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Yamareco

記録ID: 21794
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

北岳 3193m

2005年09月10日(土) 〜 2005年09月11日(日)
 - 拍手

コースタイム

9/8(木) 千歳――羽田――甲府――広河原山荘(泊)
   7:50 9;20 15;00 17;00

9日(金) 広河原山荘――大樺沢二俣――八本歯のコル――北岳分岐――北岳山荘(泊)
5;30 8;30 11;30 12;00 13;00

10日(土) 北岳山荘――間ノ岳――北岳山荘―――北岳―――肩の小屋――大樺沢二俣
  5;30 7;15 7;25 8;40 9;20 10;40 10;55 11;30 11:40 13;35

――広河原――甲府(泊)
15;30 16;00 18;05

天候 晴れ、曇り
過去天気図(気象庁) 2005年09月の天気図
コース状況/
危険箇所等
9/8(木)台風14号が早朝渡島半島に上陸し、JALでは羽田発の第1便と折り返しの千歳発の第3便が欠航しただけで、僕が予約していた千歳発の第1便は平常運航した。
甲府から広河原へは、偶々成城大ワンゲル部のパーテイ8人と一緒に、芦安村営観光タクシーに乗り、割安で行くことが出来た。これが丁度9人乗りだったのだ。前夜電話したところでは、相乗りの相手を自分で探せ、とのことだったが、甲府に着いて電話したら、成城大ワンゲル部のパーテイ8人と一緒に乗れ、とのことなのだ。
時間が2時間以上もあったので、指定された信玄の銅像の前で本を読む。
3時10分前、成城大ワンゲル部のパーテイ男女8人が来る。3時出発。
林道に差し掛かると、7月にバスで通った道とは違った所を通っている。
夜叉神に4時少し前に到着。ここのゲートは、午前は11時から、と午後は4時からしか開かないのだ。ここからが南アルプススパー林道のハイライトだ。道は切り立った山の斜面の中腹をトラバースしていて、急カーブとトンネルの連続である。左側、遥か下に野呂川の白い流れが見える。
広河原に5時前に着く。料金は、18000円を9人で割って2000円、バスの料金と略同じだった。
成城大パーテイは、今夜は広河原でテント泊、明日は肩の小屋でテント泊だそうだ。
長い吊橋を渡って広河原山荘に着く。「部屋は、35〜38辺りを使ってください」と実におおらかだ。ハイシーズンを過ぎて、今日は空いているのだ。
この山荘は1階は受付、食堂、調理場などで、2階が部屋だ。これが面白い造りで、真ん中に上り口があり、その周りに「回」の字の形に通路があり、その外側が1間の幅で寝る場所になっている。
夕食は、山小屋にしては豪華で、ビフテキにワインも付いている。朝食は弁当にしてもらう。
山荘のマスターから天気と登山道について説明があり、明、明後日は雨は降らない、台風の後なので落石に注意するように、と。
トイレは和式で、洋式に慣れた僕には少し辛い。
泊り客は、8,9人の団体が2つと中年男のペア2組と僕、全部で20人ほどのようだ。
8時消灯で、9時前には眠り、夜中1回トイレに起き、また眠る。

9日(金) 目が醒めたが外は暗い。時計を見ると3時だ。もう一眠りだ。
目が醒めて時計を見ると4時20分、既にみんな動き出している。
すぐパンを食べる。腹に何か入れないと大が出ないのだ。かといって皆と一緒に朝食を食べてから大に行くと、出発がおそくなってしまうのだ。
みんなが食べている間に大をゆっくり済ませ、弁当を受け取って、外に出る。
今日は大樺沢を直登して北岳山荘まで、標高差約1600m登るのだ。
最初は、昨日のうちに御池小屋まで行って、今日は御池小屋から北岳山荘まで、と思っていたが、夜叉神のゲートの関係と明日は土曜で、北岳山荘は混むので、今日、一気に北岳山荘まで登ることにしたのだ。
団体の人たちが小屋の前で賑やかに待機している。成城大パーテイのテントは既にない。
9人のパーテイが出発して行った。少し不安だが地下足袋で登ることとする。
地下足袋は片方で200g、登山靴だと660gなのだ。
山荘の横から、大樺沢左岸の樹林の中を緩やかに登って行く。9人のパーテイがすぐ前を登って行く。
やや急になったり、砂防ダムがあったり、道が水浸しになった所があったりするが、同じ様な道が延々と続く。ゆっくり登ろう。ゆっくり行っても1時頃には北岳山に着くはずだ。明日はかなりの強行軍だからスタミナを温存しておかねばならぬのだ。
材木を組んだ橋を渡って右岸に移る。対岸に大きな崖崩れが見える。傾斜がきつくなる。
大樺沢の沢音は、仙丈ケ岳の藪沢と同様、大きすぎる。心地よいせせらぎ、というわけにはいかない。大きな岩がゴロゴロしていて、それに、豊富な水量の流れがぶち当たりながら、駆け下って行く。
歩き始めて1時間半、弁当を1/3だけたべる。
樹木の背が低くなり、沢の幅も広くなって、見晴らしがよくなる。
大樺沢左岸の急な登りが続く。北岳のバットレスが見える。今日は岩登りをしている人はいないようだ。
少し上で沢が2つに分かれている。大樺沢二俣だろう。でもなかなか着かない。
9人のパーテイが休んでいる。大樺沢二俣だ。ここまで3時間。出発が30分おくれたが、30分スライドすると予定通りだ。
咽喉だけ潤してすぐ出発。ここからは大樺沢の左俣だ。傾斜がきつくなる。
沢は広くて見晴らしはいい。頂上の方はガスがかかっている。
単調な登りが続く。
沢の水量が急に少なくなり、岩の間を、チョロチョロ流れている。
沢の源頭に来て、すぐ上が尾根のようだ。八本歯のコルだろう。急な崖の要所々々に木の梯子がかかっている。
ガスがかかり、風も強くなって、寒くなってきた。
梯子を10本ぐらい登ったろうか、やっと八本歯のコルに着く。ここまで来れば、9割方登ったことになる。時計を見ると11;30。予定通りだ。
ここはコルと言うより、尾根という感じだ。でもガスで視界は良くない。左の方は池山吊尾根に続いているようだ。風が益々強くなってきたので雨具を上下とも着る。
大きな石の積み重なりの上を、ルートを探しながら登って行く。
北岳・北岳山荘の分岐点に着く。左の道に入って北岳山荘を目指す。後は山荘まで緩い下りだ。道は尾根の東側に付いていて風も当らない。
やがて道は尾根に出て、やや急な下り坂となる。
間のなく、正面下方に、ガスを透かして赤い屋根が見える。北岳山荘だ。
北岳山荘は建物に似合わず、玄関は貧相だ。早速受付をする。今日は空いているようだ。
部屋は2階の「農鳥」B1だ。水は1リットルまで無料。
夕食まで時間があるので一眠りしたい。マットレスと厚い毛布が3枚ある。1枚はマットレスの上に敷く。横になると頭が少し痛い。たいしたことはないのだが、軽い高山病のようだ。首や後頭部を揉んだり、深呼吸をしてみるが効果はない。
やがて部屋に人が入って来て、7人、満員となる。
隣は70歳で、この辺の山に詳しい。以後Aさんという。明日は農鳥岳の方へ縦走するという。向かいは30前後で、静岡県境辺りの山で、道の付いていない山に登っているそうだ。
明日は僕と同じコースだ。以後Bさんという。その隣が、昨夜広河原山荘で一緒だった中年のペア、Cさん、Dさんだ。今日、肩の小屋から北岳に登った。明日は間ノ岳を往復して八本歯のコルの方から降りるという。
5時夕食。食堂に集合。ざっと数えたところ、泊り客は24,5人だ。食欲はまあまあだ。
7時前の天気予報の時だけ、テレビが入るそうだ。それまで部屋では話が弾む。とくにAさんとBさんが意気投合。僕も時々話しに加わる。
天気予報が始まった。山梨県全域明日は晴れ曇り、夜、所により雨。長野県南部も雨は降らないようだ。でも今は、外では風が唸っていてちょっと心配だ。
8時消灯の前に寝床に入る。眠れない。頭は相変わらず痛い。眠れないのは、体がそれを必要としていないのだ、眠れなくても横になっておれば眠ったのと同じ効果があるのだ、などと自分を慰める。そのうちに風邪の漢方薬を持って来ていたのを思い出す。早速呑んでみる。少し経ったら、少し楽になった。もっと早く気が付けばよかったのだ。
3000m級の山小屋に泊まる時は、やはり高山病対策が必要なのだ。
そのうちに、熟睡とはいかないがうとうとした。尿意で目が醒めた。1時前だ。3時間は眠ったろう。後4時まで、3時間寝れば十分だ。Aさんの鼾が気になる。耳栓をする。

10日(土) 目が醒めた。頭は少し痛いが、寝覚めはまあまあだ。みんなまだ眠っている。下の調理場では音がしている。時計を見ると3時50分だ。窓の外を見る。真っ暗な空に星が瞬いている。オリオン座がはっきり見える。嬉しくなって来た。
弁当は4時から渡す、といっていた。4時、受付で弁当を受け取る。早速ロビーで食べる。まだ誰も起きだして来ない。山荘の人がストーブをつけてくれる。
弁当は半分だけ食べて部屋に戻る。
みんな起きている。僕も布団を片付け、荷物の整理をする。間ノ岳へは空身で行くから、大部分の荷物はここに預けるのだ。
窓から、少し明るくなった東の空、そして真っ黒な富士山が見える。
早くにトイレを済ませよう。
5時、朝食が始まった。僕だけ部屋に残って、窓を開けて写真を撮る。彩雲が綺麗だ。
再度トイレに行く。
準備をして外に出る。5;15だ。日の出が近いようだ。山荘の裏で日の出を待つ。
東の空が益々明るくなって、雲海の上に富士山がくっきりと浮かんでいる。
太陽の上端が顔を出し、その火の玉が段々大きくなり、真ん丸い球になった。
余りゆっくりもしておれない。今日は間ノ岳を往復して、北岳に登って、肩の小屋を通って、広河原まで降りるのだ。広河原へは最終バスの16:30までに着きたい。
標高差は登りが 300+300=600(m)、降りが 300+1650=1950(m)だ。
5;30、間ノ岳目指して出発だ。既に中白峰の頂上近くを歩いている人もいる。
風が強くて、鼻水が出るが、ズボンの下に股引、上はフリースを余分に着たので問題はない。
ゆっくり登っていると、Aさんが追いついてきた。話をしながら一緒に登る。
そのうちに高年の男性(以後Eさんという)が一緒になる。彼はAさんと同じ、農鳥へ縦走するという。傾斜はきつくはない。頭も痛いというほどではないが、空気が薄いせいか結構辛い。
尾根の西側からの風に乗って、時々ガスが押し寄せてくる。とその時だ。自分のブロッケンがはっきり見えるではないか。これは珍しい。全くの幸運だ。ガスが通り過ぎるとすぐ消えてしまった。これは前に霧があり、後ろから日が射すときに起きる気象現象なのだ。
中白峰を越えると、ドッシリとした間ノ岳が横たわっているという感じだ。
先ほど追い越して行ったBさんがもう降りてきた。Cさん、Dさんが追い越して行った。
すっかり明るくなって、左手に富士山が綺麗に見える。鳳凰三山も見える。これで北アルプス、中央アルプスが見えれば最高だが、それは贅沢過ぎる、というものだろうか。
間ノ岳山頂に着いた。7:15だ。1時間45分で来たことになる。予定以上にいいペースだ。僕は少しおくれたので、AさんとEさんは既に写真を撮り終え、間もなく出発して行った。
山頂には僕とCさん、Dさんだけになった。Cさんにシャッターを頼む。フードを脱いだ時、帽子を飛ばされた。Dさんが親切にも、僕が拾ってくるからそのまま写しなさい、と。風はかなり強かったのに、帽子はすぐ掴まったようだ。この山は、山頂も略平らなのだ。
風が強いので、僕は咽喉を潤しただけで引き返す。
下りは楽だし、早い。山荘には8:35に着く。
玄関で足袋を脱いでいると、見かけたことのある若者が入って来た。思い出せないでいると、「甲府からタクシーで一緒でした」。「ああ、成城大学の・・・」。
彼らは予定通り、昨夜は肩の小屋でテントを張って、今朝、北岳に登って、今ここに着いたのだ。これから間ノ岳に行ってそこで昼食、今夜はここで泊まるようだ。
弁当の残り半分を食べ、トイレにも行き、記念のバッジを買って出発。9:20だ。
尾根に出て、鐘を撞いて、これまでの無事を感謝し、これからの安全を祈願する。
行く手には北岳が、ピラミダルに、そして雄大に聳えている。傾斜が段々きつくなる。
暖かくなったので股引もフリースも脱ぐ。風があるので汗も出ない。
八本歯のコルへの分岐点に着く。高度計を見ると3100mだ。あと100m弱だ。
振りかえればどっしりした間ノ岳と北岳山荘の赤い屋根が印象的だ。
頭が少し痛くなってきた。胸も少し苦しい。無理は禁物だ。ゆっくり、そして少し登って休む、その繰り返しだ。
ついに頂上の標識が見えてきた。この辺の山独特の、木柱に木の円盤を4,5枚打ち付けて、串団子の形だ。3192mと書いてある。でも少し行った所が少し高いようだ。するとそっちから高年男性がやって来て「あそこだ3193mだよ」と。そこが本当の頂上のようだ。
そこはちょっとした広場で、6,7人の登山者が休んでいる。大きな看板があり、確かに3193mと書いてある。これまで見たどの本でも、北岳は3192mとなっていた。一体どうなっているのだ。
南アルプス辺りに留まっていた雲が押し寄せて来た。間ノ岳はその雲に覆われてしまった。
山荘で、成城大パーテイのリーダーに「間ノ岳で昼食、大丈夫ですかね」と訊かれて、「大丈夫だと思う」と答えたが、少し心が痛む。先ほどまでは晴れていたのだが。
雲はここにも押し寄せてくる様相だ。早く下りることにしよう。
ベンチで寝ていた若者がむっくり起きた。肩の小屋への道を確認しようと思って話し掛ける。すると彼、左手で耳を指差し、右手の掌を向けて「NO!NO!」の身振り。耳が不自由なのだ。何かと不自由だろうに、ここまで1人で登ってきたのだ。
行く手左に尾根が下がっているが、肩の小屋へは北峰を越えて、真直ぐ下がって行くのだ。北峰を越えて少し行くと、すぐ下に肩の小屋が見える。急な斜面をジグザグに下って肩の小屋に着く。小屋の前のベンチで、2人、3人と、全部では10人ばかりの人が食事をしたりしている。
水道がある。1リットル100円也。ここは標高3000m水は貴重品なのだ。水を補給し、序でに歯を磨く。トイレもチップ100円。トイレにも少なからぬ金がかかるのだ。
11:40、出発だ。ここから大樺沢二俣まで2時間、そこから広河原まで2時間として、
広河原には15:40だ。16:30の最終バス(平日は16:00だが)に十分間に合う。
小太郎尾根分岐らしき所で人が休んでいる。そこまでは略平らである。見晴らしも良く、悠々、漫歩気分である。道端にはまだ結構花が咲いている。
小太郎尾根分岐で休んでいた人たちがやっと動き出した。間もなくその人と擦れ違う。高年者だ。小太郎尾根分岐に着く。下から中年、高年のペアがやって来た。ここまで来たらもう安心、という様子である。
僕は休まずに、大樺沢二俣を目指した。道は豹変して、いきなり急な坂だ。しかもこれが大樺沢二俣まで延々と続くのだ。
暫らく降りたところで、下から賑やかな声が聞こえる。中高年約10人の男女だ。
「今日はどちらまで?」。「肩の小屋です。あとどれぐらい?」。「僕が下りるのに40分かかっているから、1時間と少しでしょう。もうすぐ尾根です。尾根まで出ればあとは楽ですよ」と。
間もなく御池小屋への分岐点を通過。1人、2人また1人という感じで登ってくる人と擦れ違う。朝、広河原を経つと、今丁度この辺りなのだろう。僕も昨日は、今頃、八本歯のコル辺りで喘いでいたのだ。
下れども下れども大樺沢は遠い。
弁当を食べる。実は、Aさんから弁当券をもらって、山荘を出る時引き換えものだ。Aさんは朝出る時、引き換えるのを忘れ、それを間ノ岳へ行く途中僕にくれたのだ。
やがて沢音が聞こえ、沢も見えてきた。だが大樺沢二俣はまだ遠い。
甲斐駒ヶ岳で、駒津峰から仙水峠へ降りる時、丁度こんな感じだった。
やがて沢音が大きくなり、沢もすぐ下に見えてきた。
小広い原っぱがあり、人が草の上に寝そべっている。
高年のカップルが登ってきた。奥さんはまだ中年境界という感じ。「上はどうでしたか」と訊かれ、暫らく立ち話をする。
再び林の中に入って、暫らく下ると左手に白い箱型のトイレが見える。大樺沢二俣に着いたのだ。13:35、予定より5分早い。
若いカップルが、議論をしている。山のことではなく、趣味のことのようだ。
左俣の方から若者が5人やって来て、休まずに下って行った。僕も、先ほど休んだので、後について行く。
殿を歩いていたリーダーが「先に行ってもらって」と。「僕もゆっくりだから・・・」と断ったが。「どうぞ、どうぞ」と言うので、先に行く。
5人は確実に後について来るので「少し休むから・・・」と言って道を譲る。
咽喉を潤し、登る時撮らなかった、花の写真を撮る。
やがて左岸から右岸に移る橋にさしかかる。先ほどの5人の若者が休んでいる。ある者は川で顔を洗い、ある者は寝そべっている。人によってはかなり疲れているようだ。
暫らく下ってまた左岸に移る。傾斜が緩くなってきた。
高年男性が追い越して行った。彼は竹の杖をついている。珍しい。話しをしたいと思ったが、瞬く間に距離を離していった。
やがて御池小屋への分岐点に着く。竹の杖の人が休んでいる。「その杖いいですね」。「山登りはこれに限りますよ」。「僕も道内で登る時は専ら竹の杖を使っていますよ」。
友を得たり、という気分だ。
野呂川の対岸の山が、木の間越しに近くなり、広河原はもうすぐだ。
15:30広河原山荘に着く。登山靴と預けていた荷物を引きとる。水道で歯を磨き、水を補給する。ここは河原だから水は豊富だ。
5人の若者が下りて来た。「何処の大学?」。「中央大学です」。「山岳部?」。「それほど硬いものじゃありませんよ」と。グループで気軽に来たのだろう。
荷物を纏めて、吊橋を渡ってゲートの所まで来ると、バス会社の人がいたので、ここでは乗れないのか、と訊くと、この先200mの所が乗り場だ、と。やはりこの前と同じだ。
時間を確認すると、4時にもある、まだ間に合う、と。予定より30分早いバスに乗ることとなった。バスは、通路を挟んで入り口側は座席が1列の中型だが満員で、最後だったのでかろうじて座ることができた。
夜叉神に16:40到着。ここで半分以上の客が降りた。ここまで自家用車で来る人が多いのだ。7分待ち合わせて、16:47出発。甲府へは18:05には到着。
コンビニで食料を買う。牛乳は少し高いが、無調整の1リットルパックを買う。水分の補給と快便に最適なのだ。
疲れてはいたが、クーリングダウンを兼ねてホテルまで15分ぶらぶら歩く。
ホテルと言っても、INで探した最低のビジネスホテルで、料金は2900円だ。ここは平日は3300円、土日祝は2900円だ。山小屋のことを思えば、バス、洋式トイレ、クーラーが付いていて、1人ゆっくり寝れるのだから有難いものだ。
期日前投票は済ませて来たのだが明日が投票日だ。世論調査の結果では、自民大勝、民主惨敗のようだ。
北岳と北岳山荘。
北岳と北岳山荘。
ホトケノザ(?)
ホトケノザ(?)
ヒメコゴメグサ。
ヒメコゴメグサ。
リンドウが珍しく開いていた。
リンドウが珍しく開いていた。
間ノ岳と北岳山荘。
間ノ岳と北岳山荘。
北岳山頂にかかった雲が赤く染まっていた。北岳山荘から。
2005年09月10日 05:26撮影 by  PENTAX Optio 550, PENTAX Corporation
9/10 5:26
北岳山頂にかかった雲が赤く染まっていた。北岳山荘から。
2005年09月10日 05:26撮影 by  PENTAX Optio 550, PENTAX Corporation
9/10 5:26
写真2;間ノ岳と北岳山荘。北岳山頂から。
写真3;?
写真4;ホトケノザ(?)
写真5;リンドウ。珍しく、開いていた。
写真2;間ノ岳と北岳山荘。北岳山頂から。
写真3;?
写真4;ホトケノザ(?)
写真5;リンドウ。珍しく、開いていた。
間ノ岳から見た仙丈ケ岳。カールが見える。
間ノ岳から見た仙丈ケ岳。カールが見える。
北岳山荘付近から見た甲斐駒ケ岳。
北岳山荘付近から見た甲斐駒ケ岳。
北岳山頂から登って来た方を振り返る。左が崖になっていて、バットレスといわれている大壁に続く。
北岳山頂から登って来た方を振り返る。左が崖になっていて、バットレスといわれている大壁に続く。
山頂の風景。10人ぐらいの人が寛いでいた。写真に写っている空は晴れているが、反対側からガスが押し寄せて来て、間ノ岳は既にガスに覆われていた。
山頂の風景。10人ぐらいの人が寛いでいた。写真に写っている空は晴れているが、反対側からガスが押し寄せて来て、間ノ岳は既にガスに覆われていた。
北岳は3192mの筈だが、この看板では1m高くなっている。
北岳は3192mの筈だが、この看板では1m高くなっている。
肩の小屋。北岳の北側の直下にある。標高約3000m。
肩の小屋。北岳の北側の直下にある。標高約3000m。

感想

(間ノ岳からつづく)玄関で足袋を脱いでいると、見かけたことのある若者が入って来た。思い出せないでいると、「甲府からタクシーで一緒でした」。「ああ、成城大学の・・・」。
彼らは予定通り、昨夜は肩の小屋でテントを張って、今朝、北岳に登って、今ここに着いたのだ。これから間ノ岳に行ってそこで昼食、今夜はここで泊まるようだ。
弁当の残り半分を食べ、トイレにも行き、記念のバッジを買って出発。9:20だ。
尾根に出て、鐘を撞いて、これまでの無事を感謝し、これからの安全を祈願する。
行く手には北岳が、ピラミダルに、そして雄大に聳えている。傾斜が段々きつくなる。
暖かくなったので股引もフリースも脱ぐ。風があるので汗も出ない。
八本歯のコルへの分岐点に着く。高度計を見ると3100mだ。あと100m弱だ。
振りかえればどっしりした間ノ岳と北岳山荘の赤い屋根が印象的だ。
頭が少し痛くなってきた。胸も少し苦しい。無理は禁物だ。ゆっくり、そして少し登って休む、その繰り返しだ。
ついに頂上の標識が見えてきた。この辺の山独特の、木柱に木の円盤を4,5枚打ち付けて、串団子の形だ。3192mと書いてある。でも少し行った所が少し高いようだ。するとそっちから高年男性がやって来て「あそこが3193mだよ」と。そこが本当の頂上のようだ。
そこはちょっとした広場で、6,7人の登山者が休んでいる。大きな看板があり、確かに3193mと書いてある。これまで見たどの本でも、北岳は3192mとなっていた。一体どうなっているのだ。
南アルプス辺りに留まっていた雲が押し寄せて来た。間ノ岳はその雲に覆われてしまった。
山荘で、成城大パーテイのリーダーに「間ノ岳で昼食、大丈夫ですかね」と訊かれて、「大丈夫だと思う」と答えたが、少し心が痛む。先ほどまでは晴れていたのだが。
雲はここにも押し寄せてくる様相だ。早く下りることにしよう。
ベンチで寝ていた若者がむっくり起きた。肩の小屋への道を確認しようと思って話し掛ける。すると彼、左手で耳を指差し、右手の掌を向けて「NO!NO!」の身振り。耳が不自由なのだ。何かと不自由だろうに、ここまで1人で登ってきたのだ。
行く手左に尾根が下がっているが、肩の小屋へは北峰を越えて、真直ぐ下がって行くのだ。北峰を越えて少し行くと、すぐ下に肩の小屋が見える。急な斜面をジグザグに下って肩の小屋に着く。小屋の前のベンチで、2人、3人と、全部では10人ばかりの人が食事をしたりしている。
水道がある。1リットル100円也。ここは標高3000m、水は貴重品なのだ。水を補給し、序でに歯を磨く。トイレもチップ100円。トイレにも少なからぬ金がかかるのだ。
11:40、出発だ。ここから大樺沢二俣まで2時間、そこから広河原まで2時間として
広河原には15:40だ。16:30の最終バス(平日は16:00だが)に十分間に合う。
小太郎尾根分岐らしき所で人が休んでいる。そこまでは略平らである。見晴らしも良く、悠々、漫歩気分である。道端にはまだ結構花が咲いている。
小太郎尾根分岐で休んでいた人たちがやっと動き出した。間もなくその人と擦れ違う。高年者だ。小太郎尾根分岐に着く。下から中年、高年のペアがやって来た。ここまで来たらもう安心、という様子である。
僕は休まずに、大樺沢二俣を目指した。道は豹変して、いきなり急な坂だ。しかもこれが大樺沢二俣まで延々と続くのだ。
暫らく降りたところで、下から賑やかな声が聞こえる。中高年約10人の男女だ。
「今日はどちらまで?」。「肩の小屋です。あとどれぐらい?」。「僕が下りるのに40分かかっているから、1時間と少しでしょう。もうすぐ尾根です。尾根まで出ればあとは楽ですよ」と。
間もなく御池小屋への分岐点を通過。1人、2人また1人という感じで登ってくる人と擦れ違う。朝、広河原を経つと、今丁度この辺りなのだろう。僕も昨日は、今頃、八本歯のコル辺りで喘いでいたのだ。
下れども下れども大樺沢は遠い。
弁当を食べる。実は、Aさんから弁当券をもらって、山荘を出る時引き換えものだ。Aさんは朝出る時、引き換えるのを忘れ、それを間ノ岳へ行く途中僕にくれたのだ。
やがて沢音が聞こえ、沢も見えてきた。だが大樺沢二俣はまだ遠い。
甲斐駒ヶ岳で、駒津峰から仙水峠へ降りる時、丁度こんな感じだった。
やがて沢音が大きくなり、沢もすぐ下に見えてきた。
小広い原っぱがあり、人が草の上に寝そべっている。
高年のカップルが登ってきた。奥さんはまだ中年境界という感じ。「上はどうでしたか」と訊かれ、暫らく立ち話をする。
再び林の中に入って、暫らく下ると左手に白い箱型のトイレが見える。大樺沢二俣に着いたのだ。13:35、予定より5分早い。
若いカップルが、議論をしている。山のことではなく、趣味のことのようだ。
左俣の方から若者が5人やって来て、休まずに下って行った。僕も、先ほど休んだので、後について行く。
殿を歩いていたリーダーが「先に行ってもらって」と。「僕もゆっくりだから・・・」と断ったが。「どうぞ、どうぞ」と言うので、先に行く。
5人は確実に後について来るので「少し休むから・・・」と言って道を譲る。
咽喉を潤し、登る時撮らなかった、花の写真を撮る。
やがて左岸から右岸に移る橋にさしかかる。先ほどの5人の若者が休んでいる。ある者は川で顔を洗い、ある者は寝そべっている。かなり疲れた人もいるようだ。

 北岳ゆ草滑り下り風涼し 大樺沢せせらぎ高し

暫らく下ってまた左岸に移る。傾斜が緩くなってきた。
高年男性が追い越して行った。彼は竹の杖をついている。珍しい。話しをしたいと思ったが、瞬く間に距離を離していった。
やがて御池小屋への分岐点に着く。竹の杖の人が休んでいる。「その杖いいですね」。「山登りはこれに限りますよ」。「僕も道内で登る時は専ら竹の杖を使っていますよ」。友を得たり、という気分だ。
野呂川の対岸の山が、木の間越しに近くなり、広河原はもうすぐだ。
15:30広河原山荘に着く。登山靴と預けていた荷物を引きとる。水道で歯を磨き、水を補給する。ここは河原だから水は豊富だ。
5人の若者が下りて来た。「何処の大学?」。「中央大学です」。「山岳部?」。「それほど硬いものじゃありませんよ」と。グループで気軽に来たのだろう。
荷物を纏めて、吊橋を渡ってゲートの所まで来ると、バス会社の人がいたので、ここでは乗れないのか、と訊くと、この先200mの所が乗り場だ、と。やはりこの前と同じ所だ。
時間を確認すると、4時にもある、まだ間に合う、と。予定より30分早いバスに乗ることとなった。バスは、通路を挟んで入り口側は座席が1列の中型だが満員で、最後だったのでかろうじて座ることができた。
夜叉神に16:40到着。ここで半分以上の客が降りた。ここまで自家用車で来る人が多いのだ。7分待ち合わせて、16:47出発。甲府へは18:05には到着。
コンビニで食料を買う。牛乳は少し高いが、無調整の1リットルパックを買う。水分の補給と快便に最適なのだ。
疲れてはいたが、クーリングダウンを兼ねてホテルまで15分ぶらぶら歩く。
ホテルと言っても、INで探した最低のビジネスホテルで、料金は2900円だ。ここは平日は3300円、土日祝は2900円だ。山小屋のことを思えば、バス、洋式トイレ、クーラーが付いていて、1人ゆっくり寝れるのだから有難いものだ。
期日前投票は済ませて来たのだが明日が投票日だ。世論調査の結果では、自民大勝、民主惨敗のようだ。

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