杁差岳(足の松尾根コース)、運気満会
コースタイム
頼母木小屋7:11-7:4大石山5-7:57西ノ峰-8:29イチジ峰-8:49水場分岐-9:22英三の峰-10:12姫子の峰-11:03足の松尾根登山口
天候 | 両日快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2012年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
乗合タクシーは事前に相談すればある程度の時間融通は可能みたいだ。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山カードは奥胎内ヒュッテへ。 尾根は両側が切り立っているうえ、松の根が登山道を覆っていて歩きずらく終始注意が必要。 松の根に靴が挟まりバランスを崩して転倒したり、雨天時は松の根が滑り易く下山時は更に要注意。 |
写真
感想
「杁差岳」ネットで調べれば調べる程、登山初心者を凹ませる。
足の松根尾根=歩きづらい、滑る、急坂、両側切り落ち、滑落、水場遠い・・・・
こんな難儀そうな山行を決心させたのは、初めての二人行である。
単独行は気軽であるが時として孤独感を惹起させる。
多人数行はワイワイと楽しいがペースとか休憩で調子が狂うことがある。
二人行はある程度両方を一気に解消してくれるはずだ。
【1日目】
予定より早く奥胎内ヒュッテ手前の駐車場に到着した、6:30の乗合タクシーに間に合った。相方がヒュッテと松の根尾根間を歩くのは嫌だということで7:30の特別便をお願いしていたらしい。
既に舗装路を1時間歩くのを覚悟していた当方にとって早くも二人行効果が出た。
ちょっと諦めの早いのとチョット押しが強いのが組んだ結果だ。
確かに乗合タクシーで移動していると諦めが早かったと思い知る。この区間が300円とは驚きである。
足の松根尾根登山口からブナ林の中に踏み込むとまもなく「御用平」の標柱が、この立派な標柱は何のためと思う、歩くこと数分で急坂が現れる。登山道の脇は赤松の大木が見事に林立し、松の根が道の上を四方八方に広がっている。
殆ど平坦路はなく、只々松の根を足場にしたり手すり替りにして登っていく。
登山口から1時間5分程で姫子の峰と呼ばれる東方に視界の広がる場所に着く。
思っていた通りの急登だが、1時間も頑張ってまだ此処と思うと気が沈む、単独なら長い休憩となるだろうが、今日は二人行アウ〜ンで水分補給そこそこに出発。
快晴は嬉しいが尾根道のため日当たりがめっぽう良い、「今日は日焼けするね」の声に気がついて持参したSPF85の日焼け防止クリームを取り出す。30年前の品だが皮膚が剥けたことがないので効いているのだろう。汗で流れてあまり効果がないという説もある。まあ楽しんで焼けたなら仕方がないと思う。
相変らず急登が続き上を向くのが嫌になる。
大きな岩が道を遮っているところが何箇所かあり岩場を通ることになる。ヤセ尾根の切り立った場所なので緊張感が体を硬直させる。慎重に通過する。
登山口から約2時間で滝見場に着く。左手側山腹眼下に滝が見える。滝の上の稜線はアゴク峰ということになる。
滝見場から3分で英三の峰に着く。標高940Mとある。
更に40分程で水場分岐に至る。水場までは往復15分とあるが急坂を往復する元気はない。
英三の峰と水場分岐の途中にヒノド峰の標柱があることになっているが何故か見逃したようだ。
この頃になると相方との会話も極端に少なくなる。
これでもかとまだ急登が続く、登山口から3時間15分イチジ峰に着く。大石山までの登山路がハッキリ確認できる。
水の残量も気になって来た。今日の予定は水場のある頼母木小屋であるが多めに2.0Lを持った、しかし既に0.5Lしか残っていない。
まだ山頂は頭の上だ、小さなアップダウンを繰り返し1時間程かかってようやく西ノ峰に着く。ここからはやや緩やかな道になり、大石山標柱到着11:14、登山口から4:25である。
予定ではここから頼母木小屋に向かうのだが、まだ12時前でこの快晴、相方と相談の結果杁差岳まで行って戻ることにする。これも二人行の効果である。三人だと全員一致でないと気まずい。
杁差岳まで往復4時間、水補給に若干の不安が残るが山頂尾根筋なので、これまでのような急坂はないだろうと安易に考え出発したが、鉾立峰の鞍部まで降り登り返すコースは足の松尾根で精力を使い果たした身には少々厳しい。太腿が細かい痙攣を始める。筋肉が硬直する前に芍薬甘草湯を服用しペースダウンして足を進める。
約1時間でようやく鉾立峰に着く、先に進む道は同じような急坂を降りるが帰りを考えるとやや不安になる。快晴で視界良好というのが頼りである。
途中杁差小屋にザックをデポし目前の山頂へ、13:20目的の杁差岳山頂に立つ。
辿ってきた登山道を振り返ると北股岳、飯豊本山が北東方には朝日連峰、西方には二王子岳、その向こうには日本海が薄らと見える、360度の絶景を堪能。
杁差小屋の東斜面を降ると水場があるようだが、かなり降りなければならないようなので止めにして13:45杁差小屋を出発、頼母木小屋を目指す。
小屋は確認できるが、ザット見て峰を四つ超えなければならないと相方は嘆いている。山頂を目指す時と違いとにかく小屋へとゆっくり足を進めているうち、初めからこんなペースで歩いていたら、もう少し体力に余裕があったろうにと遅ればせの反省をする。約1:30で大石山に戻る。これでもガイドの標準時間より早い、もっと歩き方を覚えなきゃ。
鞍部から大石山に登る途中で、東側から西側に登山道を走って横切る熊の黒い尻を見る。あっ!と思ったら笹薮に入ったが笹の音や木が折れる大きな音からして熊に間違いない。
後で頼母木小屋の管理人さんに教えてもらったのだが、大石山にザックを置いて軽装備で杁差を往復するのが良いらしい。思いもつかなかった。
太腿も既にパンパン、痙攣寸前の状態だ。大石山から二本ストックを使い四足状態で歩くことにする。ストックを使うとどうしても歩が早くなるが、脚にかかる負担は軽減できる。
相方は普段からジムでトレーニングしていて足元がしかっりしているし、十分自分のペースを熟知しているので、安心して最後の力を振り絞る。
14:15やっと頼母木小屋に到着。
到着して飲んだ小屋の水が身に滲みる。水の有難さを強く思い知る。
小屋には既に四人が到着していた。3人組と独行の人だ。
今日はこれだけかなと思っていたら、足の松尾根を一人登ってきたという人が到着7人が宿泊することになった。
たったこれだけの人数でも山好き者は超個性派が集まる。
山で酒を飲むのを楽しみに登る人もいる。
地元に住んでいて月に数回山に登るが、杁差周辺と二王子山にしか登ったことがないとニンマリと語る人。そんなひょんな事から話題が広がっていく。
杁差往復の途中で足が攣りそうになった話をしてたら、マッサージしてくれるという人がいる、お願いしたらこれが本物のマッサージ師、骨盤を調整してもらったらこの上ない心地良さ、おかげで翌朝太腿の痛みは殆どなかった。
隣の人は肉や野菜が入った本格的なトマト料理をご馳走してくれた。
19時過ぎに外に出て見ると、頭上だけがポッカリ空き、満天の星天の川が見える
日本海には黒い雲が浮かび、雷光が何度も輝く幻想的な風景である。
今日は何年か分の幸運を纏めたような運気満会の一日であった。
冷たい缶ビールと相方が大事に背負ってきた日本酒が気持ちよく沁みて眠気を誘う20時就寝
【2日目】
5時起床。昨夜強風が激しい唸りをたて吹きまくり少々不安を感じていたが、外は風もなく穏やかな朝焼けが山を照らし始めている。遠く雲に蔵王連峰が浮かんでいる。残念ながらコンデジには映らなかった。
朝食は昨夜の残り物を温め返し食べ、今日は降るだけという余裕にコーヒーもより美味い。
他の人たちは既に出発準備完了である。
当方はシュラフさえ畳んでいない散らかし放しである。
ほぼ同じ時間に起きたはずなのにこの差はどこで出るのだろう?
水1.5Lを背負い7:10小屋を出発する。
大石山分岐を左折約50分で西ノ峰到着、杁差岳がデカーンと座している。
この辺から急坂となる、西ノ峰から30分でイチジ峰、出発から2:15で英三の峰に着く少し下った滝見場で先に出発した3人組に追いついてしまった。
どうも相方に降り方が上手いなどとおだてられ、調子に乗ってしまったみたいだ。
昨夜マッサージしてくれた方に「あまり急いで降ると脚膝に負担がかかるよ」とやんわり注意された。
正にその通りであまり調子よく下っていると、ちょっとした登りがとてもきつくなるしバランスが悪くなる。
二度程ヒヤットした、一度目は松の根に靴がすっぽり嵌り抜けなくなって転倒、二度目は落差が大きい所で両手を支点にして足を下ろそうとしたところバランスを崩して危うく滑落である。いずれも疲労で身体バランスが悪くなっての事だ。
出発から3:00で姫子の峰、あと1時間だがここからも急坂が続く、慎重に足を運び
11:03足の松尾根登山口到着。小屋出発から3:53だ。
乗合タクシーが丁度待機していてくれ、途中湧水が出ている場所で水を汲み土産にする。何杯飲んでも体が吸収してしまう美味しい水だ。
厳しい山だったが、天候と相方と山で出会った皆さんに恵まれ今まで最高の山行が満喫できた。
帰りは奥胎内ヒュッテで汗を流し昼食を食べて帰路についた。
昨日胎内ダム付近で猿の集団に出会い、帰りももしかしてと期待したが出会わなかった。
4年前の8月6日に同じルート取りましたが。
猛暑の真っただ中、3Lの水を使い切り、熱中症寸前でした(@_@;)。
その分、頼母木小屋は別天地でしたね(*^。^*)
日本海の漁火が良く見え、宴会に花を添えました。
又訪問させていただきます<m(__)m>
どこなんだろう???何て読むんだろう???
そんな私を許してください
それにしても、SPF85!!
今ではお目にかかれませんよ!!
確か、50以上の数値は信用性がないらしく、現在の上限は50です。
学生時代は105とか使っていましたけどね
30年も前のだと、日焼けよりかぶれの方が心配です…
変なところ、気になっちゃいました
bandana55さん こんばんは
厳しい分、達成感も感動も大きな山でした。
これからも[^ェ^] よろしく!
お願いします。
Springさん こんばんは
「エブリサシダケ」と言うそうです。
新潟県に属し飯豊連峰の最北端の山です。
SPF85!!ご存知とは
昔使ったスキーウェアーの間に狭間っていたのでモッタイナイ精神で使用してみました。相方にも写真入りでヤマレコに載せろと言われてしまいました。
今のところ後遺症は出てないようです。
顔の日焼けは斑ですが
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する