幌尻岳 額平川渡渉コース

2019年09月17日(火) 〜 2019年09月18日(水)

• GPS: 13:52
• 距離: 31.5km
• 登り: 2,303m
• 下り: 2,260m

コースタイム

1日目

• 山行: 10:00
• 休憩: 0:46
• 合計: 10:46

5:04 第2ゲート
5:34 5:34 奥幌尻橋 登山口
6:42 6:43 北海道電力取水施設
8:41 9:10 幌尻山荘
10:19 10:19 命の水
11:42 11:43 振内・新冠コース分岐
11:49 11:49 幌尻岳
12:38 12:47 幌尻岳の肩
13:25 13:31 幌尻岳
13:36 13:36 振内・新冠コース分岐
14:52 14:52 命の水
15:50 幌尻山荘

2日目

• 山行: 3:05
• 休憩: 0:02
• 合計: 3:07

5:06 幌尻山荘
6:31 6:33 北海道電力取水施設
7:43 7:43 奥幌尻橋 登山口
8:13 第2ゲート

天候

1日目：晴れ、　2日目：曇り

アクセス

利用交通機関：

自家用車

9/16
　17:00 とよぬか山荘
9/17
　4:00 とよぬか山荘発→(シャトルバス)→ 5:00 第2ゲート

コース状況／危険箇所等

■ルート
　歩行にあたって危険な個所は特にありませんでした。行程が長いわりに水場が少ないので、飲料水の確保は計画的に行う必要があります。

■渡渉
　チャレンジした日は天候もよかったため水量も平均的だったのではないかと思います。どのポイントも膝下くらいの浸かり具合でした(当方の身長は172cm)。しかし雨が降ると、パラボラアンテナのように空に向かって開いているカールが雨を額平川に集めてしまい、簡単に増水するそうです。死亡事故も数年に1回くらいは起きているとのこと。額平川コースを選択する際には、往路と復路の日程の天気をよく見極める必要がありそうです。

■クマ
　1500m〜1600m付近で猛烈な獣臭に出くわしました。クマが近くにいた可能性があります。
　帰りの林道では、往路の移動の際に見つからなかった熊の糞を2か所も目撃しました。24時間以内に登山道にクマが来たということです。
　帰りのシャトルバスで林道を移動中、前方にクマを発見しました。林道の左右は崖だったため、しばらくクマとシャトルバスの追いかけっこ状態が続きました。
　今回の山行だけをみても、このようなクマとのニアミスがありましたので、日高山域ではいつ出くわしてもおかしくない状況だと思いました。熊鈴などのクマ対策は必須となるでしょう。

その他周辺情報

■温泉
びらとり温泉ゆから
http://www.biratori-onsen.com/
とよぬか山荘より車で40分ほど。とてもきれいな温泉で、おすすめです。レストランでは平取町名物の牛肉やトマトなどを堪能できます。

■観光
　とよぬか山荘から海の方向に進むと、二風谷コタン・アイヌ文化博物館があります。アイヌ集落の再現やアイヌ人の生活などを学ぶことができます。また、同じ場所にある沙流川歴史館では、平取町の発展の歴史を知ることができます。
　近隣の二風谷ダムは、堤長の低い重力式コンクリートダムで、管理事務所や沙流川歴史館でダムカードを配布しています。

写真

9/16 16:49

とよぬか山荘到着。豊糠小中学校の跡地を山荘として改修し、利用しているようです。

9/16 16:49

平屋の校舎

9/16 18:05

晩御飯はジンギスカン。明日への活力です

9/17 3:44

食堂全景

9/17 3:44

熊出没注意の張り紙。このほかに、渡渉中の事故の記事などが掲載されており、登山者への注意喚起を行っていました

9/17 4:03

翌朝4時にシャトルバスが出発。登山者が記入する山行計画書の裏に記載されていた注意書き。改めて100名山最難関ということに身が引き締まります

9/17 5:04

登山スタート地点。休憩用の仮設小屋とトイレがありました

9/17 5:04

再三にわたる注意喚起。慎重に進もう。。

9/17 5:28

こんな感じの林道がひたすら続きます。泊装備なので荷物の重みが肩にずっしりきます

9/17 5:34

奥幌尻橋

9/17 5:43

切り立った林道を歩きます（歩きながら撮影したのでブレてますね。。）

9/17 6:00

スタート1時間後。国立公園の看板まできました

9/17 6:13

沢の水がきれいです。後にこの川の上流を渡渉することになります

9/17 6:18

たまに沢筋を通過する機会があります。切り立った上流から流れ落ちてます。沢の水の浸食の跡がよくわかります

9/17 6:30

晴れてる？！

9/17 6:33

だいぶ川と登山道の高低差がなくなってきました

9/17 6:37

きれいな朝の日差し

9/17 6:41

北電の取水施設に近づいてきました

9/17 6:42

渡渉の注意書き。数年に1度程度、死亡事故が起きているそうです。雨天時の増水は特に危険だそうです

9/17 6:43

取水施設まで到着

9/17 6:44

ここから山荘まで4kmか。。

9/17 6:48

渡渉前にこのようなへつりポイントがあります。トレッキングポールなどは、たたんでおいたほうが進みやすいです

9/17 6:49

ゆっくり進もう

9/17 7:10

第1渡渉地点。ここで沢靴に履き替えます。同じシャトルバスに乗っていた他の3名の方とここで一緒になり、みんなで渡渉することになりました。全員が本格的な渡渉は初体験ですw

9/17 7:13

私の沢靴。お金を節約するために、ワークマンというお店でhyperVというシリーズの靴を買いました。\3,980なり

9/17 7:16

第2渡渉ポイント

9/17 7:19

同行の方に渡渉の様子を撮っていただきました

9/17 7:28

白波が立っているところは流れも速く、深さも目視で確認できないため危険なようです

9/17 7:37

第3渡渉地点

9/17 7:39

第4渡渉地点

9/17 7:42

ここは橋がありました。流れも速く危険なポイントなのでしょう

9/17 7:43

9/17 7:44

川の右岸を川に入りながら遡上します

9/17 7:45

へつりポイントもありました

9/17 7:48

第5渡渉地点

9/17 7:50

第6渡渉地点

9/17 7:51

第7渡渉地点

9/17 7:52

第8渡渉地点

9/17 7:55

川の右岸を遡上。少しだけ水に浸かります

9/17 7:56

第9渡渉地点

9/17 7:58

第10徒渉地点
浅いところを選んで右岸に

9/17 8:01

第11徒渉地点

9/17 8:03

第12徒渉地点
先行の方々がルートファインディングをやってくれてます。とても勉強になります

9/17 8:06

川の水が緩やかできれいです

9/17 8:06

第13徒渉地点

9/17 8:08

第14徒渉地点

9/17 8:10

第15徒渉地点

9/17 8:12

左岸の浅瀬を通過

9/17 8:15

第16徒渉地点
パーティで進むと、最適ルートの相談などがしやすく、より安全に渡ることができると感じました

9/17 8:18

第17徒渉地点

9/17 8:20

第18徒渉地点

9/17 8:24

第19徒渉地点

9/17 8:27

この植物とピンクのリボンが色が似ていて紛らわしいっ

9/17 8:28

左岸を通過

9/17 8:30

沢の水でできた滝が見えます

9/17 8:35

キノコが群生してる

9/17 8:37

第20徒渉地点
奥に山荘が見えます。往路、最後の徒渉になりました

9/17 8:41

幌尻山荘到着。
一緒に進んだソロメンバー4人で、無事に到着できたことをわかち合いました。
ここからぬれた足を拭いて登山靴に履き替えます。

9/17 9:10

軽量なアタックザックに変更。食事、水2.5L、等を担いで山頂アタックを開始しました。ここから標高差1000m以上登ることになります(^_^;)

9/17 9:46

草藪の間の登山道をひたすら進みます

9/17 10:11

野鳥を見つけました

9/17 10:11

山脈が見えてきました

9/17 10:18

命の水の看板。ここから徒歩で数分のところにあったそうなのですが、水は十分持っていたのでパスしました

9/17 10:37

最高の天気です！

9/17 10:37

ハイマツ帯に突入

9/17 10:43

素晴らしいカールの景色

9/17 11:04

赤く色づいてます

9/17 11:04

登山道ははっきりわかります

9/17 11:16

手前のカールが赤や黄色に色づいてます

9/17 11:24

カールの淵にあたる尾根をずっと登っていきます

9/17 11:31

幌尻湖でしょうか

9/17 11:33

食事中のシマリスを見かけました。きれいに撮れた！

9/17 11:39

山頂に向けて最後の登り

9/17 11:42

頂上が見えてきました！

9/17 11:50

山頂到着！
快晴です

9/17 12:02

パノラマ写真。素晴らしい景色

9/17 12:03

登り途中、尾根筋の左側にずっと見えていたカール。北カールと呼ばれているようです

9/17 12:04

カールの外側。南東方向です。日高山脈の峰々が連なってます

9/17 12:10

山頂で軽く休憩後、幌尻の肩に向けて出発

9/17 12:18

鮮やかな赤です

9/17 12:20

こちらは黄色

9/17 12:28

肩に向けては少々下ります

9/17 12:31

前方に見えるのは大学生の男女ペア。羅臼岳、斜里岳でも見かけましたが、とにかく山歩きが速いっ。あっという間に小さくなっていきました

9/17 12:43

幌尻の肩に到着。尾根の右側が七つ沼カールです。沼が干上がりかけてる？？

9/17 12:46

広角レンズで撮影しました

9/17 12:49

来た道を元に戻っていきます。斜面の色づきがきれい。だいぶ登り返す感じです

9/17 12:51

チングルマと山頂

9/17 13:04

バッタ

9/17 13:28

山頂に戻ってきました。ここから下山です

9/17 13:35

新冠コース分岐

9/17 13:58

日が西に傾いてきてます

9/17 14:19

北カールの沼。一部が干上がってます

9/17 15:03

日差しが強かったですが、徐々に木陰ができてきました

9/17 15:50

小屋が見えてきました

9/17 17:01

無事小屋まで戻り、ビールを堪能しました

9/17 17:35

林野庁のかわいい看板

9/17 17:56

浄水器で明日のお水を確保

9/18 5:14

翌日、日が明けてから下山開始

9/18 5:40

また渡渉の連続です。昨日は晴れだったので、水量も安定しています

9/18 5:57

橋の上流にある滝

9/18 6:30

北電の取水施設まで戻ってきました。沢靴を履いていますが、このまま登山靴に履き替えず、歩くことにしました

9/18 7:12

往路よりも日がだいぶ明るいです。沢の様子がよりわかりました

9/18 7:16

なんと、昨日の往路ではなかったクマの糞

9/18 7:24

クマの糞その2

9/18 7:25

がけ崩れを起こしそうです

9/18 7:26

このカツラの木だけ、赤く色づいてました

9/18 7:32

最初にこの道を切り拓いた人は偉大ですね。。

9/18 7:34

一部が赤い。なんという植物でしょうか

9/18 7:53

秋が近づいてきてますね

9/18 8:11

シャトルバス乗り場への分岐

9/18 8:16

シャトルバス乗り場に戻りました。ゴール！

9/18 8:47

沢靴から登山靴に履き替えてたら、シャトルバスが来ました

9/18 9:52

シャトルバスが林道を走っていたら、クマに遭遇。林道の左右は切り立った崖の形状だったため、しばらくシャトルバスとクマが林道を追いかけっこするように並走状態となりました

9/18 10:18

小学校まで戻りました

9/18 10:56

幌尻岳、また来たいな

9/18 11:22

下山後にびらとり温泉ゆからへ来ました。改修したばかりのようでとてもきれいな設備でした。

9/18 12:03

地元のブランド牛、平取牛で作ったローストビーフ丼

9/18 13:00

二風谷ダム

撮影機器：

Xperia XZ1 Compact SO-02K docomo SONY

EOS Kiss M ボディ CANON

装備

個人装備

長袖シャツ タイツ ズボン 靴下 グローブ 防寒着 雨具 日よけ帽子 着替え 靴 予備靴ひも ザック ザックカバー サブザック 昼ご飯 行動食 非常食 飲料 ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 ライター 地図（地形図） 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS ファーストエイドキット 針金 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 保険証 携帯 タオル ナイフ カメラ ポール シェラフ シュラフカバー 携帯トイレ 熊鈴 沢靴

備考

熊撃退用のスプレーを持っていくか悩みました。林道で逃げ場のない場所などでは熊が襲ってくる可能性もあるので、持っていくべきだったかと。。知床の観光センター等でレンタルできるそうです。

感想

maruhide

　百名山最難関とされている幌尻岳。確かに大変な山でしたが、尾根からの眺望はすばらしく、大自然を感じることができ、とても楽しい山でした。

　この山には3つの攻略ポイントがありました。1つ目はスタートから延々続く長い林道。小屋泊装備を担いで、7km程度の砂利道を歩きます。2つ目は渡渉。最低でも膝までは浸かる川で20回くらい渡渉をしながら、川を遡上します。3つ目は1000m以上の標高差の登山。スタートから10km近く歩いて小屋に到着してから、やっと本番の登山が開始となります。

　これだけの要素をすべてクリアするにはさまざまな備えが必要ですが、天候が良い日を選んでいくことで、成功率が格段に上がると思いました。今回は1週間前に週間天気予報を参考に山行日を借り決めし、宿やシャトルバスの予約をしました。そして、直近の天気予報で再度日程を確認し、より天候の良さそうな日程を狙って予定を1日前倒ししました。当日は最高の天気に恵まれ、楽しい山行となりました。天気が良ければ渡渉の難易度も格段に下がりますし、長時間の行動による体力の消耗も少なくて済みます。

コメント

khoshiko

一緒に行き帰り徒渉させて頂いた者です。
楽しい山行きでしたね。
4人とも初体験の徒渉でしたが、ドキドキからワクワクに変わってとても楽しめました。
詳細な徒渉の写真がとてもいいです。
私は16回かと思いましたが、もう少しあったのですね。

maruhide

Re: 無題
徒渉は本当に楽しかったですね♪ドキドキからワクワク、わかります。私も同じ気持ちでした。
徒渉の数は写真の時系列た川の左右どちらに移動したかで家に帰ってからカウントしたものなのですが、イマイチ自信が持てません。

mtys10416

最難関の山、幌尻岳。
こんにちは！
行きの渡渉ルートではお世話になりました！
たくさん写真アップしていただいてありがとうございます！
また思い出が増えました。
私は七つ沼カール見れなかったのですが、レコで拝見出来て満足です。
そうそう、ケモノの臭いが猛烈だったところ、ありましたよね！
静かに気配を感じとりながら慎重に進みました。
帰りのクマ・チェイスも、あんな緊迫した場面はもうないでしょう。運転手の方もあんなに長い距離を追いかけるのは初めてだったようですよ(笑)

maruhide

Re: 最難関の山、幌尻岳。
こちらこそ、大変お世話になりました。
mtys10416のお話を聞いてみて、七つ沼には行こうと思いましたので、本当にありがとうございます。
最後のクマチェイス、確かに長かったですよね。車に乗り込んだとき、もう動物はいないだろうと望遠レンズ付きのカメラをザックにしまってしまったのは失敗でした(^_^;)
おもしろい経験ができてよかったです。