中を黙々と下る。低木の樹林の中からは音もなく静かに飛び立ってゆくのは鳥ではなく蝙蝠だろう。七合目の展望地から望む長崎鼻のあたりはほとんど人が住んでいないせいだろう。
あたりが完全に暗くなると、時折、闇の中で蠢く獣の気配がするのは猪だろうか。ようやく二合目の登山口が近づいた頃、登山道に二人連れの人影が見える。驚いたことに先ほどすれ違ったご夫婦であった。暗闇の中を下ることを想定しておられなかったのだろう。スマホのライトで足元を照らしながら歩いている。「大丈夫ですか?」とお声をかけると、ご主人が「家内が足がもつれだしまして」とお返事される。登山口まではわずかに200mほどのところであるが、なんとかご無事に戻られることを祈るばかりだ。再び空気に堆肥の匂いが漂うようになると登山口に帰り着いた。
翌朝、起き出してみると空はすっかり曇天に覆われているものの雨はまだ降り出していない。開聞岳の景色を期待して長崎鼻を訪れてみると、山頂部は笠雲がかかっている。東の大隅半島の方角は空が明るいが、南の洋上には暗い雲がかかっている。開聞岳は山頂部に雲がかかっているとほとんど眺望は楽しめないだろう。やはり昨夕のうちに登っておいてよかったと思う。
やはり台風が近づいているせいだろうか風は強く、波も高いようだ。雲が薄くなることを期待して待っていたが、まもなく開聞岳の周りは雨に烟るのだった。
yamaneko0922さん 今日は。
薄暮に山頂に立つ山登りはした事がありません。下山中どんどん暗くなって行く。私の山の計画では生まれません。
この自由な発想に脱帽です。😌 でも以前の山行を見れば似たような事をされていますね。 それを100名山でされるとは・・・😂🤣
私が見た開聞岳と違う姿を見せて頂いて有難う御座います。山のアプローチの仕方も千差万別。感心しました。目から鱗の心境です。
kol-yosiokaさん コメント有難うございます。今は暴雨風真っ只中の平戸におります。
今回の山行ではkol-yosiokaさんのルートをダウンロードさせて頂いて、登って参りました。つい最近のレコからは色々な情報を頂き、大変参考になりました。kol-yosiokaさんが登られた時のような好展望には恵まれませんでしたが。
翌日の天候があまり良くないとの予報でなければ私も無理にこの時間に登ることはなかったでしょうが、この山は山頂からの景色が醍醐味でしょうから、山頂に雲がかかっていることを承知の上で登るのは辛いですよね。
確かに比叡山では山の上で夕焼けを楽しんでから薄暮の中を一気に駆け下りるということをよくしておりますが、比良では夕陽が見える場所からの下山が容易ではないかもしれませんね。
今度、蓬莱山でしてみようかと思いました。その時には必ずお声がけさせて頂きますので、よろしければ是非、お付き合いください。
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