早朝の南比良は雲の中に☆権現山北西尾根〜アゼチ谷左岸尾根周回
- GPS
- 02:15
- 距離
- 6.0km
- 登り
- 704m
- 下り
- 707m
コースタイム
天候 | 雪のち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2019年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
権現山〜小女郎ヶ池以外は登山道なし |
写真
感想
この日は昼前から出掛ける予定があるので、朝の山歩きを考える。久しぶりの早朝の比良の散策をすろことにしよう。晴天の予報を信じて、ご来迎を拝むに権現山を目指すのことにしよう。平から歩き始めると、空には星が見えている。
この権現山の北西尾根は登山路はないが稜線に出るのには最短コースとなるので、早朝に権現山に登るにはこの尾根を辿るのがほとんどである。尾根の取付きの植林地は昨年の台風21号による倒木の被害で大変な状況であったが、通るたびに徐々に倒木は処理されているようだ。お陰で暗闇の中で何本もの倒木を乗り越えなくてはならない状況はなくなった。
取付きの植林地を過ぎるとしばらくは馬酔木の多い二次林の登りとなる。暗がりの中から鐘の音が谷間に響き渡る。時間を確認すると5時58分であった。6時の鐘を撞いているのだろう。
標高点752mのあたりは尾根のほぼ中間地点であり、傾斜が緩くなるところだ。再び杉の植林地が始まるが、ここも昨年の台風以来、倒木が集中し、尾根筋は歩くことが不可能となった。ここも以前に比べると倒木はかなり処理されたようだ。とはいえ尾根筋にはまだ多数の倒木があり、馬酔木の藪を漕ぎながら北東側の斜面をトラバースする。
倒木地帯を過ぎると、単調な植林地の登りが続くが、倒木はほとんどない。まもなく、足元には薄く積もった雪が現れる。傾斜が緩くなるとアラキ峠からの登山路と合流する。
権現山の山頂直下は一気に視界が開ける。この瞬間の空の色が楽しみだ。しかし、この日は疎に生える樹のシルエットの向こうには鼠色の空が広がっている。山頂にたどり着くと厚い雲の下に琵琶湖が琥珀色の光を放って明るく輝いているのが目に入る。琵琶湖が雲の向こうから湖に差し込む東の空の光を反射しているのだろう。湖の周りには夜の残滓のような街の灯りがわずかに散見する。
雪が薄く降り積もった登山道をホッケ山へと進む。空からは絶え間なく雪が降り始める。琵琶湖の輝きも幻影のように薄暗い霧の中に消えてゆく。
ホッケ山が近づくと辺り一面は白銀の世界となる。雪で足音が聞こえにくくなっているのだろうか、すぐ目の前を鹿が横切る。
蓬莱山への往復は諦めて小女郎峠から小女郎ヶ池へと向かう。池はすでに来春までの長い眠りについたようだ。凍りついた池の水面は真新しい雪で覆われており、真っ白な平地があるだけだ。
池を後にすると西側の尾根に登り、降り積もった雪の中を鹿の足跡を追う。アゼチ谷の源頭部から伸びる尾根を下り始めると、左手の尾根から植林が上がってくる。この尾根がアゼチ谷の左岸尾根である。この尾根は登りに使ったことはあるが、下るのは今回が初めてだ。
尾根を下るとすぐに足元の雪はなくなる。空からの雪も雨に変わる。尾根の形が見えにくいが、北側の植林と南側に広がる自然林の境界を下る。尾根上の展望地からは南西の方向に見える皆子山の斜面に朝陽が当たっている。大原のあたりは雲海に沈んでいるようだ。
下るにつれて尾根の傾斜は緩くなり、自然林の中は紅葉の残り火が見られるようになる。下の国道の濡れたアスファルトの上を通過する車の音が大きくなると林道に着地した。
車に乗って京都への帰路につくと、大原のあたりでようやく雨が上がる。比叡山のあたりも山の上の方は雲の中だ。朝陽を浴びる霧氷の樹々に出会うためにはまた機会を改めることにしよう。
コメント
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yamaneko さん ご無沙汰しております。
朝霧の小女郎ヶ池が神秘的ですね。街なかではまだ紅葉を残すも、山は雪の季節到来ですね。
小女郎ヶ池からの下山ルートは、かなり難しいでしょうか。
平バス停の先あたりに駐車しておられたのなら、(お車を)朝、見て通ったかもしれません(私の行き先はいつもの八丁平でした)。
私は難しいルートを歩くことはできませんが、またバッタリとお会いできるかも、と期待しています。
コメント有難うございます。平バス停の先、丁度、権現山北西尾根の取付きのところに停めておりました。
小女郎ヶ池からの下山ルートは基本的には全くといってもいいほど藪はないので全く難しくありません。この下りに入る前の小女郎ヶ池の西側の斜面から眺める池がとても綺麗です。
もう一つ、坂下に向かって下る尾根もありますが、こちらは尾根末端のコルからの坂下への最後の植林地の下りは地図でも等高線が混み合っており、下降が厳しいので最後は左手の林道に下るのがおすすめです。下から尾根を辿るのも、小女郎ヶ池が視界に入る瞬間は毎回、小さな感動を覚えます。
また山の上で遠からぬ未来にお目にかかれることでしょう。
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