飯豊連峰縦走201107
- GPS
- 111:57
- 距離
- 39.0km
- 登り
- 3,188m
- 下り
- 3,100m
コースタイム
17日:4:45出発−6:13夫婦清水−8:30丸森峰−10:30地神北峰−12:40門内山−14:08北股岳−14:50梅花皮小屋
18日:4:00出発−4:52梅花皮山−5:26烏帽子岳−7:06御手洗池−7:52天狗の庭−9:07御西岳小屋−11:02大日岳−14:44飯豊本山−15:00本山小屋
19日:4:40出発−5:11御前坂−5:49草草履ー6:16切合小屋−8:00三国小屋−10:00上十五里−11:00登山口−12:00川入−12:30飯豊温泉−山都
天候 | 16日:曇 、17日:晴、18日:曇時々晴れ、19日:雨 |
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過去天気図(気象庁) | 2011年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
|
コース状況/ 危険箇所等 |
GPSがなぜか初日作動していない。北股岳以降しか記録されていない。 丸森尾根は梶川尾根よりアップダウンがやや少なく、ほぼ登り一方。急な登りが続き、5−6時間で稜線に出る。稜線上は距離はあるものの、アップダウンはさほどでなく歩きやすい。ほぼ2時間〜4時間おきに小屋があるので安心だが、皆避難小屋なので、シュラフや食料は運ぶ必要がある。シーズンだけ管理人がおかれる場所が多い。また水場の得られる小屋が多いのも安心。また自炊中心なので予約の必要なないようだ。シュラフは持参になる。日帰りコース以外は荷物が多くなるのがこの山域の特徴だ。最高峰の大日岳は尾西小屋に荷物を置いて往復2-3時間、飯豊本山から川入への下山路は、三国小屋以降、岩場が続くが、長くはなく、それを過ぎれば川入りまで一気に下れる。人数が4-5人以上そろえば、飯豊の湯に連絡すれば送迎があるらしい。今回は川入の民宿にお願いして連絡を取っていただいた。(上の山小屋=切合小屋が高見台民宿と話をするようアドバイスをいただいた) |
写真
感想
初めての飯豊縦走1)
これまで東北や新潟の多くの山に登ったが、なぜか飯豊・朝日連峰は、アクセスが悪く、体力も必要なのでやや敬遠していたが、やはり花のすばらしいスケールの大きい山塊なので魅力的。
特に皇海山山行で鋸尾根途中で見たハクサンイチゲの姿に惚れて、ハクサンイチゲがまだ見られるかもしれない飯豊をターゲットに。台風が南海上に迫っていたが、月曜までは大丈夫そうなので、出発。新宿で小国駅まで切符を買い(帰りの山都ー郡山ー新宿も割引で買っておけばよかったがーー)、大宮から山形新幹線で米沢、米坂線で小国に出た。その前に米沢で次の電車を待つ間、カメラのSDカードを駅付近のスーパーにある写真屋で購入、米沢牛の定食やラーメン屋などを見たが、残念ながら時間がない。駅に戻って昼食の米沢牛弁当を買って電車に向かった。行動食は大宮と米沢で買い足した。
電車の中では数名のハイカーが小国に向かっているようだ。牛飯を半分食べ、半分は明日の弁当に残す。ビールを二本購入したが夕食用に取っておいた。小国駅ではこの人たちのほかに新潟方面からやってくるハイカーのグループも。町営バスはほぼ満員。1時間くらいで飯豊温泉を通過、山荘のある長者原口に到着したのは4時前だ。さっそく天狗平ロッジに入って部屋を確保。想定外の立派な施設で、畳と布団がたっぷりある。着替えて山荘の風呂に入りにいく。500円だ。山荘は二食付きで7500円ほど。ロッジは素泊まりで1500円、風呂代を引いても2食で5500円だ。
風呂帰りに丸森尾根登山口を見るとものすごい急坂。でもロッジのご主人や風呂の中のベテランハイカーの話では丸森は上り一方でアップダウンのきつい梶川尾根よりもやや楽だという。
5時過ぎに食事の準備、すでに二組が準備中。私も白米のレトルトを準備し、クリームスープとボルシチを湯煎で温める。ビールを単独女性に一口分ける。
仙台から来ていたハイカーと話をして、震災の状況や東北の山の様子を伺った。浄土ヶ浜などはかなり被災がひどいようだ。ホテルもその他の施設もなくなって、浜だけは少し瓦礫を撤去して泳げるようにはしたらしいが客はいなさそう。山の多くは上れない場所はなさそう。本山小屋に二泊して写真撮影をしたようだ。 部屋には別のハイカーがやってきたが広い二間に3人だけだった。震災後はハイカーの数は少なくなったとロッジの主人、ここは地元山岳会が管理し、遭難救助の最前線だ。
夜、目が覚めて外を見たら満月が明るすぎて星はあまり見えない。
初めての飯豊2)
早朝3時過ぎに起き、サンドウィッチを食べてすぐに出発。4時少し前だった。急坂を上り始めると先行の女性ハイカー三人が前に。すぐに追いついて先に進む。一時間くらいで視界が開けた。稜線の一部や雪渓の谷筋などが見えてきた。6時13分、二時間強で夫婦清水に到着。まあまあのペース。水を補給し、撮影しながら先を急ぐ。再び苦しい登り。7時半を過ぎると丸森峰が見えてきた。しかしなかなか着かない。8時半、ようやく丸森峰を通過。すでに4時間半たっている。丸森峰の先の雪田で水が出ており、補給。雪田周辺にはショウジョウバカマ、イワカガミなどが咲き始めている。ハクサンコザクラ、イワイチョウも見え始めた。
9時半過ぎ、さらに登ってヒメサユリやチングルマが現れると稜線が近くなる。10時過ぎるとシナノキンバイが、さらにニッコウキスゲがすばらしい。10時半過ぎ、地神北峰に到着,ついに稜線に出た。丸森峰から2時間もかかった。写真を撮りすぎた。最初の女性グループにも抜かれてしまった。女性グループはえぶり差めざして北へ。私は小休止して門内方面に向かう。
10分ほど進むとイイデリンドウらしき花が現れた。ヨツバシオガマ、
ハクサンフウロ、ニッコウキスゲ、ウスユキソウなどの花畑の中を進み、11時過ぎ、地神山通過。さらに雪田とニッコウキスゲ、ヒメサユリなどの咲き乱れる楽園のような稜線を前進し、11時40分過ぎ、梶川尾根分岐を通過、ここでえぶり差方面の頼母木小屋に向かうはずの女性二人が方向を誤って迷っているので、方向が逆で最初の丸森尾根分岐まで戻らねばならないことを教えた。同様の雪と花の稜線をさらに進むと12時過ぎ、胎内岳、12時40分過ぎ門内小屋に到着。門内小屋では水を補給したかったが、雪が多すぎて水が得られない。雪田まで下って雪を融かして沸かすしかない。迷ったが結局、つぎの北股岳、梅花皮小屋まで残りの水でなんとかがんばることにした。門内岳(標高1887m)から北股岳(標高2024m)までは標高差140mだがかなり下ってからの上り返しは楽ではない。いったん下って上り返して最初の1880mピークを越え、再び1840mまで下って、最後の170mの長い登りで14時8分に北股岳山頂に立った。ここから結構厳しいくだりが続き、14時50分過ぎに梅花皮小屋に入った。受付の列ができていた。水を汲みに行って小屋に入ると昨日からいっしょだった数組がすでに夕食の準備をしていた。小屋周辺の花の話をしたら上の岩のあたりに白いチシマギキョウがあるというので行ってみる。たしかに2−3輪だけ咲いていた。また雪渓の上部にハクサンコザクラの大群落があるらしいが、それは見逃した。
飯豊連峰3)
三時過ぎに起き出し、残っていたサンドウィッチを頬張り、4時ころ小屋前で準備体操を終えて出発。烏帽子岳を目指す。かなりの急登に見えたが大したしたことはない。しかし最初は梅花皮岳で4時52分通過、烏帽子岳はさらに先。ここから飯豊の稜線で一番長いコース。朝一番で乗り切るつもり。朝一番に出発したのもそのつもり。4時51分、梅花皮岳通過、下って雪渓付近のハクサンコザクラ、アオノツガザクラなどを撮影し、5時26分、烏帽子岳通過。一時間くらいでシラネアオイが開花している雪田を通過、7時4分、御手洗池を通過し、天狗の庭に7時49分到着。御西岳には9時過ぎに到着。このあたりまではコースタイム通り。ここでお湯を沸かしてカップメンとおにぎりを食べてエネルギー補給し、9時40分くらいに軽装で小屋を出て大日岳に挑む。鞍部まで下るとハクサンイチゲの大群落、軽装なので、前を行く人を追ってスピードを速める。一時間半くらいで11時過ぎ、大日岳山頂に立つ。途中、トレイルランニング選手のような若者がすれ違った。下りは登りで頑張りすぎたせいか、疲れてしまって一時間半近くかかり、12時半に小屋に戻り、一休み。出発後、13時7分、御西岳山頂、13時47分、駒形山通過、飯豊本山には14時44分に到着、飯豊本山小屋には15時過ぎに到着。水場はかなり離れていて、最初道がわからず、いったん引き返して水場から戻ってくる人に道を確認してから水場に出かけた。登山道をかなり下ってから道標のある地点にテント場があり、そこを左に下ってゆくと水場がある。往復で30分はかかった。本山小屋では夕食をとってから夕日の撮影をした。すばらしい日没の光景で空の色合いの変化がこれまで見たこともないようなものだった。
また小屋番の高橋さんはハイテンションで元は新潟生まれだったか、東北・北海道で最初の山岳ガイドになったと自慢げに話をしていた。中日ファンで中日の応援ハッピなどをもってきてほしいとにぎやかに話す。川入の高見台という民宿と懇意にしてそこを足場にしているようだ。これで翌日の飯豊温泉に行く足がかりができた。
飯豊連峰4)
本山小屋は4時までは動いてはいけない決まり。4時になり急いで着替えをして残ったお稲荷さんを三つ頬張り、外に出てみるとガスと雨。急いで雨具をつけて4時40分過ぎ小屋を出発。昨夜テント場に止まった大石ダム方面からきた猛者が私の前を下っている。大きなカメラやテントを含む大きな荷物だが猛烈なスピードで下っている。とても追いつかない。5時11分、御前坂通過、ここから御秘所の岩場を通過、切合小屋から上ってきたグループとすれ違った。5時半、姥権現、5時49分、草草履通過。チングルマの群落を道端に見ながら6時16分切合小屋に到着。ここで水を補給し、小屋番の人に下山道や水場などの注意点を確認。川入に到着した後のバスその他の交通と飯豊温泉に関してアドバイスをいただいた。
切合小屋から地蔵岳への分岐を見送り、三国小屋までは種蒔山(1791m)などアップダウンが結構ある。ここまではまだ誰にも抜かれていない。調子は悪くない。途中、昨日遅く本山小屋から切合小屋に向かった川崎のお姉さんを追い抜いた。こちらが早いのでびっくりしていた。先に下ったテント氏が切合小屋前で休憩していたので挨拶。今日は弥平四郎方面にくだるようだ。三国小屋で、埼玉三人組に追いつかれた。8時前ころだろう。三国小屋からは剣ヶ峰nお岩山の切り立った尾根を越えていく。途中岩尾根の左側に道があるのに、ロープが張ってあったのでそこを反対に右側に下ったらひどいガレ場に出て無理やり下ったらその先で行き止まり。道迷いの踏み跡に入ってしまった。仕方なくもとの道になんとか戻り、ロープの先を見るときちんとした道が左側についていた。再び岩尾根を下り始めると少し先に埼玉三人組を発見、なんとか追いついた。そのときは道迷いのときに追い越されたかと思ったが、考えてみると三国小屋で三人が先に出発したのを今思い出した。
ここから三人組とのつばぜり合い、というよりスピードで勝る埼玉組になんとか大幅に遅れずに後を追って下る旅が始まった。
休憩中に追いついて、途中先に行く場面もあったがすぐに追い抜かれた。地蔵山の分岐を見送り、水場に出た。これはすばらしい水場で、下から上ってきた多くのハイカーが休憩していた。この水場は後から発見されたもので、それまでは地蔵山経由の道しかなかったが、この水場が発見されて登山コースが変わってしまったようだ。ここで9時ころ、やはり午前のバスには間に合わないようだ。横峰小屋跡から一気に下る。上十五里に10時、登山口には11時少し前に到着。一人下山して休憩していたハイカーがいた。川入まで林道を下る。少し進むと観光センターのようなものがあったが、誰もいない。川入には12時近くになった。民宿が見えてきて、高見台という民宿で三人が話し込んでいた。ここがハイテンションの本山小屋の小屋番が懇意にしている民宿で、どうやら飯豊温泉に電話して迎えの車を出すよう交渉している。本来は5人から迎えを出す決まりだが、他の一人は泊まっていた宿に戻ってしまい、タクシーを呼んでしまったので、4人でも迎えが来るようになった。ラッキー、民宿に感謝。ビールを飲み車を待つ。すぐ来たのでビールを飲料水ボトルにつめる。飯豊温泉は20分もしないうちに着いた。ゆっくり風呂に入り、そばを食べ、ビールを飲んで次のバスに悠々間にあった。山都駅はボランティアの駅員しかおらず、大人の休日のカードは使えなかった。やはり事前に買っておくべきだった。会津若松に出て郡山経由で新幹線で帰宅した。
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