【厳冬期】安達太良山



- GPS
- 06:18
- 距離
- 10.6km
- 登り
- 774m
- 下り
- 765m
コースタイム
天候 | 暴風雪・ホワイトアウト |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2020年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特になし |
写真
感想
20200224 安達太良山
今回のこの3連山は元々同行者より安達太良山に登ってみたいので連れて行って欲しいという要望を頂いて山行。
本来の計画では初日に実施する予定であったが、2日目・3日目の予報が良くない為、他の山の入山や同行者の雪へのスキルまた、
下山後の帰宅の時間などを考慮して3日目にアタックをすることにした。
裏磐梯スキー場から岳温泉に移動してスキー場でのビバークとしたが、
この日(23日)の安達太良山の荒れ様はものすごく北西の風がひっきりなしに吹いており、時には30m近くなり、
車の中に居てもとても安心が出来ず横転するのではないかという程であった。
翌朝になり風が止まない時にはそのまま帰宅をしようという話で朝を迎えた。
日の出と共に風は収まり青空が広がり奇麗な朝焼けの太陽をみて、同行者がどうしても入山したい。
行ける所まで行こうという話になり入山することに。
道に着いては前回1月に歩いていて鮮明に覚えているので心配は無かった。
先行者のトレースはあるものの2名程の様である。馬車道を通ると時間がかかる為、、今回は旧道を通って行こうと思うが
旧道は埋まっていた。
馬車道のつづらを登り、勢至平に着く。まだこの辺は天気も良く風はだいぶ収まって来てストレスを感じない程度である。
前回あまりの長さに霹靂とした勢至平の直線道も2回目だからか短く感じる。 分岐の辺りからはくろがね小屋の宿泊者が沢山降りて来る。
上から団体が降りて来る。道を譲って頂き挨拶をすると同行者が、あれ?と言う。
なんと初日22日に西吾妻山の山頂で一緒に山頂探しをしたパーティであった。偶然の再会を喜び合う。
1月にも初日の蔵王山で見かけた方を、3日目の那須岳で見かけたという事があったが今回も同じく1日目に会った方を3日目に再開する事になった。旧友に会ったような感覚でとても嬉しい。 団体は、昨日くろがね小屋に泊まった様である。挨拶もそこそこにお互い先を行くことにした。この先のトレースは安泰である。
くろがね小屋が見える頃には、ガスが少しかかり始めていた。
くろがね小屋から先は森林限界になる為、厳冬期の装いとし、久しぶりに足元にはアイゼンを装着した。
下部はまだ視界が効いていたが上部にあがるにつれだんだんと視界が無くなってホワイトアウトをしてくる。
ふと後ろを振り向くと同行者の他に1名登山者が続いている。
トレースはあるのか無いのか判らなくなってきた頃にはくるぶし上位のラッセルとなる。峰の辻も何となくしか見えない。方角を定めリンデワンデリングを起こさないようにバランスを保ちながらあがる。同じルートを後続の方も続いてくる。
彼は、私のトレースを追いかけているだけで自分の地図で歩いていないことは明瞭だった。
風がだいぶ強くなりはじめの頃に峰の辻に到着した。同行者を待ち後続を待った。
後続の方は、ホームセンタで買ったというワカンを履いていた。安達太良山のピークを目指している様だ。
我々は当初計画では馬の背経由でピークを踏む予定であったが今はもう敗退の様相である。
この先に進むか悩んでいる。と話しかけると、私もここで帰ります。という事で、後続の方は来た方向に戻って行った。
我々もどうするか悩んだが、同行者は自分に行けるならピークを踏みたいと言っている。
ホワイトアウトをしているが、地図や地形、GPSなど装備は十分である。食料もビバーク装備もある。同行者は自分よりもやる気があるようだ(笑)。悩んだ揚げ句、同行者の言葉を信じて進んでみる事にした。山陰に入れば風は落ち着くだろう。
何となくトレースっぽい所を探しながら前回の景色を頭に想い浮かべ進んでみる。ラッセルが酷かったら帰ろう。と心に決めて。
雪面は程良く固まり膝下ラッセルではあるが、重さも無く苦にならない程度である。地形の変化を足で感じながら上部に見える岩稜帯に自分の位置を決めて進む。上部にあがれば稜線に出て登山道に合流することは判っていた。が稜線に出るとものすごい風雪に晒されるだろうという事も判って居た。なのでその中間をとり歩き易い所を選び、目印を見つけ歩いていく。稜線に出ては居ないが雪も大分強くなってきてサングラスが曇る。サングラスを取ると視界は広がるが、目に雪の礫があたる。何とも厄介だ。
稜線手前は急な斜面とそうでないところがある。急な斜面を通り同行者が滑落をするとそれこそ一環の終わり。なので緩斜面を選びながらあるく。当然高度は上がらず晒される時間は増える。同行者の様子を見ながら距離を測り、足場の良い所を選びながら少しずつ高度をあげて行く。
ふとガスが一瞬薄くなった瞬間を見てすぐ上に切れ目がある事を確認した。稜線だ!。やった。助かった!!!。
10m程度だろうか、直登をして稜線出た!稜線上は予想通りものすごい風雪である。が幸いそこまで寒くない。
後続を待ち現在位置を告げ、GPSで現在位置を確認する。ピークのすぐ直下に出れたようだ。
あと少しで山頂だ!
と同行者に告げ活を入れピークを目指す。完全に登山道上であった。一か所悪場を乗越すと上部に標柱らしきものが確認した。
ここで先頭を交替して欲しいと同行者に告げる。
同行者はこちらの思惑を知っていたかのように
あれが山頂じゃないですか!
と。行きます!! と先頭に立った。そして交代して3分も経たない内にピークを確認した。
やった!。2人でガッツポーズ。登頂出来た。お互いが持てる力を出した登頂の様だった。
山頂は一段と風雪が強く立っているのもままならない。急いで記念撮影を行い下山を開始する。
これも又足場の良い所を選びながら。一段降りたところに標柱があるのは知っているのでそこにたどり着けば後はまっすぐの道を降りればスキー場に着けることは判っていた。一段おりるが、標柱らしきものは見えなかった。間違えた方角にきているのだ。
登り返して別の角度から降りようとするが良い降り口が見つからない。
もう一度降りなおして少し高度を下げると南面に行けそうな道があったのでその道をトラバースすると標柱が見えて来た。
よし!これで下山が出来る。 と下山道がビクトリーロードのように見える。視界も上部に比べだいぶ良い。なんといっても風が影になる為上部程無いのが一番の救いである。左手に柵も見えているのでこれを目標にたどって行けばよい。まさに水を得た魚のようにガンガン進み高度を下げていく。たまにテープも出て来る。200m程下げて登山者のトレースも出て来た。ここまで来ると風も大分収まって来た。恐らくここまで薬師岳経由でみんな登ってここから先の難路にみんな敗退をしていたのだろう。ここで一本立てる。
ここまで降りてこれた事をお互い喜び会う。下山迄はあと少しといったところ迄来れた。
アイゼンを外し、スノーシュに履き替える。休憩もそこそこに先を進む事に。すると下から2名の登山者があがってくる。
上の様子を聞かれたので、風雪が強くトレースが無い事を伝えた。
彼らが地図やGPSを持っていることを確認して別れた。時間的にも登頂は無理じゃないかなと思いつつ…
我々は順調に高度を降ろし薬師岳に到着。
おなじみの この上がほんとの空 標で撮影をする。丁度ここでも1名の登山者が居たので写真を撮って頂く事に。こんなに天気が悪いのに結構いるもんだなと。人の事は言えないがビックリする。
後はもう消化試合みたいなもので、薬師岳からスキー場に降りる。
前回程では無いがスキー場上部には相変わらず雪は無く草ぼうぼうであった。
同行者と今回の山行の労を労いながら登山口に到着した。
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