尊仏山荘泊(政次郎往復・ホソノノ尾根撤退)
- GPS
- 32:00
- 距離
- 8.9km
- 登り
- 1,431m
- 下り
- 1,434m
コースタイム
- 山行
- 2:32
- 休憩
- 0:47
- 合計
- 3:19
- 山行
- 5:59
- 休憩
- 0:06
- 合計
- 6:05
天候 | 1日目:曇 2日目:快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2019年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
戸沢〜政次郎〜表尾根〜塔:全く問題なし ホソノノ尾根下り:支尾根間違え本沢手前で撤退 |
その他周辺情報 | 秦野のなんちゃって温泉、湯花楽利用 |
写真
装備
備考 | 反省点:ホソノノ尾根下りは、ブランク長く思った以上に記憶が曖昧。沢家さんのものと思われるピンクテープ通りに進んでドツボ。支尾根を3つ東へトラバースして下るが、書策新道に合流しないまま本谷に突入しそうになり撤退。 |
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感想
【プロローグ】
ずいぶん前からK君に依頼されていた『山小屋泊体験』。
腰痛ヘルニアで運動ができなかった3年強を経て、腰が何とか誤魔化せる状態に思えたので、日没〜夜景〜日の出&富士ドッカンの尊仏泊まりと決めた。
2日前に花立さんに電話で宿泊予約。
【一日目】
都内を9時に出発。秦野のなか卯で親子丼の昼食をとり、コンビニで非常食と水を買って戸川林道へ。台風で通行止めだったが通れるようになったことは確認済み。
新茅荘通過して、戸沢のいつものところに駐車。
横には畠山さんの軽バン。丁度歩荷帰りでほぼ素っ裸の着替え中。天神尾根の状況を聞くと、特に水で彫られた箇所はない模様。尾根筋はどこも大丈夫そうだと確信。
K君に「階段は嫌い?」ときくと、「できれば避けたい」とのこと。台風後の状況が全くわからず不安なので、源次郎や書策は避け、政次郎で登ることにする。
バッグは、狭くなった第3〜4腰椎の上から重量がかからないように、第4腰椎より下に重量がかかるウエストポーチのみとし、ツェルトや救急用具、非常用細引きの束や着替えはK君のザックに入れてもらう。この上Wストックで上半身を少し上方向に引っ張る形で患部に重量が載らないように慎重に歩く。
腰を気にしつつかなりのゆっくりペースで表尾根に出る。新大日の茶屋は傾いて崩壊寸前。書策小屋・日の出山荘の次にここを撤去する予定と聞いたのはもう5年以上前のこと。持ち主が健在なら山小屋組合が手出しせず、持ち主に撤去させようということなのか?
新大日〜木ノ又〜塔までの稜線は景観抜群でK君も気に入った様子。ゆっくりペースで登頂し、尊仏小屋にチェックイン。宿泊客が少ないのか、男二人なのに個室があてがわれた。尊仏出の個室は初めて。
二日目の服に着替えたら、あとはスコッチとおつまみ持って一階へ。散々ビールお替りしたところで、K君にサブザックと5Lぐらい入るウォーターバッグ持たせて不動清水まで湧き水汲みに行ってもらう。思ったより時間がかかって心配したが、連ちゃんの台風の雨水がまだ達していないらしく、ほんのチョロチョロしか出ていなかったために摂水に時間がかかったのだという。
しかし、これで天然水がたっぷり手に入ったので、担ぎ上げた必殺つまみの乾燥イチジクで、ウイスキー(Glenmorangie)の天然水割りを延々と飲む至福の時。
花立さんと四方山話。小屋番のF君やWさんの近況を聞くと、なんと二人ともお辞めになったのだという。花立さん曰く「僕もそろそろ辞めたいな〜あとはAさんにやってもらって…」と冗談をかます。
ストーヴの明かりを見ていたら、いつもそこに寝ていたミーのことを思い出した。2代目は飼わないのだという。きっと世話が大変だったのだろう。
台風19号の影響で、裏丹沢や塩水橋のあたりが通行止めなため、なんと現在、蛭とみやまの皆様は大倉からのご出勤なのだという。ご苦労様としか言いようがない。
K君は上物のシングルモルト天然水割を何杯もお替りして、山小屋主人と登山客の会話を楽しんでいた。
5時過ぎにカレーをいただき、ビールと日本酒で〆て就寝。
夜中に外に出るがそれほど寒くない。ガスや雲は完全に退いて満天の星と夜景が美しい。
【二日目】
6時前にK君を起こし、夜明け前の塔頂上からの絶景に間に合わせる。遠景のドッカン富士、冠雪の南アルプス、伊豆の山々、真鶴半島、江の島。近景の檜洞〜臼〜蛭〜棚沢〜丹〜竜〜日高、大丸〜小丸〜鍋〜雨あたりを十分堪能しただろう。
あとになって彼は寝入ってしまって夜景と星空を見なかったことを後悔していた。
朝食をいただき、出発。ピーカンの空。
下りも階段は避けたいということで、天神は即却下。源次郎は花立山荘上までの階段を甘受せねばならないので却下。政次郎往復はさすがに芸がないだろうということで却下。この時点で塔〜戸沢は書策新道かホソノノ尾根〜書策西側のどちらかということになる。
書策新道は台風後に通った人がいるという情報は得ていたし、危険個所は本谷渡った西側なので、書策で下ろうがホソノノ尾根で下ろうが同じこと。というのが脳内結論。
そして4年ぶりにホソノノ尾根を下り、見事にかなり西の支尾根に入り込み、行き詰まることになった。支尾根下端で終わることが確実になるごとに、東へトラバースして隣の支尾根を降りる。台風の水でえぐられて支尾根の脇がオーバーハングのリッペになっているのが確認できると、獣道さえないザレザレの急勾配を木の根を掴んだ四つん這いで這い上がってからトラバース。
慣れないK君は途中のザレ場で30cmほどスリップ。木の幹を掴んで事無きを得たが滑落事故寸前。東へ3つ支尾根をトラバースしたら踏み跡がはっきりし、赤テープのある尾根に到達。やっとホソノノ尾根に乗ったか、と安心して下ったが、右側から轟音の水流音(多分本谷)、左に沢というドン詰まり尾根であることが判明。
このまま下って、最後にえぐれたリッペから沢に飛び降りると登り返しは困難、沢筋に下ると滝があってジ・エンド遭難!となるリスクを考え、K君に無慈悲な一言。「さあ、ここから引き返すぞ。」
ザレ場急斜面の直登で息も絶え絶えとなって木ノ又小屋に到着。
筋肉疲労が酷いが、K君がスリップしたときにサイドポケットのペットボトル1本を谷に落としてしまっているので、持っている水もわずかとなった。
すでに過剰な疲労を伴うアドベンチャーはした後なので、今更書策新道を降りて次のトラブルシュートを乗り越える体力はないため、ここからわずかな水で疲れないようゆっくりと政次郎を降りて車に到達。
戸川公園の自販機で水1ℓずつ飲んで脱水から回復。湯花楽で汗を流した後、なんつっ亭のラーメンで遅い昼食&塩分補給をして東名〜帰京。
結局腰椎ヘルニアは今回の酷い行程でもなんとか耐えてくれていた。
初の山小屋泊を含め色々と貴重な体験ができた旅でした。
一日目は天気も曇りで適度に涼しく、清々しい気分で登りを終え山小屋に到着しました。山小屋では管理している方や宿泊客の方達が良い意味で変わった人たちばかりでとても新鮮に感じました。それとAさんに用意していただいたウイスキーやおつまみは最高に美味しかったです。
二日目の朝は快晴で日の出と富士山をハッチリ見ることができ、後はサクッと降りておしまいだな〜なんて考えていたのですが世の中そう上手くはいかないもので、ザレ場でスリップして怪我したり登り返したり水やタオルを落としたりもして中々ハードな帰り道となりました。ですが、沢に下りずに登りメインの尾根に戻るという一連の流れを無事に経験できたのは良かったと思います。
全体を通してとても実りのある二日間でした。準備や引率をしてくださったAさん、本当にありがとうございました。
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