甲武信小屋ウルルン滞在記


- GPS
- 56:00
- 距離
- 16.7km
- 登り
- 1,749m
- 下り
- 1,440m
コースタイム
0935西沢渓谷BS…0959ねとりインフォメーション(トイレ休憩)…1005徳ちゃん新道入口…1137戸渡尾根分岐1144…1311主脈縦走路合流点…1317木賊山…1329甲武信小屋
【復路】
0556甲武信小屋…(巻道)…0603甲武信岳分岐…0625三宝山…0653尻岩…0724武信白岩山…0801大山…0830十文字小屋0839…0858八丁坂ノ頭…0937五里観音…0952毛木平駐車場
天候 | 【1日目】日中は曇り、夜間雨ときどき雷 【2日目】おおむね晴れ、夕方小雨 【3日目】晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2012年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス 自家用車
バス所要時間約1時間、運賃1000円 【復路】地元の方の車の拾っていただき、小淵沢まで乗せてもらいました。 本来であれば、毛木平から梓山バス停まで約1時間半徒歩、その後川上村営バスで JR小海線「信濃川上」駅へ出ます。所要時間約30分、運賃550円です。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
【西沢渓谷〜甲武信小屋】 徳ちゃん新道を利用しました。特に危険箇所はありません。 ハチがけっこう出ます。 【甲武信小屋〜尻岩】 山頂は巻きました。尻岩までは比較的歩きやすい山道です。 【尻岩〜十文字小屋】 岩っぽい場所が時々出てきます。要所要所にクサリがかかっています。 なくても通過できる小さな場所もありますが、利用した方が良さそうな大きな岩もありました。 【十文字小屋〜毛木平】 八丁坂ノ頭までは平坦な道ですが、その先はなかなかの下り道でした。 水で濡れていて滑ってコケたりしました。 その後、川を何度か渉りますが、濡れることはありません。 ピンクテープが下がっているのでよく見ておくとヘンな場所を歩かずに済みます。 |
写真
感想
今回は山登りに行ったワケではありません。
「山小屋のお仕事体験」をさせてもらいに伺いました。
甲武信岳は今年既に2回訪ねているのですが、2回ともテント。
にもかかわらず、小屋番の徳さんが気さくに声をかけて下さり、
前回伺った際にスタッフの皆さんの晩ご飯の席に呼んでいただいたのがご縁で、
今回、小屋のお仕事を体験させていただけることとなりました。
テントがない分荷物が軽いので、差し入れをアレコレ持って行ってみました。
・キャベツ1玉
・トマト、きゅうり、長ネギ ×各3個(本)
・マグロのお刺身1柵
・ベーコン1本
・冷奴お豆腐1丁
・トイレの消臭力3個
・薩摩白波の原酒1本
テントを担ぐことが多かったので、それに比べたら荷物全体は軽かったですが、
1つ1つが重たいせいか、肩と腰に結構きました…。
お仕事でボッカをされる小屋の皆さんは本当にすごいなぁと、歩きながらつくづく思いました。
小屋に着き、差し入れを出して、最初にやった仕事が消臭力の設置(笑)。
前回来た時、トイレの芳香剤が切れていたのを覚えていて、
女性ならではの目線で何か差し入れられたらなぁと思ったのがコレでして。
ここの小屋のトイレはとってもキレイなのですが、
そこに新たに香りが加わってさらに快適度がアップしたなと、一人で満足してました(笑)。
夕方になり、晩ご飯の用意のお手伝い。
私は小さな器にゴボウサラダを盛り付ける係をやりました。
この日は30名弱分を盛ったのですが、不公平なく全てを均等に盛るのに結構神経を使いました。
次にカレーを温めるお仕事。大きな木べらで大鍋をグルグルかき混ぜます。
量が多いと、結構力が要ります。火の傍だから暑い。
こげ付かないようなべ底を擦るように混ぜていると腕が痛くなってきます。
ただカレーを混ぜるだけの作業ですが、意外と力も神経も使うんだなと感じました。
いよいよ食事の時間。4人のスタッフで連携して配膳します。
ご飯を盛る人から皿を受け取ってカレーをかける人がいて、
そのお皿を私が受け取ってトレーに配膳。お客様に一人ずつ手渡します。
これを、滞りなく、こぼすことなく、スムーズにこなし、
お客様に失礼のないよう手渡す、かなり神経を使います。
この日は宿泊客は少ない方だということでしたが、
私はこの作業ですっかり神経を消耗してしまいました(笑)。
全員に渡し終わると、今度はおかわりにやってくる人がいます。
私はそのおかわり要因としてお鍋の前にスタンバイ。
お皿を持ってやってきたお客様にご飯の量を尋ね、盛り付けて渡します。
たくさん出しすぎて残してしまっても勿体無いので、この加減が結構難しかったです。
最後に、食事を終えた皆さんの食器を下げます。
トレーごと持ってきてもらったものを受け取り、食器ごとに所定のバケツへ投入。
これは、油汚れが強いものとそうでないものとで使う洗剤の量が違うからです。
よかれと思って食器を重ねてコンパクトにして下さる方もいるのですが、
山では使う水の量も限られ、洗剤も多量には使えませんので、
できるだけ油汚れは広げないよう食器は重ねないのがベストのようです。
さらに私が驚いたのは、お水を提供した紙コップ。
これは焼却処理しますが、水分が付いたままだと焼却炉の熱量ではうまく燃えないそうで、
一旦水切りして水分を飛ばしてから焼却するんですって。
普段の生活では思いも寄らないようなことも、山ではいろいろ気を遣うんだなぁと思いました。
皆さんの食事が終わったあと、ようやく小屋のみんなで晩ご飯です。
カレーのいい匂いをかぎながら空腹に耐えるのは辛かった!(笑)。
この日は6人で食事を摂りました。テーブルにはご馳走がたくさん!
私が持ってきたマグロや豆腐、トマトも並びました。
料理担当のスタッフさんが腕を振るって美味しい食事をたくさん作ってくれて。
美味しいお酒もいただきながら、楽しい時間を過ごしました。
翌朝は4時起床。
寝ぼけた目を擦りながらキッチンへ行くと、すでにみんな起きて作業中。
5時から食事が始まり、昨夜と同じように4人で連携して配膳します。
食事が済んだ方から食器を下げて下さるのですが、やっぱり朝だからみんな食欲がないのかな…
おかずを残される方が目立って、自分で作った訳でもないのですが少し悲しい気持ちになったりしました。
朝の食器の分別はなかなか細かいです。
茶碗とお椀はそれぞれのバケツの中へ、味海苔の袋は燃えるゴミの箱へ、オレンジの皮と梅干の種は生ゴミの箱へ。
次々とやってくるお客様からトレーを受け取り、すばやく分別するのはなかなか大変な作業。
お客様を待たせる事や、お客様自らにやっていただく時もあって、非常に申し訳なかったです。
その後はスタッフみんなで朝食。
それが終わったら今度は2階へ上がって布団を畳む作業です。
2階は天井が低く、梁があるため腰をかがめて作業しなくてはいけません。
この状態で布団を畳むのはなかなかの仕事です。
お次は1階へ戻って、食堂と玄関の掃除。
朝から結構やることあるんだな…山小屋の仕事って大変だろうとは思ってたけどこんなにとは…
いろんな事を考えながらお掃除していました。
一段落したら、お昼寝したり音楽聴いたりしながら午後まで過ごします。
(その間にお昼ご飯を挟みました)
小屋のスタッフさんと手伝いのボランティアさんが下山したので、
2日目は徳さんともう一人のスタッフさんと3人です。
でもお客様の数も2日目は少なかったので、先輩の指導を仰ぎながら何とかこなしました。
3日目は、バスの時間があるので6時前には出発。
徳さんが玄関先で見送ってくれました。
不思議なご縁で今回お世話になったこと、本当にありがたく思います。
大して力にはなれませんでしたが、「楽しかった」と言ってもらえたことが本当に嬉しかった。
山小屋の皆さんとたくさん話せたし、お客様とのささやかなやり取りも楽しかったし、
山小屋の仕事の大変さを知ると共に、小屋があることのありがたさを改めて感じた3日間でした。
次は何を差し入れようかなぁーと今から思案しています(笑)。
皆さんもぜひ一度、甲武信小屋を訪ねてみて下さいね♪
食器を重ねるのも良し悪しなのですね。
よく私は重ねてますが、これからは気をつけてみます。
山小屋の仕事は、中に入って経験してみないと分からないことが多いと思いますが、その一端を感じることができました。
素晴らしいレコを読ませてもらいました
初めまして、栃木のkomorebiと申します
楽しい体験というよりは、貴重な経験をされたようですね
普段気にしないことも、小屋側の立場にならないと分からないことが分かるんですもんね
これは大変羨ましいことです
コメントありがとうございます!
私も食器は重ねる派です。家でもそうしていますし、
コンパクトにした方がいいと思っていたからです。
小屋の環境によっては気にしないところもあるかもしれませんね。
私はたった3日間しかいませんでしたが、数ある小屋の仕事の中で
その一部分でも知ることができて、とても勉強になりました。
コメントありがとうございます!
前々から小屋の仕事を体験してみたいと思っていたので、
今回は本当に貴重な経験をさせていただきました。
こんな素人を受け入れて下さった小屋の方々に感謝したいです。
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